バルビローリ/マーラー 交響曲第5番
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
冷凍庫にある大量のむきエビをなんとかしようと思い、「たくさんエビを使う料理?・・・」と考えたところ、大好きなエビチリソースをするほどビッグでゴージャスなエビではない(せいぜいカップヌードルに入ってるサイズ)んで、エビシウマイを作ることに。
豚ひき肉とエビの切り刻んだのと調味料を入れてまぜまぜ(野菜は入れない)。完璧に材料はあると思ったら、ウチにはあの「魔法の白い粉」がない(基本的にキライなので)。ので、こぶ茶で代用。市販の皮につめつめする。実はシウマイ作ったの高校の調理実習のとき以来だもんで、10年ぶりくらいである。 ←え
私は手が小さいのでちっちゃくしかできない。しかも中華街で買うのみたいにかっこよくはできない。なんか・・・こんなだったかなあ?
セイロで蒸す。うちにあるセイロだけは本物。だって横浜中華街で買ったんだもーん。
食べてみると・・・うーん、こんなだったかなあ。やっぱり「魔法の白い粉」は中華料理には欠かせないものらしい。スーパーで買う安いシウマイよりは美味しいんだが・・・何か一つ味がたりない気がする。グリンピースがないのも精彩を欠くなあ。
そーいえば、昔勤めてた会社の上司の実のおじいちゃんが中国人の有名な料理人で、N○Kの「今日の料理」放送の始めの頃の先生として出演してたらしい。しかし「大人の事情」に詳しくなかったというか・・・収録中(いや、昔だから生放送だったのかな?)に「ここで味の素入れるアルね~」と連発し、その後おじいちゃんの出演はなくなったとゆー・・・ホントかな? もしかして都市伝説?
中華料理における白い粉にあたる(ような気がする)のが、バルビローリの演奏における唸り声。いや、バルビローリ好きとしてはアレがないと物足りないもんだ。
マーラーの5番というと、本当に中高生の頃に聴いていてその後そんなに聴いてないから、改めて聴くととても懐かしい。私がコンサートで生で(自分で券を買って)初めて聴きに行ったのは、この5番である。ブロムシュテットのN響っていうからなんかすごく昔のような気がす。レコードも持ってなかったので、N響のFMでの放送を録音して聴いていた。
私がティーンエイジャーの頃はマーラーが恋人のごとき存在だったんで、伝記を各種読みあさっていた。「この曲を作曲したころは、アルマと結婚して・・・」とか当時は全部頭に入ってた。でも。今はもうすっかり頭の中はワーグナーの楽劇に入れ替わっており。
そんで、思い出すためにウィキペディアのこの曲の項を見て、衝撃を受けた・・・というか忘れていた事実を思い出した。
1901年2月17日に自作『嘆きの歌』を初演したマーラーは、その一週間後、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を終えた直後に痔による出血を起こした。4月にはウィーン・フィルを辞任する。
そうか・・・マーラーは「ぢ」だったんだ。大人になると別に「ぢ」なんてそんなに騒ぐことはないんだが(女性だって普通になるもんね)、ケネディ著の「グスタフ・マーラー」を読んだ小学6年生の頃、これを知った衝撃は忘れられない。しかし、この文章を見ると「ぢによる出血」→「ウィーン・フィルの辞任」というふうに読めるな。相当酷かったと思われ。
さて、バルビローリの演奏。全体的にジェントルな親しみやすい印象だが、有名なアダージェットは(年代的に昔の演奏にありがちの)どこか遠い世界につれて行かれてしまうような演奏でもないのは非常に意外である。さらさらとした感じがする。オケのせいなんだろうか。
(他の人の演奏で)実演で聴くとまるでその楽章だけ切り取られたように、白昼夢を見たような感じになるんだけどな。
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こんな記事のあとで非常に申し訳ないんですが、音楽評論家の黒田恭一先生がお亡くなりになったそうで・・・大変ショックです。三浦先生とともにお世話になった評論家さんでした(面識はありませんが)。合掌。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0603/TKY200906030324.html
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コメント
黒田恭一さんがお亡くなりになったこと、教えてくださりありがとうございます。
黒田さんの音楽評論は、昔「暮しの手帖」に連載されていたものが楽しみでした。他に音楽誌は読んでいなかったし、今みたいにネットから情報を得ることもなかったので、氏の好みにはかなり影響を受けました。
享年71歳、まだそんなにお年はいっていないので、残念です。
しかし、同じ日の朝日コムのおくやみ欄には、「キース・キャラダイン亡くなる、自殺か」という記事もあって、びっくり。
投稿: レイネ | 2009年6月 5日 (金曜日) 05時47分
昔話をいたそう。昔々、イギリス人指揮者の評価は、日本では惨澹たるものじゃった。ビーチャムがそこそこ、あとは二束三文、ヘンデルのメサイアしか聞けるものなしと言われる有様じゃった。
独墺主体だったから、ま、しょうがないか、情報だって乏しいもので、やむをえない。
そこにバルビローリがマーラーの9番、ベルリン・フィルとのいきさつは言わずもがなの名盤が出て、バルビローリの名前が一気に高まってしもうた。続いて、マーラー5番、6番とこれはフィルハーモニアだが、評価はうなぎのぼり、ブラームス、シベリウスとこれで巨匠となって、イギリス人指揮者、ボールト、サージェントと実力が認められるようになった慶賀の1枚であったな。なんとなく鳴かず飛ばずでいたコリン・デービスも人気沸騰、めでたしめでたし。
さて、昔くそみそ、今大絶賛は、バルビローリが筆頭だろうが、あとは誰か考えた。
ドラティ、ロンドン響と来日したときは罵詈雑言だったが、デトロイト響とのストラビンスキー3部作で失地回復、今ではこの人、CDでもずいぶん復刻された。
ハンス・シュミット・イッセルシュテットもいるな。ウィーン・フィルとのベートーベン第9で実力が評価、それまではバックハウスのコンチェルトのバックで上手な伴奏指揮者といわれていた程度だったのじゃから。
小生、この3人とするが、1枚のレコード(CD)で評価一変ほかにだれかいるかの。
あの、昔絶賛、今ぼろくそは心当たりがあっても、そんなことはしてはいけない。
投稿: 面久院滅多坊 | 2009年6月 5日 (金曜日) 20時40分
>>レイネさん
こんにちは。
そうそう、私は新聞取ってないせいかネットで知りました。驚きました。黒田さんの文章の言い回しって独特なものがありましたね。レコ芸を買っていた頃が懐かしいです。
キース・キャラダインさんってキル・ビルの悪役の人だそうですが、私『2』を映画館で観たはずなのに全く記憶になく、主役のユマ・サーマンと栗山千明ちゃんとルーシー・リューしか覚えてません。あの映画・・・かなり強烈だったのですが、場面的には最後に頭半分ふっとんだのしか印象にないです。
>>面久院滅多坊さん
こんにちは。
バルビローリのマーラー聴き始めたのって実はここ4~5年なもので、リアルタイムにバルビローリの人気が日本で出始めたのもあまり実感としてはないのですが(それこそずいぶん昔ですね)、話には聞いております。
他にたった一枚で名誉を回復した指揮者っていうと、・・・まあ厳密には一枚じゃないですけど(ひと組と考えて)それは近年発売された「ステレオ・リング」のカイルベルトじゃないですかね。以前はバンベルクのイナカ者指揮者みたいな感じだったのが突然大メジャークラスのワーグナー指揮者になりました。(私はそれとともに、今までニルソンの陰に隠れていたヴァルナイもメジャーになったのが嬉しかったのでした。)
投稿: naoping | 2009年6月 5日 (金曜日) 21時20分
この曲の前に、メンデルゾーンの結婚行進曲を演奏してほしいといつも邪悪なことを考えてしまいます(笑)。
マーラーの交響曲では「大地の歌」が一番好きなのですが、そういえばバルビローリ盤は未聴だったことを思い出しました。
ちょっとタワレコへ行ってきます(笑)
投稿: 大分のワグネリアン | 2009年6月 5日 (金曜日) 23時54分
>>大分のワグネリアンさん
こんにちは。
自分の結婚式にはこの曲で入場し、場内をざわざわさせるのが夢です(ウソ)。
ちょっとタワレコに行ってらっしゃったのでしょうか。バルビローリの「大地」は冒頭が欠落してたり、ラップ音が所構わず鳴り響いたりちょっと覚悟が必要なんですが・・・まあ大丈夫でしょうね。
投稿: naoping | 2009年6月 6日 (土曜日) 14時32分
大分にもタワレコはありますが、行ってきたのはネット通販のほうです。在庫わずかだったので即ゲットいたしました(楽しみ♪)。
マーラーもお好きなようですが、そういえば同じ誕生日ですよね?うらやましい。私などマラドーナと同じですが、サッカーはおろか運動は全般にだめです(笑)。
ところでそろそろカイルベルトの「黄昏」第2ツィクルスが発売される模様。ホッターのグンターは初めてなので興味津々です。
投稿: 大分のワグネリアン | 2009年6月 6日 (土曜日) 15時27分
こんにちは。
海老シューマイ、うまそうですね。ギョウザはたまに作りますが、シューマイは作ったことがありません。蒸篭がないからです。でもあれば便利そうですね。
「ここで味の素入れるアルね~」、いい話です。今や「味の素」は固有名詞ではないような気もします。
バルビの第五は、わりとあっさり味ですね。
投稿: 吉田 | 2009年6月 6日 (土曜日) 16時53分
>>大分のワグネリアンさん
おお、お買いになられたのですね。なお、ネットでタワレコご利用の際はこのブログからも行けますよ~(・・・と宣伝してみる)。
マーラーと誕生日一緒なのは学生時代は結構自慢でしたが、とくに自慢できる友人もなかったです。え~いどうせなら命日も合わせてやる~~とか思いますが、今年は過ぎました。カイルベルトの第2ツィクルスは興味はあるんですけど・・・どうしようかしらん。
>>吉田さん
蒸篭は便利です・・・というかウチはいまだに電子レンジないのでご飯を温めるためにフル活用です。シウマイは具と皮が分離するので難しいです。
昔のN○Kはことごとく商品名をテープで隠してた気がするんですが最近はそんなでもないですね。料理番組に調味料が入ってる瓶が登場しないせいですかね。
バルビローリの5番は意外とあっさり風味です。もっとこってりとロマンチシズム満載な予想で購入したんですけどね。
投稿: naoping | 2009年6月 6日 (土曜日) 22時34分