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2011年11月12日 (土曜日)

ヴァルナイのエレクトラ(R・クラウス指揮)

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R・シュトラウス:『エレクトラ』Op. 58全曲
アストリッド・ヴァルナイ(エレクトラ)
レオニー・リザネク(クリソテミス)
レス・フィッシャー(クリテムネストラ)
ハンス・ホッター(オレスト)
ヘルムート・メルヒェルト(エギスト)、他
ケルン放送交響楽団&合唱団
リヒャルト・クラウス(指揮)

録音時期:1953年
録音方式:モノラル

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過去記事:ヴァルナイのサロメ

最近入手したもの。
ヴァルナイ、リザネク、ホッターと揃った超強力キャストが魅惑的だが、録音年代が古いのと、クラウスはクラウスでも名指揮者クレメンスでなくリヒャルト・クラウスってのがやや購入意欲を(一般的には)そがれるセット。

こーゆー全然知らない指揮者は、どう考えてもボンクラ(←失礼)に違いない。リヒャルトって名前もなんかよくありそうだし。嗚呼。

リヒャルト・クラウスってどんな人なのか。

リヒャルト・クラウス(Richard Kraus, 1902年11月16日 - 1978年4月11日

シャルロッテンブルクに、テノール歌手のエルンスト・クラウス(Ernst Kraus)の息子として生まれる。ベルリン高等音楽院で学び、1923年から1927年までベルリン国立歌劇場でエーリヒ・クライバーやレオ・ブレッヒらのアシスタントを務めた。1927年から翌年にかけてカッセル、1928年から1933年までハノーファー、1933年から1937年までシュトゥットガルトのそれぞれの歌劇場の指揮者を務め、1937年から1944年までハレの音楽総監督に就任した。この音楽総監督時代に、ヘンデルの《アグリッピーナ》を蘇演している。また、1942年にはバイロイト音楽祭にも出演しヴァーグナーの《さまよえるオランダ人》を上演した。

1947年よりデュッセルドルフの歌劇場の指揮者となり、翌年からはケルンの音楽総監督を兼任した。1953にはベルリン市立歌劇場の音楽総監督に転出し、1961年から母校で教鞭を執った。その傍ら、1963年から1969年まで北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めている。

バイエルンのヴァルヒシュタットにて没した。ウィキペディアより)

お父さんのエルンストさえも知らんがな。もう完全にアウェイ感。前に買ったヴァルナイの旦那さんの指揮によるサロメみたいにどうでもいい伴奏を想像した。声の饗宴が聴ければいいやって思った。

が。

杞憂であった。もう、「アガメーーーームノン」の前奏から「これはいける」って思った。小さくガッツポーズ。録音、モノラルだが悪くない。放送用録音なんだろうか。
細かい所もよく聴こえる。かなりリマスターがんばってる感。例えば、ウチにあるミトプー・ザルツブルグ盤より音はよい。

メリハリの効いた指揮が(意外と)素晴らしい。この曲はサロメ以上に緊張感を保たなければならない曲だと思うが、この録音ではだれるところがない。

(この指揮者がバイロイトでオランダ人を振った録音が残ってるらしく、これのHMVのレビューが恐ろしく悪い。そんなに酷いの逆に聴いてみたい。やっぱり・・・一般的にはボンクラ指揮者なのか。)

歌手は言うまでもなく良い。ヴァルナイは貫録のある声がサロメの時にもしかしてヘロディアスかな?みたいに思ったように、ここでもどっちかっつーとクリテムネストラみたいとか思う(ベーム映像版では出てたしなあ)。気にしなければ素晴らしい。ヴァルナイとリザネクの姉妹はホレボレと聞いてしまう。私リザネクあんまり得意じゃないんだけど、ここではちょっとデラ=カーザっぽいムーディな感じが素敵。「農夫をあてがわれてもいいから、子供が産みたい、云々」のアリアは名唱。農夫バカにすんな。

そのあと出てくるおかーさんがほんの少し聴き劣りがしてしまうのは、歴史的名歌手二人のあとでは仕方ないか。しかし狂気を感じるなかなかの熱演。そして何よりもヴァルナイとホッターの掛け合いをワーグナー以外で聴けるのはとても幸せ。何ともゴーカな気分に浸れる。ホッター歌うとこ少なくて残念だが。

というわけで意外とよいもので、最後もなかなかスリリングに盛り上がり堪能できました。昔の歌手は格が違うと思います。それにしても、この曲ってどの録音聴いてもおかーさんの断末魔の叫びがこえええ。ここで来るなあってわかっててもビックリ。意外とこのブログのエレクトラ率少ないのはそのせいかも。

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コメント

聴いたことはないですが、名前を見かけたことはあります。>リヒャルト・クラウス
たしかDGの廉価盤LPレコードで、バンベルク響振って、ペール・ギュントみたいなポピュラー名曲を録音してたような。CDもあったかも。

ドイツ・オペラを主に振ってる職人指揮者のコンサート・レパートリーって、なかなか手堅いしっかりした演奏が聴けて結構好きです。本領はワーグナーやR・シュトラウスなんでしょうけどね。

投稿: ぜん | 2011年11月14日 (月曜日) 21時18分

>>ぜんさん

このカプリッチョの放送用録音シリーズ?は他にも色々出ているのですが、他の指揮者は結構メジャーです(カイルベルト、父クライバー等)。でも何故かあまりそそるものがないですね。キャストがいいと曲が微妙だったり。惜しい感じです。

リヒャルト・クラウス的な?職人指揮者は昔沢山いたんじゃないでしょうか。ルドルフ・モラルトとか・・・?名前を聴いた事ありそうで・・・あまりない。ヨーロッパの美術館のお土産物屋で売ってる名曲集CDとかに謎な指揮者がいますが、その辺で見かけそうな感じです。

投稿: naoping | 2011年11月14日 (月曜日) 23時38分

 今晩は。
   
 このクラウスという人がベルリン国立歌劇場にいた時期の一部は、同歌劇場にてセルがクライバーの下で第1カペルマイスターを務めていた時期と重なるわけですね。というわけで、1925年当時の同歌劇場のスタッフ名簿画像資料を再チェックしてみたところ、確かにクラウスの名前がありました。   
   
  http://blog-imgs-30.fc2.com/s/z/e/szelldocs/staats1925.jpg   
  
  
   (↑ 当方ブログの画像庫内にある画像)
   
 エーリッヒ・クライバー、ゲオルク・セルの名前(および住所なども)が見当たりますが、それに続く次の項目 "Korrepetitoren" の一番最後にリヒャルト・クラウス(リヒャルトは "Rich." と表記)の名が見えます。当時、歌手に歌唱指導する役割を受け持っていたものと思います。
   
 ま、わざわざ確認することもなかったのですが(笑)・・・しかし、劇場の人、叩き上げの人、という感じが、ちょっといいです。演奏を聴いたことがありませんが、もしかするとノイエ・ザッハリッヒカイトの影響を受けたような音楽を指向しているのかな、などと想像を膨らめています。

投稿: クラシカルな某 | 2011年11月18日 (金曜日) 19時12分

>>クラシカルな某さん

コレペティトールからオペラ指揮者になった人はたくさんいると思うのですが、このR・クラウスって人はイマイチ知名度がないですね。エレクトラ聴く限り、なかなかいいんじゃないかと思いました。地方で細々と頑張ってたのかな、と想像します。毎年あらかわに来るクリスティアン・ハンマーもこんな感じかなとか(勝手に)思います。


画像、残念ながら観れなかったのでこれについては・・・(すいません)。

投稿: naoping | 2011年11月19日 (土曜日) 22時25分

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