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2009年1月31日 (土曜日)

サヴァリッシュ/影のない女

P1110137 R・シュトラウス:歌劇「影のない女」
ルネ・コロ(皇帝)、シェリル・ステューダー(皇后)、ハンナ・シュヴァルツ(うば)、アルフレット・ムフ(バラック)、ウテ・ヴィンツィング(バラックの妻)、アンドレアス・シュミット(伝令使)、シンディア・ジーデン(しきいの護衛者)、ポール・フライ(若い男の声)、ジュリー・カウフマン(鷹の声)、マリアーナ・リポヴシェク(上方からの声)、ヤン・ヘンドリック・ローテリング、クルト・リドル、ケネス・ギャリソン(バラックの兄弟たち)
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮/バイエルン放送交響楽団
バイエルン放送合唱団、テルツ少年合唱団

あ、あのー。
5月の「あらかわバイロイト」のぴあ以外の入手方法ってないのかなあ。なぜかウチのPC、なぜか「ぴあ」の登録ができないんですよ(恥)。どこにきいたらいいのかしらん。もしくはぴあコード番号知りたいにょ。

さて。

今日は影のない女。これってウチで一番再生回数の多いCDだと思う。一万回以上は聴いたと思う。CDって便利だなあ、何回聴いても劣化しないなんて。何年たっても全然普通に聴けるよ(ハコと解説書はボロボロだけど)。CD発明した人ブラボー。(・・・といいつつ、これと比べたらそんなに聴いてないベームのグラモフォンの影無女は死んだ。何故か2幕の後半飛ぶ。CDも古くなると飛ぶんだぜ。買いなおすかぁ。)

そうそう、こないだ「ぶらり途中下車の旅」を見てたら、「レコードの針を使わずにレーザーで再生する機械」が開発されたっつーのをやってた。早く商品化しないかな。そしたらベームのデッカ盤(レコード)を心おきなく聴けるのに。盤が減るからそう滅多に聴けないんだよぅ。

いやはや、話を戻そう。このサヴァリッシュの「影無女」(←なんか妖怪みたいだ)はマイファーストバイなのである。これで入ったので最初から完全全曲盤慣れしちまってる。だから普通の演奏だとすごく物足りない。カットが普通だからいまだに「あれ?飛んだ?」とか思う。

それにしても、この演奏を最初に聴いたときにはかなりびっくりした。シュトラウスにこんな曲があったのも知らなかったし。今まで聴いてたシュトラウスなんかどーでも良くなってしまった。バラの騎士だってどうでもいいくらい(当時)。

過去記事:最強の「影の無い女」

ベーム・影のない女

カイルベルト・影の無い女

ショルティ/影の無い女

影の無い女/市川猿之助演出

ベーム/DECCA盤・影の無い女

ま、こんな風に影のない女だらけの水泳大会な私のブログなのですが、あとうちにあるので残すはカラヤン盤だけだ・・・が、実はものすごく録音が悪いのと実家で行方不明になってしまってるので為すすべがない。あっても聴く気もしない。(もー、東京ドームの近所でローリングストーンズの公演がかすかに聴こえるぜくらいの音質である。)

「影のない女」真打の音源たるサヴァリッシュ盤の素晴らしさについて今さらながら述べてみよう。
まず、ルネ・コロが素晴らしい。登場からホントに気持ちよさそうに歌っている。シュトラウスのオペラってテノールはあんまり筋書きに絡んでないことが多く(結構放置されてるかバカな役が多い)、これもなんか一人で勝手に出てきて何か歌って勝手に帰っていく感じがするが、それはそれで素晴らしい。ちょっと歌舞伎っぽいかな。我々日本人はもっとルネ・コロに感謝すべきだと思う。いや、感謝してますとも。

次に。シェリル・ステューダーが素晴らしい。もう今や「あの人は今」状態だが(本当にどうしちゃったんだろう。)。こんなに透明な声で歌われると「本当に影がないのでは」と思われるほどだ。本人は全然そんなことはないのだが(普通の女性より影は大きいかと)。

この録音で上方(かみがたではない)からの声を歌ってるリポヴシェクが、日本公演ではランクアップして「うば」を歌っているが、このCDではハンナ・シュヴァルツが「うば」を歌っている。こうなると全然違う感じだ。なんか魔女っぽいリポヴシェクに比べ、シュヴァルツはもうちょっと若くて「皇后のお付きのお姉さん」といった雰囲気である。しかし第3幕の狂いっぷりは見事だ。

惜しいなあと思うのはバラックの妻のウテ・ヴィンツィングである。この方はその昔「トンネル・リング」でブリュンヒルデを(リゲンツァとダブルキャストで)歌ってたはずで聴いたはずなんだが、なんか全然覚えてない・・・。この録音ではなんかいま一つであると思う。ま、この曲を聴いたのはこの録音が初めてだから最初は「こんなもんなのかなあ」と思って暫く聴いてたけど。その後あらゆる名歌手で聴いてしまうとやっぱり聴き劣りがしてしまう。日本公演のジャニス・マルティンのほうがあたしはよっぽど魅力的であると思う。

ムッフの歌うバラックは今にしてみるとなんか若い感じ(F=Dやベリーと比べて)でこれはこれで好感が持てる。

それと、この演奏っつーか完全全曲盤としての聴きどころはどこだ。
聴きどころが普段カットされている所が大部分というのもなんかヘンな感じがするが。

このCDで私の特に好きな部分。(皇后と皇帝のアリアは勿論だけど)

1.第1幕の場面転換の皇后とうばが人間界へ降りていくところ。とくに金管の低音の部分がかっこよくて(「6」の0:20くらいのとこ)、いつも一緒に歌ってしまう。

2.ぼろ屋敷が宮殿に変わり、突然出てくる若い男の声が何回聴いても気持ちいい。

3.第2幕でバラックがこじきの子供たちに食事をふるまうところ。なんかバラックがいい人なのに報われなくて凄く可愛そうで泣ける。

4.第3幕の最初のバラックと妻の二重唱(「2」私にゆだねられた・・・)。シュトラウスの書いたメロディの中で一番好きかも?と思うんだけど私。(でもここはニルソンの歌唱が最高だね)

5.一般的にカットされてる、うばが自暴自棄に陥るところ(「7」の0:45から)。まあ、筋書き上はあんまり関係ないのかもしんね。でも鳥肌たつ。

6.これまた一般的にはカットされてる、皇后の長いセリフ(「11」ああ、私の愛する人が凝固してしまった!)。管弦楽がむちゃくちゃカッコイイ。ここをカットするなんていったい何よ。

7.それに続き皇后が「私は飲みません」と叫んで影ができるところ。ここらへんは何故か(例えはヘンだが)スペクタクル映画とか見たあととかジェットコースター乗り終わったあとの安堵感と似てていつも気持ちがすっきりする。これって私だけか?

8.一般的にはカットされることが多い、皇后の「そう言っているのは天使たちです」に続く皇帝と皇后と少年合唱の部分は何回聴いても超ハッピーな気分。テルツが子供らしくてすっごい可愛い。ここはウィーン少年合唱団より好き。

9.それに続く場面転換のオケ。かっこいい。

いやともかく、聴きどころといえば全部なんだけども正直。

・・・。

しかし。一般的に人に一番薦められると思われるこのサヴァリッシュ盤は国内・輸入とも廃盤である。おかしなことにこれと並び最も素晴らしい演奏(VPO最強)・録音のはずのベーム・デッカ盤も再発する気配もない。今度新国立劇場で上演されるのだから、どっちも国内盤で発売すべきだと思う。

(なんかウチのCDの解説書にずっとはさまってる新聞記事が懐かしかったので載せちゃう)

P1110138

















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コメント

「あらかわバイロイト」のチケットは、ぴあ以外だと、東京国際芸術協会とローソンチケットで買えるみたいです。
私はぴあの店頭で席指定して買いましたけど。Pコードは313-221です。
 
ステューダー、懐かしいですね。
私は「タンホイザー」と「ローエングリン」の初めて観た映像が
彼女の出演したバイロイトのものだったので感慨深いです。
何かうろ覚えですが、出産後の声の変質だとかキャンセルが多いとかいう理由で
バイエルン国立歌劇場から解雇されてゴタゴタがあって、というニュースがありましたが、
それ以来あまり彼女の名前は聞きませんね。
 
ところで、CDにも寿命はあり、平均15〜20年と言われています。
データは半永久的ですが、アルミを蒸着した反射層が湿気などで剥離してレーザーを反射できなくなるらしいです。

投稿: フィディ | 2009年1月31日 (土曜日) 23時25分

新国の「影のない女」が待ち遠しい限りですが、あらかわバイロイトのほうはどうも休みがとれそうもありません。「パルシファル」といえば、東京のオペラの森が模様替えした「東京・春・音楽祭」が来年以降N響を担ぎ出して演奏会形式のオペラをやるそうで、来年が「パルシファル」再来年が「ローエングリン」だそうです。演奏会形式とはいえ先の楽しみが増えると思えばありがたいことです。(行けるかどうかは別にして・・・)
今年はオペラはありませんが、平日の昼間の東京都美術館のミュージアム・コンサートを(休めるかどうか見当もつかないのに)プログラムに目が眩んでつい押さえてしまいました(笑)

投稿: 白夜 | 2009年2月 1日 (日曜日) 00時06分

こんにちは。
CD面が喪失してしまった私の「サヴァリッシュ影なし」をTBしました。
しっかし、naopingさんも好きですなぁ。
わたしもだけど。
新国はむちゃくちゃ楽しみ。若杉さんが元気に振ってくれればいいのですが!
あんまりいろんな所に書くと、チケット取りづらくなるので、大人しくしてるわたくしです。

他の方へのコメントで恐縮ですが、ステューダーは、一時復帰して活躍しかけたのですが、心臓発作などを起こしてほぼ引退のようですね。
ちょっと恰幅よくなりすぎでしたし・・・・。

あ、パルシファルのチケット手配しなくちゃ。
ということで、やっぱりオペラ減らせません・・・・。

投稿: yokocahan | 2009年2月 1日 (日曜日) 14時05分

>>フィディさん
ありがとうございます。どなたか親切な方が答えて下さると思ってましたので嬉しいです(>>安易ですいません)。

ステューダー、私も初めて見たタンホイザーの舞台(ナマ)が彼女の出たものだったので凄く印象あります。結構好きな声だったのですが突然いなくなった印象です。昔オペラ好きの知人に「ステューダーって生意気な女よ。インタビューで指揮者の○○や××や△△に言い寄られたって自慢してたわよ。(←どれも今や巨匠級の指揮者ばっかり)」とか言われて、私は「はあ、そうなんだ。でも歌うまけりゃいいんでないの?」とかボケた答えをした記憶があります。
>CD
そう、剥離しちゃうんですよね。でも何かパッと見なんも変わらないのに何故か飛び始めたCDもありました(最初に出た時のC・クラウス/神々の黄昏バラ売り盤。まあリング全曲買いなおしたのでいいのですが。)。


>>白夜さん
新国の「影のない女」はどんな演出になるのか凄く楽しみですね。私は結局ナマで見たのは猿之助さんのだけなので、西洋人の目から見る普通の「影のない女」ってどんななのかな?と思い楽しみにしてます。(券取れるのかわかりませんが)

美術館ってたまに普通の日の昼間にコンサートをやっている時がありますね。私は大抵いつもあとで「あ、こんなのやってたのか」と思います。で、えーと東京都美術館っていうと・・・「アーツ&クラフト展」ですかね。ウィリアム・モリスのリバティプリントに憧れてお裁縫を始めた私なので、是非この展覧会は行きたいと思ってますが、コンサートって・・・イギリス好きにもウィーン世紀末好きにもこれはヤバイです。

>>yokochanさん
TBありがとうございます。サヴァリッシュ盤、うちは元気です。
いやしかし、私の「影無女」好きは一種キ●ガイ染みてるかも・・・と思うほどの偏狂ぶりです。だって正直言って他のシュトラウスのオペラはそんなに・・・これほど大好きでもないし。

スデューダーの引退?は惜しいですね。ドイツものもイタリアものも何でも歌ってましたし、ちょっと最初から活躍しすぎちゃったのかもと思います。うーん、それとイエルザレムもどうしちゃったのかしらん、関係ないですけど。

オペラを減らすより、食費を大幅に減らした私はごくたまに友人と外食すると「何でこんなに美味しいの~~~!?」とか大感激するので呆れられます。でもオペラはやめられない・・・。

投稿: naoping | 2009年2月 1日 (日曜日) 22時41分


作曲とヴァイオリン演奏の玉木宏樹です。
私儀、このたび「クラシック埋蔵金、発掘指南書」(出版芸術社¥1800)を上梓致しました。
不当にも埋もれてしまった名曲150曲を紹介していますが、今回、
http://8724.teacup.com/justint/bbsの掲示板を建て、作曲家名と作品名をお知らせしています。
一度ご覧になられてご意見,感想を賜れば幸甚でございます。

NPO法人 純正律音楽研究会のホームページもリニューアルしました。
http://just-int.com/
以上,よろしくお願い致します。
玉木宏樹

http://8724.teacup.com/justint/bbs

投稿: 玉木宏樹 | 2009年2月 4日 (水曜日) 15時30分

http://www.hmv.co.jp/news/article/1110050048

投稿: ピエトロ | 2013年2月22日 (金曜日) 12時08分

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作曲順に取上げる、R・シュトラウスのオペラ。今回は、オペラ7作目の「影のない女」 [続きを読む]

受信: 2009年2月 1日 (日曜日) 13時58分

» 影のない女 [オペラ対訳プロジェクト<業務連絡>]
テンプレートに次のオペラを追加しました。 リヒャルト・シュトラウス  『影のない女』 http://www31.atwiki.jp/oper/pages/372.html [続きを読む]

受信: 2010年1月 4日 (月曜日) 22時41分

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