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2009年2月21日 (土曜日)

ハイティンク/英雄の生涯&死と変容

028946474327R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」、「死と変容」
ヘルマン・クレバース(ヴァイオリン・ソロ)
ベルナルト・ハイティンク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

実家に戻って(姪が遊びにきてたので)色々とCDを持って帰ってきたが(いやあ、まだあるのだ)、これはその中の一つ。

こないだ、ハイティンクがシカゴ響をともに日本にやってきた。別にそれは知らなかったわけでもなんでもなくて、コーチのお財布と相談した結果行かなかったのである。ハイティンクはライブで素晴らしい演奏する指揮者というのはよく知っているし、たぶん素晴らしい演奏会になるだろうなあと思いながらも、行かなかった。行かなかったことを



本当に後悔している。


しかし、お金の問題はしょうがないよな(まじで)。

で、このヘルデンレーベン。来日時の演奏曲目でありながら・・・なんか廃盤っぽいな。不思議だ。まあ、随分昔の(1970年)録音だからなのかなあ。この「英雄の生涯」はデジタル録音ではない。そのあと録音してないのか?ハイティンク。

コンセルトヘボウの管弦楽団(とメンゲルベルク)は、この曲を作曲家に献呈されたとゆー。だからこのオケの得意曲なんだな。

しかし、このCDを1~2回聴いただけで私はほっぽり投げていた。シュトラウスの管弦楽曲は作曲家直伝のベームは勿論だが、録音の良さを優先してカラヤン/BPO盤(DG)が私の基礎だったし、それとともに一番素晴らしいと思った演奏はカルロス・クライバー/VPOのライブだった・・・・FMで聴いた。テープに録っておいて何回も聴いたし、CD化されるということで首を長くして待っていたのに、なんだか中止になった。今も売ってないの?

そんな感じだから、私のこの曲に求めるものは華麗さだったりド迫力だったりしたわけだ。ことさらスケールが大きかったり、もしくはすごくテンポが速かったりするものを好んでいた。

そんな私だから・・・ハイティンクの演奏は(CD買ったときは)実につまんなかった。ああ、こんなCD買うんじゃなかった、と思った。ハイティンクはライブではあんなにもの凄い演奏をするのに何で・・・とか思った(ロンドンでハイティンクのリングを見たあとで買ったのである)。

でも今日、久しぶりに引っ張り出して聴いてみたら・・・そんなに悪くないと思った。ていうか、逆にごてごて飾りたてない所がとても好ましく感じた。 ハイティンクはこの当時まだ41歳だから、まだ今みたいな「巨匠!」って感じでもないんだろうけれど。

(ところで、ウィキペディアのハイティンクの項のあまりの愛のなさに笑った。書いた人はファンではないに違いない。)

それと実際のところ、自分の音楽を聴く耳もずいぶん変わってきたのかもしれない。厨房ガキの頃は全然聴かなかった指揮者・・・どちらかといえば職人気質みたいな指揮者を受け入れる耳になってきたんだと思う(年を重ねたせいか?)。そういえば、昔は顧みる事もなかったカイルベルトとかシュタインとかがよいと思えるようになってきたんだよなあ。

「死と変容」も虚飾を排した実に味わい深い(シュトラウスにしては聴いていて珍しくしんみりする)演奏。やたら「死への恐怖」とかがクローズアップされがちの曲だが、ハイティンクの場合は「今まで気がつかなかったけど、健康で生きてることって実は幸せだったんだなあ」とかみしめる感じ(違うかあ?)。こっちはタワレコで買える。アルプス交響曲とのカップリング。(デジタル録音)

ところで、「死と変容」といえば子供のころにブルーノ・ワルター(だったと思う)のSP復刻盤をラジオで聴いたときに、やたら気合の入った恐怖演奏であまりの激しさに「こえ~」とか思ったんだけど・・・それからその演奏に巡り合ってない。しかし、あんな激しい演奏が本当にワルターだったのかなあ。

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コメント

最近コンセルトヘボウ時代のハイティンクのマーラーを少しずつ聴いています。無個性といえば無個性ですが、オケが優秀なので結構楽しめます。コンセルトヘボウは何故彼を手放したのでしょか?
リヒャルト・シュトラウスとは実はあまり相性がよくないのですが(笑)、「死と変容」は好きです。忘れがたいのは、デ・サバタ指揮VPOの53年ライブです。ハイテンションで脳の血管が切れそうです(そんな曲でしたっけ?)。ワルターもライブでは結構激しい演奏をしていたようですし、やはりお客を前にして燃えない舞台人はいませんよね。

投稿: 大分のワグネリアン | 2009年2月21日 (土曜日) 22時54分

ハイティンク+コンセルトヘボウの日本公演を子供のころ一度聴いてますが、いぶし銀の響きというのがぴったりの充実した音でした。
三十五年経った今でも記憶に残ってます。
自分が聞いた日のメインはベートーベンの7番でしたが東京でブルックナーの5番とか英雄の生涯も演奏してFMで放送されたのをカセットに入れて繰り返し聞きましたよ。
 今回も評判良かったようですが、ハイティングのライブ自分には縁がないですね(涙

投稿: シロクマ雄 | 2009年2月22日 (日曜日) 00時00分

C.クライバーの「英雄の生涯」なら、海賊盤で何社からか出ています。
今入手しやすいのはたぶんMEMORIESじゃないかな、と思います。

投稿: フィディ | 2009年2月22日 (日曜日) 05時43分

>>大分のワグネリアンさん
こんにちは。シュトラウス苦手なワグネリアン、いないようで結構いるんだなぁ、と思いました。
「死と変容」は血管切れそう系の曲だという印象です。死を前に必死に抗う姿を描いていると記憶しております。ハイティンクのはそんなでもないので、意外な感じでした。


>>シロクマ雄さん
子供のころに舶来のオケの生演奏に連れて行ってもらえるなど、なんと素晴らしいご家庭なのでしょう。羨ましいです。しかもその良さがわかるとは。(たまに親に演奏会に連れてこられるガキが「つまんないよ~」と騒いでいるのを見かけるので。私だったら絶対騒がないのになあ・・・)


>>フィディさん
日本にくるたびに輸入CDに立ち寄っては自分の海賊盤を嬉しげに買いあさっていったクライバーだから、英雄の生涯も海賊盤はもちろん出回っているのですね。それにしても、なぜ国内盤で発売日も決まってたのに発売中止になったのかが知りたいです。


投稿: naoping | 2009年2月22日 (日曜日) 15時13分

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