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2009年6月29日 (月曜日)

ちょっと昔のレビュー(3)*1992年・バイエルン歌劇場・影のない女*

一部の方には好評の、ちょっと昔のレビュー。懐かしいですな。猿之助さん演出のDVD持ってる方はまた面白いかと。

過去記事:影の無い女/市川猿之助演出

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1992年11月15日
バイエルン国立歌劇場来日公演
R・シュトラウス:歌劇「影の無い女」
市川猿之助/演出
ペーター・ザイフェルト(皇帝)、ルアナ・デヴォル(皇后)、マリアーナ・リポヴシェク(うば)、アラン・タイトス(バラック)、ジャニス・マルティン(バラックの妻)、ヤン=ヘンドリック・ロータリング(伝令師)、ヘルベルト・リッペルト(若い男の声)その他
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮/バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団

ついにこの日が来た。来てしまったのだ。
「影のない女」を観ること。これは今年の私の一番重要なことなのです。

私の一番好きなオペラを3つ挙げるとすると、ワーグナーは全く別にするとベルクの「ルル」、オネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、そしてこの「影のない女」ということになります(当時)。この「影のない女」をここ3~4年ばかり愛し続けた私にとって、この公演は期待と不安のいりまじるものでした。オペラの中でも難解極まりないことNo.1?このオペラを、「オペラがお経に聴こえる」(謙遜でしょ~~?)という猿之助氏が演出するという、世にも恐ろしい大プロジェクトなのだからです。

でも、結果は素晴らしいものでした。逆に何故か嫉妬のようなものを覚えました。私はこんなにこのオペラを愛しているのに、オペラがお経に聴こえる人がこんなにすごい演出をしてしまうなんて、悔しいじゃないですか(ど、どうして?)。

それにしてもなんて素晴らしいオペラなんでしょう?聴き進むにつれ、胸がつまってきて何かとても悲しい辛い気分になってしまって泣きっぱなしでした。ことにバラックがかわいそう。そして皇后も。

とにかく台本が素晴らしくて、そしてシュトラウスもとびきりの音楽をつけていてもりだくさんでその上演出も素晴らしくて、もう耳と目の安まるヒマがなくてあっというまに終わってしまった。

出演者について。まず皇后のルアナ・デヴォルは初めて聴く人だが、かなり実力があり声もある人だ(少し前までスチューダーが出たらいいのにと思ったが、とんでもない、あの体型ではあの衣装は無理だ)。背が高く頭が小さくて私の思い描いていた通りの皇后です。演技もよく、1~2幕の表情のないお人形みたいな演技から第3幕になって人間的な迫力ある演技への変貌が素晴らしい。

皇帝のザイフェルトは期待以上でした。ルネ・コロよりも若々しくてよいと思う。それと衣装が抜群であった。

リポヴシェクはさすがにうまい。ほんっとに凄い人だ。この役のために生まれてきたような気がする。衣装はバットマンの模様だったけれど。

バラクの妻のマルティンは好きな歌手だったので二重マル。この役と合っていて可愛い声の持ち主である(外見は・・・)。アラン・タイトスのバラクは実直な性格を表していて涙をさそう。

あと、何より感動的だったのは出演者が皆さん楽しそうにやっているところでした。キモノも板についてる。

演出のことは細かく書いているときりがないので、あんまりしない。でも、影の処理のうまさ(バラクの妻の影はあるのに、皇后の影はどこ?とか)や、天上の人と地上の人とのはっきりとした区別など、うなるものがあった。

この「影のない女」の上演を作曲者に見せたいものである。シュトラウスの生きた時代のヨーロッパは日本へのあこがれが多くあったのでした。なのでシュトラウスと歌舞伎、あわなそうであってしまうのです。

P1110202_3

←初めて見たグラスハーモニカ。ガラスのおわんを重ねて横にしたような感じで足踏みミシンみたいなので踏んで回す。手に水をつけてこする。しかし、初めて見た人は楽器とは思えないだろう。しかし演奏したレッケルト氏、美形だった。

まあ、そんなことより2回目が楽しみです。(他の演目の)「オランダ人」を見るくらいだったら「影のない女」2回観るほうがいいと思ったのでしたが、正解でした。

2回目の座席は舞台から右寄りなので(今回は左だった)楽しみだわ。レッケルトさんも楽しみ。しかし3幕の命の水は絶対オカシイ。「黒子」ならぬ「金子」??

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<後注>当時、私はこの公演によっぽどリキ入れてたらしく、この公演のことが載ったアサヒグラフやら週刊誌やら雑誌の切り抜きが実家にたくさん残されていた。公演当日に配られた出演者の猿之助さんに対する感謝の気持ちを表した寄せ書きのコピーも残っているが、全く関係ない一聴衆の私でもすごくうれしかったのを覚えている。

この公演は画期的なことだったから、NHKでもメイキングを放送したりしてた。でも、かんじんの公演のほうは教育テレビでは放送コードに引っかかったらしく、バラクの3人の兄弟の出てくるところは放送しなかったな~。

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2009年6月28日 (日曜日)

ル スコアール管弦楽団 アルプス交響曲

93788img1ル スコアール管弦楽団 第26回演奏会

プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」
R・シュトラウス:アルプス交響曲

千葉芳裕指揮/ル スコアール管弦楽団

(すみだトリフォニーホール)

♪ポーニョポーニョポニョ魚の子♪

ああ、もうごめんなさい。ずっと引きずってるの私。こないだの火曜日に最終回を迎えた「白い春」ってドラマを。何かあるごとに阿部ちゃんとか大橋のぞみちゃんのやりとりを思い出しちゃうの。ああ、なんで死んでしまったの~~~春男~~~春男~~~~!!!(←阿部ちゃんの役名)

一生付きまとってやる。

白い春DVD-BOX

そんなことをふまえて、迎えた今日のコンサート。いやあ大好物のアルプス交響曲とあっては、知り合いが出てなくとも行ってしまうにちがいない(葉書もらってたし)。なんたってあたし初めてなんす、アルペソの実演。

大オーケストラを必要とするこの曲。普段より人1.5倍増し乗っている・・・気がする(当社比)。100人乗っても大丈夫、イナバ物置。

そのうえ、なんか遠目に見て「ぬりかべ」と「一反もめん」のハーフみたいなものが舞台上につり下がってる。5枚か6枚くらい。あ、あたしこれ見たことある。ショルティのリングの解説書に写真が出てた、これの何倍も大きい親玉みたいなやつ。これをぶっ叩いて雷をおこすわけだ、ドンナーが。へだーへどー。違うか~

昔の洗濯機の脱水ローラーのでかいやつみたいなのもかすかに見える。これは知ってる。「影のない女」のときにも大活躍してた、脱水ローラー。これは台風を起こすのだな。

って。

すっかりプロコフィエフの曲の存在が私にはないし。ごめんセルゲイ。
全然頭の中から抜けとった。プログラムもらってから気がついた。初めて聴くんだけどこのスキタイ。何が「好きたい」なのか、何が「あら」で「ろり」なのか、いまいちわからんからプログラム冊子読む。へえそういう話なのか。冒頭はとってもやかましい。ロシア・アバンギャルドっぽいというか。色彩的というか。なんかこんな印象で合ってるのか?すくなくとも曲はかっこいいと思った。

で。

休み時間にアンパンをロビーで食らいながら「ああ、あともうすこしでやっと『七つの封印の書』がこのホールで聴けるのね」などと全く関係ないことを思いつつ、後半メインのアルペソ。

この曲は知ってるぞ、全部。どこも頭から最後まで抜けずに知ってる。まあだからどうってことはないけど。ま、間違ってるぞ!なんて指摘できる程でもないから安心して。

とにかく誰も落伍者も出さずに山を登り、遭難者も出さずに下山することが大事だ。それはアルプスだろうが剣岳だろうが高尾山であろうが変わらない。

「夜」から「日の出」までの大盛り上がりはいつもながら大好きだが、やはり実演だと全然迫力が違うもんだ。私は「日の出」のところの「ドロドロドロ・・・」とたたき続けるティンパニーの音が大好き。

しかしアルペソはとかくダイナミックな面ばかり目立ってしまうが、この曲の難しいと思うところは、結構弦の人とかに室内楽的っぽい響きがある事だな(とあたしは勝手に思ってる)。

舞台上はとにかくなんか色んなことが起こり、裏で吹く役のホルンの人が舞台の袖から出たり入ったり。サンダーマシンを叩く人がスタンバイしたり。カウベルも登場。今日の牛さんたちは大人しいなり(ミトプー盤では大暴れ)。オルガンの人は途中まで暇そうなのでたまに観察。

早く!嵐よカモォォォォォォォン!! サンダーマシン、ウィンドマシンカモォォォォォォォォン!!

しかし、期待してたほどサンダーマシンの音は「ああ、こんな感じ?」みたいな感じだった。オケの音が大きいからか。こんなもんか。叩くとこは面白かったけど。結構材質的には薄いのね、サンダーマシン。

シュトラウスとかマーラーとかの演奏会は視覚的にも面白いねえ。

というわけで、はじめはやや足元ぬかるんでた感があったかな?という気もしたのですが(すいません)、道に迷ったりしながらも(いえ、もともとそういう曲ですから)誰も落伍者もなく無事この難曲から下山されたようでありました。ブラボーも多く(「うちわ」の方かもしれませんけど)、私はとても楽しく聴きました。楽員さんの表情にもやりきった感がありました。

コンサート会場がら出ると外は雨。やれやれ。山の天気は変わりやすいねえ。

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2009年6月27日 (土曜日)

ちょっと昔のレビュー(2)*1992年・ヘネシーオペラ・オランダ人*

ちょっと昔に行ったコンサート&来日オペラ上演の感想文シリーズ。
痛い文章で・・・・・・・・・・・・・・本当にすまないと思っている。

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1992年3月17日
ヘネシー・オペラ
ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」

ホセ・ヴァン・ダム、エリザベス・コネル、ハンス・ゾーティン、その他
小澤征爾指揮/新日本フィルハーモニー管弦楽団、東京オペラ・シンガース、晋友会合唱団
演出/蜷川幸雄

(東京文化会館)

またしてもサマオラなのです。今回も超ゴーカキャスト、コネルの超重量ソプラノは結構ラブリーでして、ホセ・ヴァン・ダムなんてゆーのも結構シブイ(でももちろんロバート・ヘイル様のほうが はーと)ですが、ハンス・ゾーティンは好きな歌手なのでほんとにすてき・・・でもゾーティンはテルラムントがすき。

舵取りの人が結構よかった・・・ヴンダーリッヒを思い出すほどの美声ね。もっと歌うところがあったらいいのに。それと・・・合唱がうまいっ!!どうしたの? 日本人なのにうまいね。それに船員さんたち元気! マストの上によじのぼったり、うまとびしたり。

問題は演出。オイ コラ ト書き通りにしてどーするんじゃ。そのまんまやろ~~が。だせ~~。

ケルン・オペラを観たあとだったから、思わずイカリがこみあげるぜ。なんで日本人って普通の演出しかできないの?

驚いたのは最後の部分。どーすんのかなーと思ったらまったくト書き通り。海に飛び込むわ、二人はホントに昇天するわ(ピアノ線につられて)でこりゃたいへん。こんな演出、ワーグナー生きてる時代以来か? それにコネルさんを吊るくらいの丈夫なピアノ線は・・・凄い!! 

日本人てト書き通りにしか演出できないような気がする。日本のオペラ界には前衛的な演出をしない風潮があるのかしら。
もし私がこの曲を演出するとしたら、オランダ人が結婚詐欺師とか、最後にエリックとゼンタが結局はうまくいっちゃうとかにしたいわ。

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<後注>
ヘネシー社の主催による公演のため、開演前のロビーでコニャックの試飲をやっていまして、ブランデーグラスにちょこっと注いだのを3杯くらい頂きました。このヒドイ文章はもしかして酔っ払ってたからとも?・・・思われ。最後、主役をピアノ線で吊ってましたが、同じ体格のスタントマンを配していたのでは、と思われる。

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2009年6月26日 (金曜日)

ちょっと昔のレビュー(1)*1992年・ケルン歌劇場・オランダ人*

実家で新たに発見されました、ちょっと昔に行ったコンサート&来日オペラ上演の感想文をしばらくUPしたいと思います。何しろ「ブログ」なんてものがない時代の話ですし、世間に発表するために書いたわけでもないので、正直そんなに面白くないかもしれません。でも足を運ばれた方は懐かしいかもしれません。
日本がまだ景気が良かった時代を知らないお若い方も、興味があればお読み下さい。

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1992年2月13日
ケルン歌劇場来日公演
ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」

ウィーリー・デッカー、ロバート・ヘイル、リスベート・バルスレフ、その他
ジェームズ・コンロン指揮/ケルン歌劇場管弦楽団・合唱団
(東京文化会館)

私はケルン歌劇場のサマオラを見てきました。
私は今までこの曲は映像では見たことがなく、CDでしか聴いたことありませんでした。耳で聴く限り、この曲は頭の中ではずっと「ゼンタの妄想」のように解釈していました。だから、初めて見るこの曲の舞台で、現代的に演出された上演を見ても違和感はありませんでした。

ただ、最後にゼンタがナイフで自分の胸を刺して死んでしまうのは、どうかなと。これはオランダ人は救われなくてまた次の旅に出ちゃうってことなのかしらん。

それにしても、ゼンタがこれほどまでに激しくドラマティックな役だなんて知らなかった。もっとリリックに近いドラマティックソプラノの役かと思っていたので驚いた。そして、リスベート・バルスレフがこんなに声量のある人だとは思ってなかった。(失礼ながら)もっとどうでもいい歌手かと思っていたのでものすごく感動してしまった。ブリュンヒルデとかイゾルデとか歌ってもオッケーなくらい。

で、で、でも! なんといっても! ロバート・ヘイルのオランダ人はすごい!かっくいい!スタイルがよい!足が長い!いい体をしている・・・。も~~~~、会場全体がゼンタになっちゃうくらい!よい! 

BUT!ひとつ気に入らなかったのは、ヘイルにあごひげがなかったことで、これは全く趣味の問題でどーでもいいんだけど・・・。なんか口髭だけだとなんかアメリカのTVドラマに出てくる(「ファミリー・タイズ」とか)普通の家庭のおとうさんて感じがして日常的でやだな。日曜日にホーム・パーティとか開いてそうで。やっぱりオランダ人はあごひげがぼうぼうしてなければイヤイヤ!!

・・・おっと音楽的なことを忘れていました。歌はいうまでもなく良かったです。主役二人の二重唱なんてドハクリョクの凄さですね。

合唱、オケもまずまず。さすがドイツのオケ。しかしオランダ人の船員の合唱はテープを録ってあるものを流したようで、オケと合わなくて四苦八苦していて面白かった。

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<後注>
「BUT!」っていう書き方が時代を感じますな~。
コンロンは私にとっては今やツェムリンスキーのスペシャリストなんですが、ワーグナー振ってたんですね。
それにしてもロバート・ヘイルに関する記述がまるでヘン○イです、本当にありがとうございました。

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2009年6月19日 (金曜日)

一本ヌイてきた。

一部の方々にはご心配をおかけしましたが、今日無事抜いてきました→親知らず。

ドクトルがなんか見慣れぬ色々な拷問具器具を持ちだしてきたので・・・なるべく見ないようにしてた。手術中ずっと目をつぶってた・・・ので、何をどうしたのかさっぱりわからない。

まあ、予想通りすぐに抜けなくて、トンカチだかノミだか?でトントンカンカンやられた。てっきり私の歯はこなごなになって取り出されるもんだど思ったら、びっくりしたことに全く無傷で摘出された。ドクトルも助手の子も「よくこんなにきれいに抜けましたね~」と驚いてた。あたしも驚いた。

Pa0_0399_2

見事にひんまがってたけど。

麻酔がガンガンきいてたから抜歯の痛みというのはなかったが、とにかく口が小さいので(チャームポイントとなるところが今回すべてマイナスポイント)、口をがんがん開かれるほうがよっぽど辛かった。唇、ちぎれるかと。顎はずれるかと。開口器っていうんですか、あれはなんですか。まじ拷問ぽいんですが。

で、猫2~3匹産んだかなみたいな産みの苦しみでしたが、抜歯後、時計を見たらたった30分しか経ってなかった。なので、そもそも言われたほどそんなに大したことでもなかったのか、ドクトルの腕が良かったのかよくわからない。ただ、ドクトルはなかなか若くてハンサムだった・・・ような気がする、マスクで半分顔隠れてたけど。もうそんなことどうでもよくなってしまったんだが。腕さえよければ。

帰り道にスーパーでプリンだの茶碗蒸しだの大量購入して帰ってきたんですが(病院内にナチュラル○ー○ンがあって、焼きたてパンやらロールケーキだかやたら美味しそうだったが、残念今回はパス)、処方されたお薬(「ロキソニンとジェネリック医薬品とどっちにしますか?」と薬剤師に言われてすかさず安いほうにした)が効いているんだか麻酔が切れてる今現在でも全然痛くない。真夜中とか痛くなるんだろうか・・・。顔は腫れてる・・・ような、もともと下膨れな顔なのでさほど違和感はない。

まあ、終わってよかったでした。

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2009年6月16日 (火曜日)

ペッテションの交響曲第2番を聴きながら、恐怖のおすそわけをする。

P1110201 アラン・ペッテション:交響曲第2番
スティグ・ヴェステルベリ指揮/スウェーデン放送交響楽団

あー、いや。もうね。大変だから。
私のこの胸にだけしまっておけない。誰かに伝えたい、この苦しみを、この不安を。

昨日、隣の区の大きな病院へ。もちろん、親知らずを抜くためだったのだが。

その日はヌイてくれず。顎のレントゲンを撮ったのと、診察と説明で終わった。どうも抜くのに一時間はかかるらしく、行ってすぐ「スポン」って抜くようなそんな簡単なものではないらしい。

病状の?説明のあと、書類を貰った。どうも患者本人と誰か(親とか?)の同意(署名)が必要らしい。

めんどくせ・・・。

・・・

ねえ。

みんな、読者のみんな。
親知らず抜くのって、ただ抜くだけでしょって思ってない? 私もそう思ってた。誰に聞いてもそうだった。そりゃ麻酔が切れれば痛くなるし熱も出すかもしれないけど。2日もねてりゃ治るでしょ。何言ってんのオーバーだよたかが親知らず抜くくらい。みんなやってるよ、って。

あ、あたしも「そうだよね~。あははは。バカだよね~」とか言ってたんだけど。

どうもそんな簡単なことでもないらしいんだわ。私、小顔なんだよね。小顔って羨ましいとか女友達には言われるんだけど、そんなこともないの。アゴが小さいのに歯は普通に大きいのよね。だから歯の根っこが曲がって生えてるらしいんで。だからスポンっていけばいいけど、なかなかそうもいかないらしい(だから病院行かされるわけだが)。

で、抜歯の日にちを決めて、受付でお金払って帰りの送迎バスの中で説明の書類をぼんやりと眺めてたら。

こんなガクブルの事実が書いてあった。

(この項目には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれている可能性があります。不快に感じる方は閲覧をご遠慮ください。)

・手術の名称・方法
 埋伏智歯抜歯術:手術は局所麻酔後、歯肉に切開を入れ、粘膜骨膜弁を形成し、顎骨を露出させ、埋伏智歯の位置と歯軸の方向を確認後、歯牙の周囲の骨を骨ノミあるいは骨レバーを用いて削除し、タービンバーや骨ノミで歯牙を分割して抜去します。抜歯後、不良肉芽(炎症を起こしていた病巣)を掻き出して、止血を確認し、縫い合わせます。さらに、止血を確実にするため、抜歯後は20~30分ガーゼを噛んだままにしてもらいます。

うわあううううあうう。

もう、私 想像しただけで倒れそうです。私の口内で「キル・ビル」とか「バトル・ロワイアル」とか再現される感じ。血みどろスプラッタ・ムービーが繰り広げられてしまうということだな、うん。

で、さて。

こういう内容にはピッタリと思われる(いや~ほんとにピッタリよ)、このところ大人気?のスウェーデンのトラウマ作曲家アラン・ペッテションの交響曲。

ペッテションは交響曲を17曲ほど作ったが、第1番は破棄された(17番も未完のため破棄)ため、彼の発表されている交響曲は2番が最初ということである。

まあ、私はペッテションのCDは2枚しか持ってないので詳しいことは言えないんだけど、印象としては「難解」「暗い」「絶望」「怨念」・・・etc.という感じだ。だが、この2番はまだ7番ほどのどん底の絶望感はない。なんか聴いていると断片的にマーラーの交響曲第5番を思い出す。でも・・・マーラーがまだ可愛く思える。どういうこと?

42分のノンストップ・シンフォニー(単一楽章)。これでも交響曲なわけ? ペッテションらしく、キリキリと追い詰められいていく。もしも手術中にこの曲をBGMに流してもらったら、自分の中の隠れた「M」を開花させてしまいそうだ。途中でモーツァルトの「フリーメイソンのための葬送音楽」が流れる・・・らしいが、残念私はその曲は知らないんだ。多分「ここのことかなあ?」とは思うけれど。

で。

無事抜歯が終わって生きてたら、ぜひ声楽付きの 交響曲第12番「広場の死者」にも挑戦してみたいと思っている。

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2009年6月15日 (月曜日)

見ず知らずのアマオケを宣伝する。

ちょいと調べ物をしていたら、このようなアマオケさんのコンサートが。
全然知り合いはいないけど、曲目で気になったのでちょっと紹介します。

行くとは限らないけど。

↓エルガーの2曲が気になる。
2009年7月12日(日)
14:00。
開演(13:30開場)
文京シビックホール 大ホール
ベートーヴェン:交響曲第3番「エロイカ(英雄)」 Op. 55
(ベーレンライター新版)
エルガー:エニグマ変奏曲 Op. 36
(独創テーマによる変奏曲「謎」)
エルガー:弦楽セレナーデ Op. 20
指揮:松下 功 文京区民オーケストラ
入場料:1,000円(全席自由)
チケットお問合せ
文京オケ演奏会係にEメールにて
teien19@yahoo.co.jp
http://bcot.web.fc2.com/

↓シュールホフは珍しい。
日時:2009年7月20日(月/祝) 13時30分開演予定
場所:すみだトリフォニーホール
指揮:十束尚宏  フィルハーモニア・エテルナ
チェロ:フリードリッヒ・ドレシャル
(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席チェロ奏者)
曲目:
E.シュールホフ 交響曲第5番
E.ラロ チェロ協奏曲
S.ラフマニノフ 交響的舞曲
http://phil-aeterna.org/

↓パルシファルの音楽が沢山聴けそうだ。
:2009年8月9日(日) 13:30 開演(12:45 開場) 
第43回定期演奏会   
すみだトリフォニーホール 大ホール 
          全席自由 2,000 円 
ワーグナー 
  舞台神聖祝祭劇「パルジファル」より
 第一幕への前奏曲
 場面転換の音楽
 聖金曜日の奇蹟 
ブルックナー 
  交響曲第7番ホ長調WAB107        
指揮 :森口 真司  グローバル・フィルハーモニックオーケストラ
http://www.globalphil.com/

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2009年6月13日 (土曜日)

L・ブーランジェ&F・ヘンゼル&C・シューマン声楽作品集

P1110200 リリ・ブーランジェ:合唱曲「セイレーンたち」、「春」、「草原の夕暮れ」、「太陽への賛歌」
4つの歌(つきぬ悲しみの中で、期待、反映、帰郷)

ファニー・ヘンゼル:庭の歌(樹のそよぐ音がきこえないだろうか、美しい故郷、秋に、朝の挨拶、夕暮れの森、森で)、夜の輪舞

クララ・シューマン:ガイベルの詩による三つの混声合唱曲(ヴェネツィアの夜の祭、前進せよ、ゴンドラを漕ぐ人)

白井光子(メゾ・ソプラノ)、ハルトムート・ヘル(ピアノ)
クリスティーネ・フリーデック(ソプラノ)、レギーネ・ベーム(メゾ・ソプラノ)、ベルンハルト・ゲルトナー(テノール)、ザビーネ・エーベーシュペッヒャー(ピアノ)
ハイデルバルク・マドリガル合唱団
ゲラルト・ケーゲルマン指揮

過去記事:薄命女流作曲家Ⅱリリ・ブーランジェ

マルケヴィチ指揮/リリ・ブーランジェ集

すっかりそのカテゴリーを忘れてたけど、久しぶりに女流作曲家のCDで行こう。・・・とはいってもそんなに女だてらに作曲をしてる人っていないから、取り上げる人は決まってしまってる。でも、結構有名なファニー・ヘンゼルとクララ・シューマンは今回は初登場。

女流作曲家という以外は、あんまり関係ない3人の作曲家の合唱曲・独唱曲を集めたCDである。

最初に登場の毎度おなじみリリたんであるが、最初のほうの合唱曲4曲は結構穏やかな海のような音楽で落ち着いて聴いていられる。(しかしなんとなく・・・不気味な雰囲気が感じられるのは何故)
ほかの(時代・作風ともに違う)作曲家との兼ね合いもあってそういう静かな選曲なのかな。

・・・と思ったら白井光子女史の歌う歌曲で平静な気持ちは断ち切られる。リリたんの本領発揮、聴く人を奈落の底に陥れる恐怖歌曲が登場。歌詞が怖い。墓って。

つきぬ悲しみのなかで
(ベルタ・ガレロン・ド・カローヌ)

つきぬ悲しみのなかで
 また重い沈黙のなかで、
足音がし、人影があらわれる。
そして質素な墓に身をかがめる、
ああ、おまえはこの聖なる場所でなにを求めるのか、
なぜこの墓地の平和を乱すのか、
墓石の下に宝物でも隠したのか、
それともおまえは墓の陰を借りて
哀れな生者よ、死者たちから
 しばしの休息をかすめようとするのか。
いや、女はそのためにここに来たのではない、
(ちょうどそのとき月があたりを照らす)
そしてこの女が(ああ、胸が張り裂ける)、
この女がここに求めるものは、
 いたいけな、かわいいみどり児。
その子はこのお墓の中に眠っている。
その子は空想に耽っている。
その子の母がここを立ち去って以来、
かわいらしい子よ!
 子供らしい気持ちでこう思っているのだ、
母はただ姿を隠しただけ、すぐに現れると。
そして夜ともなると、ひそかに現れる。
ブロンドの子がこっくりしはじめ、
その小さな心が悲しみに飽むとき、
その母が子守唄を歌うために、
 きっとやって来てくると信じて。
              (喜多尾道冬/訳)

なんて暗い詩なの。舞台は墓地。音楽も鐘の音を模したピアノ伴奏とともにズンドコに暗い。この詩を書いたカローヌという人は盲目で聾唖の女流詩人であったそうな。なるほど、リリたんは自分の境遇と似たものを感じてこの詩に曲をつけたのだろう。フランスにはこれを10回聴いたら死ぬ、という都市伝説まである(超ウソ)。
他の歌曲の詩はごく普通。

・・・。

次の作曲家、ファニー・ヘンゼルはご存じフェリックス・メンデルスゾーン=バトルディのねーちゃんである。メンデルスゾーンがあんな作風だったから当然そんな狂気に溢れるような恐ろしい曲は書いてないと思う(よく知らないが)。ファニーは弟フェリックスとともに音楽の教育を受けてたらしいし才能もかなりあったらしいが、当時は女性が職業を持つなんてありえないことだったので、フツーに結婚した。相手はヘンゼルって宮廷画家だった。夫が描いたっていうファニーたんの肖像がなんか・・・ギガントカワユス。萌。本当にこんなに可愛かったんだろうか。

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夫のヘンゼルはファニーの音楽の才能を理解して応援してたらしく、そのおかげでピアニストとしても活躍し自作の出版もしたらしい。しかし、42歳の若さで脳卒中で突然死んだ。弟フェリックスもその衝撃からか同じ年に脳卒中(クモ膜下出血?)で死んだという。

(管理人は毒のある音楽しか受け付けないという傾向にあるため、曲に関してはスルー。ごめんして)

次は一番有名なクララ・シューマン(旧姓ヴィーク)。夫のロベルトはメンデルスゾーンとともに学校の音楽室に普通に肖像画が飾られているようなメジャー級の作曲家だが、晩年かなり精神を病んでいて悲惨な人生を送った・・・ていうか、すいませんこちらも私はあまりなじみのない作曲家なので多くは語れないんだけど・・・まあみんな知っているからいいよね(放棄)。

CDに収録の「3つの合唱曲」は1948年に38歳になった夫の誕生日に演奏(歌唱)された曲ということで、この曲を気にいったシューマンはこの曲をセレナードとして編曲して今度は妻の誕生日に演奏したという。やれやれ。

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2009年6月11日 (木曜日)

ケーゲル/カルミナ・ブラーナ

P1110199オルフ:カルミナ・ブラーナ
ユッタ・ヴルピウス(ソプラノ)
ハンス・ヨアヒム・ロッチュ(テノール)
クルト・リーム(バリトン)
ヘルベルト・ケーゲル指揮
ライプツィヒ放送交響楽団&合唱団

Orff: Carmina Burana



またしても。
ついてないというかアフォというかヴァカというか・・・自分を悔いるようなことが起こってしまった。今日は反省の一日。

Pa0_0396 昨日、自由が丘に飲みに行ったんだが。
写真のようなレトロなお好み焼屋に行った。んで、まあそんなに沢山飲んだ記憶もなくごく普通に楽しく過ごし、ごく普通に店を出ようと思ったら。

段差に気づかず。まっ正面から落下。しりもちとかそんなならまだしも。思い切り義経の泣き所(弁慶だったっけ?)をやられた。酒が入ってるのとか、恥ずかしいのとかもありその時はそんなに痛さも感じず、普通に歩いて行ったが。

帰ってから見たら足首をすりむいていてアザもできてた。まあ、吉本新喜劇ばりに派手に転んだわりには意外と軽傷、骨折もせず頭とかも打たなくてよかったなあとは思ったんだけど。(しかし、こんな段差をつけるなんてお店のほうもおかしいと思うな、今考えると)

今朝は体の節々が痛い。

という・・・酒に対する反省の意味も込めて。今日はカルミナ・ブラーナ。
この曲には一番マッチしているのでは、と思われる指揮者ケーゲルので。日本ではポピュラーなこの曲だが(バラエティで使われることがものすごく多い)、本国ドイツではどうなんだろう。また、数多くの録音があるが、ベスト盤というのはいったどれなんだろう。古くはヨッフム盤が豪華な独唱陣とともにベストということだったが、その後新しい録音で100枚くらい出てるんじゃないだろうか(そんなこたあない?)。

私が最初に買ったCDはデ=ブルゴス盤である。なんたって若き日のルチア・ポップが歌っているということで価値がある。初期ステレオの非常に色褪せた録音も印象的である。

で、このケーゲル盤だが。独唱者誰も知らないんだけど(ありゃ)。この中ではソプラノ歌手は、ヌルヌルした歌い方で(何と言ったらいいのやら)あまり芳しくない気がする。ソプラノの聞かせどころが多いのでとくにキツイ気がする。なんか・・・それだけはイライラする。他の歌手は普通。

しかし、想像通りケーゲルの鋭いカリカリとした音楽はこの曲の本質には合ってると私は思う。のんべんたらりとした指揮ではこの曲の楽しさが半減してしまう。
合唱団は巻き舌がレロンレロン言っててキモチイイし、少年合唱はヒットラーユーゲントのよう。ふふ、やっぱりケーゲルはこうでなくちゃ。

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2009年6月 9日 (火曜日)

エルガー/序奏とアレグロ ヴァイオリン協奏曲

エルガー:序奏とアレグロ
ヴァイオリン協奏曲

ナイジェル・ケネディ(ヴァイオリン)
ヴァーノン・ハンドリー指揮/ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団

今さらなんだが。(全く今さらこんな名曲で何を語ろう)
最近はまっているのがエルガーの「序奏とアレグロ」。
一日一回は聴いてる。聴かないと気が済まない。

あー、なんていい曲なんだろう。
この曲の素晴らしさは「愛のあいさつ」とかチェロ・コンとか交響曲第1番と遜色ないと思う。いや、心に染みるメロディコンテストナンバーワンの(そんなもんはない)ニムロッドとも並んでもいいかと。エルガーの曲の中でも随一の名曲だと思う。最初のドラマティックで悲しげな前奏もいいが、やがてヴァイオリンソロで現れる暖かな主題の美しさはどうだろう。うっとりする。なのに「序奏とアレグロ」なんて結構どーでもいいような題名になっているから、エルガーの曲の中でも今ひとつ分が悪い気がするのは・・・私だけだろうか。

これをまた、ハンドリーで聴くというのがまた・・・シブイ。いや、別に他の指揮者でもいいんだけど。

で、まあ。
カップリング・・・というか本来メインのヴァイオリン協奏曲の長さは凄いな。50分強あるんだもんね。シンフォニーなみですな。(最長はアラン・ペッテションのヴァイオリン協奏曲らしいが。未聴)

この曲は・・・「序奏とアレグロ」みたいに誰が聴いても「おっ!これはなんて心に染みるいいメロディが出てくるんだ!みんなに教えてあげたい!」などという感じではない。一回聴いただけではよくわからない。ブラームスの交響曲並によくわからない・・・わからんかった。

というわけで最近は「序奏とアレグロ」を聴くついでにこっちも続けて聴くようになったんだけど、何回も聞くうちにだんだんいい曲だなという気になってきた。スルメみたいな感じかも。ま、ヴァイオリンつきの交響曲みたいに思えばいいのかもね。

クライスラーに献呈したのに、クライスラーはあんまり好きじゃなかったとな(うーん)。この曲はどちらかといえば内向的な感じがするからかもね。

・・・話変わって。
協奏曲で思い出したんだが。ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで全盲のピアニストの辻井伸行さんが優勝されたのはニュースで見たんだが。本当に素晴らしい、快挙だと思うんだけど。
素人の考えからいうと。

えっと、テレビで見たんだけどコンクールで確かコンチェルトも弾いたよね。盲目の演奏家の方って(他の人でも)コンチェルトもやられるようだけどどうやってオケとテンポを合わせているんだろう。指揮者が合わせるの?(んなこたーない) そういうのってやっぱり私がドしろうとだから思うのかしらん。

不思議でしょうがないんだわ。誰かおせーて。

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2009年6月 7日 (日曜日)

ラッブラ/交響曲第9番、朝の当直

ラッブラ:交響曲第9番「復活」*
合唱曲「朝の当直」

リン・ドーソン(ソプラノ)*
デラ・ジョーンズ(コントラルト)*
スティーヴン・ロバーツ(バリトン)*
BBCナショナル・コーラス・オブ・ウェールズ
BBCナショナル・オーケストラ・オブ・ウェールズ
リチャード・ヒコックス指揮
ポール・ウィリー(語り)

私にとってラッブラという作曲家は、イギリスの作曲家の中でも手ごわいというか歯ごたえが強いというかちょっと敬遠している作曲家の一人である。普通のクラシック好きな人から見る(聴く?)とイギリス音楽の親しみにくいところが存分に発揮されているような(なんというべきか)音楽。

エドマンド・ラッブラ(Edmund Rubbra、1901年5月23日 - 1986年2月14日)は、イギリスの作曲家。
ノーサンプトン出身。学校を卒業したのち鉄道員として働くが、王立音楽大学の奨学生となり、グスターヴ・ホルスト、シリル・スコット、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズに師事。第二次世界大戦中はピアノ三重奏団を結成する。戦後はオックスフォード大学の講師となる。1948年にカトリックに改宗。
作品には11の交響曲、4つの弦楽四重奏曲、3つの協奏曲がある。また1938年にヨハネス・ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」を管弦楽に編曲したことでも知られる。(ウィキペディアより)

このブログのレギュラー・コメンテーターの方の中に「何かの勢いで交響曲全集買ってしまった(笑)」というような方もいらっしゃるようですが、私はそんなことはなく、単独で所持してるのはこれだけです(他にバルビローリの5番が一枚・・・ヘミングとのカップリング。これも一部ではつまんねーCDらしいが・・・私は好きなんで何と言われようが構わん。)。

このCDは合唱が主な感じで(たぶん、だから買ったんだと思う)、家が仏教の私からはかなり遠いところにある・・・ハレルヤ系である。「朝の当直」という合唱曲から始まる。これはまあまあ親しみやすい。雰囲気で言えばRVWの「海の交響曲」に近いかなと思った。で、なんとなくプロムスっぽい感じもある。ま、英語の合唱曲ってそんな感じだよね。

で、メインは交響曲。全部で11曲あるらしい交響曲の9番目は副題は「復活」(The Resurrection)とある。しかし隅田川花火大会の如く華々しいマーラーの「復活」とは大違い。あんなわかりやすいものではない。宗教の匂いがぷんぷん。(なんかブラウンフェルスの宗教オペラ「受胎告知」を思い出した。あれ、つまんなくて売っちゃったんだよねCD。今となったら「鳥」とともにすごく惜しい。結構ここらへんのオペラたくさん手放したんだ、ゴルトシュミットとか。)

歌詞はいきなり「エリ、エリ 、ラマ、サバクタニ?」で始まる。これはバッハのマタイ受難曲でおなじみの歌詞である。つーわけでこれもハレルヤ系音楽。まーしばらくどんよりとした感じが続く。宗教神秘系つーか。たまーに輝かしい明るい雰囲気はぽつぽつと現れるし最後も鐘の音などとともに結構盛り上がるものの、まあ大体は暗いどんよりとした雰囲気。

おい、どうせならもうちょっと親しみやすい面白い音楽書けよー、みたいな。一般大衆向けを狙ってない上に、本国のマニアックな音楽通にもはたして受け入れられているのかどうかも怪しいし。どんなに有名でない作曲家でも熱狂的なファンはいると思うんだけど、ラッブラのファンてはたしているのかなあ・・・と疑問。やっぱりラッブラ協会とかあんのか?

ところで。

Edmund Rubbraでゴーグルってみたところ、Youtubeで「深川」?なるピアノ曲を発見。ドビュッシーっぽいかな? 日本の小唄「深川節」のピアノ編曲か? いかんせん、ここらへんの邦楽は詳しくないんだけど、なんでまた。

http://www.youtube.com/watch?v=fPCpKOoJgt8

ちなみにこのピアニストのおぢさん(Phillip Sear)
は他にも珍しい曲を沢山弾いてくれて楽しいよ。誰なんだ。

http://www.youtube.com/user/PSearPianist

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2009年6月 4日 (木曜日)

バルビローリ/マーラー 交響曲第5番

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

冷凍庫にある大量のむきエビをなんとかしようと思い、「たくさんエビを使う料理?・・・」と考えたところ、大好きなエビチリソースをするほどビッグでゴージャスなエビではない(せいぜいカップヌードルに入ってるサイズ)んで、エビシウマイを作ることに。

P1110196 豚ひき肉とエビの切り刻んだのと調味料を入れてまぜまぜ(野菜は入れない)。完璧に材料はあると思ったら、ウチにはあの「魔法の白い粉」がない(基本的にキライなので)。ので、こぶ茶で代用。市販の皮につめつめする。実はシウマイ作ったの高校の調理実習のとき以来だもんで、10年ぶりくらいである。      ←え

私は手が小さいのでちっちゃくしかできない。しかも中華街で買うのみたいにかっこよくはできない。なんか・・・こんなだったかなあ?

セイロで蒸す。うちにあるセイロだけは本物。だって横浜中華街で買ったんだもーん。

P1110198_2 食べてみると・・・うーん、こんなだったかなあ。やっぱり「魔法の白い粉」は中華料理には欠かせないものらしい。スーパーで買う安いシウマイよりは美味しいんだが・・・何か一つ味がたりない気がする。グリンピースがないのも精彩を欠くなあ。

そーいえば、昔勤めてた会社の上司の実のおじいちゃんが中国人の有名な料理人で、N○Kの「今日の料理」放送の始めの頃の先生として出演してたらしい。しかし「大人の事情」に詳しくなかったというか・・・収録中(いや、昔だから生放送だったのかな?)に「ここで味の素入れるアルね~」と連発し、その後おじいちゃんの出演はなくなったとゆー・・・ホントかな? もしかして都市伝説?

中華料理における白い粉にあたる(ような気がする)のが、バルビローリの演奏における唸り声。いや、バルビローリ好きとしてはアレがないと物足りないもんだ。

マーラーの5番というと、本当に中高生の頃に聴いていてその後そんなに聴いてないから、改めて聴くととても懐かしい。私がコンサートで生で(自分で券を買って)初めて聴きに行ったのは、この5番である。ブロムシュテットのN響っていうからなんかすごく昔のような気がす。レコードも持ってなかったので、N響のFMでの放送を録音して聴いていた。

私がティーンエイジャーの頃はマーラーが恋人のごとき存在だったんで、伝記を各種読みあさっていた。「この曲を作曲したころは、アルマと結婚して・・・」とか当時は全部頭に入ってた。でも。今はもうすっかり頭の中はワーグナーの楽劇に入れ替わっており。

そんで、思い出すためにウィキペディアのこの曲の項を見て、衝撃を受けた・・・というか忘れていた事実を思い出した。

1901年2月17日に自作『嘆きの歌』を初演したマーラーは、その一週間後、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を終えた直後にによる出血を起こした。4月にはウィーン・フィルを辞任する。

そうか・・・マーラーは「ぢ」だったんだ。大人になると別に「ぢ」なんてそんなに騒ぐことはないんだが(女性だって普通になるもんね)、ケネディ著の「グスタフ・マーラー」を読んだ小学6年生の頃、これを知った衝撃は忘れられない。しかし、この文章を見ると「ぢによる出血」→「ウィーン・フィルの辞任」というふうに読めるな。相当酷かったと思われ。

さて、バルビローリの演奏。全体的にジェントルな親しみやすい印象だが、有名なアダージェットは(年代的に昔の演奏にありがちの)どこか遠い世界につれて行かれてしまうような演奏でもないのは非常に意外である。さらさらとした感じがする。オケのせいなんだろうか。

(他の人の演奏で)実演で聴くとまるでその楽章だけ切り取られたように、白昼夢を見たような感じになるんだけどな。

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こんな記事のあとで非常に申し訳ないんですが、音楽評論家の黒田恭一先生がお亡くなりになったそうで・・・大変ショックです。三浦先生とともにお世話になった評論家さんでした(面識はありませんが)。合掌。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0603/TKY200906030324.html

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2009年6月 2日 (火曜日)

ワルターのマーラー交響曲第9番で悲しい気分を語る

マーラー:交響曲第9番
ブルーノ・ワルター指揮/ウィーン・フィルハーモニック管弦楽団
(1938年ムジークフェラインザール)

常日頃から、気分がふさぎ込んでいるときには聴いてはいけないと思っているマーラー9番だが、今日はこの曲では落語界における歌丸さんのごとく真打のワルターで。なんたって初演者だもの。私の持っているダットン盤は70年前とは思えないよい音質であるが今はタワーでは売ってないようなので、上のジャケットはナクソス盤です。←音質はシラネ。

ワルターの演奏は・・・「大地の歌」もそうなんだが、リアルタイムでマーラーと過ごしてきたせいかリアルにマーラーがいた時代のウィーンの空気を感じることができる(と思う)。気がつくとウィーンのムジークフェラインの前に凍えながら立ち尽くしている自分がいる(真冬にしか行ったことがないので)。懐かしい。

なーんてまじめなことを書いているんだが・・・。

ああああ、もう。

(さあ、あなたも家にあるマーラー9番をBGMに一緒にこの気分を味わおう!!ヘッドフォン推奨)

最近、どうもついてない。まあ、何があったかというと。色々とあったのだ。一つ一つは大したことはないかもしんないんだが。

先日友人と飲み会をしたときに、ふとしたことで前歯を破損。あわてて歯医者に行って応急処置をしてもらう(これだってずいぶん悲しかった)も、親知らずの虫歯を指摘され、「これは痛くならないうちに抜かないと危ない。ウチではこの親知らずの抜歯は難しい。大きな病院に行って下さい。紹介状を書くからね。」と。

あの。

そんな大きな病院でなきゃダメってどんな親知らずなの私。すごい不安。
後日、紹介状を書いてもらったときに訊いてみた。

「先生、あのう・・・わざわざ病院まで行って抜くのって、どんなふうに抜くの?すごいの?死ぬの?」

「あのね、あごの骨から抜く感じ・・・いやあんまり言わないほうが・・・」

「え、それってなんでですか?」

「これ以上詳しく言うと・・・行かなくなるかもしれないし」

き、訊かないほうがいいのか??そんな恐ろしい手術なのか??もう考えたくない。考えたくないよう。麻酔はするんだろうけど、血とかいっぱい出ちゃうのかな?麻酔切れたらきっと痛いだろうな・・・うううう。

一応、Youtubeにも親知らずの抜歯の映像はあるみたいだが(なんで?)

http://www.youtube.com/watch?v=GY459kTn32c

因みに、私はヘタレなので見ていない。見たという勇者はコメントください。(かなり・・・かなりグロイらしい)

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鬱な話題もう一つ。昨日、東京電力の電気設備の点検があったんですが、「まあ、いつものように別に何もないだろう」とか思って、大船に乗った気持ちで保安協会?のおじさんがブレーカーを点検するのをヘラヘラ眺めていたのですが。

とつぜん、おじさんが

「おお、これは・・・!!!」
と血相を変えたんで

「な、なんですか?何かあったんですか?」
と訊いてみると。

「配線の周りをくるんでるビニールから線が出ちゃってる・・・なぜこんなことに・・・」

ええええ、それって危ないの??

「一応、ビニールテープでくるんでおきましたから暫くは大丈夫だけど、大家さんに言って工事してもらったほうがいいよ。大雨降って雨漏りでもしたら大変だ」

なにい・・・?私の親知らずだけでも頭痛いのにその上電気工事だと・・・?
まあ、別に工事は一時間くらいのものらしいので大したものではないらしいのだが。

電気が止まると困るものはうちではただひとつ、冷蔵庫である。

いや冷蔵庫はまだしも・・・その下の冷凍庫にあるアイスクリームは?業務スーパーで(非常食として)買い込んだ剥きエビは?肉は?もう考えたくないよう。何より、めんどうくさい。

なんかもう、逃げだしたい気分。

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もう一つ。

所用があり品川駅へ。お腹すいたので、前から気になっていたラーメン屋の集合体「品達」へ。しばらく見ない間にどんぶり屋も何店舗か参加していた。

ラーメン特集でかならず上位を占める有名店「せたが屋」「○○○ッ○」のどっちかにしようと迷ったが、とんこつラーメンが好きなので「○○○ッ○」へ。上にかかっている黒マー油とやらが少し気になったが、一番デフォルトのラーメンを注文。

Pa0_0395 うーん。出てきてびっくり。

小さい。なにこの小さくて薄っぺらいドンブリ。プラスティック?まさか私が小柄だから小さいの出てきた?いや私は人並みに食べるし。子供用じゃないよね?

そして、上の黒いものは、イカスミ??・・・違う。何故黒いの。食べてみると、麺とスープがなんか別モノみたい。からんでない。もしかして自分でぐるぐるからめるのか? 大好きなはずのもやしも合ってない。

食べ終わってからも口の中に化学調味料っぽい味がずっと残ってるし。・・・これ、美味しいの?美味しいのかな?一般的に。美味しいんだろうなあ。だってテレビによく出てるしね。あ、あたしが悪いんだよね。親知らずだし。電気工事だしさ。気がふさいでるから味覚もヘンなんだよね?

うーん。700円が痛い。

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