有元利夫展 天空の音楽
庭園美術館。先日の ロトチェンコとステパーノワ展にて割引券つきチラシを貰ったので200円引きで観賞。
今日は暑い。台風一過みたいなカンカン照り。朝一番に行ったのに全然暑いわ。まあ・・・人気がある画家だとは思うけどそんなに一般的に人気があるとは思えないんで、土曜日とてさほど混んでない。ロトチェンコの方が混んでた。(なお、挿入の彫刻の写真は有元さんとは関係ありません。庭園にあったのを撮っただけだよ)
しかし。ロトチェンコ展より今回のほうが建物に合っていたな。「よくぞここで開催してくれた」というほど、ぴったりな感じだった。
静謐な空間で観る有元さんの絵。観れば自然と頭の中にバロック音楽が再現される・・・されるはずだった。
が。
私は先週オペラシティで聴いた「カルミナ・ブラーナ」が事あるごとに頭で再現されるという新しい病にかかってしまったようで(あまりのド迫力に)。会社でも何でも頭にいつもあの音楽が流れ、いつも口ずさんでいる状態なのである。カール・オルフ恐るべし。
有元さんの絵に「カルミナ・ブラーナ」はいかにも似合わない。あの「中世三社祭」みたいな音楽に似合う絵は・・・そうだなあ・・・ボッスかなあ。
有元さんは芸大を4浪もして入った。芸大美術学部って(私が受験生だった時は)20倍超の競争率だったんである。私は「全然無理でしょ」と思って最初から受けなかったけど、研究所の人はほぼ全員受けてた。美術を志す者みんな受けるからこの競争率。
でも。芸大って音楽学部がとなりにあるわけじゃないですか。これって凄くいいなあと思う。音楽の授業だって混じって受けられるとか?・・・いいなあ。有元さんも在学中にリコーダーの勉強をしたりしてたらしいし。作曲もするほど音楽好きである。
有元さんの絵は・・・芸大の卒業制作の絵から晩年に至るまで、ほとんど作風は変わってないような気がする。こんな人も珍しい。大体の画家はいろいろと試行錯誤して最後に自分の作風に行き着くものだ、長い時間をかけて。まー、一生変容を続けるピカソのような画家もいるけど。
有元さんは芸大卒業後(デザイン科だったので)電通に就職。このままだったら超エリートな人生を送るはずだったのに、退社して画家に専念。結婚してお子さんまで生まれたのに、38歳で死去。肝臓がんだったそうである。
ああ。
こんなに才能に恵まれ、幸せな人生を全うできるはずだった人が、こんなに早く死ぬとは勿体ない。勿体ないが。
正直言えば、この画家は長生きしてもずっと作風は変わらないような気がする。今日の展覧会、ほとんどどの絵も同じ印象である。きっと一生あんな感じだったんじゃないかなあ、と思う。それはそれで・・・いいんじゃないかな。 私は「どの絵がとくに好き」ってこともなく、どの絵も同じようにいいなと思う。
売店ではあんまり色々なものは売ってなかったんだが(ハンカチ欲しかったんだけどなかったす)、あのジャケット絵に使われたDENONのアリアーレシリーズの販売もあった。まあ、わざわざここで買うこともないだろうけど。
フルートの有田正弘さんのコンサートが会期中ここで開催されるようだ。平日で絶対無理な日なのでアレだが、あの絵の前でバロックが演奏されたらさぞ素敵だろうな、と思う。
庭園美術館のサイト
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/arimoto/index.html
観終わったらお昼時間。でもここの美味しそうなレストランに入るよりおうちに帰ったほうが経済的にはいい気がするので、ナスとココナツクリームを白金で買って帰宅。 先日、業務スーパーで「グリーンカレーペースト」の業務用を(勢いで)買ってしまったため、それを消費しなきゃなんね。私はグリーンカレーが大好きだ。まあレッドカレーもイエローカレーも種類としてあるんだが(ゴレンジャーじゃないので、モモカレー、アオカレーはない)、何故かグリーンカレーが一番しっくりくる。
でも。日本人の味覚に合わせて作ると絶対に色は「グリーン」にはならない。グリーンになるほどペーストを入れたら、まず普通の日本人だったら食べられないと思う。その位辛い。私が作るとほとんどココナッツミルクみたいな優しい色になる。それでも食べ終わったあとは口の周りがしばらくヒリヒリする。
実家にいるときに夕飯に作ったら、両親の猛烈な抗議にあった。「これは二度と作るな」と。年寄りには無理な味である。一人暮らしになってからたまに作るようになった。自分流に作るので作り方に必ず書いてあるお砂糖は入れない。味付けはナンプラーだけである。
ご飯にかけても美味しいけど、最近のヒットはおうどんにかけて食べるバージョン。今日はこないだ安売りで買った川田製麺の讃岐うどんで。もちもち美味しい。(いつも思うが、乾麺のゆで時間って長すぎる。いつも指定の半分で上げてちょうどいい。ウチは土鍋で茹でるからかな?)
さて。明日は選挙だがどうしよう。れんほうさんしか知らんのだが、オペラや文化方面を仕訳されたくないぞ。
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コメント
こんにちは。
「天空の音楽」といえばルーズ・ランゴーの傑作を連想しますが
有元利夫さんの展覧会ですか。
デンオンのCDジャケットでおなじみです。
若くして亡くなったとは聞いていましたが、38歳とは。。。
静謐で透明感のある美しい絵ばかりですが
個人的にはもうちょっと色気のある絵が好きだなあ。
投稿: 木曽のあばら屋 | 2010年7月12日 (月曜日) 21時38分
>>木曽さん
こんばんは。
まあ、なんか「天空の音楽」っていう副題も安易だなあという気もしないでもなかったんですが。。。ちょっと宮崎アニメを思い出すんで。
有元さんの絵はいつもぼってりとした体型の女性が出てきますけど、たとえぬーどでも色気は一切感じないです。作者は「別に描くのは女性でもなんでもいいんです、人間じゃなきゃ困りますけど」的なことをおっしゃってます。純粋に「音楽」を表したかっただけな感じでした。
投稿: naoping | 2010年7月12日 (月曜日) 22時36分