パーセル/ダイドーとエネアス フラグスタート&シュワルツコップ
ヘンリー・パーセル:歌劇「ダイドーとエネアス」
キルステン・フラグスタート(ダイドー)、エリザベート・シュワルツコップ(ベリンダ)、トーマス・ヘムズリー(エネアス)、その他
ジェレイント・ジョーンズ指揮/マーメイド・シンガース&オーケストラ
(1952年3月アビーロード第1スタジオ録音)
本日はこのブログでは非常に珍しく古い時代の音楽を。時代的にはこれはバロックなのかね。
しかし一応イギリス音楽だ。それにしてもパーセルって古いなあ、1659年生まれだって。日本でいうと松平重利と同じ年だってさ。誰よ松平重利って。音楽史でいうと、大バッハやヘンデルよりちょっと前に生まれてる感じ。そんな感じ。
このCDは。大歌手キルステン・フラグスタートと親友でこれまた大歌手のシュワルツコップが共演した(あのトリスタン以外で)貴重な録音。いやー、ここらへんの音楽はフラグスタートとか大好きな歌手出てないと聴かないし。「オルフェウスとエウリディーチェ」だってフェリアー以外持ってないしレコード。
フラグスタートはもう60歳近くなってたはずでずいぶんメゾっぽくなっていらっしゃるが、まだまだぜんぜんふくよかな声を聴かせている。有名なアリア「私が地に伏しても」When I am laid in earth はとても感動的だ(ホロリ)。つか、いい歌だなこれ。
ソプラノの中のソプラノ、シュワルツコップは実は私の人生にはあんまり関係ない歌手で、このCDとカラスと共演のトゥーランドットしかCDもってないかも。実は(重大な告白)旧カラヤンの「薔薇の騎士」を見たことないでこの年までやってきてしまった。これってシュトラウス・ファンとしてダメダメかな。
よく知らない他のメンバーの歌手の方々もかなり頑張ってる。とくにエネアスの人がなかなかいい声だ。
<あらすじ>(なんかこんな感じ。違ってたらすまん)
地中海の国カルタゴの女王ダイドーが、自分の不幸を嘆いている。お客としてカルタゴに来ているトロイの王子エネアスに恋をしてしまったのだが打ち明けられない(いいじゃないか)。お付きの人のベリンダが「いやー、これでカルタゴとトロイが合併すればいいんでないの?今不景気だし」とこの恋を後押し。エネアスもなんかダイドーが好きらしいしまあこりゃ目出度えなということで人々は大喜び。
場面変わって暗い洞窟。ダイドーのカルタゴ支配が気に食わない魔法使いが手下の魔女たちを呼び集めてダイドーを陥れようとあれこれ悪だくみ。
侍女たちを連れて森へ狩に出たダイドーとエネアス。嵐に遭い風雨を避ける途中で離ればなれに。するとエネアスの前にマーキュリーの姿(フレディ・マーキュリーではない)をした魔女が出現。「ここを去ってイタリアに向いなさい」とエネアスに命令。恋人との別れに苦悩するが神様のお告げには従わないと。
港で船乗りたちが出航の準備。魔女らは作戦大成功の喜びに大盛り上がり。「やっぱり女と別れてイタリアになんか行きたくない」とゴネるエネアスを、女王ダイドーは気丈にイタリアに向うように説得。エネアスが旅立つとダイドーはゆーめーなアリアを一発歌って悲しみのあまり死んでしまう。嘆く民衆。
(あってますか?)
初演はチェルシー寄宿学校で上演。なんか幸福も束の間、激しくアンハッピーエンドなんだが、音楽的には素敵だ。聴いていると非常に典雅な気分になる。着飾ってフランス料理とか食べたくなる(なんで?)。髪とか縦ロールにしちゃってさ。しかし魔女の場面はコワイ・・・「アハハハハハハ」なんてなんかちょっとモンティパイソンのアニメ部分を思い出してしまった・・・というのはきっと私だけだ。
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コメント
naopingさん、こんばんは!
"When I am laid..."、懐かしいです。学生の時に、音楽の授業(一般教養)の教材に入っていたサンプルの冒頭がこの曲でした(゚∀゚)
ご紹介の録音は聞いたことがありませんが、フラグスタートとシュヴァルツコップの共演というより、フラグスタートとベックメッサーでお馴染みのヘムズレイの共演ということに驚いています(^-^)
投稿: Niklaus Vogel | 2009年3月13日 (金曜日) 22時44分
>>Niklaus Vogelさん
こんばんは。何気なく読んで頂いてるのですね。
それにしても意外なところで反応ですね(そっちかー)。ヘムズリー(ヘムズレイ)ってバイロイト出てた人だったのですね。しかもベームのマイスタージンガーなの。なんかうまいと思ったんだわ。聴いてみたくなってしまったす。オルフェオ盤高いしなあ・・・(何故か苦悩)。
投稿: naoping | 2009年3月13日 (金曜日) 23時10分
でました!フラグスタートの「ダイドー」、いいですよね。皆川達夫先生ではないけれど、涙なくしては聴けません(うそ)。
ラテン語で「ディドとアエネアス」を読んで以来、ディドは私だ、と思えるようになってしまって。URLもそこから取りました。
今年はパーセル・イヤーなので「ダイドー」もいろいろなところで演ってくれるのがうれしい。特に、4月のロンドン(サラ・コノリー)、5月のウィーンに9月のアムステルダム(マレーナ・エルンマン)は、絶対はずせません!ロンドンとアムスには観に行きます。(マレーナ・エルンマン・ファンクラブ会長もしておりますので)
それにあわせて今、3種類のCDを聞き比べ中です。近日中にアップの予定ですから、請うご期待!
投稿: レイネ | 2009年3月14日 (土曜日) 08時59分
>>レイネさん
お待ちしておりました。
コレ、いいんですよね。私、普段こんなに古い時代の音楽は聴かないのですが、バロックオペラももしかしていいかも・・・と思います。他の録音聴いたことないんですがこれはほんとに最後が泣けます。フラグスタートの偉大さがわかる一枚です。
で、今年はパーセル・イヤーなのですね。えーと生誕350年?ですかね。
レイネさんのブログを見せて頂いたのですが、なんか踊りながら歌ってる?ダイドーとエネアスの映像があってこれはとても素敵ですね。こういう演出だとすごく現代的でアートな感じがします。
(ところでなぜレイネさんはダイドーなんでしょう?とルーヴル展見ながら思ってしまいました)
投稿: naoping | 2009年3月14日 (土曜日) 20時12分