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2010年9月12日 (日曜日)

二期会/魔笛 (実相寺昭雄演出)

Mateki2010_thumbモーツァルト:歌劇「魔笛」
小鉄和広(ザラストロ)
小貫岩夫(タミーノ)
多田羅迪夫(弁者)
塩入功司(第1の僧侶)
加茂下稔(第2の僧侶)
安井陽子(夜の女王)
増田のり子(パミーナ)
桑田葉子(第1の侍女)
磯地美樹(第2の侍女)
金子美香(第3の侍女)
青木雪子(第1の童子)
金原智子(第2の童子)
北村典子(第3の童子)
鈴木江美(パパゲーナ)
友清 崇(パパゲーノ)
羽山晃生(モノスタトス)
吉見佳晃(第1の武士)
小田川哲也(第2の武士)
寺田 農(魔木)
ピグモン、メトロン星人、ジャミラ、シーボーズ、テレスドン、カネゴン その他

テオドール・グシュルバウアー指揮/読売日本交響楽団・二期会合唱団
演出:実相寺昭雄



二期会HP
http://www.nikikai.net/lineup/mateki2010/index.html

昨日(11日)鑑賞。私が舞台やコンサートで実演に接した歌手の方が多く出演しているため、モーツァルトにも関わらず券をゲット。まあウルトラ怪獣が見たいというのもあったにはあったが。

飯守さんの「ワルキューレ」その1
(増田のり子さん、小鉄和広さん、桑田葉子さん)

あらかわバイロイト・パルシファル
(小貫岩夫さん)

ワーグナー「妖精」東京オペラ・プロデュース
(羽山晃生さん)

アルミンク/七つの封印の書
(増田のり子さん)

飯守さんのカルミナ・ブラーナ
(安井陽子さん)
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Pa0_0505_2←ロビーに飾られた、ウルトラマン。出演は無し。

  場内に入ると。意外とお子さん連れみたいな方は少ない。もっと子供がうじゃうじゃ走り回っているのを想像したんで拍子抜け。まあ、子供席5000円て高いよね。ディズニーシーにでも連れてったほうが喜びそうである。

まあ、そんで二階席に上がろうとしたら主婦様たち一団に遭遇。「このお姉さん(案内係)についてったらちゃんと案内してくれるわよ!」と大声で騒いでる子供・・・じゃなくて女性。一瞬「オペラパレス観光ツアー」かなんかでガイドさんが先導してんのかと思った。
その後その方は「○○さ~ん!!こっちよこっち~~!!」と階下に向かって叫び始めた。大人の社交場?のはずのオペラハウスがイオンのバーゲン会場に変身した瞬間であった。

さすがはモーツァルト・オペラだ。違うか。

で、席ですが。B席とケチったわりにはいい席。二階席の一番目のはしっこだったが舞台がほとんど切れることなく見ることができた。こんな席でも結構アリなのね。今度からここらへんで見よう(空いていればだが)。土曜だというのに結構空席があった。私の前はほとんど空いてたのでそれもありがたかった・・・が、二期会的にはどうなんだろう。

で。演出については詳しく書くとトンでもなく長くなるのであんまり書かない。随所随所に出てきて怪しいダンスを踊る怪獣さんたちには癒される感はあったものの、よくよく考えると「ナンデ?」感はあった。面白かったけんども。

出てくる怪獣はどれも「あんまり悪さをしない友好的な怪獣」と記憶する。というかウルトラQ世代でもウルトラマン世代でもないので薄い記憶しかないが。カネゴンは画学生のときヲタのクラスメートからウルトラQのビデオを借りて見た。メトロン星人というのはあんまり記憶がないが、ウィキペディアによると

宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人。狡猾な戦略で知られる宇宙人で、地球だけでなく、これまでにも幾つかの星を侵略している。地球上では北川町のとある安アパートを拠点として、人間に変身し活動していた。潜入したダン(ウルトラセブン)と、宇宙人の姿で対面。朗らかな口調で語りかけ、ちゃぶ台を挟んであぐらをかくという人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露した。

ということである。なかなかひょうきんな怪獣さんね。

パンフレットに写真入りで載っている怪獣さんのほかに、パパゲーノが毒ガス銃?で撃ち落とした怪獣(ペギラかな?)とか、胴にダダみたいな顔がある複雑な作りの怪獣(いかにも装着して踊るのは苦しそうだ)などが登場。見たことあるけど名前がわからない。

・・・いや、もう怪獣の話はいいって?では出演の歌手について。

タミーノの小貫さん。前に聴いた時はパルシファルだったけど、やっぱりこのお声の本領を発揮できるのはタミーノであろう。相変わらずの美声。そしてハンサムなのでこの役にぴったり。インチキサムライっぽい衣裳はちょっと最初びっくりしたけんども。日本の王子だもんでな。

パパゲーノの友清さんは芸達者な方で(役柄的に当たり前なんだけど)セリフのところも随所笑いを誘ってたしよかった。いざアリアを歌いだすと声が素晴らしいので「あ、この人オペラ歌手だったんだ」って思いだす感じ。昨年の「カプリッチョ」に出演されてたようだが、私は別の回だったので残念見てない。

同様に芸達者だったのがモノスタトスの羽山さん。ヒーロー役だって似合ってしまう羽山さんなのにエロの化身みたいなモノスタトス。エロカッコイイというか。

パミーナの増田さんは、今や「彼女が出てたら絶対このパートは安心」という絶大なる信頼を持っている(私がw)。今回も安心して聴いていられるリリックでチャーミングなパミーナを歌唱。青色ピーチ姫?って感じの衣裳はどうかと思うが。

で、まあ「魔笛」では大抵の人がこの役のアリアを聴きに行くんであろうと思う注目の夜の女王であるが、安井さんはいつものようにキュートなお声で高い声をガンガン響かせていた。すすすごい。やっぱりナマで聴く夜の女王は素晴らしい。しかし、母親の情愛みたいなのも存分に感じられたので「あ、こういう役なんだなあ」とか感心した。常々「コロラチュラの役なのになんで母親なのよ?」と思ってたもんで。

P1110473 パパゲーナ役の鈴木さんは、それこそ萌え系のピンク衣裳で大変可愛らしく・・・というかなんだか知らんが、パパゲーナがおばあさんの衣裳を取ってカワイイ女の子になるシーンが(ビデオとかでも)結構私は泣きどころなんである。「ええ~??なんで~??」と思われるかもしれんが。今回も「ああ、ダメだ、来るな~~~」みたいな感じでこらえるのがやっとだった。「パパパのアリア」も結構ダメだ、クル。何でだかわからん。

(同様に「何故か泣けるシーン」として。
・「ホフマン物語」のアントーニアのお母さんが出てくる場面。
・「ボエーム」のムゼッタのアリアの最後。
・トーキョー・リングの「ジークフリート」の森の小鳥さんがかぶり物を脱いで歌い始める所。
以上、もっとあるのかもしれないけど。)

話戻って。意外とこのオペラでは目立たぬところで面白い僧侶二人の役の人々もとてもよかった。片方は美形の塩入さんと、もう片方はなんだかタモリ倶楽部とかにでも出てきそうな容姿の加茂下さんのコンビネーションが妙によかった。

P1110471 それと。最後のほうで日本を代表する俳優の一人であり、ムスカ大佐の声でお馴染みの寺田農さんが樹木の着ぐるみを着て登場。パパゲーノに首つり自殺を迫る。この名優(岡本喜八監督映画「肉弾」など。何故か大谷直子さんのヌードを覚えている)がこんなカッコで舞台に登場するのか不思議な感じだが、楽しそうだったす(実相寺監督の関係で出演)。キャプテンウルトラの小林稔侍さんを何故か思い出した。

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音楽面について。モーツァルトのオペラを見るのがたった2回めの私なので何ともいえないんだけれど(前回は遠い昔にサヴァリッシュが振った魔笛)、ウィーンの名匠グシュルバウアーの指揮は「ああ、これがモーツァルトなんだなあ」という美しい音楽づくりであった(気がする)。それにしてもセリフは日本語で歌唱はドイツ語という上演だもんで、セリフが終わったかどうかってわかるもんなんだろうか・・・と少し心配した。全く心配には及ばなかった。それどころかパパゲーノを制止する日本語のセリフまであった。ライトセーバーを振り上げて「トマレ~~~」みたいな(よく聴き取れなかったけど)。

Pa0_0504 とても面白かった。演出も素晴らしかったけど、こういった演出でなくとも十分音楽面だけでも高いレベルにあった公演だと思いました。

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←終演後のウルトラマン。「オレも出たかった・・・」

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そういえば、似たようなコンセプトでワーグナー「ジークフリート」の演出なんかも見たかったと思った。今はもう叶わぬ夢だが。
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Pa0_0503 終演後に行ったお好み焼き屋の看板娘「とみこ」。料理の写真はなし、スマヌ。

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コメント

パパゲーナたんのイラストにズッキュン

投稿: TM | 2010年9月13日 (月曜日) 06時08分

>>TMさん
ありがとうございます。
私は寺田農さんの着ぐるみ姿にズッキュンでした

投稿: naoping | 2010年9月13日 (月曜日) 20時09分

 あたしゃ、金曜日。2階席の1番目のはしっこって、舞台から見て左側だったら、可能性は低いにせよ、前日、小生の座っていた席かもしれん。

投稿: 面久院滅多坊 | 2010年9月13日 (月曜日) 20時47分

>>面久院滅多坊さん
おお、前日にいらっしゃったのですね!
私は・・・残念右の一番端でした・・・って別に残念でもないですけど。いい公演でした。

投稿: naoping | 2010年9月13日 (月曜日) 20時58分

naopingさんと一緒の日でした。僕は1階2列。
周囲が子供と関係者さんだらけ。子供たちのはしゃぎようはほとんどミュージカルでした。場違いな感じはしましたが、新国立いい響き。やっぱ好きです。

投稿: IANIS | 2010年9月14日 (火曜日) 00時29分

>>IANISさん
ああ、そんな前のほうのお席でしたのね。私は子供さんが沢山観客にいて楽しく騒ぎながら見るのを想像してたので、そちらの席のほうが羨ましいです。2階席はオトナばっかりでしたので大人しいもんです。連れてった友人の隣の女性はほとんど爆睡してまして、たまに目を覚ましては(財布か何かの)鈴をちりんちりん鳴らしていました。

投稿: naoping | 2010年9月14日 (火曜日) 23時30分

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