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2008年1月15日 (火曜日)

マルケヴィチ指揮/リリ・ブーランジェ集

P1000881リリ・ブーランジェ:「深き淵より」、「詩篇24&129」、「古い仏陀の踊り」、「ピエ・イエス」、ヴァイオリンとピアノのための3つの曲
オラリア・ドミンゲス(コントラルト)、ミシェル・セネシャル(テノール)
イーゴル・マルケヴィチ指揮/ラムルー管弦楽団
ユーディ・メニューヒン(ヴァイオリン)、クリフォード・カーゾン(ピアノ)


このところ寒いねえ。寒さには比較的強いつもりだったんだけど、このところの東京の寒さにはちょっとキレています(うぎゃあああ!!)、まー、何人たりとも寒いんですけどね。

そんな日は、間違いなくおでん。おでんはまあ今時はコンビニでも売ってるし、スーパーでも一人ぶんパックで売ってる。

でも今日はちゃんと、スーパーでおでんだね買って作ってみた。大根と手羽先も入れてねグツグツと。卵は入れなかった。
なんだかいつもよりハイグレートな感じのお高いセットだったので(なんか宮城県からやってきた水野水産ってとこのだった。有名なのかな?ちくわにバッチリ焼印とか入ってたし)びっくりするくらいうまかったす。実家の母の味を軽く凌駕。

P1000880 半分食べたあとですいませんが一応写真。






で。今日はおでんなんか暢気に食べている気分にはとてもなれない、リリ・ブーランジェの曲集。彼女の曲の録音では古典中の古典、マルケヴィチ盤だ。

過去記事:薄命女流作曲家Ⅱリリ・ブーランジェ

マルケヴィチは指揮者界でも一二を争うコワそうな容姿だが(で、1位って誰だ?)、ここではまさにそんなイメージどおりの演奏をする。

以前取り上げた、姉ナディア女史の指揮したものよりも、求心的というかことさら激しい演奏である。女性の作品であるという優美さはどこへ。最初の「深き淵より」など、ゾゾーと震えるほどコワイ。あたし、もしかしてなんか悪いことした?なんかした?というような。

なんやよくわからんけど、映画の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」やらフランキー堺主演(←古い)の「私は貝になりたい」とかの最後の処刑シーンとか思い出しちゃうよう。とにかく死と隣り合わせ感満載でなのである。オラリア・ドミンゲスの深い歌唱も素晴らしい。確かこの人、(指環の)エルダとか歌ってなかったっけ?どっかで。

それと(だいぶすっ飛ばして)、このCDの声楽曲の中でも静かながらフツフツとクルのはボーイ・ソプラノを起用した「ピエ・イエス」である。子供を使うなんて、これはもはや反則である。聴いていると色々なイメージが沸いてくる。もう余命いくばくもない(きっとこの子は小児ガンだと思う)、ベッドに横たわる少年の姿だったり、昨年上野の「ムンク展」で見た「病める子供」の絵とか。胸が締め付けられる。最後にアーメンとか言われちゃうし。

そんな息もつかせないほどの緊張感溢れる声楽曲のあとに、ヴァイオリンの気の利いた小曲がちょろっと聴けるのはちょっとほっとする。しかも名手メニューインが弾いている。
1、夜想曲
2、行列(?)
3、春の朝に

一曲目は優雅で優しい夜のイメージ。二曲目は陽気にステップ踏んでる感じ。彼女にもこんな曲があったのか~。三曲目は「ああ、この人フランス人だったのね」と思い出す、印象派っぽい曲。しかし後半はどんどん激しくなり、アンコールとかで弾いたらばっちり決まりそう。ま、メニューインだからうまいに決まっているけど、ホントに聞き惚れてしまう。短い曲だが。



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コメント

こんばんは。
いやはや寒いですな。我が家でも帰宅すると、「おでん」でしたよ。家族は食べ終わって、一人寂しくおでん、これがいい。
当然お酒に燗をしてキュキュと一杯。堪りませんな。

おっと、それはそうと、ブーランジェ女史はまだ聞いたことがないのですが、このCDの顔ぶれはスゴイですね。
ドミンゲスはカラヤンのリングに出てましたし、カーゾンは抒情派のモーツァルト弾きじゃあないですか!
最近、飛ばしてますねぇ!

投稿: yokochan | 2008年1月15日 (火曜日) 23時49分

こんにちは。
私はこのアルバムの最初に収められた「深き淵より」を初めて聴いたとき、
「ひーっ!リリブー怖い!!」と叫んでしまったです。
気の小さいボクをあんまり怖がらせないで欲しいデス。
そのまんまホラー映画のサウンドトラックに使えそう。
深夜に部屋を暗くして聴くとおしっこちびりそうになります。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2008年1月16日 (水曜日) 19時32分

>>yokochanさん
こんばんは。今日は二日目のおでんです。味が染みてうまいです。おもちの入った油揚げ最高です。

おや、ブーランジェまだお聴きでないですか。是非オススメです・・・といってもこのマルケヴィチ盤は廃盤みたいですが、他に色々と録音が出ているようです。病弱な女性の作品だと思うとぶっ飛びます。


>>木曽さん
そうそう、確かにコワイです。とくにこのマルケヴィチの録音はなんだか優美さとか流麗さとかそういうのがまるでないです。いと深き淵からゾンビが出てきそう・・・?!
このCDはあまり何回も聴きたくはないですが、リリブーは(あまたいる)好きな作曲家の一人には違いないです。

投稿: naoping | 2008年1月16日 (水曜日) 20時02分

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