ノスコフスキ: 演奏会用序曲「モルスキェ・オコ」
カルウォーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲 作品8
カルウォーヴィチ: 交響曲「復活」 作品7
大浦智弘指揮/オーケストラ<エクセルシス> 小山啓久(ヴァイオリン)
(8月7日 さくらホール)
過去記事:カルウォーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲
カルウォーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲 クルカ&コルト
カルウォーヴィチ / 復活交響曲
ネットラジオでポーランド音楽を聴く11
.
待ちに待ってた演奏会。最初から一人で行くつもりだったのに、事務局にメールしたら2枚券を送ってきた(1枚って書いたのに。あ、文句言ってるわけじゃないです。いい演奏会をタダで有難うございました)。ブログで読者ブレゼントにしたところ、全く応募者なし。でも、やっぱり一人で行く。
別に全然友人がいないわけではないのだが、今回のように妙に思い入れの強いマニアックな曲だと、どうも知人が横に居ると集中できない(つまんないんじゃないかと思って)。それに、終わったあと当然食事なり何なり行くと思うのだが、曲の世界にどっぷりとのめり込んでいたいのに、急に会社の愚痴とか女子トークになってしまうので(それも楽しいっちゃ楽しいのだが)あまり芳しくない。
ということで・・・ポーランド音楽。これまでの自分の歩んできた道のりを思うと、感慨深いものがある(オーバーだが)。だって、ポーランド音楽については誰も先生になる人がいなくてただ目くらめっぽう聴いていたんだもの。で、今回渡されたプログラムを見ると、かなり思い入れの強い詳細なポーランド近代音楽史が載せられていて・・・3年前の私だったら全く「????」だっただろう。今やこの文章にある作曲家の8割方は知ってる。今日の曲目だって全部聴いたことあるし知ってる。凄い進歩。何てエクセルシオール。
さて「さくらホール」。渋谷駅からすぐとあって、今のところ家から近いコンサートホール№1に浮上した(これより前はサントリーだったんだけど)。建物の中にはプラネタリウムがある(行ってみたいな)。ホールはとても綺麗なチョコレート色の上品なホールである。杉並公会堂にペンキを塗った感じか。
エクセルシスというアマチュア・オケさんは初めてである。あんまり知られてない曲を専門にされるということだが、ここにもし入ったらマーラーもR・シュトラウスも演奏できないのか・・・。何かそれも辛いな。あ、掛け持ちすればいいのか(いらぬ心配)。次回は何をされるかまだ未定だが、ポーランド音楽が専門というわけでもないらしいので違うお国の音楽をするかもしれないんだな。もっとやってほしいポーランド音楽たくさんあるのに。
ちなみに、プログラム冊子がカラーで綺麗だった。表紙がタトラ山脈で(日本アルプスって言われてもわかんないけど)、チラシと一緒でセンスいいね。
まあ、それはおいといて。
一曲目のノスコフスキ。過去記事を見ると、2010年の3月にポーランド・ラジオで聴いてた。その頃は「モルスキー・オコ」とか勝手に読んでて、何のことやらもわからなかった。それから2回は聴いたと思うんだど、印象は北欧っぽいようなベートーヴェンっぽいような。前にこの作曲家の交響曲を聴いた時もベートーヴェンっぽいなと思ったんで、そういう作風なのだろう。「モルスキェ・オコ」はタトラ山脈にある美しい湖の名前である(海の瞳という意味だって)・・・ってこの演奏会を知った時にやっと調べた。聴いた時点で調べろよ私。湖ってわりには幻想的でもなく、がっちり構築された感じの曲。力強い。生で聴くと迫力が違うな。
お待ちかね、ヴァイオリン協奏曲。この曲、アンジェイ・クルカ先生が軽々としゅるしゅる弾いているのであんまり感じなかったんだけど・・・結構難しいんだねえ。奏法とかすごい凝ってる(ヴァイオリン素人なのであまりわからんけど)。カルウォーヴィチがヴァイオリン弾く人なもんで色々考えているんだね。で、コンチェルトのオケの合わせにくさというのはこの所のコンクールの視聴でよーくわかってるので、何だか「がんばれっがんばれっ」って心の中で応援してしまった。この曲の良さは伝わってきました。第2楽章とかやっぱ美しいよね。もっと演奏会で取り上げられるべき。解説にもあったけど、ポーランドではこの曲はかなりメジャーで、ポーランドの新人ヴァイオリニストは録音したりしているね。
休憩後、メインの復活交響曲。さっきヴァイオリンソロ弾いてた方がコンマスに変身。
この曲をCDで最初に聴いたときは「殆どチャイコフスキーじゃん( ´,_ゝ`)プッ」って思ったけど、あまりに何回も聴きすぎて(こないだ出たヴィト盤も買ったし)チャイコフスキーの「悲愴」よりよーく知ってる曲になってしまった。ということで思い入れも激しいのだが、この曲の演奏はヴァイオリン協奏曲よりも手慣れている感じがしたので安心してのめり込めた。考えてみると、自分ちでしか聴いたことない曲をいきなりコンサートで生で聴くと(日本初演らしいし)、なんか家にいるみたいな錯覚を起こし、一緒にふんふん歌いそうになってしまう。い、いけない。
チェロのソロから入る第2楽章が私は大好きなのだが、チェロよりホルンソロのほうが頑張る比率は高いんだねえ。CDでは気づかなかったんだが。しみじみと聴き惚れた。いい曲だねえ(今さらだが)。第3楽章から続けて第4楽章。例のホルンのファンファーレがかっちょいい。前から聴いてたサルヴァロフスキ盤がここんとこをかなりさらりと流していたんだけど、ヴィト盤ではじっくりと重ーく演奏。今日もそれに近かったので良かった。あ、ヴィト盤素晴らしいですからこの曲のCDお買いになられる方、オススメします。
この曲をナマで聴くことを夢見ていたのだが(過去記事にも書いたし)、念願かなって嬉しい。他のオケさんも是非やってほしいな。ああ、素晴らしい演奏であった。満足。曲に対する思い入れが伝わってきたわ。
で、アンコール。てっきりカルウォーヴィチの小品を何かやるのかと思ったら、違った。ヴァイオリンのイントロで「あ・・・この曲知ってる。よーく知ってる。CD持ってないけどラジオで何回も聞いた。キラールだ」って思った。ううう、ここでオラヴァが聴けるとはうれすい。この曲もいいよなあ。へいっ!!
