« 柴又途中下車の旅 | トップページ | ホルスト/サーヴィトリー »

2009年11月 2日 (月曜日)

カルウォーヴィチ / 復活交響曲


ミェチスワフ・カルウォーヴィチ:交響曲ホ短調「復活」
イェジ・サルヴァロフスキ指揮
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 

過去記事:カルウォーヴィチ/永遠の歌

P1110281 先日購入したCD、カルウォーヴィチの唯一の交響曲「復活」(リバース・シンフォニー?)の感想。

復活交響曲は現在(入手できそうなものは)他はノセダ指揮/BBCのシャンドス盤とマクシミウク盤があるけれど、マクシなんとかはSACDで高いし、BBCてメジャーなオケと指揮者も捨てがたいが、このさいローカルものはローカルな演奏で聴いてみたくてDUXレーベルのサルヴァロフスキ指揮で。

2008年発売。録音が新しくかなりいい感じだ。ライブ録音みたいだけど雑音は少ない(ほとんどない)。なによりワルシャワ・フィルの力のこもった演奏が素晴らしい。ジャケットは紙箱入りでなかなかきれい。

で、どんな曲なの?ということだが。

第一楽章 アンダンテ、アレグロ(約18分)

第二楽章 アンダンテ・ノン・トロッポ(約11分)

第三楽章 ヴィヴァーチェ(約6分)

第四楽章 アレグロ・マエストーソ(約9分)

Mieczyslaw_karlowicz_2 遭難早死作曲家兼登山家カルウォーヴィチ(1876~1909)が25~6歳の頃に作曲した曲である。ベルリン留学中の作品ということで、眩しくなるほどの若書きである。青春の匂いがぷんぷんして聴いていて切なくなる。

曲の印象としては「チャイコフスキーっぽくもあり、R・シュトラウスっぽくもあり。でも全体的に青々しい雰囲気はマーラーの巨人を思わせる」という感じ。でも・・・ぜんぜん安っぽいとか幼稚とかそういうのではなく、聴かせどころが多く結構聴きごたえはある。ライブで聴いてみたいなあ(アマオケさんやってください~そんなに長くないし)。

第一楽章は、かなり暗めな感じで始まるのだが(ちょっと不安)、そのうちどんどん元気を取り戻してきて、聴いていてわくわくする。作曲者の敬愛するチャイコフスキーっぽいメランコリックなメロディが頻発してきて微笑ましい。

第二楽章は、静かな弦楽合奏で始まり、チェロ独奏が美しく胸に迫る感じがある(く~、泣けるぜ)。途中でやっぱりチャイコフスキーっぽい部分はあるものの、輝かしいファンファーレがあったりと盛りだくさん。

第三楽章は、スケルツォ楽章かな。短調だけどなんか元気な感じ。途中からゆっくりしみじみしたメロディ(マーラーっぽくもありチャイコっぽくもあり)。

続けて第四楽章はR・シュトラウスばりの重厚な金管のファンファーレがあり(ここ、一番の聴かせどころ)、なかなかかっこいいぞ。輝かしい楽章である。

まあ全体的に「ナントカっぽい」ばっかりだけれど、作曲家として個性が出るのはまだまだこれからだろう・・・だったろう(泣)。最後は結構ダイナミックに盛り上がり(拍手入り)、やっぱりなんか「巨人」を思わせる・・・名前は「復活」なのに。ああ、もうちょっと長生きしたら何曲も交響曲をこさえたに違いない。

19世紀末・後期ロマン派のオケ曲好きで「なんか珍しい交響曲ないかなあ」とか思っている方におすすめします。えーと、買ったあとまた一週間後に渋谷行ったら、また入荷してたけど人気あんのかな?(値段のわりに収録時間短いけど・・・。シャンドス盤はもっといろいろ入ってるみたい。)

↓山岳写真家としてのカルウォーヴィチの写真が見れるサイト。

http://tygodnik.onet.pl/354,21590,1,kompozytor
_na_nartach,karlowicz_kompozytor_na_nartach,
fotoreportaz.html

Banner2_3 にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

|

« 柴又途中下車の旅 | トップページ | ホルスト/サーヴィトリー »

コメント

こんちは。
カルウォーヴィチは、私もしっかりチェックしていまして、まるでシュトラウスのような後期ロマン臭プンプンの交響詩などを聴きましたし、N・ケネディの弾いたヴァイオリン協奏曲を購入予定です。
さすが、naopingさん。
この交響曲は知りませんでしたよ。
なんかよさげですね。私も探してみましょ。

投稿: yokochan | 2009年11月 3日 (火曜日) 14時50分

>>yokochanさん
やっぱり、お客さん気になっちゃう感じですか?カルウォーヴィチ。ヴァイオリン協奏曲はまだYouTubeでしか視聴してないんですけど、めっちゃいいですよね。タスミン・リトルも弾いてますね。ヨーロッパではメジャーな曲なのかしらん。
交響曲も、なかなかいいですよう。なんか色々混ざってる気がするけど(笑)。長生きしてたらポーランドのマーラーとか言われてそう・・・顔もなんか似てるし。

投稿: naoping | 2009年11月 3日 (火曜日) 17時14分

カルウォーヴィチ。Naxosからも出てるんですね。
交響詩集が。

naopingさんの影響でツェムリンスキーを最近よく聴いてます。
カルウォーヴィチも聴いてみようかなぁ。

投稿: frosch | 2009年11月 4日 (水曜日) 18時02分

>>froschさん
そうそう、ナクソスから出てるんですよ。評判いいみたいなのでそのうち購入したいなと思っています。2枚とも買っても2380円。
ツェムリンスキー類がよいのなら、カルウォーヴィチははまると思いますね。

投稿: naoping | 2009年11月 4日 (水曜日) 19時39分

はじめまして。カルウォヴィチでググっていたらこの記事に辿り着きました。
今年の8月にアマオケの演奏会でカルウォヴィチの交響曲が日本初演されるみたいです。
http://i-amabile.com/concert/orchestra_excelsis2
どうやらオール・ポーランド・プログラムのようですね。楽しみです♪

投稿: Yasu | 2011年5月 4日 (水曜日) 23時27分

>>Yasuさん

はじめまして!
おお、何と言う素晴らしい曲目なのでしょう。絶対行かなくては。復活交響曲のみならず、ヴァイオリン協奏曲とノスコフスキのモルスキーオコも!

情報本当にありがとうございました。

投稿: naoping | 2011年5月 5日 (木曜日) 09時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カルウォーヴィチ / 復活交響曲:

« 柴又途中下車の旅 | トップページ | ホルスト/サーヴィトリー »