« 新国立劇場オペラがハンパない件 | トップページ | デル・マーのチェックメイトとRVW4番 »

2009年1月24日 (土曜日)

マゼール/ルル

ベルク:歌劇「ルル」
ユリア・ミゲネス(ルル)、ブリギッテ・ファスベンダー(ゲシュヴィッツ)、ハインツ・ツェドニク(画家)、テオ・アダム(シェーン博士)、リヒャルト・カルチコフスキ(アルヴァ)、ハンス・ホッター(シゴルヒ)、クルト・リドル(力技師)、その他
ロリン・マゼール指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(1983年ウィーン国立歌劇場)

過去記事:まだ聴けてないルル



新国ではこの曲は鬼門か?

このCD取り出すの久しぶりっす。私の最高に愛するオペラを、私が最も愛する歌劇場で、最も苦手な指揮者が指揮した貴重な録音がコレである。

おととしの年末に買ったんだな確か。でも全然聴き進めなくてこのまま。なんかやっぱり聴かなきゃって思った。こないだの「抒情交響曲」のときに、すこし「マゼールらしきもの」に慣れた感じがしたんで。

聴いているとなんだか「イラっとする」この感じがマゼールなのかなあ?とか思い。最初っからなんじゃこのおっそいテンポは。何かの発作か。これぞマゼール・クォリティ。

何か別の音楽に聴こえる部分も多々あり。そもそも静謐にして繊細なこの音楽が、ただのビョーキの音楽に聴こえる。ウィーン・フィルのミョーなバラバラ感も気になるが、こういうアプローチもありか?

で、この個性的な指揮ぶりはおいといて。このウィーン屈指の名歌手(ホッターまでいる)のそろい踏みの中で、ルルっていうよりやっぱりカルメンみたいなラテン系のユリア・ミネゲスの歌唱も私の中では違和感あり。一言で言って品がないのである。あばずれ女っつーか。(ルルはあーゆー出生だがあばずれ女ではない)

このCDを買って最初に聴いたときはなんか「アニータみたい」とか思ったけど、今やとっくにアニータの影が私の中では薄れてしまったので、そのラテン女っぽいイメージから思いついたのはやっぱりカルメンか、(マニアックな例えで申し訳ない)「板尾の嫁」である。あたしの中ではルルは、ずっと(昔の映画の)ルイーズ・ブルックスのごとき黒髪おかっぱなもんであーゆーラテン的な容貌は相いれないのよ。ま、CDだから顔は見えないけども。

文句ばっかり言ってもしょうがないから他の歌手の話でも。テオ・アダムがシェーン博士なのがまずヨイ。また、ウィーンの名花ツェドニクはこの画家(&黒人)役を歌うために生まれてきたのではないかと思うほどで、ぜひナマで見たいわ、とくに第3幕のユアフビーの黒人役は(普通でも怪しい役なのに)さらに怪しそう。

さらに「この役はきっとこの人をイメージして書かれたのよ」と思うファスベンダー(声だけ聴いていると少し演技しすぎな気がするが。個人的にはミントンのほうが好き)、晩年は声も(喘息だし)容貌も役に合ってたかなと思うホッターのシゴルヒも、なんとも豪華である。

最後は結構ブラヴォーがたくさん聴こえる。いい舞台だったようだ。

とはいえ、あんまりこのCDを他人に薦める気はありませんがね(はは)。・・・何故買った。


-----

Banner2_3 にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

|

« 新国立劇場オペラがハンパない件 | トップページ | デル・マーのチェックメイトとRVW4番 »

コメント

そーだ、そーだ!
マゼールのルルは気色悪い。
でも何か怪しい魅力が・・・・、そう思うの私だけ。
しかし、カルメン・ルルはバランス悪いですな。
今、私は、完結版ではありませんが、シュテファン・アントン・レックの廉価版が気にいってます。

投稿: yokochan | 2009年1月25日 (日曜日) 00時56分

CDは2幕版のドホナーニ、レック、3幕版のテイトを、DVDは3幕版のブーレーズ(シェロー演出;ガルニエ座)とデイヴィス(ヴィック演出;グラインドヴォーン)を持っていますが、陰惨なストーリーではあっても、「ヴォツェック」のような救済の余地がない筋立てよりシネ・ノワールな痛快さと、12音音列でありながら官能的な音楽のおかげで、僕は「ヴォツェック」より好きです。
でも、マゼールのライヴにはさすがに手が出ませんでした。
このオペラこそ新国立劇場での再演を望みたいなぁ。

投稿: IANIS | 2009年1月25日 (日曜日) 10時17分

>>yokochanさん
マゼール盤はルルが殺される最後の場面など、夜遅く聴いていると何か出そうな感じがします(ゾッ)。「妖しい」というより「怪しい」のですねわかります。シュテファン・アントン・レック盤は手に取っただけで聴いてないのですが二束三文で売られてるわりには良いのですね。そういえばあの新国未完成ルルのときの指揮者だったんですね、行かなかったけど。

>>IANISさん
ルルってオペラはえも言われぬ魅力があると私も思います。ベルクの台本選びのセンスは最高ですね。舞台で生で見るルルは格別ですが、私はいっそ全体を映画化してほしい。オペラ・ファンでなくてもかなりはまると思うんだけど・・・無理かしらん。

新国立でやるんなら、ルルは佐藤さんではなくて・・・誰がいいでしょうかねえ。外人?


投稿: naoping | 2009年1月25日 (日曜日) 13時50分

2幕版ですが、ベーム/ウィーン国立のライヴ盤(Andante)は
シリヤ、メードル、ホッター等キャスティングが豪華で愛聴してまする。

投稿: Parsifal | 2009年1月26日 (月曜日) 01時30分

この前のコメントの「Parsifal」というハンドルはワタクシです。
他のところで使ってるのと間違えてしまいやした。

投稿: フィディ | 2009年1月26日 (月曜日) 01時34分

>>フィディさん
ベームのライブ盤は未聴ですが、ベームのベルクって他の指揮者の演奏より古典的な匂いがして好きです。

投稿: naoping | 2009年1月26日 (月曜日) 20時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/108585/27436266

この記事へのトラックバック一覧です: マゼール/ルル:

« 新国立劇場オペラがハンパない件 | トップページ | デル・マーのチェックメイトとRVW4番 »