佐村河内守/交響曲第1番「HIROSHIMA」(Eテレ)
佐村河内守:交響曲第1番「HIROSHIMA」
大友直人指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
(Eテレでの全曲放送)
たまたま、ウチの全録画機に残ってたので、これ幸いと視聴。全曲聴いたこともないのに「いやああれはペッテションみたいだし・・・云々」とか言ってるのも何だし。食わず嫌いはいけない。「ウニが嫌いなのは、本当に美味しいウニを食べてないからよ」みたいな。
この佐村河内さんという作曲家については実はあんまりよく知らない。この放送の前段階であるドキュメンタリーを見てないからである。被爆者二世、お耳が不自由で、耳鳴りと絶えず戦っているということしか知らない。
あんまり色々知ってると、楽曲以外の何か別な物が付随した感想を持ってしまいそうだから。
(だって、ベートーヴェンの第九だって「耳が聞こえないのにこんな凄い曲を書いてベートーベンって凄い!」って感動するわけじゃないもの。ロマン・ロランの書いた伝記だって読んだけど・・・曲は別よ。)
んで。
全曲、テレビでヘッドフォンで、正座して(ホントよ)真剣に聴きました。CDで聴いたわけでもなく、勿論実演で聴いたわけでもないですが・・・さてどうでしょう。
んーと。正直なところ、もっとしんどいかと想像してたんだけど、結構聴きやすかったです。ペッテションよりは。
マーラーみたいだなあとも思いました。ワーグナーっぽいメロディも聞くことができました。
で、曲に付随する背景は(作曲者が演奏会場に来ていて、曲が終わったあと何かつえなどついて出てきて、何かドラマティックな感じが)なんだか映画みたい。「砂の器」みたいだと思いました。最後に聴衆が大感動して、涙を流してスタンディングオベーションしているのを見て、余計そう思いました。映画やドラマの「砂の器」みたいに日本の作曲家の作った現代の音楽が、大衆に素直に受け入れられ、感動しているのを目の当たりにして、ちょっと感動しました。
・・・・でも(この曲が大好きな人、ごめんなさい)、最後はマーラーの復活みたいだなあと思ったす。
で。
この大ヒット?をきっかけに、普段コンサートホールに足を運んだこともない聴衆が、他の古典的な作曲家の交響曲(マーラーとかね)に興味を持ち、コンサートに聴きに来てくれると、日本の低迷したクラシック界も救われるんじゃないかな、と思った。
実演を聴いたら、もっと違う感想かもしれない。あくまでテレビだもんねえ。この感想はダメダメだね。この「魂の音楽」に心動かされないなんて・・・私もまだまだだわ、ホント。
<参考>
アッラン・ペッテション交響曲第6番
http://www.youtube.com/watch?v=-KzuZwBO9tU
アッラン・ペッテション交響曲第7番
http://www.youtube.com/watch?v=KMG-QHu5QFs
佐村河内守/交響曲第1番より第3楽章③
http://www.youtube.com/watch?v=M6rEeASHo64
マーラー 交響曲第3番より
http://www.youtube.com/watch?v=bKCn1fJlPfE
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今日は、東京ビッグサイトで開催の「ホビーショー」に友人と行ってきた。お裁縫や手芸の巨大な展示会である。凄く色々あって大変面白かったが、正直疲れてしまった。テディベアの作成キットがあったら買おうと思ったんだけど、一通り回った(つもり?)けど無くてその代わりに黒猫ちゃんの縫いぐるみの作成キットを購入。うまくできたらUPしますね。
くまもんが来ていたけど、あまりに人気すぎて人だかりができてて写真撮れなかった。後ろ姿しか見えず。残念。
ホビーショーのオマケ的なフードショー(有名無名の企業による試食展示会)も充実していて、一回りすると試食で結構お腹が満たされた感じに。各地名産の屋台も沢山来てたけど、試食のせいで売上はイマイチのような。北海道からきた賄い弁当は美味しかったです。
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コメント
出ましたか、マーラーの復活に似ている発言(笑)
まだまだですね。
頑張ってください(^-^)
投稿: ミリオン | 2013年4月28日 (日曜日) 00時30分
>>ミリオンさん
ありがとうございます(◎´∀`)ノ。
「金スマ」も見てみましたので、次は大感動するかもしれません。
投稿: naoping | 2013年4月28日 (日曜日) 07時29分
naopingさん、あなたばかりじゃありません。それどころか、僕は吉松隆の音楽に近いとも感じまして・・・。
字面で想像したのはペッタションのような音楽だと思っていました、僕も。現代に生きているのなら、痛切で厳しい音が出なければならない、僕はそう思ってます。佐村河内の音楽は優しすぎるのです。もっとも、あの音楽にゲンダイオンガクの“酷く醜い”音の塊を感じている人がいるというのですから、まぁなんとも幸福な人たちが多いものとは思いますけれど。
人それぞれの感じ方がある-それでいいと思います。きっとライヴで聴けば、感激もし感動もするはず。この音楽はそういう風に書かれている。マーラーやワーグナーの音楽に似ているから、後期ロマン派の音楽に親しんでいるものなら、あるいはコルンゴルトから大きな影響を受けているハリウッド映画の音楽に馴染んでいるものなら、素直に心に受け取れる。それでいいのです。
ただ、「この音楽を聴いて感動しないのなら云々」というのだけはやめてほしい。マーラーを聴いて心を動かされない人もいれば、モーツァルトやバッハを耳にして、何も感じない人もいる。しかし、それも音楽の実像です。
へそ曲がりと思われても、自分の感じ方を大切にしましょう。
ちなみに、佐村河内氏の音楽のムーヴメントを盛り上げたyokochanさんも、僕のそういう考え方は理解してくれていますので、安心しました。
投稿: IANIS | 2013年4月28日 (日曜日) 22時31分
この佐村河内氏のプロモーションの一連の流れを知っているので、「うまく知名度が上がってよかった」と、
周囲の方の努力を評価したい私です。
もともとゲーム音楽の人だったように記憶してますし。
人によって苦悩も楽園も様子が違うのかもしれません。
痛みもね。
投稿: yoshida | 2013年4月29日 (月曜日) 09時07分
>>IANIS さん
「我が意を得たり」というコメントをありがとうございます。
しかし、本文の『この「魂の音楽」に心動かされないなんて私もまだまだだ。』って書いたのは、わたくし特有のギャグです(笑)。もちろんそんなこと思ってませんよ。クラヲタ歴長いですから。自分の耳はある程度信頼していますよ。
それにしても、80分を超えるあの怒涛の音楽をクラシックマニアでない人たち(たぶん)がうとうともしないで全曲聴き、感激のあまり涙を流すって・・・不思議でしょうがないです。みんな感激屋さんだなあって。ホントに羨ましいですよ。コンサート会場でそんなに感動して泣くって滅多にないですよね、普段。
それと、このHIROSHIMAがマーラーやワーグナーに似てるって書いてるのは私にとってはけなしてるわけじゃないです。そもそも、ワーグナーがなければR・シュトラウスの音楽はなかったし、R・シュトラウスがなければコルンゴルトもシマノフスキの音楽もなかったかもしれない。そうやって音楽史はめぐって行くんですよね。似てて結構だと思います。この作曲家さんも過去の作曲家をリスペクトして作ってるんだと。じゃなきゃ無調音楽を否定してこんな過去の手法の交響曲なんか作らないと思うし。
ただ、この曲はそんなに嫌いではないです。CD買って何度も聞きたくはないけど(笑)。この曲を全部聴いてから、ペッテションの曲を聴くと大変わかりやすく感じます。
投稿: naoping | 2013年4月29日 (月曜日) 10時05分
>>yoshidaさん
そう、プロモーションがうまくいったのですね。お陰でファンモンや金爆を抑えてCD売上1位というあり得ない現象です。次はベルマンですね。
このムーブメントにうまく乗って音楽業界が潤ってくれればいいんじゃないかなと思っています。よい意味で。
ただ、この作曲家の苦しみは音楽以外の所(ドキュメンタリー)で説明されつくされてて、曲の中ではあんまり...。題名の「広島」はどこに行ってしまったんだろう、という疑問も残ります。
投稿: naoping | 2013年4月29日 (月曜日) 10時26分
こんにちは。佐村河内氏のドキュメンタリーは私も観ましたが、その後も聴かず嫌いのままです。
そんなわけで、北海岸って初めて知ったな……
投稿: MUUSAN | 2013年4月29日 (月曜日) 19時01分
>このムーブメントにうまく乗って音楽業界が潤ってくれればいいんじゃないかなと思っています。よい意味で。
うん。これは難しいね。ほんと。
「以前、こういうピアニストいましたよね。社会的現象になった人」ぃて、その仕掛け人の人(×ロムピアの担当者)と話したんですよ。飲み会の席で。
私はFさんのことを話してたら、相手が「一人忘れていません?」と・・・。
ああ、そういえばTくんもいたね。って流れになりましたね。
全く違うところで盛り上がるだけなので、それ以上のことは期待していない様子でした。
だって、それだけで通常の「クラシック物」より利益出るんですものね。
ベルマンも、実際に聞くと、みんな「リストってこんな曲なの?」と思うのではないかな。そこから先には進んでくれそうもないです。地味な曲だから。ヤナーチェクの時だって、別にファンが増えたとも思えないし。
私たちの仕事って、本当に砂漠で何かを探しているような気がします。めったに価値のあるものは見つけ出せない。きっと砂の感触が好きなだけなのかも(笑)。
投稿: yoshida | 2013年4月29日 (月曜日) 20時43分
>>MUUSANさん
まあ、私はたまたま全曲放送されたのを「一応聴いてみっかな」位な感じです。それがなかったら一生聴かなかったかも。
東京者はねえ、北海道ブランドに弱いんですよ。なんでもいいのです、北海道ってついてれば。
投稿: naoping | 2013年4月29日 (月曜日) 22時29分
>>yoshidaさん
うーん。でもとりあえず今は地方のオケやコンサートホールが潤うし(この曲の全国ツアーをするようなので)、レコード会社さんも潤うのだから・・・と思ったんですけどね。
まあ、一時のブームだけで続かないのではって危惧するのは、何もクラシックの人だけじゃないでしょうし。(ゴールデンボンバーさんたちもブームが終わるのを恐れて、貯金をしているらしいし)
Fさんにしろ、Tさんにしろ、テレビの力が大ですから、その演奏内容なんてあんまりみんな気にしてない。生きざましか目を向けてない。でもまあ、それはそれでそういう市場もあるんじゃないかなって思っています。(私はですけど)
ふと思い出したんですけど、昔グレツキの「悲歌のシンフォニー」って大ヒットしたじゃないですか。それに限っては私すぐCD買いましたよ。それだけで終わっちゃったけど。普通、他の作曲家だったら「もっと他の曲も聴いてみたい」って思うでしょう。
私がグレツキの他の曲を耳にするようになったのほんの最近ですから(ネットラジオだけど)、不思議なものです。
砂漠で何か探すってのは私みたいに趣味でやってる分には楽しい事なんですけどね・・・商売となるとまた全然違いますよね。
投稿: naoping | 2013年4月29日 (月曜日) 22時49分
話は変わりますが、本日の全曲放送。
冨田勲のイーハトーヴ交響曲~初音ミクが歌う賢治の世界~
2013年5月4日(土) 23時00分~23時45分
ETV特集で話題となった冨田勲の「イーハトーヴ交響曲」待望の全曲放送!初音ミクが初めて生演奏のオーケストラと共演した記念すべき公演をお送りする。
番組内容
作曲家、シンセサイザー音楽の第一人者・冨田勲が、いつか音で描きたいと思い続けていた宮沢賢治の世界。その世界観を描きだすため、人工的に合成した歌声で歌うCGキャラクター「初音ミク」をソリストに選んだ。初音ミクが、オーケストラ・合唱と共演した世界初の作品「イーハトーヴ交響曲」の全曲を放送する。
出演
冨田勲,初音ミク,慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団,慶応義塾ワグネル・ソサィエティーOB合唱団,聖心女子大学グリークラブ,シンフォニーヒルズ少年少女合唱団ほか
投稿: しまりすのくー | 2013年5月 4日 (土曜日) 14時26分
>>しまりすのくーさん
先日、澁谷の塔にて全曲ではありませんが流れていたので聴きました。さすがに冨田さんだけあって凄く親しみやすい印象でした。
今日放送するのですね。楽しみです。ご連絡ありがとうございました。
投稿: naoping | 2013年5月 4日 (土曜日) 18時03分