« ブルックナー/交響曲第7番 朝比奈隆&大阪フィル | トップページ | 震災から一年 »

2012年3月10日 (土曜日)

新国立劇場オペラ研修所公演「フィレンツェの悲劇」「スペインの時」

120310_1653011_2 ツェムリンスキー:歌劇「フィレンツェの悲劇」
日浦眞矩(グイード・バルディ)
高橋洋介(シモーネ)
今野沙知恵(ビアンカ)

ラヴェル:歌劇「スペインの時」
上野真野子(コンセプシオン)
糸賀修平(コンザルヴェ)
村上公太(トルケマダ)
村松恒矢(ラミーロ)
北川辰彦(ドン・イニーゴ・ゴメス)
その他

飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団
(新国立劇場・中劇場)
.

過去記事:ツェムリンスキー/フィレンツェの悲劇

待ちに待った飯守さんの「フィレンツェ」。この曲を聴くのは久しぶりになるので、昨日シャイーのCDを2~3回聴いた。音楽的にはR・シュトラウスの「エレクトラ」の亜流かな?って言ってしまえばそれまでだけど、生で聴けるって喜びは何にも代えられない。しかも飯守さんの指揮で。

新国の研修所の公演はかなーり昔に一回行ったかなって感じ。その時は「ねじの回転」だったな。多少学芸会・・・いや大学のオペラ同好会の発表会・・・風味。

今回も研修所の公演だからそんな発表会みたいなもんかなあ?とか思って出かけたけど、よく考えると飯守さんの指揮のシティ・フィルだもの、そんな甘っちょろいものではないよ、きっと。

・・・と行ってはみたものの、最初の2~3分で・・・萎えた。このツェムリンスキーとラヴェルのひと幕オペラを(いくら不倫もので内容は似てるとはいえ)続き物みたいにして上演しようという無理な演出。そんなことしなくてもいいのになあ。

幕が上がると、キリコの絵画の「街の神秘と憂鬱」のような風景。絵に登場する丸い車輪みたいなのをくるくる転がす女の子、マルス像とアリアドネ像、キューピッドの女の子(カワイイ)、シスター、街の人々、娼婦?、その他。何か色々繰り広げてるけど、あたしゃ無関心。寸劇がえんえんと続き、なかなか音楽本編にならない。早くやっておくれよ、ツェムリンスキーを。危く音楽が始まる前に寝るとこだった。あたしの横の知らない男性は寝てた。

音楽が始まると、そこはツェムリンスキーの世界。凶暴な不協和音とウィーン風の優美さがいり混じる(ちょっと過剰なほどの)管弦楽が素晴らしい。この世界が理解できない人は不幸だ。

<あらすじ>
フィレンツェの商人が出稼ぎに出てる間に、妻が男と不倫してたので商人はその男を絞め殺した。何故か惚れ直す妻。

3人しか歌う人はでてこない。他はなんとか色々な人を舞台に乗せたいという親心なんだろうか。別にこの曲に限っては出演者は3人だけにしてほしいわな。そしてできれば演奏会形式で、分厚い管弦楽を堪能したいもの。(やはりオケピットだと・・・やや物足りなく感じる)

・・・などと書くとせっかく熱演して下さった歌手の方々に申し訳ないんだけど、3人とも大変素晴らしかったでした。勿論、これから日本のオペラ界を背負って立つ方々なので、ワインで言えばまだ若い、ボジョレーヌーヴォーみたいなフレッシュなお声である。テノールの方の美声、若妻の色気を表現したビアンカ役の方の落ち着いた声、そして曲のほとんどを歌いまくるバリトンの役の方の声と演技力も舌を巻いた。ド素人のあたしがいうのも失礼だけど、これから沢山新国立劇場で舞台経験を積んで、日本を代表するオペラ歌手になられることでしょう・・・と期待。

休憩。

ラヴェル。申し訳ないことに初めて聴く曲である。全くあらすじもわからず臨んだ。解説書のあらすじを5回くらい読んだけど・・・全く意味がわからなかった。もっと簡単に書いてくれないか。

<あらすじ>
時計屋の妻がダンナの外出中にロバ引きの男とやっちまったでござるの巻。

ロバ引きの役の人は本当に力持ちでないとできない役のようである。おっきな時計を持ち上げたり、妻役の人はもちろん、男の人をも持ち上げたり。本日演じた方は本当に屈強な人のようですごく・・・かっこよかった。あれは惚れるよなあ、時計屋の妻。時計屋の妻役の人もスマートでかっこよかったが。声も皆さん平均してよかった。

舞台にあった数々の時計の中に、「もしや・・・アレはトーキョーリングのブリュンヒルデ用巨大目覚まし時計か?」と思うものあり。違うかな。

しかし。何だか中間くらいでちょっと退屈して眠くなってしまった。ラヴェルの音楽のせいかしらん。ロバ引きとやっちゃうあたりで目が覚めた。結構長く感じた。最後の劇団員一同のダンスは可愛かった。

曲についての感想は。
人間って簡単に恋に落ちるもんなんだなと。こないだ、女友達と飲んでて、「naopingさん、恋はするもんじゃない。落ちるもんだ。」と言われたのを思い出した。どすん。

|

« ブルックナー/交響曲第7番 朝比奈隆&大阪フィル | トップページ | 震災から一年 »

コメント

あの小芝居は意地悪い見方をすれば前後半で同じセットを使いまわすための言い訳なのでしょうが、いくらなんでも長過ぎましたね。セット自体はそう悪くなかったと思いましたが。

今回の演出でなるほどと合点がいったのは最後のビアンカの変心で、グイードの「強さ」に惹かれたビアンカは、シモーネに命乞いをする姿を見た途端に醒め、勝者のシモーネに気持ちを戻す。一方のシモーネは寝取られて改めて妻を女として見直す。あのエンディングは以前観た時どうにも唐突感が否めなかったのですが、今回はそうでもありませんでした。ただ土曜日のシモーネは役作りがいささか立派すぎた気がしまして、もう少し卑小さや臆病さを印象付けておいたほうが、最後の逆転が際立ったかもしれません。

飯守さんはツェムリンスキーはもちろんのこと、ラヴェルも良かったな。東京シティ•フィルでは矢崎さんに遠慮していたんでしょうか。

投稿: 白夜 | 2012年3月11日 (日曜日) 14時41分

昔、二期会が「フィレンツェ」と「ジャンニ・スキッキ」を続き物(もちろんセットは使い回し)で上演しましたね。この曲が聴けるというだけでも嬉しかったところに、なかなか凝った演出、その他もろもろがすごく楽しかった記憶があります(ブォーゾが死にっぱなし・・・笑)。

まあ、珍しいものを見たということで。
見てない私はうらやましいぞぉ!!!

恋におちる元気があるうちが花です。

投稿: yoshida | 2012年3月11日 (日曜日) 16時17分

>>白夜さん

白夜さんに頂いた情報のおかげで、貴重な公演に接することができました。ありがとうございました。

確かに、同じセットを使い回すためなのかなあとは思いましたけど、それでもあの小芝居は必要ないんじゃないかなと思いました。もう見ててめんどうくさいというか、全然いらないエッチなシーンとか演出家のセンスを疑うほどで(歌う人ならまだしも歌いもしないのにあれじゃ、見に行った親御さん?が気の毒)。通行人の2~3の会話くらいでいいかなって思うくらい。あの芝居は多くても3分の1の時間でいいと思います。

私はフィレンツェは舞台は初めてだったんで、(ビアンカが突然惚れ直すってシーンは)全く違和感がありませんでした。そうですね、CDだけで聴くと「なんでえ?」みたいな感じはありますね。あと、ちょっとびっくり(?)だったのは、今日改めてシャイー盤を聴いてみてグイード・バルディ役は今回の公演の人の声のほうが魅力的だったことですね。好きな声質のテノールでした。

ラヴェルでわたしの気力が持たなかったのが残念でした。どうも眠くて・・・あの小芝居で。舞台セットは(意外と)なかなかよかったと思います。

投稿: naoping | 2012年3月11日 (日曜日) 19時37分

>>yoshidaさん

ああ、かつて二期会が上演したのですね。その組み合わせのほうが良かったかもです・・・ラヴェルよかプッチーニのほうが好きなので。楽しそうな公演ですね。今回は音楽部分は楽しかったですけどね。音楽以外のところで観客が退屈しちゃったらそれは作曲家や指揮者のせいじゃなくて・・・誰とは申しませんけど。

ところで、yoshidaさん「フィレンツェの悲劇」お好きですよね、聴いてて何かわかる気がしました。演奏・歌唱はよかったので行かれたら良かったですね。

恋の落ち方を最近忘れてしまいました・・・(アレレ)。恋愛映画でも見るかな?

投稿: naoping | 2012年3月11日 (日曜日) 19時52分

実はオペラの日本語対訳読むのが苦手です。読んでも筋がつかめないことが多くて。
naopingさんの「あらすじ」は分かりやすくて笑えるので好きです(笑)

投稿: ぜん | 2012年3月11日 (日曜日) 21時37分

2005年の公演で指揮はアルミンクでしたね。当時としては前衛的な演出が賛否両論。今では別にSMくらいどうってことないのですけど・・・。
ご察しの通り、私は昔からツェムリンスキー好きでして、中学生の頃に抒情交響曲聴いてはまったのが最初。そういえばお店時代には、「小人(王女様の誕生日」のコンロン盤を上演に合わせて多数売ったものでした。あの独特の和声がたまらんのですが、今は、ちょっと味が濃すぎて・・・へへへ。

恋は正直めんどくさいざんす。
私にはイヌいるし、ハムスターもいるし(笑)。

投稿: yoshida | 2012年3月11日 (日曜日) 21時48分

お久しぶりです。
またしても同じ日だったようですね(笑)
2つの作品を関連づけるというコンセプト自体は悪くはないと思いましたが、
あまりにも本編と関係ない小芝居を長々とやられてホントに辟易しました。
とはいっても、実は音楽が鳴り始めるまではラヴェルが先だと勝手に思い込んでいたので、
ラヴェルのための茶番なんだろな、と他人事のように眺めてましたが(笑)
でもそれより許せなかったのは、「フィレンツェ」の最後の和音が鳴ってる最中にもかかわらず、
2度にもわたってフライング拍手が起こったことです。

投稿: フィディ | 2012年3月12日 (月曜日) 17時58分

>>ぜんさん

ありがとうございます!
あらすじをなるべく短くまとめることに最近は快感を感じております。

投稿: naoping | 2012年3月12日 (月曜日) 20時10分

>>yoshidaさん

アルミ君だったんですね。彼はツェムリンスキー得意な感じですが、演出はSMすか・・・。
それにしても中学生で「抒情」は凄いですね。私、ツェムリンスキーの存在は知ってたかな?(もちろんマーラー経由で)くらいです。私も最初はやっぱり「抒情」でしたけど、徹底的にハマったのはやっぱり「人魚姫」ですねえ。今もツェムリンスキーの中では一番(それどころかこの世の管弦楽曲の中でもかなり上位)好きです。「小人」はもちろん見に行きましたけど、きっつい話でちょっとヒキました。

動物がいるとどうしてもそっちに気持ちが行ってしまいますね~。ああ、猫飼いたいです。

投稿: naoping | 2012年3月12日 (月曜日) 20時20分

>>フィディさん

おお、同じ日だったのですね!
やっぱり・・・あの小芝居はあまりにも長かったでしたよね?
それと・・・私も会場行くまでラヴェル先だと思ってましたが、解説読んで「あ、フィレンツェ先かあ」って思いました。正直ツェムリンスキーだけ目当てだったので、最初の曲だけ緊張してればいいやって思いました。

確かにフライング拍手が甚だしかったですが、要はアレは発表会だからオペラなんて何にも知らない友人や親御さんたちが見にいらしてるわけで(いや、声楽習わせるくらいのハイソサエティな親ならオペラに精通してるだろうって?はあ・・・まあそうですけど)、幕が閉まればもう拍手、もしくは音楽が終わりそうであれば拍手みたいな、演歌歌手のコンサートみたいに考えてるんだろうって思って私は我慢しました。ホント・・・つらかったですわ・・・。

投稿: naoping | 2012年3月12日 (月曜日) 20時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/108585/44442765

この記事へのトラックバック一覧です: 新国立劇場オペラ研修所公演「フィレンツェの悲劇」「スペインの時」:

« ブルックナー/交響曲第7番 朝比奈隆&大阪フィル | トップページ | 震災から一年 »