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2011年12月26日 (月曜日)

平成中村座12月大歌舞伎夜の部・25日(千秋楽イブ)

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平成中村座12月大歌舞伎・夜の部

・芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)「葛の葉」
・積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)
・松浦の太鼓

出演
勘三郎・菊之助・勘太郎・七之助・松也・新悟・虎之介・亀蔵・彌十郎・扇雀・他


隅田公園の中に芝居小屋が建ててある。駅から結構あるのでちょっと迷ってしまった。そしてご覧のような曇天。スカイツリーをバックに撮ってはみたものの、何だか絵になる感じではない。雨に備えて、芝居小屋の前にビニールの屋根が貼ってあったので建物自体は写真に撮れなかった。

寒い。ホントにさぶい。クリスマス寒波直撃である。

芝居小屋の中は、靴を脱いで入る(各自ビニールに入れて持つ)式なので、足がとても寒い。暖房はないし、ほぼ吹きっさらしに近い。「コートを預けるところは?」とか思ってたけど・・・コートを脱ぐと寒いのでクロークなんか必要なし。

友人に券を取ってもらったんだが、すごくいい席。花道かぶりつきである。

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席からはこんな感じ。お弁当とか水筒とか花道においてしまいそうである。自分のすぐ横を有名な役者さんがどたどたと通り過ぎるのを堪能。

演目ごとの感想っつーか。

芦屋道満大内鑑「葛の葉」
阿倍保名(あべのやすな)が結婚した妻、「葛の葉」は実は保名の恋人にそっくりに化けたキツネだった。ある日本当の葛の葉が訪ねて来て、ついに本当のことを明かさなければならなくなった。夫に別れを告げるために障子に一筆認めるが、幼いわが子が駆け寄ってきて色々邪魔をするので、右手で抱きかかえながら字を左手で書いたり(左右逆さの文字になったりする)、しまいには両手がふさがってしまうので筆を口にくわえて字を書いたりする・・・というのがこの出し物の見せ場。歯が丈夫じゃないとできない役だなこりゃ。キツネ役の扇雀さんがいかにもキツネっぽいしぐさ。ホントの葛の葉とキツネの2役なので忙しそう。花道の奈落?のところで枯れ葉とともに現れるのがかっこいい。

積恋雪関扉
逢坂山の関所には小町桜と呼ばれる古木の桜があり(冬なのに満開)、関所の近くには関守関兵衛と宗貞がともに住んでいる。そこへ小野小町姫が現れる。小野小町姫は宗貞の恋人だけど、何やらいわくありげだ(そこらへん、あまりに入り組んでいてあたしにはよくわからない)。夜になると何故か「今日桜の木を切って護摩木にすれば大願成就」という相が出たので関兵衛が木を切ろうとすると、傾城のいでたちの木の精が木の中から現れる。墨染と名乗る。そこから先は・・・何だかよくわからない。お互いに正体を現しあったり、闘ったり踊ったり。いかにも歌舞伎っぽく、なんだかよくわからない演目。

木の精役の菊之助さんは、女形のかっこはきれいだけど、お声がずいぶんドスが利いていて違和感が(次の演目で男役でかなり大声でせりふを叫んだりする役だったので、かな?)

いつも思うが、勘太郎さんはお父さんにそっくりだなあ。(七之助さんはお母さんにそっくりだが)

お弁当。休み時間が25分くらいと少ないので忙しいな。

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浅草周辺の料亭の特製弁当が何種類もあってとっても迷った。さんざ迷ったあげく「草津亭」って高級料亭のお弁当にした(1500円)。草津亭って、ぐるなびで見たら(お店で食べると)とっても高いのね。政治家がナイショの会合をしたり、一般人でも和風ウェディングをしたりするクラスの料亭なのね。とっても美味しかったのでぺろっと食べてしまった。おうちだったらもっとウマウマと味わって食べたのになあ。

内容(マツタケご飯、鶏カレー揚げ、里芋煮、がんも煮、赤魚味噌煮、卵焼、海老アーモンド揚、鶏つくね煮、蒟蒻煮、シメジ煮、燕マリネ、秋刀魚土佐煮、大根醤油漬、人参煮、付合せ)

松浦の太鼓
忠臣蔵アナザーストーリー。
雪景色の両国橋にて、俳人の宝井其角は元赤穂浪士の大高源吾と出あう。源吾は武士を捨てて笹売りをしている・・・というのは仮の姿で、実は敵の目をくらますための策略であった・・・そんな感じの話。とにかく最後の討ち入りの太鼓と、花道を駆けてくる菊之助さんがカッコイイ。っていうか日本人ってほんとうに忠臣蔵大好きだねえ。日本人の血が騒ぐっての?ヨーロッパでいうとマタイ受難曲みたいな?・・・違うかあ。

最後は舞台の後ろがぱあっと開いて、向こうの景色(マンションが立ち並ぶ)が見える。どうでもいいけどリアルに寒いんだけど。

それと、すっかり江戸時代の町人の気分になってたのに、ひっきりなしに飛行機だかヘリコプターだかが頭上を飛んでいる音がする。車も通るし。やはり平成じゃのう。

勘三郎さんが元気になってほんっとによかったああ。

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帰りに、クリスマスライトアップされたスカイツリーを見ようと思ったら、もうやってなかった。クリスマス当日なのに、なんでなの。

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コメント

実家の老親が以前行ったとき、御大尽席(3万5千円、4名様 ベルリンフィルよりは安い)まで御祝儀をもらいに役者が行くのにたまげたと言ってましたが、その演出(?)はありましたでしょうか。祝儀袋も特大だったそうですが。
1月のチケットをとってやったんのですが。お弁当はサイトでの予約のみで、高くてスカスカおせち(ちょうど1年前だ)みたいなものかなと思ったら、当日でも買えておいしそうですね。
老親には寒さ対策をするように伝えておきますね。

投稿: | 2011年12月29日 (木曜日) 10時33分

どなたかわかりませんが、コメントありがとうございます。

御大尽席はこの日もありました。私は全然知らなかったんですが、専任のお茶子(お世話してくれる人)がついて豪華お弁当も和菓子も出ます。バックステージツアーもあり、帰りは人力車で駅まで送ってくれるそうで(ってパンフレットに書いてありました)。友人は「いつかあの席でみたい」と言ってましたが、私は何だか恐縮しちゃうのでいいや・・・。

お弁当はもうちょっと安いのもあります。牛肉弁当と迷ったんですが(今半だったかな?)。歌舞伎で食べるようなお弁当は殆ど美味しいと思います。あのスカスカおせち(懐かしいですね)とは全然違います。

親御さんにはいい親孝行ですねえ。一月だったら防寒対策はしっかりとされたほうが。売店でかけ売ってますけど。

投稿: naoping | 2011年12月29日 (木曜日) 18時04分

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