群響/戦争レクイエム
ブリテン:戦争レクイエム
木下美穂子(ソプラノ)、吉田浩之(テノール)、福島明也(バリトン)
高関健指揮/群馬交響楽団・合唱団・高崎市立京ヶ島小学校合唱部
(地方都市オーケストラ・フェスティバル2008年・すみだトリフォニーホール)
過去記事:アルミンク/戦争レクイエム
今日のコンサート、いろんな予定がばたばたとなくなり急に行けることになりました。
朝は急に群馬の友達(群響とは別件)が上京してきたのでお茶をして、その足ですみトリへ。その途中すみトリに電話。当日券あるかどうか確かめたかったのだが、どうも電話が繋がらず。やっと繋がったと思ったら、係のおねいさんに「まだ、当日券が出るかどうかわかりません。2時半に当日券が出ましたら発売します。」とゆーことを言われた。行ってみなきゃわからんと。これは勝負だ。すみトリとの勝負。どうしていつも勝負というのは急にやってくるのだろう。勝負下着は着てないし・・・そんな急に部屋に来いなんて言われても困るわ。どうしてくれるの行ってみて券なかったら。
で、行ってみた。
なんと!1時半に行ったのに、もう5人並んでるし。しかも、相当の招待券が出てたらしく、当日券はその引取りが一通り終わってからみたいだった。結構私の後ろも並んでた。何この大盛況。
で、1階席27列めの席をやっとゲット。いやはや、必死だった。ということで満員でありました(ひえ~)。ご来場のかなりの人はタダなの?(私はA席で4500円だった)
開演前に指揮者の高関さん(イイ声だ)の曲目解説があり。「現代音楽だけどそんなに聴きにくいものじゃありませんよ」ということだったが、そんなこと言ってもなあ。
舞台に演奏者が揃い、しかしなかなか始まらない。ナンデカナ~?と思ったらハープの弦が切れちゃったのだという。やっと弦を張り(ハープ奏者のおねいさんは汗だくで手をパタパタやって扇いでた)、やっと始まり。どんまい。
で、オール日本人によるこの演奏は。
こないだのアルミンク指揮の素晴らしいメンバーによる演奏からたった2週間しか経ってない。しかも同じ場所。両方聴いてる人ももちろんいるんだろう。(日経新聞によるその日の批評は大変素晴らしいものであった・・・当然だが)
比べるのは申し訳ない。
しかし、今日の演奏も大変感銘深いものだった。アルミンクはメンバーからいえばある程度素晴らしいものになるということは予想はつく。でも今日は・・・正直予想がつかず。
やや感情を抑えつつどこまでも内面の美しさに徹したアルミンクの演奏に比べ、今日のは心のままのありったけをぶつけた演奏だったように思う。合唱団は勿論、栗友会さんの完璧な(外国へ持っていっても遜色ない)歌唱に比べたらピアニッシモな所はやや弱いかもれない。でも「怒りの日」とか強い部分は迫力でかなりクルものがあり感動してしまった。なんでなんだろうなこれは。
少年合唱を担当したのは高崎の小学校の合唱部だった。これがまー素晴らしかった。アルミンクの時の少年少女合唱隊は本当に澄んだ歌声で、天使が舞い降りてくるような感じだったが、今日の少年合唱は普通に子供らしい歌声で、またこれからドアの向こうにガス室が待っていて殺される寸前みたいな必死感があった(まー、本人たちは何に対して必死だったのかは知らないが)。こっちのほうがブリテンの思いには近かった気がする。
オケは、金管楽器がはじめはなんだかちょっと揃わなかったような気もしたけれど、高関さんの気迫溢れる指揮とあいまって良かった。
独唱者。アルミンクのときにややふるわなかったソプラノ・パートだが、今日の木下美穂子さんはさすがイタリア・オペラで活躍している方とあってふくよかなよく通る声を響かせていた。今回感動が増したのはソプラノが素晴らしかったせいもある。
吉田さん、福島さんも日本を代表する歌手の方なのでそれぞれ良かったけれど、とくに吉田さんは私の好きな歌手の方なので、良かったです。英国風というのとは違う意味で、リリックな美声でした。
沢山の観衆の前での演奏はやはり気合が違うらしく、そして聴いているほうも居心地の悪さもあまりなかったので今日は落ち着いて聴くことができました・・・まあ、途中で出て行く方も何人か見受けられ、私の前のご婦人はテノール&バリトンが「さあ、もう眠ろう」と歌ってたころにはもう既に爆睡。
小学生低学年?の男の子を連れてきた親御さんたちは「ねえ、これいつ終わるの?」と苦痛の叫び(小声で)を上げていたお子さんに対して困った顔をしていたが・・・正直連れてきたアンタらが悪いのだよ。
曲が終わって静寂のあと大拍手。ブラボーもなかなか多かった。
ロビーではヴァイオリンを抱えて燕尾服来た高崎ダルマを発売。ちょっと欲しかったけど1500円じゃなあ。
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コメント
こんばんは。はじめまして、hideoといいます。自分もトリフォニーで聞いてました。児童合唱、純朴な澄んだ声でほんとに良かったですね。戦争レクイエムは、まったく初めて聴いたので、退屈するかと思ってましたが、意外にも惹きこまれました。歌詞の意味がもっとよく解れば、もっと面白かったかも知れません。高関さんは指揮も良かったけど声も素敵でしたね。
投稿: hideo | 2008年3月24日 (月曜日) 23時01分
こんにちは。
高関さん!
前も書いたかもしれませんが、
7年位前、ブラームスのドイツレクイエムを高関さんの指揮でうたって以来のファンであります。(CDもってませんが)
演奏会後の合唱団の打ち上げに顔を出してくださり娘の頭をナデナデしてくれました。
音楽が情熱な面と知的な面のバランス感覚がすごくある人だと思いました。
日本の中堅指揮者ではナンバーワンだと思っています。機会があれば群馬まで聴きに行こうかな、と思っていたりします。
投稿: ピースうさぎ | 2008年3月26日 (水曜日) 17時32分
>>hideoさん
はじめまして!コメントありがとうございます。
戦争レクイエム、はじめて聴かれたのに退屈ではなかったということでなんとなくウレシイ(私はブリテンとは何の関係もありませんが)です。本当に良い演奏でした。児童合唱は3階席にいたのかな?私の席からは全く見えなかったので残念です。
演奏者が舞台いっぱいだったので、アルミンクの日も群響の日も字幕を置く場所がなかったのかな?と思いました。なんにしろ、私の周りは誰も対訳を追えてなかったので、それは残念でした。すみトリさんも考えて欲しいです。
>>ピースうさぎさん
こんにちは。
高関さん、私は初めて演奏を聴いたのですがピースうさぎさんのおっしゃるとおり情熱的にして知的な感じがしました。ほんとに素晴らしかったです。ピースうさぎさんは高関さんの指揮で歌われたことがあるのですね。
しかし、頂いたプログラム本によりますと高関さんは残念ながら3月31日をもって群響を退団されるようです。今後のことはとくに記述はなかったのですが。解説のお声がシブイでした。
投稿: naoping | 2008年3月26日 (水曜日) 20時59分
♪こんばんは。はじめまして。群響合唱団員です。歌が好き、合唱が好き、というレベルの人がそれでも300人近く集まって、のんびりかつ、あっけらかんと練習しているような合唱団です。人様からお金をいただいて聞いていただくなんて畏れ多いのですが・・・・。田舎のおばちゃん・おじちゃん合唱団です。私もその一人です。高関先生や楽団員、ソリストの皆様、そして、音楽と詩の持つ力で、なんとか歌いきることができました。高関先生、大好きです。20年近くも合唱団に入っていたのは、高関先生(と指導者の阿部先生)がいらっしゃたからです。また、帰ってきて欲しいと、心から思っています。演奏を聴いてくださってありがとうございました。
投稿: ノラ | 2008年4月18日 (金曜日) 21時55分
>>ノラさん
こんにちは!はじめまして、コメントありがとうございます。(実は、出演者の方のコメント頂けるのってすごく嬉しいのです。ブログやっててよかった~って思う瞬間。)
確かに・・・群響コーラスの方は中高年の方が何故か多いかな?と思いましたが、そんなこと感じないくらいの迫力のお声でした。今回、このコンサートたまたま聴かせて頂いて、高関先生やオケの方、合唱の方までとてもよい雰囲気で練習されてたんだなーということを感じました。東京にいるのでなかなか群馬までは・・・と思うのですが何か機会があったら群響&合唱団の方のコンサートを聴いてみたいと思いました。
投稿: naoping | 2008年4月19日 (土曜日) 09時30分