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2010年9月 7日 (火曜日)

フェリアー/四つの厳粛なる歌

P1110469 ブラームス:四つの厳粛なる歌(サージェント編曲)
カスリーン・フェリアー(コントラルト)
サー・マルコム・サージェント指揮/BBC交響楽団
(1949年1月12日)

過去記事:バルビローリ&フェリアーの愛と海の詩

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9月だというのにまだまだ暑い。何か頭がどうにかなりそうだ。

今日、会社の事務所のドアをふと見たら、どっかからもらったと思しき温度計が貼ってあった。カード式の液晶の(数字が並んでる何か昔懐かしいタイプ)だったんだが、びっくりしたのが「34度」までしか表示がないということであった。今日は東京だって35度くらいあったはずだ。

この温度計を作った会社の人は「まあ日本では34度くらいまであれば十分十分楽勝楽勝」とか思ってたのかもしれんが、35度越えがごく日常の今年の異常な夏。今日は埼玉は38度まで上がったようだが、もし40度くらいまで行ったらこの温度計は壊れてしまうのだろうか・・・よくわからんのだが。

ということで、まだまだ気象は夏なのだが、心の中では秋を感じてみましょうということで、今日はブラームス。ブラームスって秋って感じしませんか?どの曲を聴いても秋って気がするんだが・・・・それってあああたしだけ?

で、うちにあるブラームスの音源はとっても少ない。その数少ない中の一つ「四つの厳粛なる歌」。子供の頃フェリアーの大ファンだったのでこの曲のレコードは2種類持ってる。一つは普通にピアノ伴奏のもので、今日取り上げるのはサージェント編曲のオケ版である。レコードで初出の時はあのバルビローリとのショーソンのウラ面(B面・・・て今の若者はわからんか)であった。高校生だったあたしはそれはもう心ふるわせながら、涙ながらにこの2曲を聴いたものである。

ずいぶん前にショーソンのほうはこのブログに書いたので、今日は(その時ちょこっとだけ触れたけど)ブラームスのほう。三浦先生の大変有難い解説を(恐れ多くも)のっけてしまおう、でも自分でPCで打つのは大変だな、ぶるぶる。
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サージェントがブラームスの<四つの厳粛なる歌>の管弦楽曲版を編んだのには、悲しい物語が秘められている。サージェントの一人娘パメラは快活で利発、誰からも愛される女学生だった。しかし彼女は7年間もの間、ポリオに悩まされていた。1944年の初め、彼女の病状は悪化し、主治医はサージェントにパメラの余生が幾ばくもないことを告げた。悲しみをこらえて帰宅したサージェントはバスルームへ入り、タオルで顔をおおっていつまでも泣いていた。「パメラはもう見込みがない」といってむせび泣いた。パメラは自分が長く生きられないということを知っていた。しかし、死という観念が彼女を怯えさせることはなかった。その生涯が短い人たちがよくそうであるように、彼女はおとなびて思慮深かった。彼女の生来の信仰が揺らぐことはなかった。

彼女が眠っている間、サージェントはベッドの傍らでブラームスの<四つの厳粛なる歌>の伴奏部のオーケストレーションをつづけた。その聖書から採られたテクストは『伝道の書』の暗さとすべて塵に帰る人間のむなしさから『コリント人への第一の手紙』の偉大な肯定へ至っている:「いつまでも、もちこたえられるのは、信仰と希望と愛の三つである。だが、最も偉大なのは愛である」。

(中略)

1944年8月23日、パメラ・ステファニー・サージェントは突然息を引き取った。その悲しい知らせをリヴァプールで受け取ったサージェントは、かねてからその日の来ることを覚悟し、心の準備をしているつもりだったが、駄目だった。彼は悲しみと絶望に打ちひしがれた。

・・・・・

フェリアーはこの編曲版の演奏会で二回目の演奏(初演はナンシー・エヴァンス)を歌ったのだそうである。で、元はと言えばもちろんドイツ語なんだが、この録音では英語である。実はこれはドイツ語歌唱に慣れていると最初はキモチワルイ(「マスト・ダイ」とかさー)。なんかやっぱりブラームスはドイツ語で歌ってほしいものである。しかし、聴いてるうちに段々慣れてくる。第3曲目「死よ、苦痛な死よ」など、管弦楽も荘厳で美しく(何か後半はまるでエルガーみたいである、ほんとに。)、フェリアーの歌唱も神々しくて結構胸にクルものがある。とくに高音が美しい。

さて。

私はこのレコードがあまりに好きすぎて、もちろんCDまで買ってしまった。CDの余白にはレコードの時にはなかったファーガソンやワーズワースやらラッブラやらかなりシブイ歌曲が収録されている。中学だか高校のときだかにこれらもレコードで持ってたので、おそらくこれが私のイギリス音楽との最初の出会いだったのかなあと今考えると思ふ。あまりに選曲が渋すぎて、おこちゃまの私はここから発展しなかったけんども。(今聴いてもかなり・・・シブイがな)

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iconこれはブラームス録音集。アルト・ラプソディも収録。

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コメント

う~む、あやうく涙してしまうとこでしたぞ。
三浦先生の名文の数々に、わたくしも結構お世話になりました。
で、この曲にオーケストラバージョンがあるのも知りませなんだ。
エルガーっぽいっていうのは目に浮かぶようで、なんだかとっても聴いてみたいです。
フェリアーさまは相変わらず美人です。

投稿: yokochan | 2010年9月10日 (金曜日) 01時10分

>>yokochanさん
三浦センセの解説付きレコード(CD)は今やお宝ですね。買うのは輸入盤ばかりなので余計そう思います。オケ版ブラームスは恐らくエルガーの音楽に馴染んだサージェントなのでそんな感じになっちゃったんだと思います。レコードで聴いてた頃は全然そんなことは思わなかったのですが。エルガー、威風堂々しか知らなかったし。

フェリアーはもっと長生きしてたらバイロイトでも歌ってたはずなんですけどね。

投稿: naoping | 2010年9月10日 (金曜日) 22時33分

薩長同盟の片割れ、長州のおやじで御座います。
お嬢様熱烈ご推薦との由。早速、アメリカamazon
へ発注し聴くに、こやつレコードからの復刻盤で
スクラッチノイズにやられました。

フェリアー女史故、音源古く、拙者の勝手な思い込みの落差が激しゅう御座いました。しかし、枯淡のブラームス臭が漂いヨカCDですね。

投稿: duchamp | 2010年9月27日 (月曜日) 09時21分

>>duchampさん
こんにちは。
拙記事に興味を示して頂きありがとうございます。しかし・・・私は録音状態を記すのをすっかり忘れてしまいました。大変申し訳ありませんm(_ _)m

あくまでヒストリカルですのでこのへんはご容赦下さい。ただ、フェリアーの復刻盤(スタジオ録音以外)の中ではまあまあの部類かと思います。少なくとも私の持っているデッカ盤ではですけど。(他の盤は未聴)

あと、推薦というよりは素人の感想ですので・・・宜しくお願いします。

投稿: naoping | 2010年9月27日 (月曜日) 19時38分

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