ブリテン/オーウェン・ウィングレイヴ(BBCテレビ・オペラ)
ブリテン: 歌劇 「オーウェン・ウィングレイヴ」
オーウェン・ウィングレイヴ … ベンジャミン・ラクソン(バリトン)
スペンサー・コイル … ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)
レクメアー … ナイジェル・ダグラス(テノール)
ウィングレイヴ嬢 … シルヴィア・フィッシャー(ソプラノ)
コイル夫人 … ヘザー・ハーパー(ソプラノ)
ジュリアン夫人 … ジェニファー・ヴィヴィアン(ソプラノ)
ケイト・ジュリアン … ジャネット・ベイカー(アルト)
祖父/語り … ピーター・ピアーズ(テノール)
ワンズワース・スクール少年合唱団(合唱指揮:ラッセル・バージェス)
ベンジャミン・ブリテン指揮/イギリス室内管弦楽団
ジョン・カルショウ(エグゼクティヴ・プロデューサー)
(DVD 1970年11月)
先日まとめ買いしたブリテンのBBCテレビジョンにおける収録のDVDのうちの一つ。この「オーウェン・ウィングレイヴ」のDVDが発売されたのは今年の1月だったようなので、まだ半年くらいしか経ってない。この映像がホーム・ヴィデオで発売されたのはこれが初めてだそうである。
テレビ・オペラということだから、舞台でよりもテレビで放送されるために作られたようである。なるほど、画面で見るとそういったことを予想して(舞台転換が早いのは、一瞬にして画面が切り替わることができるテレビ向けである)作られているような気がする。
このオペラ、私まったく聴くの初めて。ちょっと前まで存在さえ知らんかったかも。「そんなオペラあったっけ?」みたいな。だもんで、実は対訳持ってない。英語の字幕とその場の雰囲気でなんとか。筋書きは こちらを参考にさせて頂きました。 すいません
まあ、テキトーにまとめると。
オーウェン・ウィングレイヴ 「戦争なんか嫌いだ!軍人なんかなりたくない!」
オーウェンのオバさん 「このご時世になにふざけたこと抜かしとんねん」
オーウェンのじーさん 「そんなふざけたヤツは勘当じゃ!この家から出てけ!」
軍隊の先生 「こまったな~何とかならんか」
軍隊の先生の奥さん 「このオバケ屋敷こわいわ~」
オーウェンの婚約者 「いくじなし!軍人にならないなら婚約破棄よ!このオバケの出る部屋に閉じ込めてやる!」
オーウェンの友達 「このスキにオーウェンの彼女とうっしっし」
屋敷の幽霊 「 呪 イ 殺 シ テ ヤ ル 」
多分、音だけ(CD)で聴くとそんなに面白くもないかもなあと思う。ブリテンの音楽は冴えに冴えているから、ブリテンの音楽が好きな人は堪えられない魅力のあるオペラだけど・・・そうでもない人は音だけだとややキツイかもなと思った。
それにしてもこの映像はなかなか凝ってる。どこか郊外の大きな建物に(メイキング映像が附録についてる)セットを組んで撮影しているようだが、ウィングレイヴ家の部屋の作りが・・・ホントに古く薄気味悪く作ってある。
美術の世界では、わざわざ古く見えるように作るのってとってもめんどうなことなのである。例えば、TDLのホーンテッドマンションもかなり頑張っていると思う(私はアトラクションではアレが一番好きだ)んだけど、こちらはさすがBBCだ・・・いかにも出そうな(カビ臭そうな)雰囲気が満載である。TDLがまだまだかわいらしく感じる。
というかあまりに不気味なんで、見る人が見たら映像の中に沢山心霊が「コンニチワ」しているのを見つけてしまうに違いない。探してないけど。夜中は見ないほうがいいと思う。
最初の印象的な前奏(ジャズっぽいのかガムランっぽいのか、いかにもブリテンっぽい)で次々と現れる代々ウィングレイヴ家の肖像画も・・・なんかドロドロした感じで怖い。
あと、気がついたこと。裁縫好きな私としてはヴィクトリアン調のドレスやいかにも仕立ての良いスーツなどに見とれてしまう。あと、晩餐会のときにみんなで頂くケーキ?がとっても美味しそうだった・・・なんかスープとケーキしか出てこないんだが。
歌手は、CDとキャストは一緒なんだが(CDはこれより前にスタジオ録音したらしい)どの人も歌は素晴らしい。
しかし。
仮にこれが舞台だったら、「まあ、オペラの中の人だからこれくらいのイメージの違いは許そう」とかいうある種の慣れがあるんだけど、テレビ・オペラということになると(何故か)ちょっと違和感が生じる。ベンジャミン・ラクソンとナイジェル・ダグラスはとても「青年」に見えない。仕方ないっちゃ仕方ないが。昔の青年は老けてたんかもしれんな。
イギリス人でも好きな歌手の一人シャーリー=カークは渋い大人の魅力満載といった感じでいいわあ、声も姿も。奥様役のハーパーも優しそうなご婦人て感じでここでも素敵。ディム・ジャネットはなんだか肌ツヤツヤしてるけど38歳くらい? 若いお嬢さん役なのにメゾだったりするブリテン・オペラの不思議。
ケンペ指揮コヴェントガーデンでのリングでジークリンデを歌っていたシルヴィア・フィッシャーはどんな人なんだろう?って思ってたけど、この映像ではもう随分おばあさんになっていた。(声から勝手に奇麗な人なんじゃないかと想像してるんだが)
さて、前記のようにこのCDにはメイキング映像がついていて、そちらも色々楽しめる。収録中に誕生日を迎えたブリテンにバースデーケーキをスタッフで贈って歌ったりしているが、その中で幽霊のいでたちのビアーズがにこやかに立っていてちょっとびびる。カルショウによるブリテンのインタビュー映像とか貴重かも。カルショウカワユス。
・・・こんな渋いオペラがBBCで放送されたなんて、そしてこれがモンティパイソンと同じ年代だったなんて、イギリスってやっぱり素敵な国。
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コメント
おっ、「オーウェン・ウィングレイヴ」だ。
こんな地味で、名前も覚えにくいオペラは、まず実演にかからないでしょうね。
幽霊のミステリーと反戦とを合わせた、ブリブリブリテンお得意の世界は、映像がピタリとくるんでしょうか。
私のCDと同じ音源なんでしょうか。
私のほうは、何度も何度も聴いて、ようやく記事にできました。ピアーズの幽霊は声でもなんやら不気味・・・。
そう、ヒコックスも録音していますよ。
モンティパイソンと同じ頃なんすね。
たしかにナイスなお国ですな、英国。
投稿: yokochan | 2009年5月27日 (水曜日) 01時23分
>>yokochanさん
こんばんは。実はこのオペラの筋書きを書いたものが見当たらず、yokochanさんのブログを参考にさせて頂きました・・・それしか方法がありませんでした。私の持っている「歌劇大事典」は古くて現代ものは載ってないんです。
このDVDとCDは演奏者は一緒ですが、違う日に録られたようですよ(塔HPによると)。このオペラ、映像がないと多分辛いですが映像はミステリードラマな感じで最初から違和感なく見れました。意外と?面白かったです。
投稿: naoping | 2009年5月27日 (水曜日) 19時36分