« カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その1 | トップページ | 新国立劇場/アラベッラ (2014) »

2014年5月24日 (土曜日)

カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その2

レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」
【カニオ】グスターヴォ・ポルタ
【ネッダ】ラケーレ・スタニーシ
【トニオ】ヴィットリオ・ヴィテッリ
【ペッペ】吉田 浩之
【シルヴィオ】与那城 敬
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団


その1

<あらすじ>
旅周りのサーカス団の団長が、若い妻を若い男に寝とられて妻と愛人を舞台上で殺してしまう。

カヴァレリアと組まれただけで、プロローグと「衣裳をつけろ」だけが有名な「別にどうでもいいオペラ」という認識だったので、実はあんまり期待もしてなかった。大人になってから全曲聴いたことあんまりないかも。

この曲もカヴァレリア同様、よく映画やドラマに使われる。記憶に新しいのは「相棒」で、お正月スペシャルの「ピエロ」の回ではこのオペラが主軸となって物語が展開された。おもしろかったなあ。

しかし。今日ちゃんとこの曲に向き合ってみて。

いやホントに素晴らしい曲である。なんかもう今まで無視してきたのが悪かったと思った。マスカーニの音楽はやや紗がかかっている感じなんだけど、レオンカヴァルロの音楽はもっとクリアで見通しがよい。初期のマーラーみたい。メロディもとても素晴らしい。アリア「イショー」だけじゃないのね、この曲。こんなに疲れてなかったら塔にCD買いに走ってたわ。

演出はこちらもまっとうなもので、ひねりはなく。でも、最初のほうでサーカス団が客席後方からたくさん登場してきて、アクロバットの人とかが逆立ちしてたり、団員が観客(我々)に今晩の公演のチラシを配ってたり、これはとっても楽しかったな。1階席だったらもっと楽しかっただろうに。A席なのでしかたないか。

ところで。

私はこのオペラみたいに、舞台の上に舞台がまたあるのが大好き。観客がまさにオペラの登場人物として観客になれるのが好き。そして最初に口上があるオペラも好き(ルルとかもそうね)。歌舞伎にもそういう演目が多々あるし、「平成中村座」でも、客席一体型演出が多かった。この演出家は日本の伝統芸能がお好きなようだから、もしかしてそういった影響もあるのかなあと。(また、そもそもこの2つの短いオペラを一緒に上演するっていう形態もなんか歌舞伎的だよね)

歌手は。カニオの役の人はやや年取ってる感じがリアルだったなあ。べつに年を取ってるから声に衰えがあるわけでなく、高音もビンビン響かせていたけど。ネッダの人は情熱的な演技と声が素敵だった。そんなに美声でもないんだけど。ちょっとだけシルヴィア・シャーシュを思い出した(古いなあ)。

トニオ役の歌手は演目ではネッダに横恋慕するイケてない団員って役なんだけど、本人はいかにもイタリアのロンゲのおにいさんでかっこよかったので、外見的にはややミスキャストかも。本人は陽気な人なようで、カーテンコールでプロンプターに握手を求めたり、ペッペ役の吉田さんとふざけたり。楽しそうだった。

日本人の歌手もがんばってた。ネッダの恋人役で突然日本人イケメンサラリーマンが出てきたのでちょっと違和感が。世界なぜここに日本人?って思ってしまった。かっこよかったけど。歌もとってもよかったし、背が高くて外人と混じっても遜色なく。また観たいなあ、この人。

吉田さんのペッペはもうね、うますぎるから。凄いと思う、あの美声は。観客はみんなうっとりよ。なんか小柄だったのも「あんな人サーカス団にいそう」って感じがした。

舞台美術がとっても綺麗で(土台的にはカヴァレリアと一緒)、オペラ上での舞台上演が23時ってことなので(子供には遅くね?)、夜になるとピエロの顔のネオンが綺麗だった。照明がなんとなくジュール・シェレのポスターを思い出した。

最後は大ブラヴォー。「オペラの楽しさ」を「死の都」以来しみじみと感じ。初心者にもコアなオペラファンにも大いにおすすめだ。
楽しかったなああ。

けど。

カーテンコールに白い帽子かむった可愛い子犬ちゃんが出てきたんだけど、上演中は一切気づかなかったのが唯一の心残り。

|

« カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その1 | トップページ | 新国立劇場/アラベッラ (2014) »

コメント

またご一緒でしたね。
「カヴァレリア」、実際に舞台を観ると、血沸き肉踊ります。理屈を通り越して、体の内から「オペラ」を感じました。
反対に「パリアッチ」は頭で音楽劇を観るオペラ。音だけ聴いていると、「パリアッチ」の方が好きなんですが、舞台付きだと「カヴァレリア」でしょうか。
バルンボの指揮が良くって、東フィルが“一軍”のオーケストラに思えました。歌手も、両作とも揃っていて、声を聴くのも最高。演出は何もしていなかったかもしれませんが、それが逆に音楽を邪魔していなくって、僕には良かった。
日本人歌手もよかったですね。シルヴィオの与那城君、ローラの谷口睦美さんも、外人組に負けてませんでした。
ただなぁ、翌日のローマ歌劇場の「シモン・ボッカネグラ」を観てしまうと・・・。

投稿: IANIS | 2014年5月26日 (月曜日) 21時50分

>>IANISさん

一緒の日だったのですね。
なんか曲に対する印象が私は全く逆ですね。「血わき肉躍る」のは道化師だなあと。音だけだったらカヴァレリアで、道化師は舞台で見るほうが曲だけよりもずっと楽しいなって思います。まあ、ホントに曲に対する印象って人それぞれなのですね。

バルンボって指揮者(名前がカワイイですね)、すごく良かったですね。他のオペラも聴いてみたいな、アンドレア・シェニエとか。オケ、いい音してました。

ローマ歌劇場・・・もうなんか全然私は手が届く値段じゃないです。ムーティって・・・・。私には夢の世界です。ボーナス出たらがんばって飯守パルシファル買おうかな・・・。

投稿: naoping | 2014年5月28日 (水曜日) 21時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/108585/56300780

この記事へのトラックバック一覧です: カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その2:

« カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その1 | トップページ | 新国立劇場/アラベッラ (2014) »