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2010年5月27日 (木曜日)

新国立劇場/影のない女(その1)

Pa0_0486 R・シュトラウス:歌劇「影のない女」

【指 揮】エーリッヒ・ヴェヒター
【演出・美術・衣裳・照明】ドニ・クリエフ
【皇帝】ミヒャエル・バーバ
【皇后】エミリー・マギー
【乳母】ジェーン・ヘンシェル
【霊界の使者】平野 和
【宮殿の門衛】平井香織
【鷹の声】大隅智佳子
【バラク】ラルフ・ルーカス
【バラクの妻】ステファニー・フリーデ

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

(5月26日 新国立劇場)

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意外性をついて、有給を取って平日に鑑賞。ふふ。券を取ったのがずいぶん前の話になるのでなんで平日なのか忘れたが、たぶんヴァリエーションってセット券買うときに土日がなかったのかもと思う。

実は。
今日は「うきうきるんるん」と劇場に向かったわけではない。何か、悪いことが起こりそうな気がして結構暗澹とした気持であった。こないだの「ヴォツェック」の事があり、どうも「ヘンテコ演出だったらどうしよう」とか考えてしまったりしたもんでな。(Youtubeでこの演出家の他のオペラの演出を見たが、バロックなのに歌手が普段着で出演してたり)

あと。

この上演(演出)がもしも酷いもので、私の気に入らないものであっても、この曲の次の上演が何年先のことなのかはわからないので、そのイメージをしばらく引きずることにはなりかねないだろうか、とも悩んだ。

しかし。

何日か前に、このオペラが来年別のプロダクションによって上演されることがわかったので、ずいぶん気が軽くなった。今日そのチラシも貰って見たのでかなりホッとした。見たところメルヘンチックですごくよさそうだ。まだ券はもちろん取ってないけど。

ということで(もう家帰ったの11時過ぎてたのであんまり長く書けないが)、簡単に感想メモなど。これから行かれる方、読むのは自己責任でお願いします(読んでしまってから、この文章を思い出しちゃって困ったとか言われても困るし)。

で。

本日はワーグナー並み(もっと?)の大オーケストラが必要なため、オケピットはぎゅうぎゅうトレイン状態でとっても辛そうな感じ。ヴァイオリンの弓が後ろの人の顔につきささったりしないのかな(イテッ)。大体全員入ってるんだろうか。見たところウィンドマシンもグラスハーモニカもないんだけんども。まあいいか。

<第一幕>
舞台はなんというか、金網状のものに石がたくさん詰まった柱みたいなのがたくさん立っていて、その前に植え込みの木が一本。その隣に釣鐘状の形の板がつり下がっている(その後ろに皇后が寝てて、釣鐘状のものが上にあがって登場する)。なんというか、全体的な雰囲気は高校の体育館ウラみたいな風景。その後ろには木のお家が何個か。

乳母の人。なんという体型なのだろう。3~4等身くらいな感じである。なんか・・・この歌手さん自体そんな体型なのだが、その上白いかつらがやたらとでっかいのである。「何かに似ている。でも思い出せない」と考えに考えて、2幕のはじめにやっと思い出した。「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆であった。そう思うともう、全体的に宮崎アニメにしか見えん、このオペラ。大体のところ、このオペラの主役はこの湯婆婆・・・じゃなくて乳母である。

まあ、舞台美術も衣裳も全部この演出家がやっている、ということなのですべてにおいてこのクリエフって人の思想が浸透しているんだろうが・・・結構なんかバラバラである。皇帝や精霊のほうの世界の人はエジプト?かアフリカの民族衣装みたいである。帽子をかぶって、長いマントみたいな衣裳。そんな感じなもんで最初に出てくる霊界の使者の人はゾマホンさんが出てきたかと思った。家来とか鷹の人(大隅タン)は針金でこさえた動物を持って出てくる。これは結構可愛くて好きだな。ちょっと大道芸人の「おしどり」を思い出したけんども。

で、うーんと。このオペラはね、主役の女性3人が良ければ大体オッケーうまくいくってことがわかった。今日の3人は声が強烈であった。3人とも外見的にもぴったりだったしね。とはいうものの、男性の主役の歌手もそんなに悪かったわけではないんだけど。

乳母と皇后は人間界へ。人間界の人は、戦後のドイツの労働者階級みたいな雰囲気である。染物師とは言ってもなんか普通の労働者な感じである。バラックの妻の悩みの種の一つであるバラックの弟たちも、身なりがきたないわけでもなく結構普通のカッコである。バラックの妻も黒いワンピと地味目だけど、普通。髪形も古っぽいけど(フラッパーっていうのか?)綺麗にしている。(なので文句言いやがってムカつく。別にいいじゃんか幸せそうだし。働かない夫を持って苦労する人、この世の中に一杯いるんだよ)

まあ、このバラック夫婦は実は根底では愛し合っているんではないかという気はする。結構イヤじゃないんじゃないかな妻も。この妻さんは不思議な役どころ(ツンデレとプログラムに書いてあったんだが、そういえばそうだね)なんだが、ホフマンシュタールがシュトラウスの奥さんのパウリーネをモデルにしたということらしいんで、そう思うと結構違和感なく入れると思う。

乳母が魔法を使って宮殿とか若い男とか出すシーンも、かなり手抜き?というか「新国立劇場の素晴らしい舞台機構」を存分に発揮したわけでもなく普通。舞台転換もまあ、前記の「金網に石が詰まった柱」やら「木のお家」を黒い人がずるずると動かしている。かなり人海戦術というか(疲れそう)。ドリフか仮装大賞を思い出す。

で。

あー、長くなっちゃった。一旦コマーシャル・・・じゃなくて続きはまた。ごめんなさい眠いんで。

続き

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コメント

初めて訪問させていただきます。
記事を興味深く読ませていただきました。
私も新国立劇場でR.シュトラウスの「影のない女」を鑑賞してきました。私も初めての作品でしたが、音楽の構成力も含めて魅力ある作品に感じました。
私の感想などをブログに書きましたので是非読んでみてください。
http://desireart.exblog.jp/10678873/
よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。
何でも気軽に書き込んでください。
これを機会によろしくお願いします。

投稿: dezire | 2010年6月 2日 (水曜日) 15時31分

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これまでに観た『影のない女』は、1984年ハンブルク国立歌劇場来日 公演(日本初演)、1992年ミュンヘン国立歌劇場日本公演で2回、最も 近々が2003年の暮にベルリン・ドイツオペラというもの。... [続きを読む]

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