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2010年3月 7日 (日曜日)

ローエングリン@デアゴスティーニを観ながらローエングリンについて考える。

デアゴスティーニDVDオペラコレクション
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」
ペーター・ホフマン(ローエングリン)、カラン・アームストロング(エルザ)、エリザベス・コネル(オルトルート)、レイフ・ロアル(テルラムント)、ジークフリート・フォーゲル(ハインリヒ王)、ベルント・ヴァイクル(軍令使)
ウォルデマール・ネルソン指揮/バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団
ゲッツ・フリードリヒ演出(1982年)

第1幕は買った日に観たので、今日は第2幕から。「ヴォツェック」観たあとだからなんだか落ち着くわ~。こういう正攻法の演出が最近は新鮮だ。もう、あのヴォツェックの演出家(忘れたが)、「ルル」で同じ事したら絶対に許さない、絶対にだ。

で、このデアゴズティーニの映像だが。コネルがオルトルートを歌ってるが、「ハテ?」と思ったら私が(バイロイト引っ越し公演で)聴いた時はコネルはエルザだったんである。しかしここではカラン・アームストロングが主役のエルザ。アームストロングのダンナが演出してるからかしら~。
オペラ初心者的な見方をすれば、(そもそもお綺麗な歌手だが)エルザ役としてはなんか老けてる。コネルのほうが(ヒール役のお化粧はしているが)ちょっと若いからなんか綺麗に見える。ウチの14型テレビで観てこんなんだから、もっとでっかいテレビで観る人はどう感じるのだろう。相手役のペーター・ホフマンが役にハマりすぎなくらいカッコイイので余計・・・ねえ。(そういえばホフマンはパーキンソン病だったのか。かわいそうな。)

この映像は言うまでもなく有名なものでワグネリアンの方は普通ビデオを持ってるものと思うし、演奏・歌唱についての感想は私が書いてもしょうがない気がするので(ことに歌手に関しては今現在のワーグナー公演のレベルから言えば遠い昔の夢のようとしか言いようがない)書かないけど、やっぱり合唱団はうまいな。ここの合唱団以上にうまい合唱団を私は聴いたことがないし、たぶん一生聴くことはないんだろう。日本に来た外国の有名オペラハウスの合唱団だって「日本の合唱団のほうがうまくね?」と思うことだってあったのである。

・・・ということで、まったく違う目線からこのDVDを観ながら改めて思うことは。「このオペラの主役は本当はオルトルートじゃないか」ということと。(←まあこれは私の主観だが)
「オルトルートがエルザに言ってることは正しい」という点である。

だって。

何度か書いてきたかと思うけど。どうして名前も素性も知らない突然白鳥に乗ってきた男と結婚を決められるのよ。違う、白鳥に乗ってきたわけじゃないわ。白鳥の引く舟に乗ってきたのよ。何でもいいけど何にしろいろいろと怪しすぎる。カッコよければいいのか?

これは子供の時からオカシイと思ってた。「もしかしたら大人になったらそういうこともあるのね(キラン」とか思ってたけど、大人になって周りを見てもまかり間違ってもそんな事はねー。そして、オルトルートの第2幕の忠告は正しいと思うの(まあ、エルザを陥れようとしているのではあるが)。なのにブル中野ばりに悪い役のかっこうをさせられて不憫にさえ思う。

オルトルートの歌詞より。

夫の名前は国中に轟いていました。
有徳の士と崇められその武勇も誉れ高く恐れられていました。
貴女の夫はどう?ここで彼を知っている人がいます?
貴女だって夫の名前すら言えないでしょ!

間違ってねえ~ww

.

まあ、このオペラは遠い昔の西洋の国のお話だからピンとこないかもしれないので、もっと身近な、現代の日本に設定を変えてみよう。

たとえば。

鈴木恵理子(派遣社員。32歳。ブランド好きでカード借金だらけ)
加藤織江(ばりばり仕事のできる会社員。既婚で子供はなし。36歳。)

会社帰りに二人で流行りのワインバーで飲んでいる。

恵理子「そういえば・・・そうそう、こないだネットで知り合った男の人と会ってみたんですよ。あんまり期待してなかったんですけど、会ってみたら結構イケメンで、しかもいい人だったんですよ。」

織江「ええ~?それはすごいわね。よかったじゃない。どんな感じの人なの?」

恵理子「(写メを見せる)ねえ?素敵な人でしょう?話も面白いし、お金持ちだし・・・だって白いベンツに乗ってきたんですよ。」

織江「へええ。じゃあもちろんまた会う約束をしたのね?」

恵理子「また会うどころか・・・結婚するんですよ!会ったその日にプロポーズされたんですよ。借金も肩代わりしてくれるって。」

織江「えええええ~~~??(のけぞる)だって会ったばっかりでしょう?その人どこの人なの?どこの会社で働いてるの?ちゃんと聞いたの?」

恵理子「えー、だって言ってたんですもん。『僕は有名な財閥の跡取り息子です。名前を聞くと君は恐れてもう会ってくれないだろう。それはとても悲しい。だから名前は言わない。君には僕自身を見て欲しい。』って。」

織江「名前も知らないの~~~?? それって変よ。どう考えても何かのサギだと思うよ。恵理子ちゃん騙されてるわよ! そんなの断りなさいよ!」

恵理子「えー?もうすぐ派遣切られて次の働き口も見つからないのに。これってチャンスだと思いませんか? 私はこの人に賭けてみようと・・・。もしかして加藤さんダンナさんがツルッパゲなもんだから妬んでそんなこと言うんじゃないですか??」

織江「・・・・・・。」

・・・

まあ、今時こんなバカな女はいないとは思うが、こうやって考えてみるとかなり荒唐無稽な話・・・・でもないのかなあ。なんか自分で書いてみてもしかしてアリな話なのかもしれないとか思ってしまった。本当にいやねえ不景気は。
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コメント

こんにちは。
ワーグナーのことはなんかよくわかんないんですけど、
相変わらずnaopingさんの書くことはオモシロイですねえ~。
うん、恵理子さん絶対騙されてますよ!
知らない間に高額な生命保険をかけられているパターンと見ました。
今度会ったら気をつけるように言っといてください。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2010年3月 7日 (日曜日) 21時51分

 今晩は。
   
 デアゴスティーニのこのシリーズ、発行が進んで(月日が進んで)「もうちょっとマイナー系作品」が登場して来たら色々と買ってみたいと思っています。
   
 「ローエングリン」でわたくしの持っているDVDはレヴァイン/メトロポリタンのものですが、エルザ役(エヴァ・マルトン)のルックスがちょっと逞しすぎのような感じもし、他方でオルトルート役(レオニー・リザネク)がなかなかにイイ存在感でして、 naoping様のおっしゃるのとは違う意味で「このオペラの主役は本当はオルトルートじゃないか」的なものがあります。
   
 ところで、デアゴといえば・・・ テ ル ミ ン は上達しましたか? 想像しますに・・・細かいパッセージの演奏は難しそうですが、「ローエングリン」冒頭など神秘的な音で演奏できそうな気も・・・夜中には怖いかなあ。

投稿: クラシカルな某 | 2010年3月 7日 (日曜日) 23時09分

(↑) すみません、あれはデアゴでなく学習研究社の「大人の科学」シリーズでしたね。

投稿: クラシカルな某 | 2010年3月 7日 (日曜日) 23時20分

>>木曽さん
こんにちは。
えー、ワーグナーよくわかんなくてもコレ、面白いんですか・・・それはホッとしました。
そうですね、彼女はヴィトンやプラダなんかを買っていて借金だらけだから、彼はお金目当てというよりは保険金目当てかもしれません。恵理子にはちゃんと伝えておきます(つか、どこの誰だよ恵理子~~~)。
.
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>>クラシカルな某さん
こんばんは。
私もデアゴで、コルンゴルトの「死の都」ゲッツ・フリードリヒ演出のが出たら是非買いたいです(←多分ないです)。

「ローエングリン」の何を聞いても何を見てもオルトルートが主役のような気がするのはある種の病気かなと思います(ヴァルナイなんかもう絶対です)。エリザベートよりヴェヌス、ブリュンヒルデよりエルダ、イゾルデよりブランゲーネ、ゼンタよりマリー?に注目してしまうへそ曲がりなワグネリアンです。

テルミン・・・そういえばやってないですね。埃かぶってます。何かこういうおもちゃっぽいものを買って、結局使わなくて部屋にいっぱいあります。先日「手首式血圧計」を楽天で買いまして、今のところ毎日計って楽しんでいるのですが、一か月持つかどうか・・・。テルミンと同じ運命かもしれません。

投稿: naoping | 2010年3月 8日 (月曜日) 20時32分

お久しぶりです。

僕もローエングリン大好きです。

 naopingさんがおっしゃったように、オルトルートこそが影の主役だよなあとよく思っていましたよ。

 ワーグナーは、本当にいるのかいないのか判然としないのに信仰をもとめるという神様~宗教というものに対して、オルトルートの口を借りて不平を言いまくったんですよね。マジメなこと書いてスミマセン。
 エルザやローエングリンをはじめ、国王も民衆もみんな美しいけどお人形のような存在感しかないのに、彼女はみょうに生き生きしています。

 この前もフィデリオを聴いていて、悪役のピツァロの歌が笑ってしまうぐらいパワーがあって面白いなあなんて思いました。作曲家も悪役の歌を書いているときのカタルシスってあるんではないでしょうか?ワーグナーは確信犯で、ベートーヴェンは思わず出てしまったという違いがあるとは思いますがcoldsweats01


 長くなってすみません。先日念願の「ヴィオランタ」が再発になったのでようやく手にいれました。うれしくって毎日聴いてます。それにしても対訳がほしいなあ・・・。

 

 

投稿: ココアカ | 2010年3月 9日 (火曜日) 12時19分

>>ココアカさん
お久しぶりです。
うーん、やっぱり影の主役はオルトルートですよ。というかワーグナーの前半の作品は主役の人々はあまりにも浮世離れしすぎていてあんまり好みません。おとぎ話っぽくなりすぎてて。敵役や端役の人のほうが気になります。

今月、新国「神々の黄昏」を見に行くのですが、この演出は初演でも観たんですけどあまりにハーゲンがかっこよくて(まあ長谷川さんだったせいもありますが)、また観たくなって券をとりました(ビンボーなのに)。絶対あのオペラの主役はハーゲンだと信じています。

「ヴィオランタ」輸入盤再発は本当に喜ばしいです。それにしても本当に10代でこさえたオペラなんでしょうかねえ?奇跡だと思います。短い曲だから日本で演奏会形式でやってくれないかなあと思うんですが・・・みちよしさんあたりで。

投稿: naoping | 2010年3月 9日 (火曜日) 20時34分

カラン・アームストロングは新国「エレクトラ」「ファルスタッフ」にも出演しましたよね?
ワグネリアンソプラノの片りんを確かに感じさせるお声でした~もう結構なお年だと思いますけれど。

「エレクトラ」の終演後、この「ローエングリン」LDにサインを頂きましたよ!
ネールアートもきれいにされておられてすごい美人でした。一緒に写真も撮ってもらいました、あはは。

投稿: えーちゃん | 2010年3月10日 (水曜日) 09時31分

はじめまして。こんにちは。
オルトルート中心説は、NHKでやったナガノ指揮の上演(DVDで発売されているのと同じか?)でのワルトラウト・マイヤー様を観て以来、僕も同感なのです。きれいな姐さまなのに加え、演技力と日本語字幕の小ワザもあって(例:「とっととお帰り!!間抜けな騎士!」)強烈な印象でした。naopingさんはバレンボイムの○△であらせられるマイヤー様がお好きなようにお見受けしてますが、ご覧になりましたか?

ナガノ盤は最後のブラバント公に白塗り白ずくめの子どもが出てきて、これで志村けんのように股間から白鳥の首が出ていたら完璧だなとしょうもないことを考えてしまいました。

今回のデアゴ盤の素晴らしさは(コストパフォーマンスを含め)言うまでもないのですが、もう少し画面が明るいといいなと思いました。あと、ペーター・ホフマンの髪型も二八分けじゃない方がカッコいいと思いましたです。

ベームのエレクトラを観て以来「恐怖」の2文字とともに脳に焼き付いたアストリッド・ヴァルナイ先生のオルトルートも、是非観てみたいです。どの盤だか教えていただけますか?

投稿: タリン・ブーフェル | 2010年3月10日 (水曜日) 14時02分

>>えーちゃんさん
こんにちは。
アームストロングがいまだに舞台で歌ってらっしゃるというのは驚きなのですが(メゾに変更したのですね)、私が観たときはゲッツ・フリードリヒ演出のリングのグートルーネを歌ってたと記憶しております(ブリュンヒルデがリゲンツァだったので美女揃い?)。だいぶ昔の話ですが(笑)。ダンナさん亡くなっても女性は元気だなあと思います。サインと写真いいですねえ。私は小心者なので名歌手を前にすると足がすくみそうです。外国の歌手や指揮者からサインとか貰ったことないです。
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>>タリン・ブーフェルさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
まずはハンドルにちょっと吹きましたww

Wマイヤー様のオルトルートは残念ながら観てないんですけど、何か・・・色々と想像を膨らましてしまいました。「女王様とお呼び」っぽい??かなと。そういえば「バレンボイムとはもう別れた説」のあとに来日してイゾルデを歌ってたので「西洋人の言うことは何だかわからん」とか思いながら聴いていました。

「白塗り白ずくめの子供」と聞くと志村けんより映画「呪怨」を思い出してしまうのは、オカルト好きなので仕方ありません。

デアゴは「カルメン」と「ローエングリン」しか持ってないのですが、古い映像なのでまあこんなもんかなあと思いつつありがたく観ています。この「ローエングリン」でのホフマンの髪形はなだぎさんの「ディラン・マッケイ」を少し思い出します。ちょっと違うかしらん。

ヴァルナイ大先生のオルトルートは残念ながら私が聴いているいるのはバイロイト箱のCDでございます。サヴァリッシュ&バイロイト盤(1962年)です。ヴァルナイ&ヴィナイの夫婦役が強烈です。
そういえばヴァルナイのクリタイムネストラも強烈でしたね。


投稿: naoping | 2010年3月10日 (水曜日) 21時41分

>私は小心者なので名歌手を前にすると足がすくみそうです。

えーっ、そうなんですか?
私はトーキョーリング演出のキース・ウォーナーや準メルクルさんとも2ショット写真撮りまくりましたよ!
すっごい図々しいですよね?

アームストロングは「ローエングリン」の方はむしろ老けて見えるくらい華やいだ雰囲気のある人でした。ピンクのスーツがすごく似合っていました。

投稿: えーちゃん | 2010年3月11日 (木曜日) 06時32分

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