勘三郎さんのこと
何か書かなくちゃ書かなくちゃと思いつつ、時節柄仕事が忙しくて悲しみに浸ることもできず。
自分はずっとオペラ・ファンで、舞台といえばオペラばっかり観てたし、たまに親の付き合いで歌舞伎座には行ってたけれど、お弁当が美味しいという以外は心の底から楽しいとは思ってなかった。で、猿之助さん(現・猿翁さん)がバイエルン国立歌劇場の「影のない女」を演出した頃から歌舞伎に興味を持ちだして、そのあと知り合った友人がたまたま勘三郎さんのファンだったということで、付き合いで行くうちにどんどんのめり込むようになった。そのうちオペラを観に行くのと同じ感覚で一人でも歌舞伎座に行くようになった。なので、歌舞伎に興味を持つきっかけをつくってくれたのが猿之助さんで、歌舞伎の本当の面白さを教えてくれたのが勘三郎さんだと思っている。
勘三郎さんの今回の死に接して、何かこの感覚は前にもあったなあと思った。それは若杉弘さんが亡くなった時だった。若杉さんは日本で聴くワーグナーやマーラーやベルクがどんなに素晴らしいかを教えてくれた人で、私にとってクラシックを聴く上での道を作って下さった人だった。私にとっては歌舞伎における同じ存在だったのが勘三郎さんだった気がする。まだ、たくさんのことを教えて欲しいし、伝えて欲しかったなあという名残惜しい気持ちが、若杉さんと勘三郎さんは同じ感じ。
勘三郎さんがこの世からいなくなったなんてどうしても考えられないし、実は生きていてひょっこり現れるのではないか?とか友人と話したりしている。私は「大ファンです」って言えるほど沢山の舞台を観たわけではないけれど、勘三郎さんに感謝する気持ちはファンの方々と同じくらいある(つもり)。
勘三郎さん、歌舞伎の楽しさを教えてくれて本当にありがとうございました。私は勘三郎さんの舞台を観て、沢山のパワーを貰いました。私は勘三郎さんと同じ時代に生きていてよかったです。
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コメント
おばんです。こっちは暴風雪とやらで大変ですっ
こういう荒れた気候の年って鬼籍に入る方も多いのでしょうかね‥。
勘三郎…ナマでは結局踊りしか見ていないんですが、
いやあ、びっくりしましたね。その巧さにね。
ちょっと嫌みだなってくらい上手かったです。
藤山直美とかと映画に出ていましたね。テレビでもよく見てましたが、
最初のちょっと嫌みな…というイメージがいつもつきまとってました。
でも、決して嫌いというのでなく、
いんや、いつ見てもこの人うまいわぁ〜!っていう!びっくりマークの人でした。
だから、こういう人は歳を取って、少し枯れた感じをなんとしてでも見てみたかったし、
見れるもんだとばかり思ってたので、ホントにびっくり!
でも、このびっくりばかりは褒められませんね。
追悼番組観て偲びます。
あ、話題変更…
クルティシェフ様&神尾真由子様のベートーヴェンのソナタ集のコンサートに行きましたよ。
クルちゃん、アンコールで幻想即興曲弾いてましたが、アレンジかい?!ってくらい面白かったです。
今年は結局ご一緒出来ませなんだが、また何かで!
投稿: よこよこ | 2012年12月 6日 (木曜日) 23時24分
>>よこよこさん
こんばんは。北海道は何だか色々大変そうな感じですが大丈夫でしょうか。東京もずいぶん寒いですが、北海道の比ではないですね。
連日の残業と休日出勤で勘三郎さんの追悼番組をまとめて今日観てますが、もしかして追悼番組観て勘三郎さん観に行ってみたいなあとか思う人いるかもなあとか思います。マイケル・ジャクソンみたいに(?)。
クルクルと神尾さんは相性がいいんでしょうか、よく共演されているようですね。またそのうち気になるピアニストが東京でコンサートするようでしたらご一緒しましょう。
投稿: naoping | 2012年12月 9日 (日曜日) 17時59分