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2012年11月10日 (土曜日)

カエル好きのためのカエル歌舞伎 天竺徳兵衛新噺~明治座11月花形歌舞伎~

Kc460075_2 通し狂言 天竺徳兵衛新噺 市川猿之助宙乗り相勤め申し候

出演・猿之助/右近/笑也/猿弥/米吉/寿猿/亀鶴/男女蔵/門之助/萬次郎/段四郎

(明治座・夜の部)

母親に誘われて観劇。まあ、わが母にとっては歌舞伎を娘と観に行くというシチュエーションが大事なのであって、演目が何であろうが昼の部であろうが夜の部であろうがなんでもいいのだ(たぶん)。

私にすれば、昼の部の「傾城反魂香」が好きな演目でこっちも捨てがたかったのだけれど、今まで2度は観ており、演目的には地味なので、夜の部にした。夜の部のほうが猿之助さんらしい演目だし、宙乗りや早変わりがたくさんで、面白そう。

それと、カエルが好きなあたしには(本物のカエルはあんまり好きじゃないんだけど。)カエルが出てくる演目は見なくちゃ。ぜひ。

<あらすじ>
船頭の徳兵衛(猿之助)は、先頃、嵐で異国の天竺へ流されて日本に戻ってきたことから天竺徳兵衛と呼ばれている。博多沖の船の中で、徳兵衛は朝鮮国王の臣下で、日本転覆を謀った木曽官の霊(猿弥)に会い、自らが木曽官の子息であることを知る。出自を知った徳兵衛は、父から蝦蟇(がま)の妖術を授かり、父の大望を継承して日本転覆を志す。その後、筑前国今川館に忍び入った徳兵衛は、日本の名刀・浪切丸を盗むが、浪頭の名鏡は、今川の奥方葛城(萬次郎)が所持し、枝折姫(笑也)と共に落ち延びていく。その後を追う徳兵衛は・・・

Sorumack 最初の登場は舟の上。この演目の常として、船頭の徳兵衛は時事ネタをやらなきゃならないそうなので、オバマ大統領再選の話とか石原都知事の話とかしてた。先代猿之助さん(現・猿翁)はこの演目で「ベルリンの壁崩壊」の話してたらしい・・・ずいぶん前の話である。猿之助さんは、自らCMの出演をしている「ソルマック」の瓶を取り出して商品名を連呼していた。

父の亡霊?より蝦蟇の妖術を授かるときに、カワイイ置物みたいなカエルちゃんが出て来てなんか書物みたいなのを徳兵衛にわたす。(以下、舞台写真は明治座のサイトより引用)

Tenjikutokube_01 妖術を使えるようになり、巨大なカエルちゃんに乗って出てきたり(いやあ、想像よりずっとでっかくてびっくり)、カエルちゃんの着ぐるみで登場したり(途中、口が大きくあいて「デヘヘヘ」みたいな顔になり、とっても可愛い)、カエル好きにはたまらない。

あと、印象に残ったのは、猿之助さんが盲目の芸人みたいな役でお姫様のご機嫌を取るために歌を歌うんだけど、その時に歌舞伎では珍しい木琴を自分で叩きながらなのである。これ、結構難しそうだった。それにしても、木琴のキョロロロロンキョロロロロンってヘンテコな伴奏が結構私のツボにはまってしまい(だってそんな伴奏で歌舞伎の歌歌うんだよ)ずっと思い出して笑ってしまってた、ヘンな客。

それから・・・猿之助さんはいろんな役で出るので全幕ともほぼ出ずっぱりである。妻とその愛人に殺される旦那さんの役もやるんだけど、愛人に殺されてるところところでいつのまにか別の役者さんに入れ替わっていて、花道からまた猿之助さんが妻役で出てきたり。なんかそういうすり替わりがたくさんあって、大変そう。文字通り舞台裏みたいなのが観たいな。

Tenjikutokube_02 殺された旦那さんは幽霊となって現れるんだけど、結構お茶目で仏壇とかからまるで貞子みたいに出てきたり。宙乗りで高く飛んだり、屋根の上から入ったりとか色々忙しいオバケ。

しかし、ヘビの年月日?に生まれた女の血を浴びるとこの妖術は消えてしまうそうで、徳兵衛さんは普通の人になってしまう。カエルはヘビに弱いもんね。ちょっとリングを思い出し。

猿之助さんのほかは・・・久しぶりに観た笑也さんは相変わらず美しく(ずっと前、結構ファンだった)、あと「おまき」役の米吉さんという俳優さんがとても可愛かった。初めて見たんだが、いつのまにかデビューしてたのやら。

猿之助さんの宙乗りは、最初つづら?が高くつりさげられて、そのつづらが真ん中からパカッと開いて猿之助さんが登場するという仕組み。どんどん高くなって3階席の上のほうまで行って消えていった。

Kc460074_2 お楽しみのお弁当。明治座?周年記念幕の内弁当?だったかな。1500円だった。とても目にもきれいな作りだったが、紙の弁当箱の質が良すぎて捨てるのがもったいなかった。持って帰っても使わないしねえ・・・。おせち料理とか詰めてもいいくらいよ。

いつもいつも思う、歌舞伎は昼の部も夜の部もあり、一か月ほぼ毎日やってるのであり。ホントに大変だし体力いるよなあと思った。相変わらず歌舞伎は人気があるようで、今回は土曜日とあって満員であるけれど、やっぱり今は工事中の歌舞伎座が懐かしいな。

過去記事:カエル好きのためのカエル・オペラ

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