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2015年4月 7日 (火曜日)

東京・春・音楽祭 ワルキューレ

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ワーグナー:舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第1日《ワルキューレ》(演奏会形式)
指揮:マレク・ヤノフスキ
ジークムント:ロバート・ディーン・スミス
フンディング:シム・インスン
ヴォ―タン:エギルス・シリンス
ジークリンデ:ワルトラウト・マイヤー
ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター
フリッカ:エリーザベト・クールマン
ヘルムヴィーゲ:佐藤路子
ゲルヒルデ:小川里美
オルトリンデ:藤谷佳奈枝
ヴァルトラウテ:秋本悠希
ジークルーネ:小林紗季子
ロスヴァイセ:山下未紗
グリムゲルデ:塩崎めぐみ
シュヴェルトライテ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団 (ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲
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<あらすじ>
命からがら逃亡中にたまたまお水貰いに入った家の奥さんが自分の生き別れた双子の妹なんてマジウケル~!アリエナ~イ!
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土曜日の公演が取れなかったので、平日に半休取って参戦。今日午後半休取った関東地方の会社員はほとんどワルキューレ行ってると思われる(んなこたあない)。ただでさえ男性人口の多いワーグナーであるが、今日の演奏会は余計そう思えた。見渡す限りおっさんばっかり(ごめんなさい)。しかも、そこらへんのただのおっさんというよりは、なんか重役っぽい感じの方が多かったので、ちょっとした株主総会みたいだった(行ったことないけど)。
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ということで、男子トイレの列はいつもより長く。階段のはしまで続いた。女子トイレは殆ど並ばずすぐに用をたすことができた(バレエとか、プッチーニのオペラだとこうは行かない)。
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さて。
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本日は演奏会形式。このところの演奏会形式のワーグナーはいつも簡単な映像付なものが多い気がする。正直、「いらなくね?」と思う事が多い。ワーグナーの音楽がすべてを語るから、無駄な映像など不要である。何の映像もない飯守さんの指揮するアマオケの演奏会形式のワーグナーがどんなに感銘深かったか。
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しかし・・・。
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それはワーグナーをよく知っていて何回も生演奏に触れている我々だからそう思うのであって、もしかしたら・・・初めてのワーグナーのオペラが、たまたま舞台なしの演奏会形式かもしれない人もいるだろう。もし映像がなかったら、ワーグナーがただ長いだけのクソつまらないものと思われるかもしれない・・・そんなのイヤイヤイヤ!!
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ということで、ワグネリアン人口を増やすため?映像つきの演奏会形式もまあ仕方ないかなと思う。いやなら見なきゃいいのだし。ワルキューレくらいだったら字幕いらないし。
ということで、(簡単な)感想。
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N響のワーグナーはやっぱり素晴らしい。トーキョーリングの初演時のN響が今となっては(私の中では)伝説である。何であんなに良かったんだろう。まあこないだの飯守「パルシファル」の東フィルはとっても頑張っていたものの、大体・・・ワーグナーだと他のオケはあんまり・・・なことが多い(演奏ミス多し)。まあ今回はキュッヒルさんがコンマスってのも何か凄いわねって思う。嫌でも身が引きしまるってもんでしょ。キュッヒルさん、幕おわったたんびに熱狂している観客を見て、にこにこしてるのがよかったなあ。カワイイ(失礼?)。
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指揮。
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ヤノフスキはやはりヤノフスキ。実はCD持ってないんですけど(ポーランド人だけど、意外と縁がないのねこの人の指揮)、演奏は色々な人の感想を読んだ通り、すっきりさっぱり。しかも突然盛り上がるところでテンポを上げだすので「え、ここから?」と思う。しかし気付いた、あまりにもわたくしは(古式ゆかしい)飯守ワーグナーに慣れ過ぎていたのだと。このすっきりさっぱりも、これはこれでいいのではないか。お陰でワルキューレなのにちっとも泣けず。珍しい。後味爽やか。
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歌手。
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遠くようろっぱやメリケン(と、韓国)からいらっさった歌手の皆さんはそれぞれ素晴らしい。現在のベストキャスティングではないだろうか。
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いまだにW・マイヤー女史が現役でジークリンデ歌ってるってのが驚異であるし。マイヤー様のジークリンデはバレちゃんとの97年の来日公演の時に見聴きしたんだった。綺麗だったな~。歌ももちろん素晴らしかったし。まあ今日はやっぱり年を取った分のもはあったけれど、表現とかはやはり素晴らしく。熱狂的な観客に見せる笑顔は相変わらず美しい。
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ジークムントのロバート・D・スミスは、初めてナマで聴いた(と思う)。でも、実はYouTubeで何度か聴いていて、「これは、私の好みの声だ!」って思ってた。今回大枚はたいてでも(S席だ!)出かけたのはこの人が聴いてみたかったってのもある。期待に違わず美しいジークムントだった(いや声が)。もっと歌唱上熱狂しても良かったかもって思うけど演奏会形式だからね。
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ブリュンヒルデのキャサリン・フォスターは、以前飯守さんの指揮で第3幕だけ鑑賞。相変わらずデカイなあと。近頃スタイリッシュなオペラ歌手が多い中、女性で「体が楽器」っていうのをこんなに実感させる人も珍しい。ブリュンヒルデというよりちょっとしたファフナーみたいである。以前の歌唱は実はさほど覚えてないのだけれど、表現に深みが増したのでは?という印象。普通にイメージできるブリュンヒルデっぽい声だなと。
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フンデイングのジム・インスン。韓国人って凄いバス歌手が多いけど何でなんだろう(テノールはいないのかね)。巨大な声。憎々しい演技。こんなに憎たらしいフンディング初めて見た。素でそういう人なのかしらって思っちゃうくらい。凄い。また聴きたい。
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フリッカのクールマン。この人が一番ブラボー多かった。だが何と言うか・・・ワーグナーっぽくない・・・イタリアオペラみたいな。エボリ公女みたいなフリッカ(?)。声そのもので演技している感じ。しかも目に見える演技もすごくうまい。あのドヤ顔でガミガミ言われたらヴォータンもたじたじ。第2幕の公開夫婦喧嘩も(背景の)荒涼とした山々ではなく、なんだかアメリカの映画の中のアパートメントのキッチンで繰り広げられているような錯覚に陥った。
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ヴォータンのシリンスは、安定感はあったもののヴォータンらしさが欠けていた気がする。それが何であるかは、よくわからないんだけど。なんだろう。声はよかったですが。
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ワルキューレの皆さま。1~2幕でさんざん西洋人のこゆい顔の歌手の皆さんを見た後に第3幕でやっと日本人歌手が登場するわけですが、(皆さまお美しかったですが)何か左から、モデルさん、モデルさん、水トアナ、水トアナ、水トアナ・・・みたいな印象。声は私の席からはとてもよく聴こえました(前から5番目だったので)が、5階席とかだったらどうだったろう。
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そうそう、ツイッターなどの情報によると4日の演奏ではどうも演奏後フライング拍手?が起こったらしく(しかも一人だけ?だったので非常にバツが悪く、再び静寂が訪れたらしい)、その教訓を生かして?今日は演奏が終わってからしばらく沈黙が。演奏に圧倒されたというより、みんな我慢に我慢をして・・・という感じだったのは気のせいか。沈黙の間にお腹がきゅるるる・・・と鳴った音が私の周辺2~3人聴こえ。もう、すぐにでも拍手したかったろうな。

拍手は盛大でスタンディングオベーションもあり。ああ、ナマで聴くワーグナーはホントに素晴らしい(しみじみ)。こんなのが聴けちゃう東京に住んでてよかったなあ。
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お昼ご飯に日本橋コレドで食べた漬け丼。おいしゅうございました。夜は高そうなお店だった。
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コメント

こんにちは。naopingさんのワルキューレレポート楽しみにしてました。会場の雰囲気が「株主総会みたいだった(行ったことないけど)」って言うセンスがnaopingさんらしくて脱帽です。所でこのような舞台でキュッヒルさんが笑顔で応えられてるのを見てると、キュッヒルさんの奥様と言うのは、日墺親善の最重要人物と思えてきますね。

確かにこう言う演奏会形式だと、初めての人にはジークムントが死んだのやらフンディングが死んだのやら、さっぱりわからなさそうですね。まあ、ほとんどの客には説明不要でしょうけど。

確かにシリンスのヴォータン、容姿はいいけれどもヴォータンと言うキャラのアクの強さに負けてるんですね。いい人、ってだけではヴォータンは演じきれないと言うか。でも、いい声は出てたと思います。

仰る通り、4日の演奏終了時には左後方のほうで一人で盛大に拍手をしかけた人がいたのですが、感心なことにつられる人は他に一人もいなかったので、美しい余韻まで十分に味わえました。あの沈黙でお腹が鳴ったら焦るでしょうね。本当に素晴らしいワーグナーの演奏会でした。
http://blogs.yahoo.co.jp/ritsuo530/63024559.html

投稿: grunerwald | 2015年4月 8日 (水曜日) 19時02分

>>grunerwaldさん

こんばんは。
おお、4日の回に行かれたのですね(券取れてうらやますい)。私の出掛けた昨日はお天気が悪くて、桜を楽しみにしてたのに悲しかった。しかも外でファンファーレやると思って待機してたら、建物の中での演奏がかすかに聞こえて、それもちょっとマヌケで悲しかったです。

キュッヒルさんの奥様がウィーン料理をふるまっているのを前に何かのテレビで見ました(ウィーナーシュニッツェルだったかな?)。ウィーン・フィルの団員は結構日本人の奥様が多いと聞いておりますが、どうやって知り合うんでしょう。来日公演時のパーティとかかしらん(←想像)。

4日は飯守さんがいらしていたそうですが、飯守さんはあの演奏をどう思われたかな。私は飯守さんとは方向性が真逆な演奏という印象でした。

それにしても、今回のワルキューレはよかったですね。まあ、ホントに厳しく言えばシリンスはもうちょっとアクの強さがあったらなあとは思いますが、声は良かったし。こんなに歌手が揃ってるワルキューレは近頃ないなあと思います。

投稿: naoping | 2015年4月 8日 (水曜日) 22時33分

ロバート・ディーン・スミスさまのジークムント、新国立劇場で観ませんでしたか?
終演後、彼にその話をしたらロバートさまは「あの頃より横に大きくなったよ!」とおっしゃい、「私も~!!」とガッツリ抱き合ったのでした。中年太りはメリケンサンも日本人も変わらないようです!

私の中では悲劇のヒーロー、ジークムントはジェームス・キングが横綱で、悲哀のあるあのジークムントは彼にしか歌えない気すらします。
ノー天気なジークフリートではなく、ジークムントであることに意味がある!って気すらします。

マイヤーさまはお座りになっている時ですら、目をつぶって演技をしているように見えました!
女王さまがジークリンデの代役とはなんて豪華!

ヴォータンだったシリンズさんはもう疲れはててるご様子でしたー!

あらかわバイロイトでパルジファルだった小貫岩夫さんとアンフォルタスだった義兄、それに天羽明恵さんがソロだったシューベルトのミサ曲第6番を日曜日に聴いてきましたよー!
合唱は素人がやります。と主催者が言っていたのですがこれがべらぼうに巧い!栗山文昭せんせーが合唱指揮だったので「栗友会の合唱入ってませんか?」と終演後、義兄にメールしたところ、「栗友会入ってますよ!彼ら無しにはこの演奏会は成り立ちませんでした!」と返事が来ましたよ。

4日であれほどの合唱をするとは、さすが栗山せんせーです。

それではトリスタンでまたー(*^o^)/\(^-^*)

投稿: えーちゃん | 2015年8月28日 (金曜日) 19時49分

>>えーちゃんさん

新国立でワルキューレ、私はイケメンのヴォトリヒ君だったのでディーン・スミスは見てないですね。前のトーキョー・リング、ワルキューレ見てないので。

ジークムントはジェームズ・キングで決まりでしょう!

栗友会、自分的には日本三大合唱団なので、素人合唱団とはいえ栗山先生の指揮で栗友会メンバーが混じっているとなると、うまいの当然ですね。日本の合唱団は全体的に昔より格段にうまくなってますね。

トリスタン・・・二回も行くので疲れそう(楽しみだけど)。

投稿: naoping | 2015年8月30日 (日曜日) 11時30分

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