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2008年5月11日 (日曜日)

フルトヴェングラー/トリスタンとイゾルデ・断片(1947年)

P1080034ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第2,3幕(断片)
ルートヴィヒ・ズートハウス(トリスタン)
エルナ・シュルター(イゾルデ)
ゴットロープ・フリック(マルケ王)
ヤーロ・プロハスカ(クルヴェナル)
マルガレーテ・クローゼ(ブランゲーネ)、他
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/シュターツカペレ・ベルリン

 (1947年10月3日、ベルリン、アドミラルパラスト・ライヴ)

今日は母の日。実家に母親のプレゼントを届けつつ、このレコードセットを持って帰ってきた。

Furtwangler Dirigiert Wagner

このジャケットを見て「ああああ~~~懐かしい!」と思った方は、ある年齢以上の人である。アカンタから発売された、フルトヴェングラーの昔のライブ録音の断片を集めた5枚組である。銀座山野楽器の輸入盤バーゲンで購入。私はまだ当時は学生だったから、宝物のように聴いていた(と思う)。

(そんな女学生を、みんな・・・どう思う? 私はスゴクキモチワルイと思う)

この中には1936年のバイロイトにおける「ローエングリン」(ヒトラーが聴いていたという)の断片、1937年のコヴェントガーデンにおける「ワルキューレ」の第3幕(フラグスタートのブリュンヒルデ)とか、1938年のウィーンにおける「マイスタージンガー」の断片、1936年、コヴェントガーデンにおける「神々の黄昏」の断片(ビーチャム指揮かも?、との説がありだが、ド迫力の演奏)・・・まあ色々貴重そーなものが含まれている。録音状態は色々である。
まあ・・・今ではCDとなってあちこちで発売されていると思うんで、そんなに貴重な盤ではないと思うけれど、久しぶりに聴いてみるととっても懐かしい。

で。本日ご紹介いたしますのが。

昨年、CDでも発売された(←もってないの・・・)のが、この中の1947年のベルリンにおける上演の記録である。そもそも第1幕は記録にないらしく。私の持っているレコードには第2幕は冒頭(トリスタンが出てくる直前まで)とマルケ王が出てきてからしかないので、あまりよくわからない。肝心要の「愛の二重唱」が全く入ってない。第3幕も、30分くらいしか(Dunkt dich das?からイゾルデが到着するまで )入ってない。・・・何か本当はもっとたくさん入ってたような気がしてたんだけど、私のカンチガイだった。こんなだったらCDのほうを聴かないと感想なんか書けないじゃないの、すいません。・・・でも一応書く。

歌手については、イゾルデ以外の人は素晴らしい。特に、第3幕のトリスタン役のズートハウスは「いったいどうしたの?」という熱演ですごいぜ。スタジオ録音での重ーい歌唱を聴きなれていたので「おお、舞台ではこんなに熱いヤツだったのか!」と感動。フリックのマルケ王、プロハスカのクルヴェナル、クローゼのブランゲーネも素晴らしい。フルトヴェングラーの指揮も、オケのうねりが物凄い。ティンパニーの音がドロドロ入っていて気分がよい(とくにイゾルデの到着したとこが・・・絶望的に素晴らしい。こんなオケの音は他で聴いたことない)。

ただ、イゾルデの歌手のシュルターって人は・・・ナンなんでしょ?発声も基本的になってないし、「おいおい、ギャグかよ」と思うくらい鈍ーい歌唱を聴かせる。おいおい、そんなレベルだったのかよ昔のドイツは、と思ったほど。

ということで。やっぱりこのCDは買うべきだと感じました。ただ、この「絶望的な音」がCDではどのくらい再現されるのかは不明。CD化されるよりレコードのほうがいい場合も多いもんね。それにレコードで聴くと本当に「これは骨董品だぜ」みたいな気分でとってもヨイのである。

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コメント

こんばんは。
昨日大分のタワーでもベームのリングを発見いたしました。
もう入手されましたでしょうか?

ズートハウスは晩年のフルトヴェングラーのお気に入りで録音に起用されていましたが、立派ではあるものの冴えない印象が強いですね。ライブでこそ真価を発揮する人だったかもしれません(56年のバイロイトでのローゲは強烈です)。声自体も40年代のほうが好調だった気がします。

歌手のレベルが不揃いな件は戦争の影響もあるのではないでしょうか。また1920年代生まれの著名なヘルデンテノールにドイツ人がいない事も何か戦争の影響を感じさせます。

ところで私は20代前半のころ、枕元のCDラジカセでワーグナーのオペラを聴きながら眠っていました。
・・・これって今考えるとかなりイタイですね(笑)。

投稿: 大分のワグネリアン | 2008年5月11日 (日曜日) 21時05分

こんにちは。
よくぞ取り上げてくださいました。
おっしゃるとおりイゾルデ以外は凄いです。
Memoriesはノイズリダクションで音色も削いでしまっているので、
CD初期物をお聴きいただきたいですね。

投稿: furtwan | 2008年5月12日 (月曜日) 12時09分

>>大分のワグネリアンさん
こんばんは。
ワーグナー箱、勢い余って本日買いに行ったら渋谷塔はお休みでございましたので、「彼の主人の声」にて買いました(スポンサーなのにすいません。待ちきれなくて)。

ズートハウス、勿論EMIのスタジオ録音盤でよく聴いていたのもので、ズートハウスやフラグスタートって何て重ったるい声なんだろう、昔の歌手ってみんなこんななの?と悩んでしまいました。
フラグスタートはもっと若い頃のライブ録音ではもちろん若やいでいますし、ズートハウスはもっとアグレッシブな歌声でございます。

>・・・これって今考えるとかなりイタイですね(笑)。
え~何がイタイのかわからない・・・。私は中学生の頃から年末は毎晩こんなでしたのよnote


>>furtwanさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
うーん、この録音はすごいですよね。第3幕のイゾルデが来たところなんて文字通り「壮絶」って感じです。

>Memoriesはノイズリダクションで音色も削いでしまっているので
あー、やっぱりそうなんですか。でも初期の物が手に入るかどうかですね・・・。

投稿: naoping | 2008年5月12日 (月曜日) 20時53分

 こんばんは。   
 アンティーク家具をワックスがけしてご満悦だったり、(そして最近は周囲に見かけなくなってしまいましたが)古い古いカメオのブローチがどうのこうのと目を輝かせる女性もいることですし、1940年代録音入りの30センチLPを抱えつつなんだか「今日はいいことあった」みたいな表情と足取りの女子学生というのもこれまたいいんじゃないでしょうかねえ。   
   
 話は変わり・・・。セル/メトロポリタンの「マイスタージンガー」の一部が収録されているという理由で得たCDセット( Guild レーベル)にはまた、メルヒオール/トローベル/トルボルクほか/ビーチャム/メトの「トリスタン」第2幕(1943年)やフラグスタート/ビーチャム/ロイヤルPOの「ヴェーゼンドンクの歌」(1952年)なども入っておりました。その「トリスタン」については、これは音質的に聴き苦しいものではありますし歌唱もバッチリとは行っていない個所もありますが、ざっと聴き流したときに思えたのは「ビーチャムの気合が入るところは入るとともに、音楽美についての方向性や生命感への意識もくっきり具現化できている演奏」と感じるものでした。確かに激しい部分がありますね。分かりやすい・トーンや起伏が明るく大きい感じ・・・でしょうか。玄人筋からは「チッチッ」とケチつくかも知れないですが、しかし、わたくしはビーチャムをちょっと見直したものです。   

投稿: クラシカルな某 | 2008年5月12日 (月曜日) 22時39分

>>クラシカルな某さん
コメントありがとうございます。
いや~、当時10代後半か20歳くらいだったと思うんですが、何か気が触れたようにフルトヴェングラーのワーグナーを聴いてました。古いものほど価値があるような、有難い気がして。そういえば、トスカニーニのバッジを見つけて(アメリカ製)大喜び、カバンにつけて学校行ってたなあ、スキップして。(←何でもいいんでしょうか・・・)

Guild レーベルってあんまり手に入らない気が・・・。
ウチにはビーチャム&コヴェントガーデンのトリスタンのレコード(!)があります。これは恐ろしく古い(1937年)しビーチャムの指揮もフラグスタートもぶっ飛んでます。あ、いつか紹介します。

http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=681409&GOODS_SORT_CD=102

投稿: naoping | 2008年5月13日 (火曜日) 20時34分

(≧∇≦)いやー懐かしいレコードですね!このレコードが発売された当時は、まだ新発見とかチェトラから出た指環とか今から思うと本当に花盛りでした!指環と言えば、ロンドン公演が、まだ残ってますけど是とて真相は、まだ謎の中、もし仮に残っていたら是非この世に出して欲しいものだ!大袈裟だけど生きているうちに聴けたら聴きたいものである。

投稿: ひまうま | 2011年3月28日 (月曜日) 21時11分

>> ひまうまさん

はじめまして(ですよね?)。
このレコードジャケットに反応する方がやっと現れて頂いて、とても嬉しいです。この頃はワーグナーの新発見の録音があると何だか色々買ってたものです。私はフルヴェンよりはどっちかというとフラグスタートのファンなもので、DISCOCORPから出てたビーチャム指揮の「トリスタン」とか買って聴いてましたけど、もうここまで来ると何だか・・・(笑)。

投稿: naoping | 2011年3月28日 (月曜日) 23時18分

(◎´∀`)ノ早速」のお返事ありがとうございます。確かビーチャムのトリスタンは、EMIでCD化されてますね!あれが出てるんだからフルトヴェングラーのロンドン公演の指環もどうにか成らないのかな?なんて思ってました。だけど未だにこんな状態ですから、もうファンの妄想状態ですよねー!フラグスタートがお好きとの事ですけど往時の彼女は最高ですね!私は戦後の風格が増したせいぜい1952年辺りまでが最高だと思いますね!例えば「ブリュンヒルデの自己犠牲」なんかは戦前にオルマンディーと収録した米.ビクター盤よりも戦後に英.HMVで再録した1948年盤の方が定評の在る1952年盤より(指揮は、フルトヴェングラー)声にまだ張りが在って好きですね!あと御国物のグリークの歌曲なんて素晴らしいですね!

投稿: ひまうま | 2011年3月29日 (火曜日) 19時30分

>>ひまうまさん

あ、再度コメントありがとうございます。

そうそう、オーマンディとの録音は素晴らしいですね。最近聴いていませんが、取り出してみようかなと思いました。
http://naoping.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_57aa.html
グリーグの歌曲も素敵ですね。年とってからのデッカでの録音もなかなか深い味わいがあっていいです。

投稿: naoping | 2011年3月31日 (木曜日) 20時32分

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