ル スコアール管弦楽団 アルプス交響曲
プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」
R・シュトラウス:アルプス交響曲
千葉芳裕指揮/ル スコアール管弦楽団
(すみだトリフォニーホール)
♪ポーニョポーニョポニョ魚の子♪
ああ、もうごめんなさい。ずっと引きずってるの私。こないだの火曜日に最終回を迎えた「白い春」ってドラマを。何かあるごとに阿部ちゃんとか大橋のぞみちゃんのやりとりを思い出しちゃうの。ああ、なんで死んでしまったの~~~春男~~~春男~~~~!!!(←阿部ちゃんの役名)
一生付きまとってやる。
そんなことをふまえて、迎えた今日のコンサート。いやあ大好物のアルプス交響曲とあっては、知り合いが出てなくとも行ってしまうにちがいない(葉書もらってたし)。なんたってあたし初めてなんす、アルペソの実演。
大オーケストラを必要とするこの曲。普段より人1.5倍増し乗っている・・・気がする(当社比)。100人乗っても大丈夫、イナバ物置。
そのうえ、なんか遠目に見て「ぬりかべ」と「一反もめん」のハーフみたいなものが舞台上につり下がってる。5枚か6枚くらい。あ、あたしこれ見たことある。ショルティのリングの解説書に写真が出てた、これの何倍も大きい親玉みたいなやつ。これをぶっ叩いて雷をおこすわけだ、ドンナーが。へだーへどー。違うか~
昔の洗濯機の脱水ローラーのでかいやつみたいなのもかすかに見える。これは知ってる。「影のない女」のときにも大活躍してた、脱水ローラー。これは台風を起こすのだな。
って。
すっかりプロコフィエフの曲の存在が私にはないし。ごめんセルゲイ。
全然頭の中から抜けとった。プログラムもらってから気がついた。初めて聴くんだけどこのスキタイ。何が「好きたい」なのか、何が「あら」で「ろり」なのか、いまいちわからんからプログラム冊子読む。へえそういう話なのか。冒頭はとってもやかましい。ロシア・アバンギャルドっぽいというか。色彩的というか。なんかこんな印象で合ってるのか?すくなくとも曲はかっこいいと思った。
で。
休み時間にアンパンをロビーで食らいながら「ああ、あともうすこしでやっと『七つの封印の書』がこのホールで聴けるのね」などと全く関係ないことを思いつつ、後半メインのアルペソ。
この曲は知ってるぞ、全部。どこも頭から最後まで抜けずに知ってる。まあだからどうってことはないけど。ま、間違ってるぞ!なんて指摘できる程でもないから安心して。
とにかく誰も落伍者も出さずに山を登り、遭難者も出さずに下山することが大事だ。それはアルプスだろうが剣岳だろうが高尾山であろうが変わらない。
「夜」から「日の出」までの大盛り上がりはいつもながら大好きだが、やはり実演だと全然迫力が違うもんだ。私は「日の出」のところの「ドロドロドロ・・・」とたたき続けるティンパニーの音が大好き。
しかしアルペソはとかくダイナミックな面ばかり目立ってしまうが、この曲の難しいと思うところは、結構弦の人とかに室内楽的っぽい響きがある事だな(とあたしは勝手に思ってる)。
舞台上はとにかくなんか色んなことが起こり、裏で吹く役のホルンの人が舞台の袖から出たり入ったり。サンダーマシンを叩く人がスタンバイしたり。カウベルも登場。今日の牛さんたちは大人しいなり(ミトプー盤では大暴れ)。オルガンの人は途中まで暇そうなのでたまに観察。
早く!嵐よカモォォォォォォォン!! サンダーマシン、ウィンドマシンカモォォォォォォォォン!!
しかし、期待してたほどサンダーマシンの音は「ああ、こんな感じ?」みたいな感じだった。オケの音が大きいからか。こんなもんか。叩くとこは面白かったけど。結構材質的には薄いのね、サンダーマシン。
シュトラウスとかマーラーとかの演奏会は視覚的にも面白いねえ。
というわけで、はじめはやや足元ぬかるんでた感があったかな?という気もしたのですが(すいません)、道に迷ったりしながらも(いえ、もともとそういう曲ですから)誰も落伍者もなく無事この難曲から下山されたようでありました。ブラボーも多く(「うちわ」の方かもしれませんけど)、私はとても楽しく聴きました。楽員さんの表情にもやりきった感がありました。
コンサート会場がら出ると外は雨。やれやれ。山の天気は変わりやすいねえ。
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コメント
アルプス・トレッキングへのご参加、
ありがとうございました。
特殊楽器などに目が奪われがちですが、
>この曲の難しいと思うところは、結構弦の人とかに室内楽的っぽい響きがある事だな(とあたしは勝手に思ってる)。
とのご指摘は、まさにその通り。
弦楽器はディヴィジやハフテが多いので苦労もありましたが、美しく響けば苦労も報われます。
客席では、どのように聞えたでしょうか?
次回は、北欧~ソビエト・プログラムです。
お気に召しますかな?
投稿: のびるめんて | 2009年6月29日 (月曜日) 22時26分
>>のびるめんてさん
ハイ!無事私も下山しました。耳も目も楽しいコンサートをありがとうございました!
ディヴィジもハフテもおいしゅうございました(←わかってない、すいません)。
弦の室内楽的なところは奇麗に響いてましたよ。
実演で聴くと、よくわかってるつもりでも色々な発見がありますね。(おそらく演奏される方はもっとなんでしょうけども)
次回演奏会(11/22)曲目
ニールセン:「ヘリオス」序曲
シベリウス:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番
内角低めのシブイとこですね(?)・・・楽しみにしています。その次はマーラー&マルティヌーなんですね。
投稿: naoping | 2009年6月29日 (月曜日) 22時51分
こんばんは。
こんなことを言ってはいけないですが、もし誰か”遭難者”が出た場合、どうやって”救助”に向かうのだろう・・・記事を拝見していて考え込んでしまった私(爆)
それはさておき、私自身もこの『アルプス交響曲』は一度も生で聴いたことがありませんが、拝見していて、何だか楽しそうなステージ展開だったように察しているところです。
投稿: 南八尾電車区 | 2009年6月29日 (月曜日) 23時54分
こんばんは。
この演奏会、先般お聴きしながら断念せざるをえなかったです。のびるめんてさん、すいません。
連チャンが厳しいもので・・・・・
今年だけでも、アルペン登山、各所で行われてますね。
やはり生だと、静と動、強と弱の対比がとてもわかりますね。
スキタイのライブなんて、めったに聞けないですよ。
11月は、「カプリッチョ」とのカブリがチョっと心配ですが、シベ4とショスタコは好物ですので何とかしたいです!!
投稿: yokochan | 2009年6月30日 (火曜日) 00時55分
>>南八尾電車区さん
こんばんは。
遭難者が出たら、それはまあ指揮者がなんとかするんでしょうね。「おいてきぼり」っていうのもアリかも知れませんが・・・。
アルペンの演奏は観てて面白いでした。昔、カラヤン/BPOの映像をテレビで見ましたが、ただオーケストラの演奏を映像に収めただけなのにとてもドラマティックでした。
>>yokochanさん
まあ、行かれなかったのですね残念。神奈川フィルさんとの連チャンはキツイですか。なかなかねえ・・・。
アルペン、面白いですね。やみつきになりそう。CDではよく聴くんですがまた生で観に行きたいです。
11月は、そうだぁ・・・カプリッチョだったす。沼尻さんだから期待できますね。まだノリコササキさんか釜洞さんか決めかねています。まあ、yokochanさんは当然両方行かれます・・・よね。
投稿: naoping | 2009年7月 1日 (水曜日) 20時35分
今回、私のヴィオラパートには万一に備えての代え楽器を用意してありませんでした。
ので、たとえば嵐の中の下山途中に弦を切ったら、
最悪の場合急遽袖に引っ込んで、弦の張替えをする羽目に…。
何とか終えてステージに戻ったら、なんと曲は最後の「夜」に差し掛かっていた!!
ということになったら、まさに遭難。
山を下りきる前に山中で一人で夜を迎えるという悲劇に…!?。
ああ、無事に下りてこられてよかった。
投稿: のびるめんて | 2009年7月 1日 (水曜日) 23時06分
>>のびるめんてさん
本当に、おめでとうございます。
でも・・・遭難して右往左往するヴィオラ奏者も見たかったです。うそです。
投稿: naoping | 2009年7月 4日 (土曜日) 18時27分