イルジー・コウト「トリスタンとイゾルデ」N響
ワーグナー :楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」
第2幕(演奏会形式)
トリスタン: アルフォンス・エーベルツ
イゾルデ: リンダ・ワトソン
国王マルケ: マグヌス・バルトヴィンソン
ブランゲーネ: クラウディア・マーンケ
メロート: 木村 俊光
イルジー・コウト指揮/NHK交響楽団
びっくりした。
久しぶりにN響の定期に行ったら、あの小冊子「フィルハーモニー」が有料になっていて、くれたのは薄っぺらいパンフレット。いつからそうなったんだろう。
開演前の室内楽は、今日はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲 第7番 からということだった。室内楽オンチの私なので初めて聴くものだったけど、なるほどショスタコだなと思った。それ以上何もない。よくわからない。ごめん。
さて本編のコンサートだけども。
事前の「たぶんこんなコンサートになるだろうな。」とか「きっとこんな感想を書くんだろうな。」みたいな予想がほとんど当たった感じ。
前に書いたけど、イルジ・コウトの「トリスタン」は全曲でむかーし見聴きした。ベルリン・ドイツ・オペラの引っ越し公演で・・・・たぶん。「たぶん」ってなっているのは、主役がコロとかちょっと前の第一級メンバーだったことしか覚えてなくて。(そのときは「ジリ・コート」ってあった。表キャストのディム・グィネス・ジョーンズのほうはDVDが出てたはずである。廃盤?)
恐ろしいことにどんな演奏だったのか覚えてない。いや、昔の超豪華引っ越し公演なんてどんなものでも何か覚えているもんだが、演奏に関して全く記憶がないのである。
なので、きっと今日のコンサートも指揮に関しては忘れてしまうんだろうなあ、10年もしたら。
コウトは手慣れていて、ワーグナーのような長大な曲をうまくまとめ上げる(けっして退屈な演奏ではない。「行き届いてる」というか)腕を持っている指揮者・・・というのが今日の印象。「こはもうちょっと歌って欲しい。旋律に意味を持たせて欲しい。」などと思うところもあるけれど、これはこれでいいんじゃないか。
「トリスタン」を生で聴けるありがたさ。
(前奏曲だけは隣の席の男の人の鼻息が荒くて「え、いびき?」とか思うほどだったのであまり印象がない。)
歌手はそれぞれ素晴らしかった。とくにイゾルデのリンダ・ワトソンはやはり貫禄というかさすがバイロイトのレギュラーメンバーなだけある。最初の「愛の死」(最初にこれをもってくると頭がひっくりかえったような感じになる)はまだ声が温まってないかなとは思ったが見事だったし、第2幕も「ああ、こんのなのいっつも歌ってるし余裕よ余裕。」とか言いそうなくらい貫禄たっぷり。舞台でも映えそうな容姿だし。でかいし。
トリスタンのエーベルツは、ドイツやオーストリアのどこでもいそうなメガネかけた大きなお兄さんといった印象。歌は何故か(いい意味で)ふた昔前のやや重い声のトリスタンだなあと思った・・・のは私だけ? 歌い回しとかもなんか古そうな感じ。ズートハウスとかマックス・ローレンツとか思い出し・・・いや何。結構私は好きだ。最初の声からなんか「懐かしい」と思った・・・アレレ?
マルケ王のバルトヴィンソンは北欧のバスということで「ものすごい深い声のバスなんじゃないか」と勝手な想像をしていたが、そんなでもなかった。美声でしたが。登場のとき、長髪を後ろで束ねてきたので「マルケ王とは程遠い・・・」と思い、ちょっと笑った。
ブランゲーネのマーンケという歌手も初めて聴いたけど、チャーミングな人だった。声はもうちょっと深いほうが私は好きだが上手だったです。
木村俊光さんがお元気なのがすごく嬉しい。マルケ王うたったってよかったんじゃないの?もしかして。
なぜかコンマスがゲスト(外人)。なぜ。
ということで、なかなか盛況なコンサートで普通にブラヴォーもあり。よかったよかった。ワトソンさんにブラヴォー(ブラーヴァ?)を言いたかったが、タイミングがわからず。
で。
渋谷なんで久しぶりに塔へ。大変素晴らしいセットを見つけて購入。
←ここをクリックすると塔
すげえな、私が持ってない全曲盤が5つもあわさって3,245円。これは買いだ。
「リエンツィ」
スヴァンホルム(リエンツィ)、C・ルードヴィヒ(アドリアーノ)、W・ベリー(パオロ・オルシーニ)、ヨゼフ・クリップス指揮/ウィーン国立歌劇場(1960年ライブ)
「さまよえるオランダ人」
ホッター(オランダ人)、ウルズレアク(ゼンタ)、ハーン(ダーラント)、クレメンス・クラウス指揮/バイエルン国立歌劇場(1944年、スタジオ録音)
「タンホイザー」
コロ(タンホイザー)、ヤノヴィッツ(エリザベート)、ブレンデル(ヴォルフラム)、サヴァリッシュ指揮/RAI交響楽団(1972年ライブ)
「ローエングリン」
ヴィントガッセン(ローエングリン)、ニルソン(エルザ)、D・F=D(伝令)、ヴァルナイ(オルトルート)、アダム(ハインリッヒ)、ウーデ(テルラムント)、ヨッフム指揮/バイロイト祝祭管(1954年ライブ)
「トリスタンとイゾルデ」
ブリリオート(トリスタン)、リゲンツァ(イゾルデ)、ミントン(ブランゲーネ)、モル(マルケ王)、カルロス・クライバー指揮/バイロイト祝祭管(1974年ライブ)
さっそくクライバーから。リゲンツァはネ申。感想は後日。
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コメント
naopingさん、こんばんは!
たいへんご無沙汰をいたしておりますが、モンサルヴァートで修行を積んでいたわけでもなく、ヴェーヌスベルクで遊び呆けていたわけでもありません(゚∀゚;
強いて言えば、ニーベルハイムのようなところで、扱き使われていましたorz
それにしても、この演奏会、「トリスタン」第2幕ならばぜひ行きたかったと思えてなりません。残念です…(゜-Å)
師匠ご紹介のボックス・セット、「タンホイザー」が未聴なので購入しようと思います。次の給料が出たら(^-^)
投稿: Niklaus Vogel | 2008年11月16日 (日曜日) 20時48分
>>Niklaus Vogelさん
おおおおおおお久ぶりですホントに。ニーベルハイムでアルベリヒに鞭打たれてキャーキャー言ってらしたのですね。私も今の時期は年末調整でコキ使われております。まあ音楽聴くくらいの余裕はありますけどね。
本日紹介のCD、いろんな年代のがありつつ、一通り録音状態を確かめるべく聴いてみましたが・・・もしかして全部モノラルっぽいです。ま、安いから・・・。
投稿: naoping | 2008年11月16日 (日曜日) 21時13分
エーベルツは昔聴いた時、声がでかいだけで表現の幅が狭いって印象だったので、
注目してませんでしたが、今は違うんかな。ちょっと後悔。
「トリスタン」といえば、ステファン・グールドのサイトによると
2010/11シーズンの新国で大野和士指揮のプロダクションに出演とのこと。
今から楽しみです。
因みに2009/10シーズンオープニングの「オテロ」もこのコンビ。
投稿: フィディ | 2008年11月16日 (日曜日) 22時33分
>>フィディさん
こんばんは。エーベルツは他の人の印象はどうか知りませんが(たぶんそんなに良くない)、私は結構いいんじゃないかなあと思いました。テノールというよりもちょっと重い感じがしましたけど。
・・・というか最近やっとコロやイエルザレムやホフマンの偉大さがわかったというか。あの頃の水準を今は求めちゃいけないんだなあって。頑張ってほしいエーベルツ。
投稿: naoping | 2008年11月16日 (日曜日) 22時47分
naopingさん、こんばんは。
私は土曜に聴きました。
印象は異なるかもしれませんが、コウトのそれこそシュタインのような堅実でありながら、少し燃えた指揮と、珍しく熱かったN響がよかったです。
コンマスはドレスデンからの来演で、もう何年もきている名手です。ブロムシュテットが引っ張ってきたのかもしれません。
先の飯守・シティフィルの方が、ワーグナーの本質を捉えていたかもしれませんが、N響にしては私は満足でした。
エーベルツはちょっと辛かったですが、木村さんの健在ぶりはとても嬉しいですね。
お買いになったCD、ダブリは半分ありますが、タンホイザーが魅力ですぞ!
投稿: yokochan | 2008年11月16日 (日曜日) 23時56分
>>yokochanさん
こんにちは。
なかなかよいコンサートでしたね。・・・しかし私は席がよくなかったので(右翼?前から4番目と場所はわるくなかったのですが、隣人が)、最後まで感激とかはありませんでした。
エーベルツは無論そんなによくはなかったのですが、なんか鈍重な感じが懐かしかったなあ(フルトヴェングラーの時代のヒストリカルな感じ)と思っただけです。評判悪いっすね。はは。
投稿: naoping | 2008年11月17日 (月曜日) 07時30分
こっちはヴォツェックの気持ちが何となく分かる感じでございます_ノフ○ グッタリ 二日ほど休みを取れれば大阪か東京へ遠征しようかと思ってます
12月の「第九」に向けての練習も日増しに熱を帯びてきましたが、来週にはいよいよ九響定期での生ベルシャザールです
投稿: Masahiko | 2008年11月17日 (月曜日) 20時26分
>>Masahikoさん
こんばんは。ヴォツェックかあ・・・じゃあ豆ばっかり食べてる人体実験みたいな生活ですかね?
私は昨日のワーグナーを糧にがんばっています。今日も残業・・・苦しいです。
第九がんばってください。遠いので聴きに行けなくて残念ですが。草葉の陰・・・じゃなくて陰ながら応援していまする。
投稿: naoping | 2008年11月17日 (月曜日) 22時59分
ずいぶん先の話ではありますが、2010年末から11年初にかけての新国の新制作「トリスタンとイゾルデ」はどうやらいよいよ大野和士が登場のようですね。トリスタンはステファン・グールド、イゾルデはイレーネ・テオリン、ブランゲーネは藤村美穂子のようです。これは何とも楽しみであります。(Stephen Gould とIréne Theorin のHPにちらりと触れられていました)
投稿: 白夜 | 2008年11月17日 (月曜日) 23時52分
豆は食べてませんね(笑)、どちらかというと疎外感が いるんですよね、大尉みたいな人が何人も
年末はなにかと慌ただしいですよね、寒くもなってきたし、naopingさんもお気をつけて。何が起こるか分からない世の中ですからね・・・今日も仕事帰りに「3分間だけあなたのために祈らせてください」って呼び止められました
naopingさんのアンテナに引っ掛かるか分からないけど、最近ちょっと掘り出し物がぞくぞくです・・・ちょっくら覗いて見て下さい
投稿: Masahiko | 2008年11月18日 (火曜日) 20時43分
>>白夜さん
おおおお新国でトリスタンですか。トリスタンは必ず行くことにしてますから(その頃何をしているのやら)楽しみです。ブランゲーネの藤村女史は当然のキャスティングですね。ふむふむ。
>>Masahikoさん
CPO好きじゃのお・・・。
「3分間だけ祈らせて・・・」と言われたら「ちょっと待って、その間にカップヌードル作るから」と言ってやりましょう。
投稿: naoping | 2008年11月20日 (木曜日) 21時09分
探しているは大抵CPOで見つかります
投稿: Masahiko | 2008年11月22日 (土曜日) 01時09分