びわ湖トリスタン テレビ放送を観て
金曜の夜(12月3日)に、10月のびわ湖オペラを教育テレビで放送。放送日を知って首を長くして待っていたが、二日前まで実は忘れていた(笑)。同様に首を長くして待っていたディズニー映画「魔法にかけられて」を見たあとすぐに放送。だもんでうっとりと西洋の美しい王子様とお姫様を見たあとの日本人のオペラ舞台(笑)は画面的にかなり辛かった(出演者の方ごめんなさい)。
今回はノーカットで放送された(上演自体は通常カット版)が、幕間の休み時間というものが全くなく、トイレに困った。録画してたんだけどウトウトもせず全部見てしまった。
しかし、あの快速テンポだから全曲放送できたものの、これがバーンスタインやグッドール並みのテンポだったら放送時間的に無理だったかもしれん。
過去記事:びわ湖ホール「トリスタンとイゾルデ」
10日と16日の二回公演で、どちらもNHKは収録をしたようだが、放送は結局私の見た日でないほうの16日のだった。どっちかいいほうを放送するのか、色々と折衷でなのかどっちなのかなと思ってたが。
私の行った日は、トリスタンの人はまだマシだった。虚弱体質な歌唱ながら最後まで一応歌ってたし。放送日は最後のほうは息切れしてもう歌えてなかった。私の日はあれほど酷くなかった。
なのに、なんで16日のにしたんだろう・・・。
考えると。
私の行った10日は、まだ何となく演技等ややこなれてなかったし、第1幕の舞台が回るところで(イゾルデのアリアの前、クルヴェナールのハイル!ウンザヘル、トリスタンのあたり)オケと合わなかった部分があったし。あの部分はきっと舞台から指揮が見えないんだろう。
放送では改善されてたし、全体的にこなれていた。恐らく「もうどっちにしろトリスタンはヒドいんだから、このさいトリスタンは捨てて他の日本人歌手がいいほうを」ということなんだろうか。
テレビ放送では(も)、本当に日本勢は素晴らしかった。とくにテレビで見るブランゲーネの演技は涙をさそうものがあった。ナマを観に行ったにもかかわらず、トリスタン見るときは音楽重視なので(ワーグナー大先生は「このオペラはこうやって見るんだよ」といって目隠しをしたという)オペラグラスなんかほとんど使わなかったんで、あまり細かくは見てなかったんだよね。
もちろん、石野さんは素晴らしい歌唱だった。しかし、テレビで見ると(聴くと)石野さんと松位さんの声の威力はいまいち伝わってこない。美声なのは十分伝わるのだが、あの声量は(うちのヘボ)テレビだと全くわからない。アレで松位さんの実力を判断されたらモッタイナイ。実演ではあんなに素晴らしいのに。
今回、あとのほうは何故か気まぐれにネットで実況を見ながら鑑賞(あはは)。やはり石野さんはダントツに評判がよかった。(フルヴェン盤やクライバー盤で聴ける)フィッシャー=ディースカウを思わせる、いやそれ以上だという意見もあった。そういえば声は似てるかもしれない。F=Dの押しつけがましさ、神経質さを抜いた感じが石野さんって気がする(F=Dは好きな歌手の一人です、念のため)。風間杜夫に似てるって意見もあった。普段は似てないので化粧のせいかと。
で、実況でたまたま往年のヘルデンテノールのペーター・ホフマンが逝去したというのを知り、ショック。まあ、一度もナマで見たことはないけど。ご病気で引退してたのは知ってたけど。バーンスタイン盤「トリスタンとイゾルデ」のタイトルロールはこれで二人とも故人に・・・。合掌。
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コメント
ペーター・ホフマンがお亡くなりになったのですか・・・
映像で見ることのできる最高のローエングリン、ジークムントに心からの感謝を。
投稿: 大分のワグネリアン | 2010年12月10日 (金曜日) 23時20分
>>大分のワグネリアンさん
はい。
P・ポフマンの容姿は西洋絵画で見かけるパルシファルやローエングリンそのままでした。声も外見に合ってるし。
投稿: naoping | 2010年12月11日 (土曜日) 10時12分