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2011年2月13日 (日曜日)

マリインスキー・オペラ「影のない女」その1

R・シュトラウス:楽劇「影のない女」

オレグ・バラショフ(皇帝)※1幕のみ
ヴィクター・リュクツ(皇帝)※2・3幕
エレーナ・ネベラ(皇后)
エレーナ・ヴィトマン(乳母)
エデム・ウメーロフ(バラク)
エカテリーナ・ポポワ(バラクの妻)
ニコライ・プチーリン(王の使者)
オクサナ・シローワ(宮殿の門衛)
タチアナ・クラフツォーワ(鷹の声)
エカテリーナ・クラピヴィナ(天上からの声)
エレクサンダー・ティムチェンコ(青年の幻影)
ワシーリー・ゴルシコフ、アンドレイ・スペホフ、ニコライ・カメンスキー(バラクの兄弟)
スヴェトラーナ・チュクリノーワ、エレーナ・チェレズニャコーワ、ユリア・マトーキチナ(3人の召使い)
杉並児童合唱団

ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリンスキー劇場管弦楽団・合唱団
ジョナサン・ケント演出

Pa0_0534_2(2011.2.13 東京文化会館)

ゲーカーのイーナーに行ってきた。病を超えて行ってきた(単なる風邪)。感無量である。券取ってたの一演目だけでよかった。ワーグナーとトゥーランドットとトロイ人も取ってたら死んでた。

で、日本「影のない女」協会会員の業務連絡。

・皇帝役の人は体調不良で2幕で交代になった。
・グラス・ハープはオケピに観に行ったんだけどなかったみたい。
・第3幕は乳母の独白シーンが等がカット。皇后の独白シーン以下カットなし(たぶん)。

業務連絡おわり。

で。演出がとてもよかった。さすが英国演出家である(よく知らんが)。一言で言うと「ぱっと見、新しいことをしてるように見えて実はそもそもの設定を外していない。そして初めての人にもわかりやすい。そして曲をよく知っている人にも『ははあこれはこういうことだったのか』と新たな発見をさせてくれる演出」であったと思う。

これってなんか前にもあったような・・・・。

そうそう、キース・ウォーナーのトーキョー・リング。まあ、今回のはあれほど画期的ではなかったけれど、感じる雰囲気は似ていた。どちらも大好きな曲をぶっこわすことなく、新しい演出をしてくれてる。とにかく今日の演出はあたしは大好きだ。大好き!!って飛びつきたくなるくらい(←変質者である)。

<第1幕>
宣伝チラシにあったような、ロシアの昔の絵本から飛び出てきたような舞台。大きな扉の前に階段があってその前に乳母が配置。衣裳が何か可愛い。ロシアっぽいような、セーラー服みたいでフットボール選手のようで・・・。金の魚に釣り下がって使者の人がいる。まあ、最初は何か・・・コレってシュトラウスじゃないよなあ、リムスキー=コルサコフじゃね?みたいな違和感が。オケも声も舞台も。しかしすぐ慣れる。つか慣れないとこれは。

皇后。根本的に何か間違えてるぞと思う。所作がエロい。何だか色気たっぷりなのでサロメを歌ったほうがいいかも。しかしすぐ慣れる。声はよい。大きい。

場面転換。オケがいい。ゲルギエフらしくオケをガンガン鳴らし・・・と思ったがまだまだ。場面転換に幕に映る映像が、いかにも英国演出家っぽい。

バラクん家。予備知識なかったらかなりびっくりする(あたしは知ってたけど)。染物やの家というよりはホントにおんぼろ町工場。車のガレージ兼作業場兼応接兼キッチン兼寝室・・・的な。ぼろっちい車の後ろのほうだけ舞台で見える。洗濯機が三台くらい並んでる。換気扇やぼろいロッカーもある。設定はまさかの現代である。さっきの童話の世界との対照がすごい。服装はほんとにラフに、奥さんはランニングにシャツにジーンズ、だんなさんはTシャツにシャツにズボンみたいな感じ?かな。奥さん、タバコをすっぱすっぱ。ベッドにはコキタナイ縫いぐるみさんが。

皇后と乳母登場。突然の現代なのだがちゃんと現代のワンピースで。でも皇后の表情は皇后のままなので「あら、何で私こんなとこに来ちゃったんでしょ」的な。まあ、今までの演出だと単に「召使いとして連れてきた」設定なだけだけど、今日のはちゃんと二人ともエプロンしてかいがいしく働いてた(掃除したりアイロンかけたり)。

オットさんのいない間に、乳母はいろんな魔法を見せて奥さんの影を捨てさせようとする・・・のシーンがまた秀逸。「らんらら、ははははー」の女声合唱は洗濯機の中やらキタナイロッカーの中からとか窓からとか出てくる。これはいいな。美術とか衣装とかもうちょっと夢のような世界だったらよかったけど・・・まあ町工場なもんで。でも何かアメリカのハリウッドファンタジー映画みたいでとっても楽しい(「ゴースト」とか「魔法にかけられて」とかの映画が大好きならハマると思う)。乳母が大きなお魚を調理し、出て行くと「生まれない子供たち」のシーン。子供たちは(ちゃんと声が児童合唱団なのはよい)ホントのロシアの赤さんの映像で。ここらへんはちょっとホラー。

Pa0_0533 <第2幕>
2幕が始まる前に、「皇帝役のオレグ・バラショフが体調不良のため、ヴィクター・リュツクに代わります」と。ダブルキャストのもう一人の人らしい。いやあ、いつもあんなもんなのかなと思ってたけど(びわ湖以来あんまり驚かなくなった)やっぱり体調悪かったんだな。まあ、そもそも誰も知らないので何でもいいんだが。

バラクの外出中に、乳母が染め物の釜?の中から青い人(染まってるの?)を出す。バラクの妻さんあこがれの美青年なの・・・かな。バラクの兄弟たちが杉並児童合唱団の子たちを連れて登場。児童たちはゴム風船とか色々おもちゃを買ってもらったみたいだ。よかったな。親御さんも大喜びだろう。ふと思う、この作曲家が「薔薇の騎士」の作曲家だということを(『ぱぱーぱぱー』のシーンと似てるな)。

ここでバラクの妻怒り爆発・・・は結構いつもよりすごく説得力あった。このように現代を舞台にすると「突然こんなふうに知らん子供が一杯家に来たら確かに奥さん怒るよなあ」とストレートに気持ちが伝わるのである。不思議不思議。いつもの演出だと「奥さんは突然何で狂ったような事を口走って家を出ていくの?」とか思うけど今日はちゃんと辻褄があってた。

皇帝の歌うシーン。確かにさっきの人だったらこの長いアリアは無理だったな。今度の人は・・・うーん。ちゃんと歌ってたけど声にやはり違和感が。さすがロシア・オペラ。が、この違和感がいい。

(長いので略)

何か舞台上に不気味な雰囲気。怒る妻。あんたがいない間に他の男と浮気したんだから~とウソこく。するとオットは怒り、長い刀を出す(突然何故どっからこんなものが??)。「カッコイイ」と惚れ直す妻だが時すでに遅し。天変地異?が起こって舞台はめちゃくちゃに・・・なるとこだがこういう所の処理をどうしても映像でなんとかしようとするのは英国人演出家の傾向なのか。

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(一旦コマーシャル。)

その2

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コメント

(一旦コマーシャル。)
に一番ウケちゃいました…(笑)

影は数年前にMetで観て寝た&ショルティ@ザルツDVDを数回観た程度でまるで開眼していませんが、多くの方がR.シュトラウスの最高傑作とおっしゃっているようなので、いつか楽しめるようになりたいものです。
でも子供が泣くようなシーンはほんと怖いです…。

投稿: TM | 2011年2月15日 (火曜日) 02時17分

>>TMさん

ウケてよかったです・・・・。

Metで舞台観ても開眼しませんか・・・。
考えてみると私と影との出会いって幸せだったのかも。全く最初に聴いたのがサヴァリッシュの完全全曲盤、すぐに観た実演もサヴァリッシュ。その前に日本初演を観られた方も幸せだったんじゃないかなと思います。正直、出会いが新国立のアレだったら私多分こんなに好きになってない・・・。ホントに難しいオペラです。

投稿: naoping | 2011年2月15日 (火曜日) 21時23分

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