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2009年12月 9日 (水曜日)

飯守さんの「英雄の生涯」

Pa0_0448 東京シティ・フィル第234回定期演奏会
ヴォルフ:イタリアのセレナード
ゴルトシュミット:交響的シャコンヌ
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(東京オペラシティコンサートホール)

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(いつもながら帰宅して速攻感想を書いているので、誤字脱字あるかもしれんが許してちょ)

師走。私は一年で一番忙しいはずで、コンサートなんてとんでもない季節のはずなんだけど、よく考えてみると結構12月にコンサート行くことが多い。このブログを始めてから「あー、ちくしょー忙しいのにどこもかしこもイルミネりやがって」とか悪態ついているけど、実はこの時期のコンサートの記事がなんと多いことか。

この時期は年末調整でいつもいつも「扶養控除申告書」なんかの書類が机の上に何百枚も何千枚も積み重なってるわけで、そんな毎日を過ごしていると自然と「現実逃避してぇえええ」と思ってしまうのかなあと思う。あら、お言葉が汚くてよ、すいませんでありんす。

で、今日は予想外に定時で終わったのでいちもくさんに会社から逃げてオペラ・シティへ。大好きな舞台横から見下ろす席をゲット。飯守さんのコンサートではデフォの「プレトーク」は残念ながらもう終わりのほう。相変わらずお元気そうだな飯守先生は。よかったよかった。

で・・・相変わらず客が少ない。毎年こんななんだが大丈夫なんだろうか。人気もののはずのマーラーやシュトラウスでさえこんな客の入りである。

今日は美味しいメニューのはずが・・・なんだかなあ、私の弱点の一つであるゴルトシュミットが入ってるのがちょっとなあ。退廃音楽の作曲家は時代的に好きな人が多いんだが、ゴルトシュミットだけはどうもダメだ。音楽的にどうしても無理な「堂々たるコキュ」や内容がトラウマものの「ベアトリーチェ・チェンチ」はCDを売ってしまった。本日の曲目の「交響的シャコンヌ」も初めて聴いたけど、私の中の「受け付けない要素」が存分に発揮されている。それが何であるかさっぱりわからないのだが。

ということでヴォルフはまだしも、前半曲目は楽しめず。しかし後半のメイン・ディッシュだけでも全然お金払った分は(それ以上)楽しめた感じだった。

とにかく、今日は席が絶妙だった。2階席金管楽器の真横である。チューバのベルが大砲の口みたいにこっちを向いている。なんかコワイ。唾抜きの音さえも聞こえる。チューバ奏者さんは楽器を二つ持ってるしミュートをつけたり外したり忙しそう。ティンパニーの奏者さんも、ただでさえ大活躍しているんだけれど、叩いてない間も密かにチューニングを行っていたりとか(なんか「職人!」って感じ)結構忙しいんだな。

ホルンが主役なこの曲だけど、今日は数えたらホルン奏者9人いた。なんだかサエコちゃんばりの小柄な若い女の子が吹いてたりして、なんかこの席でよかったなあなどと思う(おっさんか私は)。トランペットはもちろん大活躍で、途中退場して舞台裏でファンファーレを吹いて(その間、舞台出入り口は最初は半開き、後半は全開にして音量を調節)、また忙しく戻ってきて英雄の敵たちと戦う場面を吹く。なんか「いや~もう師走は忙しいですな~」とか談笑しながら入ってきたら面白いかな~とか、たまには暇そうなクラリネットが舞台裏で吹いて観客たちを驚かせるのとかどう?とか思ったりしていた。

でも、そんなアホなことばっかり考えてるわけではなくて、やっぱり戦争?の場面はすごい迫力で全身総毛立ったし(こんなに鳥肌立ったの久しぶり)、やっぱり生で聴く迫力って何物にも代えがたいなあと思った。まあ席が席だけに、残念ながらヴァイオリンソロはあまり響いてこなかったんですけど、なんとなく想像と経験で補って聴いておりました。万全の席なんてないんだな。

そんな派手な場面ばかりでなく、晩年の英雄のしみじみとした弦なんかもさすが飯守さんの指揮だわという感じで、しんみりとして聴いていました。いやはや本当に素晴らしい演奏でした。こんな素晴らしい「英雄の生涯」は遠い昔に聴いたサヴァリッシュの実演以来でした・・・つか、この2回しか実演で聴いたことないっぽいんだけども。いつまでもこの音楽が続いたらなあと思うくらいでした。少ない観客ながらも拍手は鳴りやまず、最後はオケの皆さんが一礼してお開きとなりました。

Pa0_0447 例年のごとくイルミネりやがったオペラシティ。

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コメント

naopingさん、こんばんは!
X-Dayが迫りつつある今日この頃、師匠にはお元気そうで何よりでございます。
私もこの時期は、「コンサートなんてとんでもない季節」となります。←もう「帰ったら早く寝ろよ!」という時刻ですが… ┐(´ー`)┌
ところで、「英雄の生涯」で思い出したのですが、『新たに英国の博物館にて発掘されたバロック・オペラ』の続編はないのでしょうか?オペラでのノリピアスの生涯がどのようになるのか、心待ちにしています(^-^)

投稿: Niklaus Vogel | 2009年12月10日 (木曜日) 00時40分

>>Niklaus Vogelさん
こんばんは。相変わらずお忙しいようですね。いつニーベルハイムから地上へお戻りになられるのでしょう・・・。私は昨日コンサートに行ったおかげで、飯守さんからずいぶん元気を貰い、代わりに上司から残業を言い渡されました(泣)。

ノリピアスは更生なさって大学で介護の勉強をされているようですが、これをどうやってオペラにするか思案中・・・というよりさっぱり忘れてました私。すいません。

投稿: naoping | 2009年12月10日 (木曜日) 21時54分

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