ノルウェーのディーリアス ボストック
ディーリアス:交響詩「頂にて」
ノルウェーの7つの歌
詩劇「頂にて」他
ヤン・ルント(T)、ピーター・ホール(語り)
ダグラス・ボストック指揮、ロイヤル・リヴァプール管弦楽団
過去記事:北への憧れ
世間はゴールデン・ウィークであるが、私は暦通りのお休みである。したがって明日は出勤。しかもなんだか周囲の席の社員に鼻風邪をうつされたらしく、鼻水が止まらない。せっかく美術館にでも行こうと思ったのに。体は全然元気なのだが何で鼻水ばかり出るのだろう(花粉症かと思ったが昨日の雨の中でも鼻水が)。おかげで今日は近所にお散歩(買いだし&猫探し?)にしか行けなかった。
で。そんな私に、ちょっと山登りの気分を。ジャケットからして爽快な北欧の山々の空気を感じる一枚。一時期新橋でクラシコのCDを多数投げ売りしていたのだが、これは多分ちゃんと塔で買ったんだと思う。
実はこのCDはディーリアスのものの中でもかなり気にいっているほうなのだが、今まで紹介するのを躊躇していた。なんでかっていうと。
1.対訳がないので(バカなので英語解説が完全にはわからない)、この曲について何を書いていいのかわからんかった。
2.歌曲を歌っている歌手のヤン・ルントが今一つ(一般的に他の英国歌曲のテノールが美声な人が多いことを思うと)うまくない気がする。
3.このブログでのディーリアスの不人気さは伝説的。なんでなんだろう。
まず一曲目の交響詩「頂きにて」。クラシック音楽においてなんだかイージーリスニングの代表にされがちなディーリアスだが、初期は結構R・シュトラウスみたいなダイナミックな曲を描いていた。なかなかその時代の音楽も私は好きである。解説書を読んでみると、なんでもこの曲はディーリアスが、グリーグとシンディングとともにお山にハイキングウォーキングしているときに最初にスケッチを行ったようである(よくわからんが)。イプセンの詩を元に作られている。曲の感じは「そのまんまシュトラウス」というほどではなく、繊細なディーリアスらしさとダイナミックさがほどよくマッチした感じで、とってもいい曲だと思う。
歌曲はノルウェー人の詩(英語訳)による7曲で、ビヨルンセンとイプセンとハイムケール?という詩人の詩に付けられている。このCDが初録音。前記のようにテノールがイマイチ冴えないんでアレなんだが(なんか小刻みに震える声が気に入らん)、曲はなかなか美しい。もともとはピアノ伴奏なんだか、オーケストラ編曲は本人だったりビーチャムだったりペインだったり色々。
で、メインのメロドラマ「頂きにて」。オケの演奏をバックにイプセンの詩が語り手によって語られる(英語)。全部で9曲。出だしからキャッチーで輝かしい管弦楽、曲に漂う若々しさがとっても眩しい。内容はまあ・・・たぶん英語の詩を読む限り、これからリュックを背負って山に行くぜママン、彼女がかわええとか山で嵐に遭ったりホームシックになったり・・・とかの内容なんだろうが、はっきり言ってよくわからん。で、歌でなく語りだもんで、英語がアタシのバカな頭に入ってこないため途中なんだか飽きてくるのが難。まあこのCDの全体的に漂う透明な空気感はとても気に入っている。
今日近所の公園で見かけた黒猫。毛足が長くて洋猫のようである。今日は猫を3匹も見かけた。うちの近所は犬社会な町なので、珍しい。
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コメント
こんばんは。
ディーリアンとして、馳せ参じることが遅くなりました。
飲み過ぎ、食い過ぎ、時おり仕事、家族サービスなしの忙しさだったもので・・・。
このボストック盤、持ってますが、実は1度しか聴いてませんです。
ボストック氏は、英国ものでもなかなか珍しいものを録音してくれますね。
エルガー、RVWにホルスト。オケもミュンヘンのオケだったりで苦労の産物かと思いますが、こちらは本場ゆえ安心して聴けます。
ディーリアスの北欧系は、結構好きなのですが、この1枚はまだ聴き込みたりませんようです。
例のEMIのディーリアスシリーズから漏れてましたし、最近発掘の音楽かもしれませんからでしょうか。
ディーリアスは、人気が出たらかえって困ってしまうような音楽ですので、アクセスも少なめ、静かに労わるように聴きましょう(笑)
投稿: yokochan | 2010年5月 3日 (月曜日) 23時20分
>>yokochanさん
こんにちは。お待ちしておりました。
GWなのになかなかお忙しそうで。焼き肉の記事は金欠のわたくしにはなかなか刺激的でございました・・・美味しそっ。
ボストック先生は日本においては吹奏楽(佼成ウィンド)の指揮者として有名なのですね。4月もマスタークラスの指導のために来日してたようです。珍しい英国音楽をたくさん録音してますが、最近これらのクラシコのCDはびっくりするほど高く売られていますね。そんなに前は高くなかったのに。貴重なのでしょうか。
北欧ディーリアスは結構好きです。北欧音楽とのブレンド具合がなかなかたまりません。
ディーリアスや英国の作曲家を記事にするとホントにアクセス数があからさまに下がるんですよ。ポーランドのわけわからん作曲家の記事書いたほうがアクセス上がります(みんな好きみたい・・・)。まああんまりこだわってないですけど(笑)。
投稿: naoping | 2010年5月 4日 (火曜日) 13時27分