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2011年11月23日 (水曜日)

R・シュトラウス「ダナエの愛」 リットン/ベルリン・ドイツ・オペラ(DVD)

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R・シュトラウス:歌劇「ダナエの愛」全曲

ダナエ…マヌエラ・ウール(S)
ユピテル…マーク・デラヴァン(Br)
ミダス…マティアス・クリンク(T)
メルクール…トーマス・ブロンデレ(T)
ポリュックス…ブルクハルト・ウルリッヒ(T)
セメレ…ヒラ・ファヒマ(S)
オイローパ…マルティナ・ヴェルシェンバッハ(Ms)
アルクメーネ…ユリア・ベンツィンガー(Ms)
レダ…カタリーナ・ブラディッチ(A)
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
アンドリュー・リットン(指揮)

演出:キルステン・ハームズ
美術:ベルント・ダモウスキ
衣装:ドロテア・カッツァー
照明:マンフレッド・ヴォス
ドラマトゥルギー:アンドレアス・K・W・マイヤー

収録時期:2011年
収録場所:ベルリン・ドイツ・オペラ(ライヴ)
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できたてほやほやの「ダナエの愛」のDVD。この曲を聴くの久しぶり。映像として見るの初めてである。日本語字幕付で大変有難い。

筋書きは入り組んでるが、「アラベラ」+「ダフネ」といったところか。このオペラ、音楽は本当に素晴らしいのに、筋書きがわかりにくいのが難だな。あたしも実はよくわかってないんだけど。

<第1幕>

見なれた絵画とかグランドピアノとかがある部屋。「ジュピターとイオ」やら「レダと白鳥」やらと、このオペラの登場人物を描いた絵もある。たくさんの借金取りが差し押さえにきて大騒ぎしている。安っぽい王冠かぶったポリュックス王が対応に追われている。借金は娘のお婿に返してもらおうという魂胆。

金の雨・・・ならぬ楽譜の雨が天上から逆さにつりさげられたピアノ(このあともずっとある)から降っている。それを茫然と見ているダナエ。どうもこのオペラの楽譜のようだ。(以前、サヴァリッシュのライブを聴いた時にここのところが美しくて凄く印象に残った。)

ダナエの人はなかなか綺麗だ。ちょっとふくよかな国生さゆりといったところ。何度も言うが14型テレビなので本当のところはわかならい。声はふくよかで美しい。ただ、歯並びが悪い。

ダナエのイトコ夫婦たちが金持ち求婚者をさがす旅から戻ってくる。大きな金色の額縁と金色の樹木?を持ってくる。結納品?

求婚者のミダスが来た!と思わせてミダスの使者が登場(ホントはミダスが変装してる)。オペラ歌手にしてはわりとイケメン。白い箱に入った金の靴とか服を持ってきた。おまいらどんだけ金色好きなのかと。ダナエは使者のほうに惚れてしまってる感じ。

ミダス登場(実はユピテルが変装してる)。みんな大歓迎。太ってる。悪役レスラーみたいでなんかやだな。声は結構いい。偽物ミダスに抱擁されてダナエは気絶。

<第2幕>

ダナエの寝室。ダナエのイトコ4人は実はみんな過去に偽物ミダス(=ユピテル)に寝とられたことあり。てなわけでイトコ4人はダナエに嫉妬。何そんなにモテてんの悪役レスラーのくせに。という感じでオペラっぽいのう。部屋に何故か消火器。

本物ミダス登場。ユピテルと言い争ってる。ミダス、手袋をはずすと手が金色(ミダスは昔は貧しいロバ引きだったが、なんでもユピテルに、手に触れたものは何でも金に変える能力を授けてもらったらしい。)。ユピテルが退場し、ダナエが入ってくる。 陶酔的なデュエット。ミダスは部屋中何でもキンキラ金にしてしまう。金閣寺かと。ミダスがダナエにキスをすると黄金に固まってしまう。ユピテル登場。ダナエに二人のどっちにするか選ばせようとする。目を覚ましたダナエ。もちろんダナエはミダスの名を呼ぶ。怒り狂うユピテル。

<第3幕>

340pxgustav_klimt_010_2  廃墟。がれきの中より二人は目覚める。みるみるうちにピンボーになってしまった二人。お金より愛を選んでしまったのだからしょうがない。ミダスは触れるものを金にする能力もなくなってしまった。貧乏でも二人で生きて行くことを決めた二人。いちゃいちゃと舞台を去る。

ユピテルが登場。ちょっと反省モード。メルクール(マーキュリー)が「ラインの黄金」におけるローゲのように、煙とともに登場。ダナエのイトコ4人組もなんだかぼろっちくなって登場。ユピテルを誘惑する。メルクールが美味しそうなケーキを持ってきてふるまう。ポリュックス王一団がやってくる。ユピテルはペテン師だとみんなに罵られる。メルクールが金貨の雨を降らす。狂ったようにみんなで金貨を拾って舞台からはける。メルクールがユピテルを色々と諭す。(このメルクールって役はいいな。ローゲっぽい役回りで好き。ケーキ持ってきたからじゃないよ。)

こっからちょっとしみじみモードな音楽。晩年に近いシュトラウスのこの感じの音楽はいいねえ。とても感動的。

ダナエが登場、がれきの一番上からずりずりっと引きだすとそれはクリムトの「ダナエ」の絵。手には「ダナエの愛」の楽譜。「ミダスの小屋がダナエの王国」と一人で歌う。そこへユピテル登場。白いマントの旅人に扮してる。あんたほどの美しい女がなんでこんな質素な小屋に?とか大きなお世話である。あの手この手で誘惑するが、ダナエはなびかない。彼女の唯一の宝物である櫛を(この演出では楽譜)ユピテルに手渡す。結局人間同士の愛には神様もお手上げである・・・とかそんな感じのオチ。ユピテルは静かに去っていく。ミダス!と叫ぶダナエ。静かに幕。

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・あんまりオペラとは関係ないんだけど、「がれきの中でも生きてる、何もかもなくなっちゃったけど命さえあれば」っていうかんじが、何だか今の日本人にはどうもアレだ。そんなんで泣ける。くううう。

・プレイボーイであるユピテルがもうちょっとカッコ良ければいいなあとか思った。あとの人がそこそこ美しいので惜しい。歌はうまいんだが。

・音楽が素晴らしいのですっかり忘れてたが、リットンの指揮はなかなか見事だった。曲そのものにとても感動した。シュトラウス・ファンなら見るべし。

・ボーナストラックとして公開リハーサルの映像つき。演出家は女性です。

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コメント

やっぱり狙っていた僕です。
22日上京して(ガラガラ君と伯林のマラ9を聴くためであります)、買う気満々だったんですが、塔では見かけんかったなあ。結構アルトハウスは高いので、貯まったポイントを使おうとは思っているんですが。結局盤共でシュトラウス・ファミリーの6枚組に化けました。
どこで購入されたんでしょう?

投稿: IANIS | 2011年11月23日 (水曜日) 17時44分

>>IANISさん

やはり狙われていたのですね。
ベルリンのマーラー9ですか。DVD買うよりそちらのほうがかなりお高いかと(もう、全くスルーです私)。まあ実演は違いますけどね。シュトラウス・ファミリーて・・・・・シュトラウス違い?

私は某通販で手に入れました。

投稿: naoping | 2011年11月23日 (水曜日) 23時18分

こんばんは。
「ダナエの愛」のDVDは、IANISさんから教えてもらいましたが、まだ入手しておりません。

このオペラは、結構好きでして、晩年のしみじみ透明感と、シュトラウスお得意の神話の禍々しさが味わえます。
そして、メロディ満載ですよね。

歯並びが悪い国生さゆり似にダナエ、見てみたい!

若杉さんの演奏会形式日本初演を聴きましたが、その時は佐々木典子さま、大野徹也などなど、すごい顔ぶれでございました。
サヴァリッシュの放送では、J・キングが出てたんですよ。

がれきのお話には、想像するだけで、泣けちゃう。
今宵、禁断のネットショピングしそうな予感!

投稿: yokochan | 2011年11月27日 (日曜日) 00時23分

>>yokochanさん

強力におすすめします。HMVにレビューが早々とありましたが、私も同じく★★★★★付けたい!です。

ダナエ役(歯並びの悪い国生さゆり)はヴィントフュール盤と同じなようですが(私は持ってませんけど)、そんなにすごく上手ではないけど外見含み総合点ではなかなかですし、感動的な演技でした。第3幕の一人で歌うところなんかグっときました。他の歌手も誰ひとり知りませんが、みんな平均的にいいのかなと。演出も演出家の思い入れがたくさんで素晴らしいです、わかりやすいし。リットンの指揮も盛り上げ上手だしかなりいいなと思います。

そう言えば、ダナエのサヴァリッシュの公演にはキング様出てましたよねえ(懐かしい。あの年は狂喜してFMで放送されたのを全部聴いてました。あんなことってもう一生ありませんねえ)。アレ、オルフェオ当たりで出してくれないでしょうか。

若杉さんのは何故か行かなかったです。残念。

投稿: naoping | 2011年11月27日 (日曜日) 21時44分

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