クラウス・ワルキューレ
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」
ラモン・ヴィナイ(ジークムント)、レジーナ・レズニック(ジークリンデ)、ヨゼフ・グラインドル(フンディング)、ハンス・ホッター(ヴォータン)、アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)、イーラ・マラニウク(フリッカ)、その他ワルキューレたち
クレメンス・クラウス指揮/バイロイト祝祭管弦楽団(1953年)
聖火リレーの宴たけなわだった今日。
こんなに危険ならやめればいいのに。欽ちゃんや愛ちゃんに何かあったらどうするんだ。中国とチベットのデモ隊の中を有名人や国の宝であるスポーツ選手たちを走らせて何が楽しいんだろう。
このごろ考えること。
ワーグナー・ヲタである私は(ヲタじゃなくて「好き」くらいにしておこうか)、「もし、ぜんぜんクラシック音楽に興味ないが素敵な男性が現れて、双方気に入り結婚までトントン拍子に進んだとして、この私のワグネリアンという不治の病をいつカミングアウトしたらいいのだろう。そして相手は受け入れてくれるだろうか。」とか考えるようになった。
↑そんなことまだないのに考えるな。
ここにいらっさる常連の殿方は、ほとんどが(とっくに)ご結婚されていると思いますが、奥様も同じ病の方って少ないと思うんです。たいてい普通の趣味の女性だと思うし。そういった方は結婚に至るまでどんなふーな感じ(?)なのですかね?部屋にある大量のCDを見て、ヒキませんでしたかね?
私はっていうと、相手にもよりますが相手の趣味に合わせるほうが気が楽です。色々と新しい世界が広がるし、教えてもらえるし。
しかし、相手が気を使って「たまにはnaopingさんの好きなコンサートに付き合うよ」とか言われたらどうしましょう。まあ、オペラだったらまず価格にヒクと思うんでダメとして。
クラシックのコンサートに付き合ってもらったとして、相手がすごく退屈しているんじゃないかと思って、気になって演奏に集中できないのが目に見えている。実際そういうカッポー(女性が退屈していて、男性が申し訳なさそうにしている)を何回か見ているし。
皆様、どうでしょう?
(などと書くと、オノロケたっぷりのコメントが大量に書き込まれそうでコワイなあ、当方独身女性ですのでお手柔らかにね)
さて、今日は久しぶりにクレメンス・クラウスのリングの続き。一年も間が空いてしまったが。
過去記事:クラウス・ラインの黄金
あんまりこのクラウス盤リングは地味なのかあまり話題にならない気がする。カイルベルト(ステレオ録音)や、クナッパーツブッシュの人気に押されて、いまひとつ人気がないようだ。今もなのか?
しかし。ウィーン生まれということでなんとなく地味な印象の指揮者(ウィーンの指揮者はワルツでも振ってろっつー私の間違った印象?)クラウスの演奏は冒頭から熱っぽい。(なんとなくこないだの飯守先生を思い出し。)
クラウスといえば、どちらかといえばR・シュトラウス指揮者という印象だが、ワーグナーも素晴らしい。・・・それにしても第2幕冒頭のトランペットの音が落ちてしまっているのが気になる。ナンデ?
それと、歌唱が素晴らしい。ヴィナイもヴァルナイもなんとなくステレオ・カイルベルト盤より調子がいいような気がする。ヴィナイが筋骨隆々のジークムントを演じている。りりしい。カッコイイ。胸板厚そう。ヴァルナイのブリュンヒルデもこの日かなり調子良さそうで、登場の「ホーヨートーホー」から気持ちよさそーに歌ってる。キョーレツ。録音は勿論カイルベルトより劣るのでアレなんだけど、ヴァルナイの歌唱の凄さなら、こちらの録音のほうが私は勝っていると思うんだけど。どーかな?
しかし、どうも個人的にレジーナ・レズニックのジークリンデだけは受け付けない。声楽的には見事だし、いや、アルトの声域の個性的な役での彼女は好きなんだけど、このねっとりとした魔女っぽい声でジークリンデはちょっとなあ・・・といつも思う。理想の人ジークムントの相手役にはやはり理想の女性であってほしい。ま、一般的には問題ないと思うけれど。あと・・・ジークムントが殺されるときの彼女の悲鳴が大変コワイ。
他の、ホッターやグラインドルなどの歌手は言うまでもなく素晴らしい。
・・・つか、本当にHMVでは30日に発売されるのかなあ・・・ベームのリング。
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コメント
僕のブログに合わせて、HNを本名にしますm(_ _)m
偶然ですね、僕も今このクラウスのワルキューレを借りてきて聴いてますよ。まあ印象についてはnaopingさんが詳しく書いているから割愛しますが(まあ似たところです)、クラウスのワーグナーはやはりあまり注目されてないような気がしますね・・・やはりR・シュトラウスのイメージが強いかな??
>クラシックのコンサートに付き合ってもらったとして、相手がすごく退屈しているんじゃないかと思って、気になって演奏に集中できないのが目に見えている。
僕なんか10年前にその時の彼女からコンサートに誘われたのに、当の彼女がコンサートの間中、退屈してたりカリカリしていましたよ
僕もよくどっちかが明らかに乗り気でないカッポーを見ますね、っていうか、女性にしろ男性にしろ一人で聴きに来るのが珍しいくらいにカッポーを見るけど、何か不思議な感じです。
こっちも長いこと一人なのでオノロケも何もないですね
投稿: Masahiko | 2008年4月26日 (土曜日) 20時53分
バイロイトのキャンセル魔(笑)ヴィナイは54,56年のジークムントを直前で降りていますが、この年は絶好調ですね。レズニックがお好みでなければ、57年のニルソンとのコンビはいかがでしょう(このときは逆にズートハウスの代役だったそうですが)。
ジークリンデはインゲ・ボルクが好みです。52年のみの登場なのでヴィナイとの競演がないのが残念ですが、あまり欲ばると罰が当たりそうですね。彼女の叫び声も凄まじく、錯乱する様子は音だけでも舞台が見えるような鬼気迫るものがあります。
最近ブラスバンド経験のある女性をマーラーの「巨人」に連れて行ったら結構喜ばれましたが、途中は結構ヒヤヒヤでした(特に第4楽章)。あらかじめCDを貸しておいたほうが良いのではと愚考する次第。
投稿: 大分のワグネリアン | 2008年4月26日 (土曜日) 22時39分
残念ながらいまだに独り者でして。。。まぁそれはいいとして、貴女はオイラのことをワーグナー嫌いとお思いのようだが、それは誤解じゃ! 正しくは好きでも嫌いでもない。何とならば聴いたことがないので…「興味がない」というのが正解です。
諸悪の根元はでーやん先生で、だいたいエルガーにはまったのもでーやんのせいなんです。ちなみに(これは余り知られていませんが)郵便ポストが赤いのも、実はでーやんのせいなんですよ。
でーやんに「先生のお陰で(ワーグナーを)喰わず嫌いになったじゃないですか!」って突っ込んだら、「そらぁ済まんかったなぁ」なんか言ってました。ただ、でーやん曰く「ワシは楽劇は嫌いじゃが、管弦楽は好きじゃぞ。」と。
某・コメント常連氏と話し込んで「いっぺん『指環』聴き込んでみようとは思ってるんですが…」と盛り上がるも、よー考えたら、そんな間があるんやったら「カラクタクス」や「オラフ王」を極めなあかんという結論に達してしまいました。
クラウスというと、J.シュトラウスの「こうもり」のCDを買って聴いたら、えらい大時代な演奏で閉口した覚えがあります。「こうもり」はやはりカルロス・クライバーが好きです。
投稿: なおらー | 2008年4月27日 (日曜日) 06時26分
残念ながらわたしもひとり者でして、ご希望のおノロケコメントは差し上げられないのですが、それはそれでご自分の未来に対して別の意味で怖い思いがするかもしれませんな(笑)「結婚できない男」を思い出す・・・
それにしてもnaopingさんの好きなコンサートだとプログラムも相当コアなもの選びそうで付き合うほうもなかなか大変そう。モーツァルトとかショパンとか聴きそうなイメージがありません。
ところでわたしの目下の最大の悩みはミヤスコフスキーの交響曲全集をこの機会に不見転で買ってしまうか、あるいはいっそ一生ご縁がないままに過ごすかということであります。
投稿: 白夜 | 2008年4月27日 (日曜日) 11時20分
既婚者・妻帯者の方のアドヴァイスをお待ちしていましたのに、ここにお集まりの方々は独身の方ばかり・・・。同病相哀れみます。いつもながらいっぺんにコメント返しご容赦下さい。珍しく恋バナモードの音源雑記帖・・・(爆!)。
>>Masahikoさん
ハンドルを変えたのですね。
(元)彼女さんから誘われたのに、彼女さんのほうが退屈というのは、なんでしょうね。クラヲタの相手に合わせようとして自爆したのかしら。でもいい彼女さんでしたのね。
でもまあ、よく考えてみると好きな人に誘われたら普通何でもきっと楽しいと思います(・・・まあ、例えば「コミケ」とかはイヤだけど)。逆に、あんまりなんとも思ってない人から「君の行きたいところへどこでも行くから考えて」とか言う人っていますね。でも・・・やっぱり行きたくないんだよね。
>>大分のワグネリアンさん
ヴィナイはキャンセル魔だったのですね。それにしてもホント、このクラウス盤のヴィナイはとってもカッコイイです。
えーと・・・ニルソンですか。逆にニルソンのジークリンデも(塔で試聴)立派すぎて・・・。ちょっとか弱い、守ってあげたい感じで最初出てきて(だって扶養配偶者ですから)、最後に母となって強くなる・・・そんなジークリンデが理想。すっごいワガママでごめんなさい。
まあ、そちらの女性はたまたまお喜びになられたのは良かったと思いますが(それは彼女が誘ってくれた人に好意を持っているからだと思いますヨ)、ブラスバンド部出身だからクラシック好きかっつーと必ずしもそんなことナイんですよね。かなりこれは難しい問題で(何回もそんな誤解がありました、私も)・・・。金聖響のシエナとかだったら喜ぶかもです。
>>なおらーさん
珍しくワーグナーの項でコメント有難うございます(笑)。まあ、ワーグナー好き嫌いは別として(つーか、いつからそんな誤解が生じたのでしょう?)、「決してキライではなく、興味がないだけ」というのは私にとってのモーツァルトと同じですね。まあ、某歌手(元ぶどう)の方は私は受け付けないです。(←関係ありませんが)
某コメント常連氏は私と全く同病(英国音楽好きにしてワグネリアン)なので、氏のおっしゃることは殆ど私の考えと同じかと思います。しかし・・・私が考えますに無理して恐ろしいリングの底なし沼に足をすくわれるよりは、なおらーさんにはエルガリアンの精神を全うして欲しいとなあと思います。まー、エルガーもワーグナー好きだったみたいだけど。
>>白夜さん
まー、白夜さんも独身者でいらっさるのですね。まあ、白夜さんがおいくつか知らないんでこんなこと書くのアレなんですけど、結婚されてなくて「こんなに素敵なのにどうして?」という殿方は実はこの世にはまだたくさんいるんだと思います(私の数少ない情報によると)。年を重ねるうちに、だんだん相手に対して理想が高くなるのではなく、一人のほうが楽になってきてしまうようですね・・・って友達が言ってました。
んん・・・そういえば(今思い出した)、私もヲタでない意中の殿方をコンサートに誘ったことは過去1回だけありまして・・・でも相手は喜んでくれましたよ(「自分の知らない世界があるのを知るのは楽しい」と言ってくれてました)。でも今考えるとその日って確かイギリス音楽だったような。もしかして微妙だったのかもしれません(←暗い過去)。
ミヤスコフスキーは、買ってもいいと思いますよ(←無責任)。
投稿: naoping | 2008年4月28日 (月曜日) 19時09分
満を持して、妻ひとり、子供ふたり、クワガタ一匹と暮らす男の登場であります。
当然に、妻はクラシックなんぞまったく聴きません。
子供もまったく興味も示しません。
お付き合いの頃は、一応「俺、クラシック好きなんだ」とか表明してましたし、社内でも社報に「マーラーを聴こう」なんて投稿をして、クラヲタぶりは知れ渡っておりました。
そんなワタクシが、今の家内と付き合うのに、心がけたことは、やはり相手に合わせること。一般OLの好むユーミンだ、角松だ、スタレビなんてのをやたらに聴きましたぜ。
それも車の中でね。間違っても、カーステレオからワルキューレが鳴ったりしたらオシマイデス。
でも両刀使いは慣れてたし、結構楽しかった。
ところが、いったん釣りあげてしまえばこっちのもの。
結婚後は、クラヲタ本性全開驀進で、泣かれたこともありまっせ。
独身の皆様には、お付き合いの時は本性を隠しとおすことをお薦めしますね。
夫婦ふたりで、コンサートや食事もある意味憧れですが、ただでさえ金のかかる趣味ゆえ、どちらかは「かたぎ」であることが肝要かと・・・・・。
ふはははっ、勝手言ってすんません。
クラウスのリング、捨て難い味がありますね~。
伝言板のようにして申し訳ありませんが、なおらーさん、わたくし今アポステルズにはまってます。
リングいかがですかぁ?
投稿: yokochan | 2008年4月29日 (火曜日) 23時05分
yokochanさんも苦労してましたんですねぇ。私の女房子供もクラシックなんて全然興味なしですよ。夫婦揃ってクラシック音楽の趣味をお持ちのある有名なご夫婦(といってもクラシックのホームページを持っておられるのは奥様)を存じ上げていて、懇意にさせていただいておりますので、その辺りの阿吽の呼吸は羨ましいと思っておりましたが。
ただ、私も「知らない」ことの快適さに、逆に慣れております。分からないことでも好きにさせてくれる愚妻の大らかさに感謝しておりますし、そんな家庭を『崩壊』させてはイカンという歯止めにもなっているんですね。
それでバランスがとれるんですよ。
浮世離れしているクラシック趣味は、まず身近な「ほかの人」への理解活動があって成り立つんで・・・。
ご参集の若人善人善女の皆様、連れ合い、彼、彼女がそういう趣味を持っていないということを決して嘆かず、最低「そういう趣味を持っているんだ、へぇ~」と思わせるくらいのところでよしとしましょう。
投稿: IANIS | 2008年4月30日 (水曜日) 14時08分
おお、妻帯者様のコメントを頂きました。長い文章をアリガトウございます。お返事というより、グダグダ書きます。
>>yokochanさん
真打登場です。
まー、クラヲタを必死で隠してもいずれかバレますけどね~。私なんか昔男の人に「アニメオタクなんでしょ?」と言われたことありまして、それからアキバには近づきません。クラヲタアニヲタ同じだと思われてたみたいで(いくらなんでもそれは・・・)。
しかし、yokochanさんは結婚前は奥様に合わせてたのですね!すごいなあ。アタシはムリだあ。ユーミン角松スタレビ・・・死にます。愛があるなあ。アタシは愛があっても無理。音楽は多分合わせられないので、せめて映画とかスポーツ観戦やうまいものめぐりなど他の部分でガマンでしてもらいたい。(←そのための多趣味)
アタシは、結構話したがりなんで最初からヲタがバレバレです。しかしクラシック全然わかんない相手なら「へー、そうなの、いい趣味だね」で済むんですが(だってこれ以上話進まないので別の話題になります)、めんどくさいのは中途半端にクラシック音楽に興味ある(学生時代ブラバンだったとか)人です。そういう人って自分のこと「クラシック結構詳しい」と思っているフシがあり・・・(あとはご想像通り)申し訳ない。
いや、夫婦どちらかがカタギでないと、やっぱりタイヘンでしょーよ。経済的にというより、もし奥さんがヒマだからって勝手にコンサート行ったら怒られそうだし。(自分の金で、黙って行けばいいのか?)
つか、まー私の場合は想像の域を出ないのですが・・・。
>>IANISさん
おお、IANISさんもそういったご家庭なのですね。
(しかし、お子さんを洗脳するとかはナイのですね? 私は別件ですが、ちょっと前に「おじいちゃんと中学生?の孫」でサントリーにきてて、マーラーとかシェーンベルクについて語り合ってたのを隣で見てて、それは非常に羨ましかったです。)
また、IANISさんもご理解のある奥様でらっしゃるのですね。私もそういう相手がいいなあと思います(い、いねー?)。勝手な理想ですが、相手も音楽でない何か全然違う趣味を持ってて(何度も言いますがアニメはダメです)、それにお付き合いできるような感じなら50:50でいい感じかなと。あくまで理想ですがね~。
投稿: naoping | 2008年4月30日 (水曜日) 20時43分