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2014年11月 2日 (日曜日)

藤原歌劇団/ラ・ボエーム (砂川・村上組)

Kc460322
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

ミミ:砂川涼子
ロドルフォ:村上敏明
ムゼッタ:伊藤 晴
マルチェッロ:須藤慎吾
ショナール:柴山昌宣
コッリーネ:伊藤貴之
ベノア:折江忠道
アルチンドロ:柿沼伸美
パルピニョール:岡坂弘毅

総監督:岡山廣幸
指揮:沼尻竜典
演出:岩田達宗
合唱:藤原歌劇団合唱部  
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

(オーチャードホール)

過去記事:びわ湖ホール/「死の都」(第一日目)

サントリーホールへ。

<あらすじ> 貧乏暮らしの男女が一瞬にして恋に落ちるが、その後女の病気が原因で別れ、結局病気が悪化して死ぬ。

待ちに待った「ボエーム」。藤原歌劇団の舞台を見るのは初めてである。まー、基本的にはワーグナーやR・シュトラウス好きだから二期会のほうが出かけるのは多くなるよね。

今回、出かけたのは今年の3月にびわ湖ホールまでわざわざ出かけて観に行った、「死の都」のマリエッタを歌ってた砂川さんがすっかり気に入ってしまったからである。

ホント、びわ湖ではびっくりするほど素晴らしい声だったし舞台姿も可愛かった。女のあたしでも惚れちゃうくらいだ。(いえ、そのケはないです)

でも、やっぱり彼女は当たり役のミミを聴くべきかなあと。彼女のミミをナマで見聴きするのを夢見ていたら、結構すぐ叶ってしまったのである。ラッキーだった。実はこの3連休に毎日藤原のボエームは上演されるのだが、昨日と明日はあのバルバラ・フリットリがミミを演じることになっている。そのことはもちろん知ってたけど、あえて日本人組で。昨日のフリットリは素晴らしかったということはネットで伝わっているけど、まああんまり興味なし。あくまで聴きたいのは砂川さんなんで。

このボエーム、前に砂川&村上コンビで教育テレビで放送されたのは観た。でも、やっぱり・・・砂川さんはナマで聴くべき歌手である。アレはね、ホントにそう思った。・・・フレーニの本当の素晴らしさは録音では伝わらないように。

そんでまー。

実は私はボエームを生で観るのは3回目である。すくねー。初ボエームはもちろんクライバーのスカラ座来日公演である(たまたまだが、本日の指揮者の沼尻さんもそうらしい。それを知ってとても嬉しくなった。あの公演を知らない人は日本でボエーム振る資格ないと思う。)。2回目はサントリーホールでの演奏会形式だった。

で、今日はイタオペだというのにたった一人で参戦。超初心者向けオペラなため、いつもオペラに連れて行く友人を誘ってもよかったかなーとも思ったが、私はボエームにおいて人と泣けるツボが違うので、なんか恥ずかしくて一人で行ったのだ。

実は私、第2幕で泣いちゃうのだ。なのに続く第3幕やミミが死んじゃう第4幕はそんなーでもない(感動はするものの)。だからとても恥ずかしい。

今日ももう、「ダメだダメだ」って思いながら、あのファンファーレのあと第2幕の幕が上がったら合唱団が歌ってて、もうダメだった。そっから泣いてた。とくに今回子供合唱団がものすごくうまくて(とくに演技が)、もうダメだった。助けて、誰も泣いてない。ムゼッタのアリアの最後の盛り上がる部分もダメ。ハンカチ出して泣いてるし。

で、えーと。

歌手の方々ですが、砂川さんはやっぱりとっても素敵だった。でも思ったのは、前のボエームの公演の写真より美しくなってないか? お化粧のせいなのか(失礼?)。全然綺麗だった。声はやっぱり素晴らしい。しかし、肺病で死にそうな役なのに声はすごいパワフル(フレーニもそうだったけど、そこはオペラではしょうがないのかなー)。第4幕の死にそうなよたっとした演技はリアルでよかった。

村上さんのロドルフォももちろん素晴らしく。今日は残念ながらオーチャードなので舞台の後ろのほうで歌うとちょっとオケに音が負けてしまう時もあったけれど(あ、私は今日は一階席前から6番目でした)、高い声も不安なく響かせていて素敵でした。外人組ロドルフォが調子悪い話も漏れ伝わっているのでこれは頼もしい。やっぱり日本人頼りになる。

声が素晴らしかったのは須藤さんのマルチェロ。前に(偶然)日伊声楽コンコルソのお披露目コンサートに行き、第一位だった歌声を聴いたのが最初。その時も素晴らしい声であった。その後あまり舞台に接する機会に恵まれず(飯守「トリスタン」のチョイ役くらい?)、ちゃんとした役で見聴きするのは初めて。でも、やっぱり凄くパワーアップしてた。声はサミュエル・ラミー系かな(よく知らんが)。演技とかもとてもチャーミング。今後ますます楽しみな歌手さんである。

今回が藤原デビュー?ということでムゼッタを歌った伊藤晴(ハレ)さんも素敵だった。プロフ写真からもっとスーブレット系の可愛らしい声なのかな、と勝手に想像してたけど、全然違ってて堂々たる声(と演技)だった。もっと色々聴いてみたいな。

沼尻さんの指揮するオケも生き生きとして素晴らしく。まあ、このヘンになるとオケも暗譜で弾けたりしね? 手慣れた感じで良かった。テンポもかなりオーソドックスで、落ち着いて聴けた。

その他、気付いた点。

・第一幕で、ろうそくの火を貰いに行ったミミだが、ろうそくの火を貰ったとたんに火が消えてしまい、ミミもロドルフォも観客もみんな「え?」ってなったのが面白かった。

・上演前に総監督の人が曲の解説をしたんだが(元バス歌手だったらしく、声がシヴーイ)、ミミとかの当時のパリのお針子って結構「娼婦的」な存在だったらしい。あー、そうなのね。そんな気はしてたんだけど、ちょっとショック。椿姫的ショック。だから貴族んとこの世話になってたのね。経済的理由だからと言って、それを許しちゃうロドルフォもアレだわ。

・この舞台、全体的に薄汚れた感じがなんかいかにもそれっぽくてよかった。第2幕の舞台や衣装など全体的に色彩がマッチしてて(佐伯祐三の絵がモチーフのようだ)、新国立も参考にしてほしいわ。

・前記のとおり、第2幕の合唱団がすごーくうまくてよかった。大人も子供も生き生きとした演技が楽しかった。演出もよかった。あれだけでももう一回観たいが・・・仕事で疲れちゃってなあ。(明日のカルウォーヴィチも残念、パスです。)

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コメント

こんばんは。砂川涼子さんの「死の都」、よかったですね~。日本でもいよいよ実力とルックスを兼ね備えた歌手が本格的に観られるようになってきましたですね。と言っても、あれ以来砂川さんの公演は観ていません。「ラ・ボエーム」のミミなんて、持ってこいでしょうねぇ、きっと。機会があれば、また観てみたいものです。「お針子」のその職業的な性質を聞きますと、日本ではその昔の街道すじの「飯盛り女」みたいですね。「飯盛り女のミミ」って言うのも、ありかも知れませんね。いや、ナシか、コンプライアンス的に(笑) それにしても「ボエーム」でろうそくの火が消えるなんて、お笑いですね。その手のプレイ用のタフなのを使うとか、演出家はもっと頭を使わないとダメですね。

投稿: grunerwald | 2014年11月 8日 (土曜日) 22時06分

>>grunerwald さん

こんばんは。砂川さんのミミもとーっても可愛かったです。しかし、正直なところ初めて彼女を見聞きした「死の都」のマリエッタがあまりに強烈すぎて、プッチーニはちょっと物足りなかった(歌唱については物足りなくなかったんですが)。歌うところがせいぜい「死の都」の5分の1くらいしかなかったもんで。やっぱり私ってドイツ・オペラ脳なのかなって思いました。

ろうそくは、ロドルフォがミミのろうそくに火を移そうとしたとたんに消えてしまったんで、ちょっと歌手の二人の目が点になってて面白かった。アクシデント、ライブの醍醐味ですね。

投稿: naoping | 2014年11月 8日 (土曜日) 23時31分

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