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2009年1月10日 (土曜日)

サヴァリッシュ&RAI響/タンホイザー

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」
ルネ・コロ(タンホイザー)、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(エリザベート)、ヴェルフガング・ブレンデル(ヴォルフラム)、ミニョン・ダン(ヴェーヌス)、マンフレート・シェンク(ヘルマン)、他
サヴァリッシュ指揮/ローマRAI交響楽団、ローマRAI合唱団、プラハ・フィルハーモニー合唱団(1972年ライブ)



昨日。

教育テレビで「昔の映像スペシャル」みたいなのをやってたので楽しみにして見ました。ま、みんなも見たと思うけど。

日本の伝統芸能のもちょびっと見たけど、歌舞伎は好きだけど日本舞踊とかはあんまり興味がないので飛ばし飛ばし。橋之助さんの子供の頃の映像とか可愛かった。
クラシックのは全部くまなく見ました。

あー、昔は良かったなあって思いました。帰って来い昭和! 私の生まれる前、デル=モナコとかゴッビとかシミオナートとかテバルディとかが来てた「イタリア歌劇公演」って凄かったね、今さらながら。

昔は、これらの映像を見たときに「こういう歌劇団が世界中を旅芸人みたいに回ってたのかな」とか思ってたけど、これは日本向けオリジナルなのね。凄いね。デル=モナコって飛行機嫌いで船で来たらしいが。

歴史に残る大歌手のこんなに古い舞台の映像が残っているなんてNHKは凄いね。紅白はつまんないけども。

正直、クライバーのベートーヴェンもいいけど(ファンだけど)、オペラももうちょっといっぱい見たかったなあ。そーそー、カレーラスも若くてかっこよくてうまかったね。昔はカバリエの愛人かしら~とか思ってたけど。

えっと。何だっけ。

イタオペの話はここではあんまり関係ないや。ワーグナーワーグナー。
今このブログでは話題の「ワーグナーのリングとパルシファルとマイスタージンガー以外大体入ってるかなBOX」からの一曲。どの曲のキャストも凄いけども、このキャスティングもなかなか興味深いね。収録年代が新しいのに何故コレはモノラルなのかしら・・・聴きづらくはないけれど。イタリアはペルージャでのライブ。

イタリアのオケのせい?シンバルがやたらじゃんじゃかいう気合の入った序曲のあと、聞こえてくるルネ・コロのタンホイザーの声がまだ若い。ヘルデンテナーというよりリリックで理知的な感じ。千人の交響曲や「死の都」の頃のしなやかな声だ。コロは日本にたくさん来てくれて、たくさんのワーグナーの主役を演じてくれてそれも素晴らしかったけれど、1970年代のコロの声も好きだ。私が見聴きしたタンホイザーでのコロは舞台引退直前だったから、なんか印象が違うな。

対するミニョン・ダンのヴェーヌスの声はなんだかエロさ満点。「道に迷う若者を誘惑する美女」という設定が耳で聴いていてとても自然。

ところで。
実は(どっかに書いたかもしれないが)「タンホイザー」というオペラはワーグナーの中でもいま一つ私の中で人気がない。

なんでって、主人公は婚約者がいながら風俗みたいなところにはまっちゃってたのに「飽きちゃったぁ」とか言ってしゃーしゃーと町に戻ってきた。婚約者は待っててくれたけど周りに前の生活がバレちゃった。で、許してもらうために巡礼とかに行くんだけど、お遍路さんはやっぱり苦しい~。あの刺激的なフーゾク暮らしに戻りたいよう。だのにこのバカな男のために婚約者は何故か死ぬわけでしょ? なんかワーグナーの理想像ばかり押し付けられているようで頭に来る。まあ、ワーグナーの全てのオペラはそうなのかもしれんが。

女の私からすると、タンホイザーって男には魅力を感じない。だいたいボリューミーなテノール歌手が演じるわけだから、舞台で見るといつも「ヴォルフラムのほうがいい人なのになんでかなあ」と疑問が残る。

でも、このコロのタンホイザーはちょっといいかもと思う。若さがあるし、見た目ちょっといい男なのかもしれない、と声から想像することができる。あくまで想像。

第2幕からやっと登場するヤノヴィッツは期待通りの素晴らしさだ(つか、ヤノヴィッツが悪かった歌唱を私は聴いたことないんだけど)。実演でも聴いたシェリル・ストゥーダーも良かったけんどもヤノヴィッツはもっとヨーロピアンで育ちがよい感じがする。コロとのバランスもグー。

オケはイタリアンらしく音色的に少し「アレ?」と思うような所(第3幕の最初など、金管の音が派手でヴェルディみたい。)もあるんだがどうだろうか。サヴァリッシュの指揮はここでは重厚で、最後はかなりずっしりとクルものがある。

そういえば、バイロイト箱のタンホイザーも10年ほどの差はあるが同じサヴァリッシュ指揮である。聴き比べもまたオツかと。

↑コレの中身(14枚組・現在3,245円ナリ)
「リエンツィ」
スヴァンホルム(リエンツィ)、C・ルードヴィヒ(アドリアーノ)、W・ベリー(パオロ・オルシーニ)、ヨゼフ・クリップス指揮/ウィーン国立歌劇場(1960年ライブ)

「さまよえるオランダ人」
ホッター(オランダ人)、ウルズレアク(ゼンタ)、ハーン(ダーラント)、クレメンス・クラウス指揮/バイエルン国立歌劇場(1944年、スタジオ録音)

「タンホイザー」
コロ(タンホイザー)、ヤノヴィッツ(エリザベート)、ブレンデル(ヴォルフラム)、サヴァリッシュ指揮/RAI交響楽団(1972年ライブ)

「ローエングリン」
ヴィントガッセン(ローエングリン)、ニルソン(エルザ)、D・F=D(伝令)、ヴァルナイ(オルトルート)、アダム(ハインリッヒ)、ウーデ(テルラムント)、ヨッフム指揮/バイロイト祝祭管(1954年ライブ) 

「トリスタンとイゾルデ」
ブリリオート(トリスタン)、リゲンツァ(イゾルデ)、ミントン(ブランゲーネ)、モル(マルケ王)、カルロス・クライバー指揮/バイロイト祝祭管(1974年ライブ)



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コメント

naopingさん、こんばんは!

師匠のご紹介で、このBOXを購入しましたが、この連休に「タンホイザー」を聞こうと思っています。

この曲、私の周囲の方々の人気もイマイチですが、私は好きです。なぜって、私にもエリザベートのような人が必要だから(爆)。冗談ではなく、そのような潜在意識があるから、題名役やヴェーヌスの歌唱よりも、エリザベートとヴォルフラムが好みにあうか否かで好きな演奏が決まってしまうのでしょう(笑)。

投稿: Niklaus Vogel | 2009年1月10日 (土曜日) 22時43分

>>Niklaus Vogelさん
こんにちは。うーん、やっぱりそうなのかしらん。男性から見るとエルザベートは理想の女なのかも。女の私から見ると「都合のいい女」にしか見えませんけども。でも現実的にはタンホイザーのような男にさんざん振り回された揚句にヴォルフラムのような安定した男性と結婚する女性が多いようですね。

投稿: naoping | 2009年1月11日 (日曜日) 08時40分

ヘルデンテノール好きの私としては、「ローマ語り」が最も重要なのですが、どうも少数派のようです(笑)。
コロの美しいタンホイザーも魅力的ですが、個人的にはヴィッカースの嘆き節を聞いてみたかったと残念に思います。
そういえばキング、ホフマン、イェルサレム等著名なテノールで、タンホイザーを残していない人が多いようですが、何か理由があるのでしょうかね?

投稿: 大分のワグネリアン | 2009年1月12日 (月曜日) 23時29分

>>大分のワグネリアンさん
こんばんは。私は残念ながら「ローマ語り」はちょっとイラっとします(笑)。なんか情けないです。

キング、ホフマン、イェルサレム・・・ジークムント歌いのこのお3人様にはタンホイザーは歌ってほしくないですね。私の中では永遠にカッコイイヒーローであってほしいです。とくにキングとホフマンはね。

投稿: naoping | 2009年1月13日 (火曜日) 22時24分

確かにこのオペラがあまり好まれていないような気はします。なにしろ、サヴァリッシュ盤が一番というのも、カラヤン、ベームなどの有力な指揮者がレコーディングしていないせいもあると思います。
 女性による救済は、重要なテーマだと思いませんが、芸術家と芸術を理解しない一般人、あるいは、終身雇用のサラリーマンと、会社を飛び出して独立開業し失敗した自営業者など、いろいろな連想が出来て、とても他人事とは思えません。
 メルヒオールが歌っていたら、とても良かったのに違いない。

投稿: にけ | 2009年1月17日 (土曜日) 19時02分

>>にけさん
こんばんは。
そういえばカリスマっぽい指揮者がタンホイザーを指揮してないですね。クナもないし。シノポリやショルティじゃ・・・どうなんでしょ。ゲルデスなんてのもありますね。私は前にレヴァイン盤を持ってましたが・・・タイトルロールが・・・。

「芸術家と芸術を理解しない一般人」ウンヌンは、なるほどそういう考え方もあるんだなあと思いました。今の時代、仕事人間でも突然切られてしまうことはありますからね。終身雇用なんてないかもしれないし。

く、暗くなってきたす・・・。

投稿: naoping | 2009年1月18日 (日曜日) 20時54分

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