日本の美術館名品展・東京都美術館
連休になる前に、あわてて?鑑賞。いや私はそんなに惹かれなかったんだが、友人の強い希望でこの展覧会へ。
日本の美術館名品展
暦ではお休みの日ではなかったのだけど、上野はやっぱり混んでる。
公園では謎のペルー人?のラテン音楽集団が謎の音楽を奏でていた。友人は「あの”ちゃらちゃ~♪”という音楽は・・・もしかして必殺仕事人?」とか言うから腹かかえて笑ってしまった。「いやいやあれはアルハンブラの思い出でしょう?・・・いやアランフェス協奏曲かも」とか私も言っちゃって、でも何度聴いても、何の曲でもなかった。・・・謎。
で、東京都美術館だが、意外なほど混んでなかった。普通の平日な雰囲気。きっと入場券売り場は混んでるだろうと、上野駅の出口んとこで買って行ったけどそんな必要なし。
(まあ、他の阿修羅展とかルーブル展は混んでいるんだと思うけど。入場制限かけられてた美術展が2つあった。なんだか忘れたが。)
この展覧会は、全国の公立美術館100館が参加、膨大なコレクションの中から選りすぐりの名品を一堂に公開する、という企画。まあ日本にいれば見れるものばっかりだからなんだか貴重な感じには欠けるんだが、それでも日本全国の美術館の名品がいっぺんに見られるとなると、それはそれで貴重かと。
私はエゴン・シーレの「カール・ブリュンヴァルトの肖像」目当てで、他はまあ半ばどうでもいいかなくらいだったんだけど、他の絵も結構面白かった。200点近くの展示は壮観であった。(会期中入れ替えあり。全部合わせて220点)
洋画はほとんど全部知っている画家ばっかりでした。とはいえ、「え、これホントにゴッホなの?」的な、よく世間に知られているような作風からはちょっと違うような絵画もままあり。それはそれで興味深いのかな。というわけで展示作品は年代も国もまちまち。ピカソもあれば横山大観もある。ウォーホルも狩野芳崖もある。
というわけで全部見るとわりと時間かかる。ご飯食べてから入らないとお腹すく。途中ちょっとお腹なりそうで苦しかった。
まあ、ものすごく名品なのばっかりでもないので、だんだん観ていて面白くなってきたのは絵よりも(←え?)それを出品した美術館のコメントで・・・。ちょっと笑ったのはピカソの「ドラ・マールの肖像」を徳島の美術館が購入したときの県民の評判は「なんかオバケみたい」とか言って芳しくなかったとか。どんだけ昔なんだよ、とか思ったら1980年代くらいの話で(私の記憶によると)。
(なんかこれ読んだら、数年前に東京の現代美術館でロイ・リキテンスタインの絵を買ったときに「こんなマンガみたいなのに莫大な税金を使うのか」とか問題になったのを思い出した。東京でもこんなだったです、ハイ。)
今や有名作品(と思ってたんだが違うのか?)アンディ・ウォーホルの「16のジャッキーの肖像」をいわき市の美術館が購入したときも「このジャッキーって女の人がいったい何者なのか説明するとこから入らなければならなかった」ということだったらしい。ケネディ暗殺はあんなに有名なのになあ。
一緒に行った友人は結構普通の人よりは展覧会は行くんだが、やっぱりこれだけ時代も作風も違う人のが並んでるとあんまり知らない画家もいるようで(とくに現代美術)、イヴ・クラインの絵には驚いていた。「なんか。。。モデルさん絵の具まみれで大変そうね・・・」
外国の現代美術を見たあと、日本絵画を見ることになるんだが、何故こんなに落ち着くんだろう。黒田清輝とか小磯良平とかの女の人の絵を見るとなんかなごむよう。いいねえ、日本の油絵って。
画家はどうも短命っていうイメージだったんだが(昔の人は)、本当にかなりの人が20代~30代で命を落としているみたい。結核とか多いのねやっぱり。それにしても三橋節子さん(1939~75)という画家の絵の前では絶句した。右肩骨腫瘍のため右腕を切断したが、35歳で亡くなったという。お子さんを遺しての死はさぞ無念だったろう。
他に印象的だったのが竹内栖鳳の作による「絵になる最初」という絵で、裸モデルになる前のためらいみたいなシーンが描かれている。私はプロのヌードモデルさんしか描いたことないんでこーゆーシーンには出っくわしたことないが(ばんばん脱ぐで~)、例えば素人スカウトものAVだと最初にこんなシーンが あ、だれか来たようだ。
まあ、あんまり色々書くと見に行って面白くなくなってしまうのでこのへんでやめときます。7月5日まで開催予定です。
以前もトビカン前で見かけた「止まったままの白い人」。お金を入れると動きます。入館するときはいたけど、帰りはもういませんでした。
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コメント
Naoping様、こんにちは。
この季節の上野は、お散歩だけでも心地良いですよね!
上野といえば、阿修羅展にも行きたいと思っているのですが・・・・。
昨夜は、新国で『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を鑑賞してきましたが、とても楽しめました(もちろん、ストーリーは決して楽しいものではないのですが。とは言え、若い女性やお子さんも結構お見かけしました・・・・)。
やはり、ショスタコーヴィチの音楽が圧倒的で、特に後半(3幕・4幕、休憩は1・2幕終了後の一回のみ)は緊張感漲り、固唾をのんで音楽と劇に引き込まれてしまいました。
主役を始めとして、歌手はよく頑張っていました。
演出はコヴェント・ガーデンのものを持ってきたようですが、以外と(?)違和感はありませんでした(ラストシーンだけは、他に何か方法はないのかなあ、と思いましたが)。
しかし、何よりも指揮のシンケヴィチ(ゲルギエフのもとで仕事をしているそうです)が高い集中力で、オケ(東響)をよくコントロールし、ここぞという時には金管(3階席にもスタンバイ!)から渾身の咆哮を引き出し、他方で弦から何とも妖しく艶かしい音色を響かせていたのは見事でした。
休憩前には、戸惑いというかためらいがちな拍手をしていた観客も、カーテンコールでは盛大な拍手とブラボーを送っていました。
投稿: キンモクセイ | 2009年5月 2日 (土曜日) 19時14分
>>キンモクセイさん
こんにちは。阿修羅展は連休終わったら見に行く予定です。GW中は、私チビなので阿修羅様の頭のおだんごと腕しか見えなかった・・・とかありそうな感じなので。
ショスタコーヴィチ、レヴューありがとうございます。
マクベス夫人はすっかり頭の中から抜けていましたが、今やっているのですね。日本人の歌手の皆さんも難しいロシア語に果敢に挑んだのですね。
あのオペラは私も昔ゲルギエフで観に行きました(どっかに書きました)が、全く初めて観に行くものだったので予習のために(その公演の何か月も前に)CDを買いました。しかし内容にどうしてもなじめなくて(何ででしょう?)最後まで聴かないうちに本番へ。結局本番はすごい迫力でかなり楽しめました(やっぱり金管の咆哮はすごかった)。 東響よかったんですね。ちょっと見たくなってきました。お金ないけど(泣)
投稿: naoping | 2009年5月 3日 (日曜日) 10時56分