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2012年2月 4日 (土曜日)

ニュルンベルクのマイスタージンガー シッパース/メトロポリタン アダム キング他

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ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

テオ・アダム(ハンス・ザックス)
ジェイムズ・キング(ヴァルター)
ピラール・ローレンガー(エヴァ)
ベンノ・クッシェ(ベックメッサー)
シャーリー・ラヴ(マグダレーネ)
ローレン・ドリスコル(ダーヴィット)
エツィオ・フラジェッロ(ポーグナー)
ドナルド・グラム(コートナー)
ジェイムズ・モリス(シュヴァルツ)、他
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
トマス・シッパース(指揮)

録音時期:1972年1月15日
録音場所:ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場
録音方式:ライヴ
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<あらすじ>
小鳥に歌を習ったくらいで歌合戦に挑戦する無謀なドイツの騎士の話。優勝したくせに「マイスターはいやです」とか言ったりする。

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メト歴史的ライブシリーズ。

こないだ聴いた「ワルキューレ」に続きワーグナー。同じようになかなかの豪華キャスト。とにかく(キング好きとしては)キングのヴァルター・フォン・シュトルツィングが有難い。

テオ・アダムがザックスってのも(私の中では「ザックス」っていうとテオ・アダムの顔が浮かぶ)宜しい。ローレンガーのエーファもまことにチャーミングでよい。他の歌手も頑張ってる。(あまりにチャーミング過ぎるプライに比べていかにも若い娘に嫌われそうな感じの)ベックメッサー役のベンノ・クッシェも芸達者だし。やけに聴きなれてるなあと思ったらカイルベルト盤と一緒だ。

しかし。

ワルキューレと同じく、1972年なのにモノラル。当時のラジオがまだモノラル放送だったんだろうか(メリケンなのに?んなアホな)。なんかなあ。もうちょっと何とかならんかったんだろうか。聴き辛いというより残念感でいっぱいになる。

しかし、嘆いても仕方ない。

最初。拍手が終るのを待たずに前奏曲が始まる。若くてハンサムなシッパースが颯爽と現れて指揮棒を振り上げているところが浮かんでくる。まことに力強い前奏曲だが・・・残念ながらこの曲に必要なドイツ的な滋味深さみたいなものは無縁である。アメオケだから仕方ないか。アメリカハリウッド的な(いい意味で)。全体的に演奏の威勢はいい。わくわくする。

キングのヴァルターは声に悲劇のヒーロー臭がするので最初は少し違和感。つか、私だけかも知れんがジークムントにしか聞こえない。でも慣れるとやっぱりとってもカッコイイ。エーファが一目ぼれしてしまう感がありあり。ジェス・トーマスとかルネ・コロとか、大体この役はカッコイイけど。(キングの笑顔の舞台写真が晴々しくて珍しい。つか、キングって苦み走った顔の写真が多い気がするのだが。)

メリケンな拍手が(歌手登場とともに)頻発して微笑ましい。聴衆の笑い声も頻繁に入り臨場感あふれている。ベッグメッサーの歌の途中のだれぞかの「へへへw」がよい。

・・・それにしても、戦争終わってずいぶん経ってて、1972年だというのにアメリカってまだこんなことやってたのは凄い↓。
「なお、当時のメトの『マイスタージンガー』上演の通例で、終盤のザックスによる「神聖なるドイツ芸術...」のくだりはカットされているようです。」(HMVより)
バリバリのドイツ人のテオ・アダムはどんな気持ちだったろうか。3枚に収まってるので全体的にも多少短いようだ。第2幕計算したらカイルベルト盤より10分くらい短い。

しかし、さほど「うああみじけええ」って感じもなく、大いに盛り上がって終わる。大拍手。カットとモノラルな以外はなかなか良い上演記録なのではと思う。

さて、このシリーズ、次回は(いつなんだ?)ベームの「フィデリオ」かなんかを予定。

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昨日、ケイタイをついに変えた(あたしのは古くて7月には使えなくなるので)。めんどうくさかった。会社の隣の席のお弁当男子君も2日前に取り替えに行ったので、色がかぶっちゃいかんと思って前もって見せてもらった。「新しい機種は。。。大変使い辛いです」と言ってたのでおびえていたが(私もついに「らくらくフォン」デビューかと)、実際は私は前のと同じメーカーのにしたので結構大丈夫だ。

ショップではデータコピーにずいぶん時間がかかり、(別の要件で)隣のブースで年配の女性が苦情を言ってたのを一部始終聞いてしまった。なんでも、電話がかかってきて「早く取り替えないともうあなたは携帯を使えなくなる」と脅されたそうで。「えー使えなくなったらドコモとかに変えればいいじゃん」とか思ったんだが。 icon

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コメント

 夭折指揮者ベストテン(ベストでいいのかな)を選ぶとするとその筆頭は(筆頭なんて言っていいのかな)、ま、シッパースだろうな。指揮者は年季が勝負の世界だからある程度歳を喰ってデビューするから、50歳でも駆け出しと言えないこともないけれど、でも50台で亡くなっても夭折とは言いがたい。
 ある程度の実績があって、この人の未来はいかなるものかと期待を膨らませておいてくれたところでお亡くなりになるというのが夭折の美学というものではないであろうか。
 となると、もう一人、ケルテスという夭折感いっぱいの方もいる。この二人が双璧、東西の夭折指揮者の横綱といって差し支えあるまい。
 ケルテスはそれでもブラームスやドボルザークの交響曲全集、モーツァルトの後期交響曲というまとまった録音を残しておいてくれているけれど、シッパースは日本では馴染みに乏しいオペラがあるだけで、それだけに夭折の慙愧が残る。ここは東の横綱にシッパースとして、ケルテスは西に回っていただくのが適切ではないだろうか。
 

投稿: 面久院滅多坊 | 2012年2月 7日 (火曜日) 12時18分

>>面久院滅多坊さん

シッパースの不遇な人生については、何年か前に古本屋で入手した三浦さんの御本に書いてありました。

・まず、肺がんで47歳という若さで亡くなったこと(1977年)。
・美人の奥さんに先立たれたこと(1973年)。
・イケメンなのに、指揮者に関しては外見は重要視されない時代に生まれたこと。レヴァインが人気あったりするアメリカ。
・メトでは(ルドルフ・ビングの采配で)若手指揮者にあまり多くのリハーサル時間をとってくれなかったため、短い時間に準備して何でもそつなく振れる(手際のよいだけの)印象の指揮者にされてしまったこと。

以上、三浦さんのやや古い記述によることなので本当のことはよくわかりませんが、不遇であったことには間違いありません。のちのち(今回のような)隠れた録音がもっと出てくれば、彼の実力はもっと明らかになるのかもしれません。

あまり詳しくないのでわかりませんが、デッカに数多く録音が残っているケルテスのほうが若干恵まれてたような印象が私にはあります。

投稿: naoping | 2012年2月 8日 (水曜日) 21時38分

はじめして、ライムンドというHNで2年前からブログをやっております。マイスタージンガーは好きな作品なので、この記事のCDも気になっていました。

>終盤のザックスによる「神聖なるドイツ芸術...」の>くだりはカットされているようです

 やっぱりカットされてるんですね。“ マイスターをあなどらないで下さい~ ”以下をはじめ、ザックスの独唱は好きなので残念です。ユダヤ系の関係者への遠慮とかも関係あるのかとか想像していました。

投稿: ライムンド | 2012年2月 9日 (木曜日) 21時12分

>>ライムンドさん

はじめまして。リンクまで貼って頂いてありがとうございます。

第3幕のザックスの歌のカットについては直接は何がアレなのかはわかりません(ナチスがらみなのは明らかですが・・・ユダヤ人がアメリカに大量に亡命したから?)が、もう1972年ってもう戦後ってほどでもないし、かなりびっくりしました。

演奏については、記事に書いたとおりのよい演奏だと思います。オケにもうすこしコクがあったらいいかなと思いますが・・・ないものねだりですかね。

投稿: naoping | 2012年2月 9日 (木曜日) 23時46分

お久しぶりでございます。

明朗な良い演奏ですね。シッパースのマイスターといえば63年に一度だけバイロイトに出演したことを思い出します。
確かサヴァリッシュがヴィーラントと衝突したための代役で、PHILIPSの録音がおじゃんになったのでは?と残念に思っています。

シッパースはバイロイトの日本公演でワルキューレを振ってたはずです。こちらも出てこないかな~

ヨッフム盤でワルターにキングを起用しなかったDGをいまだに恨んでいます(笑)

投稿: 大分のワクネリアン | 2012年2月26日 (日曜日) 09時36分

>>大分のワグネリアンさん

これ、聞かれましたか。色々問題はありますが、なかなかいい演奏だと思います。

バイロイトの日本公演のワルキューレは、まえ~にYouTubeに映像が出てたので見ました。勿論、すぐに消されましたが・・・。普通の若いおねえちゃんっぽいアニア・シリアのブリュンヒルデが妙に違和感でした。

投稿: naoping | 2012年2月27日 (月曜日) 20時44分

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