第16回ショパン国際ピアノ・コンクール2010入賞者ガラ・コンサート
昨年のショパン国際ピアノ・コンクールの入賞者のうち5人が日本中を回ってる(旅芸人のよう)んですけど、そのうちの東京公演の二日目に行ってきました。
曲目。
ダニール・トリフォノフ(第3位)
3つのマズルカ 作品56 より 第1番 ロ長調 / 第2番 ハ長調
マズルカ風ロンド ヘ長調 作品5
タランテラ 変イ長調 作品43
ユリアンナ・アヴデーエワ(第1位)
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 「葬送」 作品35
-----(休憩)-------
フランソワ・デュモン(第5位)
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ(オーケストラつき)
ルーカス・ゲニューシャス(第2位)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
-----(休憩)-------
インゴルフ・ヴンダー(第2位)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
アントニ・ヴィト指揮/ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
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昨年のショパン・コンクール、最初はホンの冗談のつもりで聴き始めたんだけど。1次や2次で自分が「いいな」と思ったピアニストがどんどん勝ち進んでいくので何だか面白くなってしまっててっきりハマってしまったわけです。
だもんで、ガラ・コンサートまで行ってしまったわけですわ。自分でも信じられないハマりようです。
行ってみたらまあ、凄い超満員ですね。外に人が並んじゃっててびっくりです。オーチャードの普通のコンサートでこんなのあたしは一度もありません。コクーン歌舞伎思いだしたわ。
で、こんなピアノ超初心者のあたしがレポートするのも何なんですけど、一応記録として感想を。ピアノ素人なので読みながしておくんなまし。
トリフォノフ。(クルティシェフとともに)応援してたピアニストの一人だったんですけど、研ぎ澄まされた美音とともにその演奏中の表情の気持ち悪さに強く惹かれたのでありました。でも、演奏前の表情は19歳のロシア青年そのものであり、「美、美少年??」とまで思ってしまいました。あら結構スマートなのね。
なんだかもう、このところ外人の男性ってでっかい山のようなおっさんしか見たことないんで(←ワーグナー歌手ね)、すっごい新鮮。オペラグラスで見ると出演者の皆さん眩しくって正視できない感じ。
しかしトリ君、期待してたファツィオリではなく。昨日のコンチェルトで「ホールのせいか後ろのほうは聴こえない」みたいな感想を読んだのでそのせいか知らんけど、皆と同じスタインウェイで演奏。これであたしのふぁちおりでびゅうはなくなった。うぇ~ん、期待してたのにい。でもさすがはトリ君、美音はそのまま。2階席でまるで温泉場で演奏してるような音だったが(何でオーチャードなの?)、キラキラとした音を堪能。アンコールのラ・カンパネラで本領発揮。(帰りに観客の方のお話を小耳にはさみ「今まで藤子の演奏を聴いてたけどトリフォノフのほうが全然良かったワ」と。早く気がついてよかったネ)
何かしんないけど観客の方々の恐ろしいプレゼント攻撃。係員が制止してもやめず。ファン多いな。
アヴちゃん。今日もトレードマークのパンツスーツで登場。突然きらびやかなドレスで登場して観客の度肝を抜いたりはしない。つか、せめてもうちょっと笑えばいいのにな(とか書くと「演奏とは関係ないでしょ」とか抗議がきそうだが)、美人なんだから。
今日は葬送ソナタ。彼女の演奏を聴いた後で他の人の演奏を聴くとなんだか物足りなく感じるのは困る。相変わらずねばっこい、のったりのったりした演奏なんだけど落ち着いてて今日は素直に「いいな」と思った。コンチェルトでなくてよかったのかも。落ち着きすぎて25歳には見えんがの。
デュモン。彼もコンクールではファツィオリ弾いてたのでその美音に魅せられたわけだが今日はスタインウェイ。「アンダンテ・スピアナートなんちゃらかんちゃら」は(略してアンスピ)、今日はオケつき版で。この曲はフェイフェイドンちゃんの演奏を気にいってよく聴いていたので、何故か彼女を思い出した。
おお、いつも聴いてるワルシャワのオケ&ヴィト先生。よくいらっしゃいました!!ポーランド音楽ファンとしては嬉しいです。おなじみコンミスの方も来たし、他の方も「あ、あの人見たことある!」とか思って凄い嬉しい。もしかしてこれだけのために来たんだろうか・・・勿体ないな。お得意のシマノフスキとかカルウォーヴィチとか聴きたいよう。
デュモンの演奏も素敵だわ。しかし、彼の本領はやはりフランスものでは。夜のガスパールとかな。アンコールは「月の光」・・・って。私が(やっとこさ)弾ける曲やん。
ルーカス。ネットで演奏を見ているときは何だか柔道部?みたいな容姿に感じたんだけども、本物はとってもカッコイイ。ハンサムなのね。ちょっと見とれてしまいました。コンチェルトの自分の弾いてないときに胴体を前後にゆらゆらとしたり座りなおしたりするのはクセなんだろうな・・・落ち着かねえ。アンコールは突然楽譜をもってきてピアノの上に3~4枚広げて演奏。
ヴンダー。グレーの燕尾服でズボンはストライプ。髪の色とズボンの色合いを合わせているのかな?センスがよくてとっても素敵ね。気合いが入ってるのがわかって聴いてるほうもとっても嬉しい。協奏曲賞を取っただけあって演奏も全然いい。このぼんやりホール向けに演奏してるのかなと思うほどめりはりがはっきりしていてとても聴きやすい。モーツァルトみたいなショパン。凄いひきこまれた。拍手も一番多くて、全然知らない人が聴きに行ったら「この人が優勝したんでしょ?」と思うんじゃないかな。間違いない。
アンコールはネットでも話題になったマズルカ「君が代」付。なんじゃこりゃ。好評につきもう一曲。これは聴きたかったトルコ行進曲。最初は普通に始まり・・・と見せかけてどんどん難しくなっていく。どよめく聴衆。これはいいな~。CD化してほしいわ。すごい大拍手。もうヴンダー優勝でいいよ。
Touch-chopin, Ravel: Ingolf Wunder
終わっちゃうと悲しい。祭りのあとのさみしさ。
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終演後、チェンバル語・・・じゃなくてチェンバロ奏者のよこよこさんとご対面。恐れ多くもお会い頂きすいません。どうもありがとうございました。とても楽しかったです。また是非お会いしましょう。
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コメント
naopingさま
おそれ多くも拝謁出来まして、
リンクまでありがとうございます。
今、羽田で飛行機待ち中。
自分も旅芸人か?んにゃ単なる里帰りさね。
また、ゆっくりと。
投稿: よこよこ | 2011年1月24日 (月曜日) 15時16分
>>よこよこさま
こちらこそ。
今頃ご実家ですかねえ。
また宜しくお願いします。<(_ _)>
投稿: naoping | 2011年1月24日 (月曜日) 22時59分