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2009年4月23日 (木曜日)

ブーレーズ指揮/ベルク・ヴァイオリン協奏曲

P1110173ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」
ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン)
ピエール・ブーレーズ指揮/ロンドン交響楽団

またベルクのコンチェルトかよ~~~!と言わないでほしい。今日のこの曲は意味がある。今日は23日である、ということの他に。

えーと、ここ何日かのショッキングな事件3つ(私にとって)について。

・清水由貴子さんの自殺
・草なぎ剛くんの・・・
・アシュリー・ヘギちゃんの死亡記事

ということで、三つともかなり私には「きた」。

清水さんは「欽ちゃんバンド」で毎週見ていたし、「OH!階段家族」(←これを知ってる人はかなりマニアだ)とか見てたんで結構印象に残っている人だ。

介護問題も自分としては避けて通れない・・・今両親は元気だけれども。とても考えさせられるし。

剛くんも「ぷっすま」が大好きで毎週見ている私としては「え~?番組どうなっちゃうの?」と心配だし。あの剛くんのボケっぷりが好きだったのに。

・・・ということだけれど、今日の本題はアシュリーちゃんだ。彼女の訃報をネットで見て、(こじつけでなく)ベルク・ファンの私はこの曲が思い浮かんだ。今やこの曲にぴったりなのは彼女しかいない(死んでしまったが)。

カナダのアシュリー・へギさんはカナダのプロジェリア患者。この病気は先天性のもので、症状としては色々あるが、1年に10歳くらいのスピードで体は老化するらしい。

アシュリーちゃんのテレビのドキュメンタリーはいくつか見ていた。しかし全部見たかと言えば自信はないし、最近どうしたのかしら~とかたまに思い出して心配していたんだが。テレビでは、このままでは治療法も何もないので新しい(まだ確立されてない)治療法を試す決心を両親とともにした・・・とかいうとこから見ていない・・・が、4月21日に17歳でお亡くなりになったという。

この病気についてはアシュリーちゃんしか知らないので何とも言えないけれど、テレビで見た限り肉体の老化とともに精神面もどんどん向上していくような感じを受ける。年齢ではまだまだ子供のはずの彼女の言動は、周りの大人を精神面で大きく超えている。いい大人の私から見ても、ティーンエイジャーであるはずの彼女は高い精神性を持っている人だと思う(テレビで見ただけなもんで、影ではどうだったのか知らないけども)。

というかアシュリーちゃんだけでなく、難病に侵された子供が回りの大人を超えてしまうほど高い精神性を持つ、ということは多々あるのでは? 病気をかかえている患者本人が周囲を逆に励ますみたいなことを闘病記などでよく見かける。

この曲のもとになった(ここのブログでは何度も何度も書くが)エピソードはアルマとワルター・グロピウスとの間に生まれた娘・マノンの苦しい闘病生活の末の死である。彼女は重い小児麻痺で18歳の若さで亡くなった(ベルクの伝記によると。ウィキペディアでは19歳との記述)。

ベルクの伝記では「マノンを知っていた人はみな、この美しく、ほがらかで魅力的な少女を称え、そして女優の道を歩み始めたところで重い小児麻痺に一年間耐え抜いた天使のような忍従の姿を伝えている。」とある。想像だけど、おそらく病の苦しみに耐えながら周りに心配かけまいとしてふるまったのでは、と思う。

で、この曲は(新ヴィーン楽派の中でも)人気曲であるから沢山のCDが出ているし私も何枚も持っている。今回のこのCDはブーレーズ指揮というだけでもポイントはかなり高いが、まず素晴らしいのはこのジャケットである。マノンの横顔がとってもいいし、またこの文字のデザインも素晴らしい。私の持っている(すべての曲の)CDの中でもジャケットが気に入っているものの一つ。

演奏もまた、ズッカーマンが(ブーレーズの指揮に沿っていて)あまり過度に浪漫ティックでないのがいい。なんか現在売ってないのかなあ、残念。

そういえばホーキング博士も心配だ。



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コメント

>なんか現在売ってないのかなあ、残念。

ウチにあるのはこれ。まだ売ってるみたいです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/124576
でもベルクメインなら、そのジャケがいいですよね。クリムトもいいけど。

投稿: ぜん | 2009年4月28日 (火曜日) 02時25分

ベルクをお好きなんですね?
突然ですが天羽明恵ねーさんの自称弟分のえーちゃんと言います。

草○くんについてはみんな同情的ですね?
寄った勢いのことがあんなおおごとになってしまうのは国民的アイドルならでは・・・。
早く復帰してほしいものです、ぷっすまも彼なくしては楽しく無いです。

天羽さんから「ルル」を演じた後はがきが届き、「ルルの音楽が身体から抜けない」と書いてありましたよ。
新国の「ルル」のタイトルロールが本来の楽譜に書いてある高音もコロラトゥーラもできない人だったので、やっぱり天羽さんのルルは凄かったと再確認したことがありました。

投稿: えーちゃん | 2009年4月28日 (火曜日) 23時25分

>>せんさん
浄夜とカップリングなのですな。しかもクリムト「接吻」ジャケ。
これはこれでイイですが、レコードジャケットサイズのがあったらお部屋に飾りたい感じですね。


>>えーちゃんさん
はじめまして(ですよね?)。コメント有難うございます。
天羽さまの熱心な追っかけさん?でいらっしゃいますのでしょうか。天羽さま素敵ですよね。「ルル」のときは歌唱も外見もコケットなルルそのものでしたし。新国立の「ルル」は警戒して行きませんでしたが・・・。

昨日だか「ぷっすま」観ましたが、なんかつまんなかったでした。やっぱりユースケさんの映ってる部分だけじゃねえ。

投稿: naoping | 2009年4月29日 (水曜日) 13時57分

>天羽さまの熱心な追っかけさん?でいらっしゃいますのでしょうか。

う~ん、正確に言うと私の義兄がオペラ歌手で天羽さんは彼と東京藝大でもドイツにも一緒に留学した仲で、兄妹同然のお付き合いさせていただいているんです。
だから天羽さんの歌演技を実際拝見する前から彼女のことは知っていました。

天羽さんのルルの時は彼女の実力を知っていてもアノ、ルルですから~弟のようにハラハラしながら日生劇場に足を運んだのでした。

新国は行かないで正解でしたね~演出も良かったし演技は素晴らしかったのだけど、セリフもカット、コロラトゥーラも高音も封印したルルなんて初めて聴きました・・・。

投稿: えーちゃん | 2009年4月30日 (木曜日) 07時57分

>>えーちゃんさん
ほほー、なるほど。だから自称弟分さんというわけですね。理解しました。
それにしても、新国はセリフもカットだったんですか・・・それは知らなかったです。まあ、作曲者自身は「歌なんかそんなにうまくなくても、とにかくルルは美人でなくっちゃダメ」という手紙を残している位なんですが・・・どうなんでしょう。正直、ベルク先生がよくても金払って観てる観客はきっと頭に来ると思いますね。

投稿: naoping | 2009年4月30日 (木曜日) 22時17分

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