デル・マーのチェックメイトとRVW4番
ブリス:バレエ組曲「チェックメイト」
RVW:交響曲第4番
ノーマン・デル・マー指揮/BBC交響楽団、BBCスコティッシュ交響楽団
このところワーグナーやら独墺系が続き、なんだか「ドイツもん好き」の烙印を押された人々になっちまってるみたいだから、今日は久しぶりにイギリスもんで。あ、イギリスもんも好きなんですよ。3分の1くらい(何の3分の1なんだ?)。
何年か前に、イギリスで買ったのか、それとも現地の友人に送ってもらったのかつい忘れてしまったけれども、デル・マー(他)の指揮したイギリス音楽集。BBCミュージックマガジンの付録である。ロイヤル・アルバート・ホールでのライブ録音っぽい。
まずブリスのチェックメイト。ブリスって作曲家は何故かこのブログではとっても人気がない。ブリスの曲について書くと翌日は如実にアクセス数が減るのがわかる(音楽的に地味なフィンジとかバタワースのほうが人気あるかも)。だから単独で取り上げるのがとっても怖い。・・・のでイギリス音楽の巨人RVWとセット。ブリスって私をとっても気弱にさせる作曲家である。
(作風的に中途半端なのかなあ。エルガーとかRVWみたいに「いかにもイギリス音楽ですう」という感じでもなく、ブリテンみたいに時代の最先端を行くような作風でもなく、ディーリアスみたいに癒されるわけでもない。ストラヴィンスキーっぽいけどストラヴィンスキーのように野性的ではない。はて。)
で。
「ブリスは吹奏楽の分野ではわりと人気のある作曲家」というのが定説である。しかし私は吹奏楽やってたけどホルストとRVWから先へは進めなかった(ピアノでいうとブルグミューラーのまんなかへんくらいか?)ので、ブリスって作曲家なんて学生時代は全然知らんかった。吹奏楽コンクールではブリスはよく取り上げられるらしいが、そもそも大学オケ入るまでは、吹奏楽コンクールなんてものがあるのさえ知らなかったくらい。
そんなブリスの代表作といえばこの「チェックメイト」か「色彩交響曲」・・・らしい。他にも色々作ってるけどとりあえず。「チェックメイト」は「チェスの試合を音に表した音楽ですぅ」という珍しいものではあるが、あたいはチェスなんかわかんねえし。チェスなんて気取ってる男がいたんですよ~。なぁ~にぃ~!?やっちまったな。男は黙って「将棋!」。さぶちゃんも、「歩のない将棋は負け将棋」と言っていたしね。
この「チェックメイト」も吹奏楽に編曲されて人気があるようだ。あ、オケ版しか聴いたことないけど。カッコイイから演奏しがいがありそうだ。ストラヴィンスキーにもちと似てる。そういえばストラヴィンスキーにも「かるた遊び」とかいうバレエ曲があったっけな。犬も歩けば棒にあたる、論より証拠。お正月はかるたに限るわね。(なんかこの「かるた遊び」って題名の訳しかたは可愛そうだと昔から思ってた。もっとカッコイイのにしてほしい。)
さて(全然曲とは関係ない話ばっかりだ、すいません)、どうもこのCDのメインらしいRVWの交響曲4番であるが、そう滅多に聴くものではなく、正直このCD取り出して聴くまで「はて、どんな曲だったっけな?」という感じであった。聴いてみて「ああ、これだこれだ思い出した」。はなっから捉えどころがない風味。
RVWの交響曲といえば、最初は張り切って「海!」、次は「ロンドン!」、「田園!」と順調に分かりやすい名前をつけてくれてたのに、4番になったらだんだん「名前なんかめんどくせー」って感じになっちゃったのか、4番には標題がない。それが私を突然ビビらせる。何がテーマなんだこの曲。
しかし、聴いてみるとなかなかカッコイイ。カッコイイぜ4番。ブリスの曲から続けて聴いても全く違和感なし。1935年初演っつー、不安な時代の雰囲気がとってもよく出ている。
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ・モデラート
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 フィナーレ・コン・エピローゴ・フガート(アンダンテ・モルト)
・・・それにしても前3曲とは全然作風が違うな。何か心境の変化でもあったのかな?
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コメント
こんばんは。
アーサー・ブリス卿、当然わたくしもフェイヴァリットの範疇でございます。
モダーンな雰囲気の中にも英国音楽特有の気品がありますね。
チェロ協奏曲や声楽作品も素晴らしいです。
RVWの4番も、そう、おっしゃるとおり、これまでの3曲と次の5番がウソのような作品ですねぇ。
そしてまた6番が激しいときてる。
おもろいRVWでございます。
それにしても、ご紹介のデル・マーのBBC盤、とんでもなくレアじゃぁないんですかい!!
聴きてぇ~。
投稿: yokochan | 2009年1月26日 (月曜日) 23時57分
私も吹奏楽出身ですが、ブリス作品は聴いたことありません。
アーノルドが最近人気らしいということは聞きますが。
ところで、マルティヌーに「王手」というバレエ音楽があります。
王手といっても将棋じゃなくやはりチェスの話です。
チェスのルールはよく知りませんが、「チェックメイト」のことでしょうか。
でも、手元のこの曲のCDの解説書には、ブリスの作品を「王手詰め」と書いてあったり。
マルティヌー没後50周年。よかったら是非この機会に。
投稿: フィディ | 2009年1月27日 (火曜日) 03時41分
>>yokochanさん
こんばんは。ブリス、いいですよねえ。いい具合にモダーンで洗練されてて。人気ない気がするのが不思議です。映画音楽でもいい感じです。ブリスの曲は一回もナマで聴いたことないので、吹奏楽コンクールの本番に出かけてみようかなとか思ったこともあります(思っただけ)。
そう、BBCふろくは何気にレアな演奏が多いんですよね。ふろく大好きです。そうそう、演奏については何も触れてないけど、ライブらしい熱気があっていい演奏ですよコレ。
>>フィディさん
吹奏楽の分野では全くわれわれとは違う世界が広がっていまして、CD売り場は雰囲気が全く別になりますが・・・吹奏楽だけのイギリスの作曲家もずいぶんいますしね。アーノルドは人気あるみたいですね。
マルティヌー、なんとなく興味があり(違う方向から)交響曲とオペラに挑戦したりもしたのですが・・・弟子で愛人?のカプラローヴァの作品の魅力にはまだ勝てません。
投稿: naoping | 2009年1月28日 (水曜日) 21時38分