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2012年4月22日 (日曜日)

マーラー「巨人」デイヴィッド・ジンマン/トーンハレ管弦楽団

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マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』(「花の章」付)

チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
デイヴィッド・ジンマン(指揮)

昨日(土曜)は出社で、大変疲れた。終電に向かって走ったが・・・間に合わなかった。大手町からタクシーで帰った。会社、お金くれるんだろうか。

こんな生活、いつまで続くのだろうか。こんな苦しい暮らしを続けるよりは・・・金持ちのオヤジの後妻にでもなって絵でも描いたりしてゆったりと暮らしたい・・・とそのときは思うんだけどいざとなるとやはり愛のない暮らしはなあ(いやそんな話は全くないです勝手な妄想ですすいません)。

さて。

やっと書く気になった、ジンマンの全集。比較的安いし録音のクオリティは高いのでお持ちになってる方も多いのでは。これはね、まず装丁が素晴らしいね~。我々美術ファンも納得の仕上がり。ボックスもとってもかっこいいし、中身を眺めてるだけでもにこにこしちゃう。一曲一曲が違う絵のジャケットなのがまことにセンスがいい。選ばれた絵がクリムトとかメジャーじゃないのがまた(笑)。

Cuno_amit_die_gelben_maedchen 第一曲めのジャケットはCuno Amiet ってスイスの画家の Die gelben Mädchenって絵である。黄色い女の子? スイスのオケだからってことで、スイスの画家なのかしらん。

さて巨人。まあ、マーラーの曲の中では比較的短いということもありよく演奏会でも取り上げられる。わかりやすい。しかし、私がこの曲が素晴らしいと(いつも)思うのは、作曲家が20代前半から後半に書いた作品なのに、「若書き」というよりは凄い完成度を持っている(と思う)点である。(まあ、学友ハンス・ロットの交響曲をちょっと頂いちゃっているということはあるにはあるが、そこは置いといて)

まあ、完成後も何回も手を入れたことは入れたんだろうが、この曲は聴いていて「まだまだ青いなあマーラー君」とか言う感じではない。ちゃんと完成した交響曲の魅力がある。なのに、他のどの作曲家の交響曲よりも青春の匂いがぷんぷんしている。聴いていてきゅううんとする。素晴らしい。そんなにたくさんCDを持ってるわけでもないけど。

この曲を書きはじめた頃のマーラーは、指揮者としてまだ駆け出しの頃であり、カッセルの歌劇場で働いていた。完成した頃はライプツィヒ歌劇場の指揮者だった。

この20代のマーラーにとってトピックスとなるのが、(歌曲集「さすらう若人の歌」を作曲したきっかけとなる)歌手ヨハンナ・リヒターに失恋したことかと。失恋は確かに大変苦しいし、なかなか立ち直れないものではあるが、この場合音楽史に残るほどの傑作歌曲(と、この第一交響曲)を生み出すエネルギーになったこの失恋は大変意義のあるものだったと思う。

これがもしうまくいって結婚してたら、もしかしてマーラーは(指揮者としては大成したかもだけど)もっとつまんない作曲家になってたかもしれない。そしてその後40にもなってアルマに出会えたことはホントに・・・マーラーにはよかったと思う。マーラーはご存知の通り結婚してからもずっとこの「ウィーン一の美女(笑)」に翻弄されるわけだが、やはり恋愛の苦しみは芸術家のコヤシだと・・・・(生涯道程?の)ブルックナーを聴いてて思ったわけだわたしは。

演奏は。この全集全般的に言えそう(まだ全部聴いてない)なんだがとてもプレーンな感じだ。ヘンテコなことは何一つしていない(と思う)。ユダヤ的ななんちゃらとかこゆいものを求める人は・・・ものたりないかも。でも、そういう人はベルティーニとか聴いてればいいのである。ジンマンにはジンマンのよさがある。休日出勤の残業あけでもさわやかな気分になれることうけあい。音もとってもよい(基本的にヒストリカル耳なので結構びっくり)。

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