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2008年4月19日 (土曜日)

勧進帳&浮かれ心中

Pa0_0228 四月大歌舞伎(夜の部)・将軍江戸を去る/勧進帳/浮かれ心中
坂東三津五郎、中村橋之助、中村勘三郎、片岡仁左衛門、坂東玉三郎、中村七之助、中村時蔵、その他

(2008年4月19日・歌舞伎座)



今日は4月唯一のライブ(予定では)。

今月は勘三郎さんの出演、しかもテレビのワイドショーでも取り上げられるほど話題の「浮かれ心中」と歌舞伎十八番の人気演目「勧進帳」、しかも仁左衛門さん&玉三郎さんも出演となれば、土日とあれば満員も決まっており。

私の席は2階席の前から3番目、しかし左から3番目で花道はあまり見えず。何故か私の隣と斜め前の席はあいていた。勧進帳の途中で何故か券をゲットして私の隣に乱入してきたおじさん、かなりの歌舞伎マニアらしい風貌で「中村屋!」とか掛け声をかけてたが、いつも一テンポ遅れている。「遅れてますよ」とか注意したろーかと思ったが、しなかった。

近くの桟敷席の客で(高齢のおばはん方)、上演中とにかくずっと喋り捲ってた方がいまして。あの・・・ここお家じゃないんですけど。ワーグナー上演だったら周りに張り倒されてます、きっと。

「将軍江戸を去る」
三津五郎さんの徳川慶喜で、幕末もの。最初の場面はいかにも幕末っぽい感じの若者たちが出てきて(三津五郎さんのご子息の巳之助君も出演。似てるなー)、なかなか「萌え~」な感じだったのだが、実はそのあとの場面はちっとも面白くなかった(ごめんなさい)。なんでかな~?と考えたら、この演目全然「おはやし」類がない。あれ、音楽も踊りもないんですよ、歌舞伎なのに。私は「no music no life」な人なんで、音楽のないものには惹かれないのよ。

で、「勧進帳」。歌舞伎ファンにとっては人気の演目だけれど、実はナマで見るの初めて。音楽的に結構「ロック魂」を感じるほどカッコイイ。近隣のおじさまおばさまたちはリズム取っちゃうほどノリノリ。なんと表現したらいいのやら、あの音楽は素晴らしいと思った。カッコよくもコミカルな仁左衛門さんの弁慶、中性的な魅力たっぷりの玉三郎さんの義経、台詞回しも絶妙な勘三郎さんの富樫と役者が揃った演目でした。

最後はこれが目的で行った「浮かれ心中」。原作は井上ひさしの「手鎖心中」。

<テキトーなあらすじ>お金持ちのボンボンの栄太郎は、のちのちは家を継がなければならないのだが、実は人を笑わせるのが好きで絵草紙作家になりたいという夢を持っている。夢をかなえるため栄太郎自ら勘当を願い出たのだが、一年だけの勘当ということで問屋の一人娘おすずと祝言をあげ、絵草紙作家として活動。おすずには一年契約ということは黙っている。

彼は売れたいためにスキャンダルを色々おこすが、どれも今ひとつぱっとせず。栄太郎の友人の太助がぞっこんの吉原の花魁を彼のために身請けしてやる。そしてしまいにはこの花魁と狂言の「公開心中」を実行しようとするが、実はこの花魁と恋仲の大工の清六に見つかり、事情を知らない清六に二人は刺されてしまう。花魁は命をとりとめるが、栄太郎はあの世へ。自分の作品の中に登場するネズミちゃんに乗って天に昇っていく。

Pa0_0227 終始楽しい演目で、役者さんみんな楽しんでやっているようだ。七之助さんの女形は本当にキレイだが、現代の若者らしく小顔で背が高い。彼のおとうさん世代の人は歌舞伎っぽくみな顔が大きい。このギャップはうーん・・・・。

最後の、ネズミに乗ってチュー乗りの場面は勘三郎さんはノリノリでやってらしたが・・・正直、見てるほうはヒヤヒヤ。BGMは「イッツァスモールワールド」を三味線・太鼓や鐘で歌舞伎っぽく演奏。いやー、ネズミだから。

勘三郎さんの出演の演目はいつも楽しいのだが、年々席が取り辛くなるような。今年のコクーン歌舞伎は取れるかなー。心配。



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ちょっといろいろと疲れたので、コメント返し遅れますゴメンナサイ。

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コメント

 こんばんは。   
   
 おそらくご存知とは思いますが、若き日の 勘 三 郎 が映っています:   
   
  http://www.youtube.com/watch?v=XzqQLG5xz0U   
   
   
 別稿にルチア・ポップのことが書かれていましたが、(わたくしは歌もの・オペラに詳しくないものの)確かに写真などで目にする限り魅力的でしたね。     
 上と同じ動画サイトのことになりますが、下記のものを見ていると、わたくしには(どちらのスタイル・体型であれ)とても魅力的に感じますが:   
   
  http://www.youtube.com/watch?v=0y6GLqAjIik   
   
(ま、これは趣味のおしつけになりますが、HMさんでなくHOさんのコンサートについては、歌謡曲・フォーク・JPOPジャンルの中でわたくしが唯一行ったことあるというものでして・笑)   

投稿: クラシカルな某 | 2008年4月20日 (日曜日) 21時07分

>>クラシカルな某さん
今夜は最高!ですね。まあなんとカワイイ勘九郎さんなんでしょう。顔の大きさはやはりタモリさんに指摘されてますね。

太田裕美さんは懐かしいですね。「木綿のハンカチーフ」の頃はかなり私はかなり子供だったので(年バレますね)、あまり意味がわからなかったのですが、今聴くとグッときますね・・・遠距離恋愛の経験はないのですがね。


投稿: naoping | 2008年4月21日 (月曜日) 19時57分

手鎖心中・・・そうそう井上ひさしでした。
中高時代は井上ひさしをほとんど読破しておりました。
インパクトがあったのは「吉里吉里人」(きりきりじん)でした。壮大かつ馬鹿馬鹿しいフィナーレは傑作です。
だれかコミックオペラにして欲しいです。誰がいいのだろう、、、やっぱり青島広志さんだろうか。

投稿: ピースうさぎ | 2008年4月21日 (月曜日) 23時01分

>>ピースうさぎさん
こんばんは。「浮かれ心中」は、原作の「手鎖心中」が最後に心中で終わるのが寂しすぎるので勘三郎さんが脚本の人に「最後は華々しく宙乗りにして」と頼んだのです。凄く楽しい演出です。歌舞伎の古典でない作品は(馴染めない観客もいらっしゃるかもしれませんが)、冒険がいっぱいあって楽しいです。井上ひさし、実はあんまり読んだことないのですが、他の作品も面白そうですね。

投稿: naoping | 2008年4月22日 (火曜日) 22時19分

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