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2012年10月28日 (日曜日)

隅田川+カーリュー・リヴァー(藝大奏楽堂)

Maejima460x305_2<能「隅田川」>
シテ:関根知孝  ワキ:宝生閑  ワキツレ:野口能弘
笛:藤田貴寛  小鼓:曽和和博  大鼓:國川純  後見:武田尚浩、藤波重彦
地謡:岡久廣、津田忠、浅見重好、野村昌司、清水義也、坂口貴信

<ブリテン:教会オペラ(教会寓意劇)「カーリュー・リヴァー」>
指揮・オルガン:ドミニク・ウィラー 
演出:デイヴィッド・エドワーズ、関根知孝
テノール:鈴木准  バリトン:福島明也、多田羅迪夫
バス:伊藤純  ボーイソプラノ:東京少年少女合唱隊員
合 唱:東京藝術大学音楽学部若手研究者・大学院生等
器楽奏者:東京藝術大学音楽学部若手研究者・大学院生等

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見てきました・・・というか大変なものを見させて頂きましたという感じ。先日見た「ピーター・グライムズ」に続いてブリテンのオペラだけど、同じくらい素晴らしかったでした。

過去記事:ブリテン/カーリュー・リヴァー

お能の隅田川にインスパイアされて誕生したという教会オペラ。ところで私がお能を観たのって今までたった3度である。今回で4度目というわけか。(中学校の体育館に来てくれた「能楽教室」などは除き)

喜多六平太記念能楽堂 (うちから近かったのと、ちょっと興味があったので画学生時代に友人と行った。狂言が面白かった。)

宝生能楽堂 (文京区主催の能楽教室にハガキを出して当たったので行った。かなりの倍率だったらしい。とっても面白かった。)

観世能楽堂 (「隅田川」と「カーリュー・リヴァー」のコラボ公演。)

でも、一生能楽堂なんか行かない日本人が圧倒的に多いと思われるので、結構行ってるほうじゃないかな、能楽堂(←どっちなんだ?)。

で、今回の公演で頂いた解説書には、ブリテンが「隅田川」を観た能楽堂は水道橋能楽堂とあり、これってすなわち宝生能楽堂のことであろう。(で、ブリテンはどうしてももう一回観たくて帰国前に観たのが観世会館ってことだけどこれって観世能楽堂とは別なのかな?どうなんだろう。)まあ、とにかくブリテンがどこで隅田川を観たのか今まで知らなかったので、自分の行ったことある能楽堂で観たってことで(あんまり関係ないかもだけど)、ちょっとまたブリテンが身近に感じられた。

20120905 で、今日の公演はこのオペラが初演されたオーフォードの聖バーソロミュー教会(と、ロンドンの教会)で今年上演されたものと同じものが上演されたようです。まあ、細かい事を言うと全く同じ演奏者ではないようですが(ボーイ・ソプラノと合唱以外は一緒らしい)。

英国公演のHP(英語)

上記のように私は一度この形態(能とオペラ)で観てるわけなんだけど、今回のほうがとても印象深い上演だった。能は演奏のこととかわからないので何とも言えないんだけど、オペラに関しては物凄く素晴らしかった。ソリストが名のある方ばかりだったからかもしれないけど。

で、ブリテンはどうしてこれほどまでに「隅田川」に惚れこんだのかなあ・・・と考えながら観てたんだけど、お能って私のような日本人にもやっぱり眠いんだよね。途中までホントに辛くて、寝ないように寝ないように頑張ってた。やっと墓の中から男の子の声がするあたりで目がぱっと覚める感じで。で、ブリテンはおそらく大人の声の中から少年の声が聞こえてくる瞬間がすごく気に入ったんじゃないかなあと、思った。アレは結構クルものがある。ああいう使い方は西洋音楽では今までなかったのかもしんないし。

今回、お能に字幕がつくのって初めてで。「隅田川」は一回観てるはずなんだけど、何を歌っているのかさっぱりわからなかったので、今回は有難かった。自分、毎日隅田川の橋わたって会社に通ってるので、地名とか出てくると「あー」とか思ってしまう。東雲(しののめ)とか。

「能ってどこで拍手すればいいのだろう?」、と悩みながら終わり。休み時間にバームクーヘン食べて、席に戻ると舞台は今までの能舞台風味から一転して今や東京都で問題となっているゴミ屋敷?に変身。いや、そんなはずでは、オペラの舞台がゴミ屋敷なんて、などと焦りながらもオペラ開演。登場人物は何だかホームレスの風情。「教会オペラ」って何処行っちゃったの?

まあ、演出は気に入らなかったんだけど、ソリストの皆さまの歌唱・演奏は本当に素晴らしく。ベテランの歌手の方々(福島さん、多田羅さん等)は勿論素晴らしかったけれど、何と言っても主役の狂女役の鈴木准さんは、さすがブリテン研究をされている方ということで、歌唱は(ピアーズに慣れてても)違和感なく耳に入ってきたし、歌い回しとか自然だったし、大変な美声だったし。とくに息子の死を知ったあとの嘆きっぷりは見事でちょっと涙が出てしまったほど。スカート役なんだけど、ロングヘアとか化粧とかとっても似合っていたし、そのへんのテレビ出てる女装家の方よりよっぽど綺麗だったなあ、遠目に見て。

ブリテンのオペラって全体的に演奏・歌唱が難しいと思うんだけど(音、取りづらくね?)、そんな中ボーイ・ソプラノの子はうまくてとても感心した。あんな舞台で・・・あがらないのかなあ?

最後は、拍手大喝采でみんな大変感銘を受けたようだった(たぶん)。ただ、私は前から23番目だったんだけど、うしろの列のご婦人がた(私よりご高齢)のひそひそ話がオペラ上演中ひっきりなしで、何度も振り返って見たりしたんだけど。最後のほうは帰るしたくをし始めたようでカバンのチャックを開けたりビニール袋をがしゃがしゃしたり大変迷惑だった。でもこんなトコに書いても本人がこれを見ることはないので、しかたないのだが。いつも思うが、席順というのは運だと思う。こないだの「ピーター・グライムズ」の時はホントに恵まれてたなあ。

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迷惑TBがまた来るようになったので(今時何やってんだろうねこの人)、すいませんがしばらくTBは閉じさせていただきます。公演に関するコメントはお待ちしております。

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コメント

naopingさん、
すっかりご無沙汰してしまって…。
いいね!ボタンがあれば、記事ごとに「いいね!」したいと思いつつ、
読ませていただいておりますよ♪
イジス、シャガール…ツボでしたし。
さて、なかなか興味深い作品のようで、私も聴きたかったなあ。
好評のようなので再演希望ですっ
てnaopingさんにリクエストしても…困りますよねえ(笑)。
さて、
准さん、はい、きれいな方ですよ。女顔というのですかねー。
もちろん、歌がもう素晴らしいのですけども。
そして、人柄も良い方なのでした。
札幌のご出身で、過去2回札幌で共演させていただき、
一回めは、ほとんど皆が初共演だったのに、めちゃ楽しくて、
またこのメンバーでやりたい!とスゴく盛り上がり…
なんだか、なんのコメントだかわからなくなってますが…(汗)
ちょっと懐かしく&嬉しくなったので。失礼しましたm(_ _)m
また、コンサート&飲み、ご一緒しましょう!

投稿: よこよこ | 2012年10月29日 (月曜日) 22時26分

>>よこよこさま

お久しぶりでございます!
ご無沙汰してしまいまして申し訳ありません。

この公演は日本では一回しかやらないのならば・・・何か勿体ないです。おんぼろ舞台装置と衣裳はやめてもらって、皆さま普段着で(トレパンとかでも)よいので再演してほしいです。

よこよこさんは鈴木准さんと共演なさったことがあるのですね~。わたしは今回の舞台しか観てないので人となりはわかりませんが、いい方なのですね。チェンバロ星人のよこよこさんとご共演ということは、共演されたのはバロックのオペラとか?もしくはオラトリオとかなのでしょうか。素敵ですねえ。女装似合いすぎでした・・・うふふ。

また東京にいらっしゃるときはお知らせくださいませ。
ぜひぜひまたご一緒しましょう。

投稿: naoping | 2012年10月30日 (火曜日) 22時06分

こっちにも失礼します。

こちら、やることは知っていたのですが、どうしても行けませんでした。
さらにこの日は、尾高さんのウォルトン、飯守先生の千葉でのシューベルトと、全部重なり、結局どれも行けず、家庭の用事に忙殺された一日でした。

カーリュー・リヴァーは、こんな風に、よく演奏されてますね。
能舞台とセットでの上演はとても意義あることだと思います。
一方で、キワモノめいてしまいますが、教会3部作の同時上演、というのも絶対アリだと思います。
でも、客入らないですよねぇ・・・。
まして、妙齢のご婦人方はとくにね。
あ~、でも羨ましい。
来年は、ブリテンとワーグナー、どんだけ聴けるか楽しみですね。

投稿: yokochan | 2012年10月30日 (火曜日) 22時40分

>>naopingさま
はい、ご明察通り、
札幌で鈴木准さん他の皆様とご一緒させていただいたのは、
カリッシミのオラトリオ「イェフテ」でございました。
これは旧約聖書の士師記の話〜士師の一人、
イェフテ(イェフタ)が戦いに勝利したイキオイで、
最初に出会ったものを神に犠牲として捧げる、と誓った結果、
なんと、自分の娘を差し出すことになってしまった…
という、ちょっと反応に困るような話なんですが、
終曲の重唱がとてつもなく美しく、
言ってみればとってもバロックらしいのですね。
ちなみに、この曲は史上最初のオラトリオだそうです。
長文スミマセンm(_ _)m

投稿: よこよこ | 2012年10月30日 (火曜日) 23時08分

なんかチケットが売り切れだったみたいで、結局行けませんでした(涙)
かわりに(?)尾高さんと東響の「ベルシャザールの饗宴」を聴いてきまして、これが場外ホーマー的な大名演だったので良しとしたいと思います(笑)

今月は紀尾井ホールでアマオケさんがカルウォーヴィチのヴァイオリン協奏曲をやるので、行こうかどうしようか迷い中です。なんて言ってるとまた売り切れてたりして^^;
ところで最近はポーランド放送シリーズはお休みですか?

投稿: 白夜 | 2012年11月 1日 (木曜日) 22時23分

>>yokochanさん

ああ、行かれなかったのですね。私はこっちの券を(ぎりぎり)入手してからサントリ「ベルシャザール」に気がついたので今となってはどっちがよかったのかな~とか思います。仕方ないですが。

このカリュの公演は比較的小さいホールだったのですが、結構いっぱいだったので不思議に思いました(人気なさそうなのに)。オペラとお能が一緒に見られるのがちょっとお得な感じがするのかもしれませんね。ただ、教会三部作となるとこの私でも敷居が高い。私は逆に?「オペラを作ろう」とか観てみたいです。

ブリさん来年は生誕100年だそうですが、何か企画があるんでしょうかね。生誕200年のワグさんは人気者だからたくさんありそうな気がしますが。

投稿: naoping | 2012年11月 3日 (土曜日) 11時54分

>>よこよこ さん

カリッシミって、ダレッシミ?? 知らない作曲家はつい気になってしまう僕の悪い癖。(←「相棒」の右京さん風)

便利な時代になったもので、すぐにyoutubeで曲は聞くことはできますね。なるほど、美しいですね(昔すぎてあまり作曲家によっての違いがわからないのですが)。バロックってだけで何か凄く有難い感じです。

http://www.youtube.com/watch?v=Lj3t7nUgSdc&feature=related

投稿: naoping | 2012年11月 3日 (土曜日) 12時07分

>>白夜さん

やけに満員だなと思ったのですが、売り切れていたのですか。実は私の座ってた列の並び5~6席ほどがらりとあいてたのですが、どうしてなのかわかりません。mottainai!

ベルシャザール好きなので行けなかったのはかなり悔しいです。別の日だったら、せめて昼間と夜だったら意地でも行ったのに・・・・。嗚呼。

カルウォーヴィチやるのは初耳です(情報ありがとうございます)。好きな曲なのでどうしようかな・・・しかし今月は仕事が忙しいので体がついていくかどうか。休みの日に歌舞伎やラインの黄金にも行くので、直前まで考えておきましょう。

ポーランド放送、最近全然です・・・。最近の休日は見れなかったドラマや映画を観ることに費やしており・・・何と不健康な生活でしょう。

投稿: naoping | 2012年11月 3日 (土曜日) 12時16分

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