シャイー/抒情交響曲
ツェムリンスキー:抒情交響曲
アレクサンドラ・マルク(sop)、ホーカン・ハーゲゴード(Br)
リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
春ですなあ。
なんかこう、ちょっと春めいてまいりまして・・・誰が? いや何、会社がですね、昨日書いたようなことになってまして。いや、他にも色々ここには書けないことがあるんですけどね。人事総務課って、まあ、手続きとか計算とかめんどーくさいことも多いんですが、・・・たまーに他人の秘密に立ち入ることがある大変面白い仕事です。みんな色々あるんだよね~。
♪いいな、いいな、にんげんっていいな。
何でこう、みんな己の本能の赴くままに生きられるのでしょうかね。なんかこう、秘められたものってすごいですね。
うらやましい。どうもなかなかそういうふうにはなれないので(悲)。
突然ですが。
クラシック音楽におけるエロス!その最高峰は、やはりワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」だと一般的に言われてるんですが。
私は実演で「いやこれはエロイでっせ~~~」という演奏にであったことはないし(去年のバレちゃんのだってそうだ)、実はCDでも全くそんな気分にはならん。音楽的には最高に愛してるけどな。
なんせ長いのだ、やっぱり。ノーカットでやるにはアレは長すぎないか。そして理屈っぽくないか。あくまでワーグナーはワーグナーとして、「トリスタンはこうしたもの」みたいな気持ちでいつも聴いている。そしてトリスタンとイゾルデの二重唱はわたくし的にはあいつらがお互いの気持ちを激しく語り合ってるだけで、実際のところこの曲があくまで音楽的にはエロイと思うのはあいつらの歌ってるとこじゃなくてブランゲーネの「注意してくださーい。夜が明けますよー」と歌うトコだと思う。ふふっ。何故だと思う?
(何のブログだ。)
それでもって。やっぱりそういったエロスとか爛熟というかそんな気分を引き起こすのは世紀末ウィーンの作曲家ではないか。シェーンベルクやベルク、そしてツェムリンスキーではないか。そんな気がするのである。
ツェムリンスキーのこの「抒情交響曲」は再三このブログで取り上げてきた。こーゆー分野(どーゆー分野だ)ではナンバーワンだ、私にとっては。中でもこのシャイー盤はジャケットのエロさは素晴らしい。裸の女性が横たわっている。おお。
この曲の主題は、愛し合う大人の男女の別れのあとの深い余韻だと思う。
恨みっこなしで別れましょうね。こうなったのも、お互いのせい。
こんな心地よい余韻に浸りつつ、最後にバリトンはこんなふうに歌う。
穏やかに、わが心よ。別れの時を甘美にしよう。
それを死としないで 成就としよう。
愛を思い出のなかに、傷心は歌のなかに溶かしてしまおう。
お前の手の最後の感触は、夜の花のようにしとやかであっておくれ。
じっとしておくれ、じっとしておくれ、ほんの暫くのあいだ、ああ何と素晴らしい終局、そして沈黙をお前の最後のことばとしておくれ。
私はお前に別れのあいさつをし、お前の行く道を照らすために灯を高くかかげよう。
どうだ。やはり男女の仲というのはこういった感じに終わるものが一番ではないか。殴り合い・流血のケンカとかそういうのはなるべくなしにしたい。お互いをいたわりあいながら別れるのが一番である。夕べの君は素晴らしかった・・・とお互いを讃えあいながら・・・。
・・・などと、今日は単なる妄想でまとめてみました(恥)。
で。
本日紹介のシャイー盤はちょっとクールに大人の道ならぬ恋を表現。バーバラ・ボニーの元ダンナのハーゲゴードはシブイ大人の男性。うふ。(←何?)
過去記事:抒情交響曲(シノポリ)
グレゴルの抒情交響曲は意外と。
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コメント
>うらやましい。どうもなかなかそういうふうにはなれないので(悲)。
こっちも似たり寄ったりですよ~


しかし今の日本で叙情交響曲について語らせたらnaopingさんの右に出る人はいないんじゃないですか?毎回いろんな切り口で迫ってますね
考えてみたらこの曲もかなりのドラマですよね、ある愛が生まれてから消えるまでを文字通り愛情豊かに描いてますし、シャイー盤はその物語に陶酔しまくりですよね。
投稿: Shamshyraq | 2008年3月27日 (木曜日) 22時23分
>>Shamshyraqさん
こんにちは。
いやあ、この曲に関してはもっと深く精通している方は他にいるんじゃないかなあ。ただ、私はこの曲がすごく好きなだけです、「人魚姫」とともに。ツェムリンスキー自身も醜男だったり失恋したりとなんとなくぱっとしない人生だったし、音楽史的にはあまり目立たない存在だったりするとこがまた気になるとこかもしれません。
ま、なるったけ自分の想像力を豊かにしてエロいことを書こうとしたのですが、なかなかうまくいかないですね~。こーゆーのの才能はないかもと思ってしまいます。
投稿: naoping | 2008年3月29日 (土曜日) 10時32分
そっちの方の才能は持とうと思ってもなかなか持てないのですよ・・・単純なようでなかなか複雑怪奇で^^;
投稿: Shamshyraq | 2008年3月29日 (土曜日) 11時20分
naopingさん、はじめまして。stbhと申します。
しばらく前にリンクを張らせていただいたのですが、ご挨拶する機会をうかがっているうちに時間が経ってしまって、失礼いたしました。
この曲、私はマゼール/ベルリンの録音で馴染んでしまったせいか、今までそんなにエロいと思って聴いていませんでした。今度はそういう気分で聴いてみます…、って、初めてなのに変なコメントですみません。
今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
投稿: stbh | 2008年3月29日 (土曜日) 19時48分
>>stbhさん
こんにちは。コメントありがとうございます。こちらこそリンク貼らせていただいてすいません。
マゼールのは未聴なのですが、・・・うーん、マゼールの「ルル」を聴いて全然エロティックでもなんでもなかった(いまだに全部聴けてないのですが)ので、そんな感じかなあと勝手に想像しています。
こちらこそどうぞ宜しくお願いします。
投稿: naoping | 2008年3月30日 (日曜日) 11時35分
こんばんは。いまさら失礼します。
3末~4初は公私ともに忙しいっす。
地方オケも結局ひとつも行けず残念。
今年のプログラムは、客の入りをはなから無視したかのような、どシブさ。この時期は、難しいもんですね。時期を変えて継続して欲しいです。
さてさて、抒情交響曲。私も愛好の1曲は、シャイーとシノーポリのイタリア軍団が最高ですね。
新ウィーン楽派は、ご指摘の通り12音前はエロいともいえますよね。絵画でもクリムトをはじめとする分離派軍団も相当なエロさだし。
ウィーンに行って、世紀末ツアーをしてみたいものです。
投稿: yokochan | 2008年3月30日 (日曜日) 23時19分
>>yokochanさん
地方オケフェスいかれなかったのですね。大変残念です。私は何故かヒマなので3回も通ってしまいました・・・遠いのに(泣)。どの日もそれぞれ差がなく素晴らしかったです。券が安いのも魅力。
私がウィーンに行くと、モーツァルトやシューベルトなどの有名どころはほっといて新ウィーン楽派&分離派めぐりになってしまいます。いつも世紀末ツァー。またいつか行きたいです。
投稿: naoping | 2008年3月31日 (月曜日) 20時05分