東京二期会/ナクソス島のアリアドネ
R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」
田辺とおる(執事長)、加賀清孝(音楽教師)、谷口睦美(作曲家)、高橋淳(テノール歌手・バッカス)、羽山晃生(士官)、大野光彦(舞踏教師)、大久保光哉(かつら師)、幸田浩子(ツェルビネッタ)、佐々木典子(プリマドンナ/アリアドネ)、青戸知(ハルレキン)、加茂下稔(スカラムッチョ)、志村文彦(トゥルファルディン)、中原雅彦(ブリゲッラ)、木下周子(ナヤーデ)、増田弥生(ドュリヤーデ)、羽山弘子(エコー)その他
ラルフ・ワイケルト指揮/東京交響楽団
(6月28日 東京文化会館)
ちょっと前の話になるので、記憶をたどりつつ・・・。
二期会はいつもながらダブル・キャストなので、どっちの日に行くか大いに迷った(とくにアリアドネの佐々木さんと横山さんは迷うよなぁ、普通)んですが、経済的に両方行くわけにも行かず佐々木さんをチョイス。
なんか知らんが、前から三番目ほぼ中央の席をゲット。あれれ、これって文化会館では自分史上最高シートかもしんね。なんとなく、室内オペラだから舞台に近いほうがいいかなと。おかげでどの人の歌も大変よく聞こえ。
過去記事:飯守さんのナクソス島のアリアドネ
半年前に見た、関西の二期会のアリアドネとついつい比べてしまうのだけれど、舞台美術はオーソドックスで色の統一のとれていた関西のほうが私は好きだった。何と言っていいのかわからないのだけれど、日本人の作る舞台はなんだか見慣れた感じの色彩にどうしてもなるので、配色などが洗練されてない気がしてしまう。色や素材がバラバラかなと思った(←あくまで私の感想よ)。
衣装は、シュトラウスの生きていた時代に合わせているのかなあと思った。ドイツのカバレットとかの盛んだった時代・・・みたいな印象。・・・と、何か最近のお笑いの舞台とそんなに変わらない着ぐるみとか出てくるのでやっぱりバラバラ。つか、遊びすぎ。いくらお笑い好きの私でも。楽しい舞台・・・というのとは違う気が。
幕が開くと、舞台を懸命に作っている裏方さんたち。最初、森三中が出てきたのかな?と思ったけど、違ったみたいよ。
田辺とおるさんは(こんにちは)、やっぱりさすがいいお声でした。しかし、歌わない役なのですね。うーん、残念です、歌って下さい(アドリブで)。
作曲家の役の谷口さんは、お写真で見ると大変チャーミングな方でしたので、どんな感じかな?と思ったのですが、髪形といい、衣装といい、指揮者の西本智美さんみてえだなあと思いました(・・・似てませんでしたか?)。すらりとしてて、本当に宝塚みたいです。関西のときの福原さんはとっても可愛かったのですが、東京の作曲家はもっとスタイリッシュ。お声もすばらしく、ブラボーを受けていました。
ツェルビネッタ役の幸田浩子さんは、このところコンサートチラシでよく見かけるお美しい方ですが(いや、最近の歌手の方はお美しい方が多いですよ)、お声を聴くのは初めてです。正統派コロラチューラソプラノという感じで、安心して聴くことができました。あの長大なアリアも、最後のほうはさすがにお疲れのご様子でしたが、とても気分よく聴きました。ややケバイ衣装も、彼女が着るととってもカワイイ。もう片っ方のキャストの人もよかったのかしらん。
プリマドンナ役の佐々木さんは、それこそ安心して聴いてられる歌手のはずだったのですが、最後にカーテンコールでブーイングを受けていました(一人だけ)。アレ、なんだったんでしょう。あれ以上の歌唱を求めるんでしょうか。このブーを発した方はさぞかし凄いアリアドネを本場で聴いて来たのでしょうね? さあ、言って御覧なさい。あなたはヨーロッパで誰を聴いて来たの?シュワルツコプ? ヤノヴィッツ?
ああ、ハラがたつ。 ・・・とか書くと本当に反論コメント来ちゃうんだよね、ココ (汗)。
バッカスの高橋さんは、前にダーヴィッドを聴いただけだったんで(すばらしかった)、てっきり性格テノール専門なのかと思ったら、バッカスも堂々とこなしてらしてとても素晴らしかったでした。たくさんのブラボーを受けていました。バッカスは日本のアニメっぽい髪型(手に入れろ、ドラゴンボール!)。
ハルレキン役の青戸さんは本当に最近よく登場される。すごくこの役に合っていらっしゃる。いいお声でした。でも、チャップリンの衣装はどうかなと思うんだけど。
あとは・・・。個人的には注目してたエコー役の羽山さんは、小柄でとってもかわいらしかったです。お声ももちろんチャーミング。
ということで、歌唱に関しては、私は満足して聴くことができました。オケ・指揮に関しては、「おおこれは!」という印象はとくになかったのですが、どうなんでしょう。・・・普通に良かったかなと。
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コメント
こんばんは。
同じと翌日とで、ダブル観劇しました。
歌手に関しては、ほぼ同じ印象です。
幸田さんは、ちょっとへばってしまいましたが、翌日の安井さんは、ほぼ完璧な仕上がり。一番拍手をもらってました。
佐々木さんへのブーは理解しがたいですな。
いったいどこがお気に召さなかったのでしょう??
そして、演出の意図は・・・??面白いことには違いありませんが、どうもわかりませなんだ。
演出面では、関西の方が無難な分、よかったかもしれません。
投稿: yokochan | 2008年7月 6日 (日曜日) 23時36分
>>yokochanさん
こんにちは。同じ日をご覧だったのですね。
安井さんのツェルビネッタも見たかったなあ、とか思ったのですが・・・あとの祭り。
そうそう、26日はツェルビネッタのアリアが終わらないうちに拍手が起こってましたね。なんか、他の舞台(実演ではなくテレビかビデオ)でもそんなことがあって、歌ってた人が手で観客に「待った!」をかけたのを見た覚えがあります。勉強してこいって感じです。
演出は・・・三谷幸喜さんにやってほしいです、このオペラ。
投稿: naoping | 2008年7月 7日 (月曜日) 09時55分
ツェルビネッタは私一押しの臼木あいちゃんにもオファーは来ていたそうですが、彼女、ザルツブルクに留学中でこの公演への出演は無理だったんですよー残念。
産休の森麻季さんなんかの代役を直接、森さんに頼まれたりして「騎士オルランド」では半音の1/2低い音程で演奏されるアンジェリカを見事に歌っていましたけれどね~彼女ならさらに素晴らしいツェルビネッタちゃんを演じてくれたことでしょう。
ツェルビネッタと言えばドレスデン州立歌劇場でもこの役を歌っている天羽ねーさんのツェルビネッタは凄いですよ~。
井上道義さんの指揮で歌っているのを一度聞いたことがあります。アリアドネのエファ・ヨハンソンも素晴らしかったです!
投稿: えーちゃん | 2009年4月30日 (木曜日) 08時57分
>>えーちゃんさん
臼木あいさんという方はおそらく私は未聴なのでコメントは差し控えますが、おそらくこれから聴くことになったりするんでしょうね。
天羽さまのツエルビネッタは確かに凄そうですね。
投稿: naoping | 2009年4月30日 (木曜日) 22時39分