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2009年4月 5日 (日曜日)

クナッパーツブッシュ/パルシファル(1962年)


ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルシファル
アイリーン・ダリス(クンドリー)/アニア・シリア(花の乙女)/ウルズラ・ベーゼ(小姓)/グスタフ・ナイトリンガー(クリングゾール)/グンドゥラ・ヤノヴィッツ(花の乙女)/ゲオルク・パスクダ(小姓)/ゲルト・ニーンシュテット(聖杯騎士)/ゲルハルト・シュトルツェ(小姓)/ジェス・トーマス(パルシファル)/ジョージ・ロンドン(アンフォルタス)/ソナ・ツェルヴェナ(小姓・花の乙女)/ドロテア・ジーベルト(花の乙女)/ニールス・メラー(聖杯騎士)/ハンス・ホッター(グルネマンツ)/マルッティ・タルヴェラ(ティトゥレル)/リタ・バルトス(花の乙女)/エルセ・マルガレーテ=ガルデッリ(花の乙女)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団(合唱指揮・ヴィルヘルム・ピッツ)



今日は王道だ。パルシファルと言えばこの録音がまず最初に思い浮かぶ。これは私がワーグナー聴き始めた頃から今まで変わらない。

本当は今回、昨年買ったワーグナー箱のパルシファルを聴いて感想を書くとこだったんだが、一枚目聴いて何度も挫折。おかしいなあ、なんでだろう。クンドリーはマイヤーだしパルシファルはホフマンだし何が気に入らないのかなあ。とか思いつつ。

多分、レヴァインのワーグナーというのが私には許せないのでは?と思った。レヴァインはパルシファル振っちゃダメなんだなあ私は。とくにアメリカ人がキライなわけでもないし。何も「アーリア人が演奏したものしかワーグナーは受け付けない」とかいうのでもない。そんなだったら日本人のワーグナーなんか全くありえないしな。

思うに、外見の問題かも・・・とか思う。イケナイなあ。あの、ハンバーガー屋とかガソリンスタンドのオヤジみたいな容貌を思い出すとどうもなあ。考えてみるとレヴァイン指揮のワルキューレとパルシファル(スタジオ録音)を持っていたけれど、かなり聴きこんだにも関わらず、釈然としなくてどちらも売ってしまった気がする。色々他にも事情はあったけど(ドミンゴが歌ってたとか、ジークムントがタイプでないとか)。

で、クナ。演奏については今さらもう特に言うことはないから、思い出話。

なんといっても、この録音は私が生まれて初めて買ったワーグナーの全曲盤であった(レコードだったけど)。なんでこんな大盤振る舞いだったのだろう。国内盤で対訳ももちろん付いて当時は普通にワーグナーのオペラの全曲盤て5枚組(もしや6枚?)だった気がするからけっこうな値段がしたのではないだろうか。

なんで他のもっと分かりやすい曲(ワルキューレでもオランダ人でもなく)じゃなくてこの曲だったのかというと、私が子供の頃、ワーグナーは「なんかとてつもない崇高なもの」だと思っており(ちょっとカンチガイ?)、クナとフルトヴェングラーが神だと思ってて(それもカンチガイ?)、しかも「パルシファル」がこの世で一番崇高なオペラだと思ってたから、何が何でもこの録音は先に聞かなきゃならんと思ったんだと思う。特にこの曲が一番好きだったわけではなかった。

それにしてもこの録音から感じ取れる「この世のものではない何か」が気に入っていた(デモーニッシュという単語はもちろん知らんかった)。歌手はアイリーン・ダリスっていったいダレス?とか思ったけれど、少なくともジェス・トーマスは写真も声もカッコ良かったし、ホッターなんてもう本当に神様クラスの歌手だと思ってたから、この神様的なレコードはとても大事に聴いていた。

で、今聴くのはCDになったけれど、これも何だか国内盤を買ってしまった。普通対訳を持ってたらCDは輸入盤で買うと思うんだが。なんで国内盤かというと、「24ビットフォーマット」ってリマスターが行われている盤だっただからである。9600円もしたんだけども。

で、確かに聴いてみるとレコードより格段に音はよい。そもそもいい録音で収録されてたのだが、CDで聴くと第一幕冒頭からあたかも現場にいるような錯覚までしてしまう。しかし、これは本当に錯覚で、その場にいるような感じなのは雑音がミョーにナマナマしいからなのでは、と思う。冒頭で観客が出すカタンという音や咳ばらいが、すごくリアルである。今もこのバージョンで売ってるのかは知らんが。

あ そうそう、あらかわバイロイトね。行くんだわ。私は「パルシファル」を舞台で観るのは2回目くらいか(他に演奏会形式が何度か)。結構少ない。あまり日本では全曲は演奏されないような気がする。

しかも。何度も何度も何度もしつこく書くが、今まで唯一見た舞台のウィーン国立歌劇場の引っ越し公演の「パルシファル」では、私の席の隣の隣が「自称・副指揮者」で、最初から最後まででかいスコアをめくりながら指揮をしていた(燕尾服まで着てきた)ことを忘れてはならない。歌手が出てくるたびに舞台に向かってキューを出してたのである。これ、ノーモア広島くらいの恨みである(メガネ七三だった。ここ読んでたらそろそろ自首しなさい)。

今度のパルシファルこそは、周りはまともなお客さんであってほしいと切に切に願っている。それとせめて・・・前奏曲や聖金曜日の音楽はお休み時間だと思わないでほしい。


(ちょっとグチるよ。オペラを観に行って前奏曲や間奏曲をまだ休み時間と勘違いして喋ってるお客がいるのは、実はワーグナーの時だけなのである。イタオペやシュトラウスではそんなことはまずない。なので、もし前奏曲の時についついうるさくして、コワイおじさんに注意されてもギロって睨まれても、ワーグナー好きを怖がらないでほしい。私たちはいつも本気なの。もしもタダで見に来てて長くて退屈でも曲が始まったらお話しないで黙ってて欲しいの。私たちは本当にワーグナーが好きで、高いお金を払って見に行っているのだから。)

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コメント

私にとってこの演奏は、ワーグナー全曲盤としては確か4番目だったと記憶します。トリスタン(フルヴェン)⇒ワルキューレ(ラインスドルフ)⇒オランダ人(ドラティ)という順番なのですが、何故かジョージ・ロンドン率高し(笑)。
当時国内盤で一万円したので相当思い切って購入しましたが、想像を遥かに上回る喜びを与え続けてくれています。しかしその後クナのパルシファルを10種類以上も購入することになるとは思いもしませんでした(笑)。
昨日今日は本当に久しぶりにゆっくりできたので、クナ、フルヴェン、シューリヒトのコンサート・ライブを引っ張り出してあれこれ聴いていました。家の近所では桜はもう見ごろを過ぎていましたが、花見もできてよい週末でした。

投稿: 大分のワグネリアン | 2009年4月 5日 (日曜日) 21時29分

今週の金曜は聖金曜日ですねぇ。
ダリスのクンドリーはあまり評判がよくないようですが、
2幕の“Irre”の巻き舌は何度聴いてもゾクゾクします。
ところで、私はあらかわバイロイトで初めて生で「パルジファル」を観るのですが、
1幕後の拍手はどうすればいいんですかね?

投稿: フィディ | 2009年4月 6日 (月曜日) 19時23分

>>大分のワグネリアンさん
フルヴェンのトリスタンが最初でしたか。私は確かクナのパルシファル→カラヤンのジークフリート→クライバーのトリスタン・・・だったかな。カラヤンのジークフリートは、単にジェス・トーマスに惚れてたからなのだが・・・(うーん、普通にミーハーな女学生だわ)。

クナはパルシファルが得意だっただけあって恐ろしく沢山の録音がありますね。私、この62年の録音しか持ってないけど(恥)。10種類以上あるのですね。はあ~、長い道のりです。

>>フィディさん
ほほう今週は聖金曜日なんですか(初めて知った)。

私はパルシファルはクナのこの録音で育ってしまったので、ダリスは普通に聴いていて「別に、うまいんやないけ?」とか思ってました。この豪華歌手の中ですごく頑張ってるし。でも大人になって他の歌手を色々聴いて・・・なるほど。

自分が今までナマで見聴きしたパルシファルって第1幕で拍手しなかったっけかなあ?って今頭の中で思い出してるんだけど思い出せない・・・。もし拍手なかったらなかったで(そういうものだとわかってても)歌手や演奏者の方は不安かも・・・。

投稿: naoping | 2009年4月 6日 (月曜日) 21時26分

ワーグナー箱、聴き始めたら全部聴くのも早いだろうと思ってたけどcpoというブラックホールにはまって(笑)、半年かかりましたcoldsweats01

文字通り”神々がいた時代”の演奏ですね、福岡に出てきてまず買おうと思ってたのがこのCDです(買う前に図書館にあったので借りて聴いてますが^^;)。また借りて聴くかな??

>何度も何度も何度もしつこく書くが、今まで唯一見た舞台のウィーン国立歌劇場の引っ越し公演の「パルシファル」では(以下略)

自称副指揮者sweat01 指揮は自分の部屋でしててって感じだけど、たまに見かけますね。舞台を見たり、音楽を聴くことに集中している時は本当に目障り耳障りなんだけど、気付いてないんでしょうね・・・やはりお金払って自ら恥さらしに行くようなものですね。

あと演奏中にいろいろ蘊蓄垂れるのも勘弁して欲しいですね。あるコンサートで隣りに「解説者」が座って連れらしい人にとにかく解説しまくり、ろくにステージを見ずに色々言うもんだから休憩に入った時に「解説は帰ってからして下さい」って言ったら、休憩後には別の席に移ってました(笑)。

せっかくコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲聴けたのに、演奏にまるで興味なしだなんて・・・

投稿: Masahiko | 2009年4月 7日 (火曜日) 06時04分

>>Masahikoさん
CPO好きじゃのう・・・・。

>たまに見かけますね。
いやいやいや見かけないですね・・・ずいぶんオペラやコンサートに行ってますが、そんな人はその時だけです。絶対に許さない。絶対にだ(`;ω;´) って思います。
だって、そのとき引っ越し公演のS席ですよ。ウィーン・フィルにルネ・コロですよ。パルシファルですよ。5万円はしたと思うし。ガチでお金返してよ~って思いました。

>あと演奏中にいろいろ蘊蓄垂れるのも勘弁して欲しいですね。
これは、ゲルギエフの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の時にいました(どっかで書いた気がする)。カッポーだったです。彼氏が一生懸命(演奏中に!)この曲やらちょっと前に見に行った「青髭公」の話とかいかにも「オレはこんなに詳しいんだぞ」ってオーラありありでしたが、私が語れる範疇以下だったので、なんか逆に微笑ましかった。この程度の知識で語っちゃうかあ・・・「がんばれ~」って言いたくなった。

コルンゴルトはもったいないねえ。

投稿: naoping | 2009年4月 7日 (火曜日) 21時45分

まあ聴きたい音楽がたまたま(笑)cpoで手に入るものでsweat01

5万円!これはホントに返して欲しいですね。

「ムツェンスク郡のマクベス夫人」見ながら蘊蓄・・・これも非常にもったいないけど、コンサートホールで見かけるカップルの場合、男ってとにかく喋ってますよ。2月の九響定期では真後ろに居たカレシが曲が終わるなり何か喋ってました。

10年以上前にケント・ナガノ&ハレ管弦楽団でのマーラー9番のコンサートを熊本で聴いたときも、そばにいた音大生(さすがに学校名は出せないけど、そう名乗ってましたね)が3~4人、ああでもないこうでもないって言ってました、演奏中に(マーラー9番だっての!)で、終演後には出待ちの列の中にちゃっかり居て「素敵な演奏でした!!」って・・・こっちもノーモア広島くらいの恨みです^^;

投稿: Masahiko | 2009年4月 8日 (水曜日) 00時05分

こんばんは。
最近はバイロイトでも1幕の拍手は普通におきますね。
73年まで続いたこのクナ盤のヴィーラント演出では、ご法度。
次のウォルフガンク演出でパラパラ。
さらに次のG・フリードリヒ演出では、もう止まらない拍手になっていきました。
私は、舞台では3度観てますが、拍手はそこそこありましたよ。でもこちとら、意地でもしなかったぜ!

投稿: yokochan | 2009年4月 8日 (水曜日) 23時03分

>>yokochanさん
なんかもともとはワーグナーはパルシファル全幕拍手を禁じたってことらしいですが・・・なんか想像したらお通夜みたい。そんじゃ~私も今回は1幕は拍手しないでいようかなあ?
もしも拍手が起こっても沈黙が10秒くらい続き、そして拍手が起こる・・・というのがいいですね。すぐに拍手じゃぶち壊しだぁ!


投稿: naoping | 2009年4月 8日 (水曜日) 23時40分

Naoping様、こんばんは。
サンパール荒川の『パルシファル』初日に行ってきました!

地域住民の皆さんの、熱い想いが伝わる公演でした。
演出としては豪華でも奇をてらったものでもありませんし、ホールの響きがかなりデッドなため、神秘的な雰囲気はイマイチでしたが、それでもしっかりとこのオペラの魅力を感じることができたと思います(歌手の皆さんは大変だったかも・・・・)。
加えて、指揮のハンマー氏のテンポが早め(ホールの響きを考慮してのことだったかもしれません)だったこともあり、2回の休憩(各30分。最初の休憩の時、近くのサイゼリアでお腹を満たしました)を含めても、あっという間の全3幕でした!

少し残念だったのは平日だったこともあり、各幕演奏途中で入場するお客さんが結構いたこと・・・・でしょうか。

余談ですが、来年の「あらかわバイロイト」は『トリスタンとイゾルデ』とのことです。

投稿: キンモクセイ | 2009年5月15日 (金曜日) 23時40分

>>キンモクセイさん
あ、同じ日にいらっしゃってたのですね!
私の感想は5月15日の記事をごらんください。
ま、キンモクセイさんとだいたい一緒ですけどね。

そういえば、途中から入ってくるお客さん、または出て行くお客さんも多かったですね。

私は休憩時間に、自分で作ったおにぎりriceballぱくついてました。サイゼリアあったなんて全然チェックしませんでした。来年行こうかな。

投稿: naoping | 2009年5月16日 (土曜日) 00時33分

私もあまり拍手は好きじゃありません。
高いチケット買ったんだから、自分で「良かった!」と納得しなきゃならない気持ちはわかるけど、本当の演奏の良し悪しとか、全曲終わった余韻を味わいたいのに「ふがおー(そう聞こえる)」はないだろう。
そんなわけで、もっぱらCDを聴いています。

アナログディスクは持っていたけど、24bitリマスターを知り、アマゾンで中古版を発注しました。送料込み2360円と聞いたら、ブログ主さんにおこられそうですけど(*^-^)

投稿: しまりすのくー | 2013年5月 4日 (土曜日) 14時20分

>>しまりすのくー さん

コメントありがとうございます・・・あまりに前の記事だたので、どんなこと書いたか自分でもさっぱり忘れてましたが。すいません。

たまたま、HMVのサイト見たらクナのパルシファルの重量盤LPっていうのが18,785 円で売ってて、時代に逆行してて凄いなあと思います。永遠の名盤ってことですね。

投稿: naoping | 2013年5月 4日 (土曜日) 17時58分

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