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2010年10月17日 (日曜日)

上岡敏之/ヴッパータール交響楽団/ワーグナー・プロ

P1110551ワーグナー: 序曲「ファウスト」
ジークフリート牧歌
楽劇「ニーベルングの指環」ハイライト
 「ラインの黄金」より“ワルハラ城への神々の入場”
 「ワルキューレ」より“ワルキューレの騎行”
 “ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”
 「ジークフリート」より“森のささやき”
 「神々の黄昏」より“ジークフリートのラインへの旅”
 “ジークフリートの死と葬送行進曲”
(アンコール曲:ベートーヴェン交響曲第3番第2楽章)
上岡敏之指揮/ヴッパータール交響楽団

(みなとみらいホール)

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みなとみらいホールは久しぶり。前に行った頃はまだ「みなとみらい線」がなかったのである。だから桜木町駅からずいぶん歩いた。非常にめんどうくさくてそれ以来行ってない。

Pa0_0517 しかし、今や「みなとみらい線」ができたおかげで、ウチから30分くらいで行けるし駅からもすぐである。ああ、なんと便利になったことか。

で、何かの勢いというか「つい出来心で」買ってしまったヴッパータールの券。何かの先行予約のためになんだか超一等席。なんだかこんないいホールでこんなにいい席なのって初めてじゃないかしら、しかも外来オケで。

指揮者の上岡さんて初めて聴く。前回の来日公演はかなり評判よかったというが、ヴッパータールとともに日本に来たことさえ知らず(このオケさえ知らず)。あまり来日公演というものをチェックしない性質なもんで。

券を取った後、上岡さんとはどんな人なのか調べた(後かよっ)。何だか・・・外見はネプチューンのホリケンにちょっと似てるなあと思った。そしてなんだかすごく変わった指揮をする方だということを知った。どうなんだろう。突っ立ってる前髪も気になった。

で、今日。久しぶりだぜ外人のオケ。たまにはドイツ人の演奏とか聴かないと耳がマヒしちゃう。舞台上にはきっと「ルードヴィヒ」とか「アンケ」とかドイツ名前の老若男女があふれてるに違いない・・・と思ったけど日本人の方も何人か見かけた。

オケの登場のあと、指揮者上岡さんが登場。前髪は別に風圧とか指揮の勢いでというわけでなく、デフォルトでああゆう状態なのだ、ということがわかった。ホリケンには・・・思ったより似てなかった。似てなかったが、指揮が始まったら(指揮というか不思議なおどり)なんとなくホリケンの「ホリケンサイズ」とか思い出した。意外とにてっかも。

最初の曲。ワーグナー好きの私だが、ファウスト序曲ってあんまり聴いたことない(何回かはあるんじゃないかな)。どーせ初期の作品だし、たいしたことないのではと思ったが。

そこはホリケン・・・じゃなくて上岡マジック。ピアニッシモ(シシモ?)で始まる出だしは、まるで「あ、アレ?ブルックナーに曲目変更した?」と思ったほど。微妙な音色である。いつも聴いているような日本のオケとはまるで違う音色。どう違うかというと。

何と言うか、老舗のうなぎ屋さんが初代から一度も取り換えずに継ぎ足して使っているタレ、みたいな感じ。どうしたってあとからどんなに頑張って作ってもあの味は出ないと思う・・・みたいな。オケ的には「べらぼうにうまい」ってわけでもないんだけど。いや・・・もしかしてホールのせいなんだろうか。よくわかんないけど。

だもんで、初期の作品にしては凄く深遠な曲に聴こえる。まあ曲が元気になるところはやっぱり「ワーグナーにしては・・・幼稚(´,_ゝ`)プッ」って思うんだけど。どうもこの指揮者はピアニッシモ・フェチなんじゃないかな。ピアニッシモが普段より相当小さかったり、ほとんど聴こえなかったりする(ティンパニーのバチがちょっと触ったくらいかな?の音とか)。普通よりダイナミックレンジが広いような。小さい音はことさら小さかったり、少し大きかったり、普通より何段階もあるような感じだ。

で、ジークフリート牧歌。この曲はよおおく知っている。しかし、やっぱりいつもより凄く深い音楽に聴こえた。中間部分などコジマとワーグナー、子供のジークフリートの楽しい生活まで頭に浮かぶような感じである(昔の白黒の無声映画でな)。非常に雄弁な音楽。この曲は凄くよかった。

休憩。なんだか人口密度が多い。気がついたらすごくロビーが混んでる。息ができない。

休憩終わってお待ちかねのリング・ハイライト。
えーと「ワルハラ城の入場」って演奏会で聴いたことあったですかね。なんか凄い違和感。まあ歌手がいないからであるが。全曲演奏に慣れているので、色々とはしょられているとすごく居心地が悪い。私の好きなローゲのテーマはすっとばされた。

で・・・ずっと聴き進めていくうちに、演奏自体も何か違う気がした。ワーグナーを確かに聴きにきたんだけど、少し違う曲な感じがずっと最後までしてた。いつもなら(どんな演奏でも)リングの管弦楽曲を聴けば「今、あたしニーベルハイムに来た!」みたいな感じになるんだけど。今日の演奏は「ちょっと降りる駅間違えた。ここニーベルハイムじゃない。近いけど」とか思った。

ワルキューレの騎行は、打楽器の強弱があまりに細かすぎて、あまりスコアを見ない人間なのに「スコアが見たい」とか思ってしまった。こんな指定だったのか?

ヴォータンの別れの音楽は、ヴォータンがいないので代わりにオケがヴォータンやってます的な、物凄く歌う歌う音楽になっていた。ここはよかった。

ジークフリートのいるはずの森は、ジークフリートが探せずに森で迷子になってしまったような気がした。クラリネットもちょっと迷子になってた。

大好きな「ジークフリートのラインへの旅」の一番好きな部分(ブリュンヒルデの歌いだす直前の『ちゃんちゃーちゃちゃーん』というジークフリートのテーマ)がなくてすっとばされたし。ジークフリートのホルンソロはうまかったけど。

・・・とまあこんな感じだったのだが、終わったらかなり凄いブラヴォーだったし、凄い盛り上がったしいいコンサートだったんじゃないかなあと思いました。しかし、この指揮者がリング全曲を振ったらどうなるんかね。このテンションで(そしてこの強弱の細かさで)全曲行ったらオケも指揮者も倒れそう。観客もお腹いっぱいであろう。それはそれで聴いてみたいが。

アンコールは何故かベートーヴェンの英雄の第2楽章。英雄の葬送曲という繋がりなんだろうが、アンコールにベトベンて何。でもリングよりいい演奏だった(←え)。やっぱりマーラーとかのシンフォニーの回をとるべきだったかなあ。

(ついでに。ついついプログラム本を買ってしまったが・・・買って後悔した。他は別になんてことないんだけど、こーほーの文章を何故ここで読まなければならんのか、金出してまで。ちょっと不愉快になった。)

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コメント

オペラシティで聴いてきました。ちょっとお安い分「ファウスト」序曲がないプログラム。
オケは技術的には上手いとは言えないにしろ、あたたかな音色や語り口が味わい深くてよいと思いました。上岡氏の極端なルバートやパウゼやピアニッシモに、よくもまあ、というくらい誠実につけていましたね。それも楽しそうに。
いかにも牧歌的な「牧歌」はとてもよかったけれど、「指環」のほうはちょっと凝り過ぎで、あの調子でオペラ全曲やられたら、やってるほうも聴いてるほうも疲れるでしょうね。あの大げさなところが上岡流なんでしょうし、面白いところもいっぱいありましたけど。編曲がカットの仕方とか繋ぎ方とか歌の扱いとか聴き慣れないとこが多くて、あれあれという感じでした。色んな版があるもんだなあと。
アンコールは曲目にもびっくりしましたが、テンポが速いのにもびっくり。それでいてピリオド風でもない。これまた何やら煙に巻かれた感じでございました。

投稿: 白夜 | 2010年10月18日 (月曜日) 20時33分

>>白夜さん
オペラシティだったのですね。みなとみらいの券を入手してからオペラシティのが安いんだということ知りました。まあファウスト意外とよかったんでいいですけども。
それにしてもあのオケの音には驚きました。こんな音聴いたことありませんです。何だかいわく言い難いのですが、古式ゆかしい音というかドイツの地方のほうはあんな感じなのかなあとか色々考えてしまいました。ヨッフムやカイルベルトみたいな感じの指揮者でブルックナー聴きたいとかついつい思ってしまって・・・それじゃ面白くないんでしょうかね。
ワーグナーを聴きなれた者にとってはホンマに摩訶不思議なコンサートでしたが、上岡氏は結構ファンも多いらしく?ブラヴォーが飛び交ってました。この指揮者に幸多かれと祈りたい気持ちです。

(この楽団を聴いてからポーランドのオケをナマで聴いてみたくなり、来年のオーチャードのショパン・ガラに行こうかどうしようか考えております。)

投稿: naoping | 2010年10月18日 (月曜日) 21時33分

やっぱりいいコンサートだったようですね。福岡でも同じプログラムで先週金曜日にあったけど、夜勤明け&夜勤中にちょっと体調悪くしたので行けませんでした^^; 今年は九響の定期の他は広響の演奏を聴きに3回出かけただけですね・・・

そういえば来年春に広響が東京でコンサートするけど、5月の定期をそのまま持ってくるそうです。広響らしく北欧物ですけど、5月の定期が日本初演だったホルムボーのフルート協奏曲は絶品ですのでこれはおすすめですnote

来月は再び広島に遠征です。

投稿: Masahiko | 2010年10月19日 (火曜日) 21時53分

>>Masahikoさん
ちょっとお久しぶりですね。

>やっぱりいいコンサートだったようですね。
一般的には凄くもりあがったし、そうだったのかもしれませんが・・・わたし的には正直少し微妙でした(一晩経ってからオモタ)。リングのハイライトというのが良くなかったのかもです。シンフォニーにすればよかったです。

ホルムボーって何か聞いたことある名前だなあと思ったら、前に聴きに行った北欧の歌手と同じ名前でした。広島響東京にまた来るんですね。前に行った時すごく良かったです。(東京離れる気はまるでありませんが)広島だったら住んでもいいかなと思ったくらい。

投稿: naoping | 2010年10月21日 (木曜日) 21時36分

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