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2010年6月 2日 (水曜日)

ミトロプーロス/「影のない女」交響的幻想曲

Mitpu R・シュトラウス:「影のない女」交響的幻想曲
ディミトリ・ミトロプーロス指揮/ニューヨーク・フィル
(1954年NY)
(HUNTレーベル)
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今週の月曜日、誘おう誘おうと思った友人から飲みの誘いがあり、二人で渋谷ワイン酒場に行った。その友人に用事があったのは、他でもない、

「グシュルバウアー対カネゴンの戦いを見に行かないかい?」と、チラシ持参で行ったんだが。

過去記事:二期会の魔笛に行ってみたい。

意外なくらいに「行く行く~!!」と二つ返事でオッケーだった。「この指揮者はとっても有名な人で」とか「この歌手はこないだ見たけどすごく上手だった」とかの説明も用意してたんだが・・・別にどうでもいいことだった、彼女にとっては。

モーツァルトなら。魔笛なら。そして怪獣が出れば。

ということで、酒も進み酔っぱらうにつれ私はやっぱりこないだの「影のない女」について熱く語ってしまったのだが、しようと思ってた話が半分もいかないうちに(私が大きなカリフラワーを口に入れてもぐもぐしているあいだに)、話はいっぺんに方向転換され、なんだかガールズトークな感じになってしまった。興味ねー。あたしの何年も前の恋愛など、どうでもえー。

などと思いながら、赤ワインを一本あけた。週初めからこれはキツイわ~。でもアウトレットワインのせいで格安。さすがワイン酒場。

ということで、いまだに私の中から抜けきらない「影のない女」の管弦楽曲を。もちろんシュトラウスのオペラの中では最も壮大な音楽だから(とあえて断言)歌なしでも結構聴けてしまう。

内容は・・・ざっと私の耳で聴いたところ。

第一幕の前奏から始まる・・・とそのまま普通に続くかと思ったら(アレレ?)、バラクの妻に対する気持ちを表したしみじみとしたメロディ(お前が普通とは違うことを受け入れるよ、的な)。そのあとそれに答えるような妻の不満を表すメロディ。

乳母登場、「らんららっ、はっはっはっは~」と夢のような場面の音楽がやってくる(こないだの公演では視覚的にはそんなに夢のような世界でもなかったけどな)。そのあと、また妻の不平不満を述べるようなメロディが続き、「あなたの傍にいるようで、実は私は遠くにいて・・・」と歌い、外へ出ていく場面の音楽~そしてあの美しい第3幕のバラク夫妻の二重唱(何度も何度も何度も言うが、私がシュトラウスの音楽の中で最も美しいと思う音楽である)。

そのあとアルトの声の出てくる「道は開けた!」の音楽が輝かしくなる部分。そのあとちょっと前に戻って2幕の最後のほう、妻の「私はそれをしてないのです」の部分(バラクにほれなおすとこ)。それからまた第3幕の二重唱の音楽・・・そして乳母と霊界の使者とのシーン、乳母が半分狂いながら歌う、舞台ではカットされてしまう部分、ここが聴けるのはいいな。そして間髪いれず最終場面の音楽が結構長く聴ける。

ここで聴ける音楽は大変壮大である。もちろん録音は古くモノラルで冒頭は音も割れてしまっているが、多分ナマで聴けばあまりのド迫力に圧倒されてしまうのではと思う(VPOでないのが惜しいがNYPも凄い)。R・シュトラウスを大得意としていたミトプーだが、この曲の全曲の録音は残してなかったのかな。大体舞台で全曲演奏したことあったんだろうか。(それと・・・ここでミトプーのシュトラウスを紹介するとほぼ無風状態なのだが、やはりあまり人気ないのだろうか。あたしは結構好きなんだがミトプー)

この管弦楽曲は他に録音はいくつか出ているようだが、他は全く聴いたことがない。ティーレマンとかよさそうな感じもするがどうなんでしょ。コンサートなんかで生で聴いてみたいな。飯守さんあたり・・・やってくんないかな。

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コメント

こんばんは。
新国のモヤモヤ感から、そろそろ落ち着いてきたような気もするので、いいですかね。

この曲、ティーレマンのは聴きましたが、全曲を熟知している人が聴く必要があるのでしょうか?所有する必要を感じませんでした。(最近、グチっぽい)

「魔笛」はともかく、「ファウストの劫罰」は、買ってしまいました。

投稿: にけ | 2010年6月 3日 (木曜日) 19時34分

>>にけさん
モヤモヤ組がいらっしゃいましたね。
このティーレマン盤、お聴きになったのですね。まあ確かにそんなにこの幻想曲は必要ないかもしれませんが(サヴァリッシュ全曲盤聴いてればいいんだし)、でも例えばコンサートでこれが取りあげられたらきっと聴いてて気分いいんじゃないかなあと・・・ダメですかぁ?

「劫罰」はキャストも指揮者もいいので、ホントにあの踊りさえなきゃ行くんですけどね・・・。カネゴンの踊りのほうが。

投稿: naoping | 2010年6月 3日 (木曜日) 21時15分

 いやいや、そりゃ、ティーレマンとかが採り上げてくれれば、ホイホイ聴きに出かけると思います。家で聴く気がないだけです。

 あの踊りって、そんなにひどいんですか?
そういや若杉「ダフネ」の時に、無関係な舞踊が入ってたような…。

投稿: にけ | 2010年6月 5日 (土曜日) 20時26分

>>にけさん
んーとですね。「ひどい」のではなくて。
あのトップのダンサーの方が、同じ女性としてあまりに潔すぎないかと・・・見てて悩んでしまったのですね、ダフネのときに。何か曲に集中できなくて・・・ゴメンナサイ。

投稿: naoping | 2010年6月 5日 (土曜日) 21時54分

この曲、「ばらの騎士」組曲と一緒にドラティ指揮のCDで聴きました。メロディの美しい曲だけど、ドラティだとちょっとサッパリし過ぎな気が…ミトロプーロスだと音悪くても、めくるめく官能の世界を味わえそうでいいですねぇ。ティーレマンもいいかも。でもそれよりDVD買おう…。

投稿: ぜん | 2010年6月 5日 (土曜日) 22時45分

>>ぜんさん
こんにちは。
ドラティ盤は勿論聴いたことありませんが・・・そういえばドラティのCDってウチにない気がします(アレレ?)。ミトプーのド迫力は聴いていてドン引きしてしまうほどです。このテンションで全曲やったらオケ倒れそうです。アメリカ人オケだから大丈夫かな?

DVD、サヴァリッシュ盤もショルティ盤もそれぞれいいですね。サヴァのほうが思い入れがありますけど。

投稿: naoping | 2010年6月 6日 (日曜日) 06時52分

もしかしたらご存知かもしれませんが........こんなの見つけました。1966年、メットでの影の無い女(リザネク、キング、ベリー、ルードヴィヒ、ダレス)の凄い演奏です。

http://www.shareseeking.com/Richard-Strauss-Die-Frau-Ohne-Schatten-MET-1966_126091.html

ただでダウンロードできます。

投稿: Ervin | 2010年6月30日 (水曜日) 08時50分

>>Ervinさん
おお、このような陣容でメトで行われていたのですね。英語のサイトがちょっとコワイので(とか言ってポーランド語平気なのが不思議)、休日にでもダウンロードしてみることにします。ありがとうございます。

げるぎー券買ってしまいました。私のどこにそんなお金が・・・。

投稿: naoping | 2010年6月30日 (水曜日) 21時01分

コワイ、ということなので、補足です。上のリンクにある配役表の下、

Rapidshare 1
Rapidshare 2
Rapidshare 3
Rapidshare 4

をクリック、さらにその一ページ後、free userをクリックします。一度に1つしかダウンロードできません。次のファイルをダウンロードできるのは15分後になります。

下でもラストが聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=18GVKDRNQU8

投稿: Ervin | 2010年7月 1日 (木曜日) 08時12分

補足の補足です。

どうも、うまく開けたのは第一幕のRapidshare 1だけでした。私のソフトの問題かもしれませんが。

投稿: Ervin | 2010年7月 1日 (木曜日) 09時02分

>>Ervinさん
すいません・・・拡張子の問題でできませんでした。
パスします。

投稿: naoping | 2010年7月 3日 (土曜日) 09時23分

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