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2008年1月31日 (木曜日)

シマノフスキ/ハルナシー

シマノフスキ:「ハルナシー」
Andrzej Bachleda(tenor) Wieslaw Kwasny(viorin)
クラコウ・ポーランド放送合唱団
アントニー・ヴィット指揮/ポーランド国立放送交響楽団

過去記事:シマノフスキ「夜の歌」

Gyouza いやー、恐ええわ、餃子。おそるべし。
今時、何を信じたらいいのかわからない。JTなんてバリバリの日本大企業の冷凍食品なのに、あんなことに。加ト吉、味の素までそうですか。商品一覧見たら、結構食べたことありそうなのあったんだよね。味の素冷凍食品のCMやってた慎吾ちゃん大丈夫かなあ。

中国っていえば。

何年か前、私は大久保のアジアンな食料品屋でよく買い物をしていた。見るからに怪しそうな店構えである(すみとりの向かいにもそういう店あるね、以前書いたけど。コンサートの帰り必ず寄ります)。冷凍食品の餃子やシュウマイ、肉まん、ちまきなど。思いっきり中国の工場で製造していた。見まごうことなき中国製。パッケージだってめちゃめちゃ中国語だったしさー。たまにへんてこな日本語で調理法とか書いてあったっけ。

でも、食べたけどなんともなかったし、破格に安かったけどまーまー美味しかった。今考えると私、チャレンジャーだったなあ。もしかして小龍包にダンボール紙入ってたかもしんないのによー。



さて、時事ネタはこれくらいにして。


今日は、取り上げると意外と(反響にびっくりよ)隠れファンの多い作曲家シマノフスキの、パントマイム音楽。
シマノフスキの音楽の何がいいのか、何がそんなに心惹かれるのかな・・・と考えるのだが・・・何と言ったらいいのか。ノスタルジーとエキゾティシズムに溢れた漆黒の音楽といっていいのか。おそらく一度その音楽に触れたら「何か、他の作曲家と違う」と強い印象を受けるだろう。

この「ハルナシー」(ハルナシェ?)という音楽も、一度聴いたら絶対もう一回聴きたくなる(と思う)。舞踊音楽ながら心に深く食い込む感じ。

あらすじは実はよくわからないが。曲目はこんな感じ。
(自分で訳したので大丈夫かしらー。違ったら教えてちょ)
第一場
1.プレリュードといなかのシーン
2.パントマイムのシーン
3.泥棒のマーチ
4.パントマイムのシーン
5.泥棒のダンス
第二場
6a.婚礼
6b.花嫁の入場
6c.よっぱらいの歌
7.高地の住人によるダンス
8.高地の泥棒による入場とダンス
第三場
9.山の牧草地

愛国者の農夫を主人公にした3幕のバレエ-パントマイムへの付随音楽で作曲者とジェルジ・ミチスラフ・リタード(Jerzy Mieczyslaw Rytard)の台本による。テノール独唱と混声合唱がオーケストラに加わる。タトラ地方の民俗音楽が盛り込まれた創作第3期に属する作品。 (ウィキペディアより)

あまり参考にする文献がウチにないので、ウィキを参考にしますと、シマノフスキは1921年にストラヴィンスキーに再会したときに彼がピアノで演奏した「結婚」に衝撃を受けた、とある。

なんとなく、上の題名とかもストラヴィンスキーっぽいなあ(ペトルーシュカとかに似てる)とか思ったが、やっぱりストラヴィンスキーの影響を受けているかと思う。民俗音楽をふんだんに取り入れたやや土着的な雰囲気が「結婚」にも似てるかも。実際に舞台上演するんだとどうなのかなあと思うくらい(踊るのにうるさくねー?)、音楽が充実している。また、ポーランド語のテノール独唱や合唱も心惹かれるものがある。

シマノフスキ、深めてみたいなあと思いつつ、結構上記の2枚組で満足してしまうのだが、どうでしょう。交響曲が3曲入り、このお値段でかなりクォリティ高いと思います。お気に入りのセットです。

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2008年1月29日 (火曜日)

作曲コンクールと私

週刊マイ・ミュージック・スタジオ全国版 2008年2月12日号 こんにちは。

最近コマーシャルでやってる、デアゴスティーニの「週刊マイミュージックスタジオ」だが。自分で作曲した曲を簡単に色んな楽器の音で音楽にすることができるらしい(よくわからんが)。

そのコマーシャルで流れる音楽ってのはイージーリスニング調なんだけど、もしかしてクラシックっぽいものも作れるのかしら~?

まー、今時シロートが作曲って言ってもねえ、この世で作られるメロディってもう全部作られてしまっているって言っていい。だって、最近の曲っていつも「これ、10年くらい前の○○が歌ってた歌とメロディが似てる」って思うもん。

だもんで、ワタクシ的にはコレをもし自分で扱えるとしたら、シェーンベルクの出来の悪い弟子みたいな感じで、12音音楽っぽいものを作ってみたい。(どういうもんなんだかわからないのだが、それっぽく)



そんな私だが、過去に作曲したのって一回くらい。

小学校高学年か中学校の時(あまりに昔のことで忘れた)。
ある日音楽の授業の時何の前触れもなく、先生がヘンな詩のようなものを黒板に書き始めた。「これに曲をつけてください」と先生。

詩はあまり覚えてないが、内容は「夕方に自転車で走ってたら夕焼けが綺麗だった」みたいな感じだったと思う。

これまで作曲って全然したことなかったので、かなり悪戦苦闘した。歌詞の中の「ごらんよ~」とかいうのがポイントかなと思って色々頭をひねったので、ここんとこだけメロディは今も覚えている。

で、提出。その後何日かして音楽の先生に廊下で会って、「こないだ、あなたの作曲した曲を、学校代表として区のコンクールに出すことにしたから」と言われた。学年でたった一人だという。

へええ。そんなもんか。ま、一応歌っぽくなってたもんね。


で、また何ヶ月かして。すっかりそのことは忘れてたのだが、音楽の先生にある日「あ、こないだの曲は残念ながら落ちてしまったわ」と言われた。しかし別にガッカリもしなかった。絵とかだったらどこかに展示されるってこともあるけれど、音楽だとそんなこともないから実感としては薄いよねえ。


で、そのことはまた忘れてて、1年後。

またその作曲コンクールが催されたらしく、ウチの学校の別の学年の生徒が入賞(だか優勝だか忘れた)したというビッグニュースが入った。

学校大喜び。

しかし。

私は、その時だけは「自分が1年前入賞してなくて本当によかった」と心から思った。

その入賞した女の子は、ある日の朝礼で、全校生徒の前でピアノ伴奏テープとともに、朝礼台の上で自分の歌を歌わされたのである。

たった一人で。

しかも、彼女が作曲させられた歌詞というのが、私が作曲したようなノーマルなものではなく、(具体的な歌詞はもちろん覚えてないが)「パンが大好きパンパカパーン」とか「一口食べるとオッペケペー」とか、とても公衆の面前で歌えるような感じの歌詞ではなかったのである。ハズカシイ。

しかし、彼女は堂々と歌いきった。スゲー心臓だと思った。



あたしにはできない。




あたしだったらきっと、お人よしだから

先生「入賞したから、次の朝礼で歌ってね」
あたし「え~!?ウソでしょう?そんなのムリです!できませんよ一人で歌を歌うなんて!」
先生「・・・でも、決まりだから、頼むわね」


などと言いくるめられ、きっと当日まで悩みに悩み続け、熱出して寝込んでしまうか、屋上から飛び降りることを考えたりするかもしれない。

自分は美大を受けたり、絵画展に出品したりしてたから、落ちたり受かったり今まで色々あったけれど・・・

ああ、落選してて良かった~と心から思ったのはこの時だけである。




・・・というお話でした!

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2008年1月27日 (日曜日)

飯守さんのナクソス島のアリアドネ

Pa0_0215 関西二期会東京公演
R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」
蔵田裕行(執事)、荻原寛明(音楽教師)、福原寿美枝(作曲家)、竹田昌弘(テノール歌手/バッカス)、日紫喜恵美(ツェルビネッタ)、畑田弘美(プリマドンナ/アリアドネ)、大谷圭介(ハルレキン)、その他
飯守泰次郎指揮/関西フィルハーモニー管弦楽団
(新国立劇場・中劇場 2008年1月27日)







あー、ついに行ってきました、アリアドネ。本年初オペラ。

実は、一回目の公演を色々他のblogを見たところ、いつもお世話になってますyokochanさんはかなり好意的に書かれていたのですが、他の方は・・・・・・結構そーでもなかったので、ちょっぴりダークな気分で臨んだのですが・・・。

結局、そんなに恐れることはありませんでした。
とてもよかったです、ワタクシ的には。感動しました。

Pa0_0216_2 中劇場、行ったのは3~4度目かな? 小さいホールなのでまあ、どこの席でもきっと見やすいかと。私は前から7列目くらい、右端に近い席でした。

舞台は、普通にオーソドックスな感じ。現代風にもどんなにもできそうなオペラですが、衣装もセットもト書きどおりな雰囲気。冒険はしてないね。

舞台前方に波とか貝の飾りがくっついてたのがかわいかった。オペラの時に、貝の後ろにろうそくをつけるようになってたんだね。

で、まー飯守さんの指揮ですが、実は私オケピットに入ってる飯守さん初めて見たのですが、途中は舞台に気を取られてちょっと忘れてたくらいでした。おそらくテンポに違和感がなかったからでしょう。

どこかのblogで「関西フィルの音がうすっぺらくて気になった」と書かれてたのを読んだのですが、36人くらいなんだから仕方ないと思う(まあ、そんなことわかってて書かれてたのだろうと思うが)。はじめのほうこそオケがなんだか揃ってなかったり、ばらけていた気はしたのですが、あとのほうは気にならなかったです。

歌手のみなさんは大健闘だったと思います。ただ、コメディアデラルテの役の方々は、どうしても身軽に踊ったり動きながらも指揮を見て、しかも合わせるのが大変なパートということで、なんだか大変そうな感じが観客に伝わってきてしまうのが残念でした(ヨイショ、ドッコイショ、みたいな)。まあ、そんなもんなのかなあ。声を響かせるオペラ歌手が身軽っていうのはそもそもムリでしょうがね。

ツェルビネッタの役というもの、オペラ史上最も歌うの難しい役なのに「あら、私こんなの歌うのなんでもないわ」という顔で身軽に演じなきゃならない。残酷な役です。この役の日紫喜さんもなんだかとっても気の毒な気がし(あくまで私が思っただけですが)、あの長大なアリアを歌っている最中も心の中で『がんばれ、がんばれ』って応援してしまいました。まあ、最高音はちょぴり悲鳴っぽくなってしまった気はしますが、一人ぼっちの舞台でよく頑張ったと思う。終わったとたんにブラヴォーをもらい、カーテンコール時にも大喝采で、彼女涙ぐんでいらした。きっと東京の地で大プレッシャーだったんだろうな。

一番良かったなあと思ったのは、作曲家役の福原さんで、ズボン役ってことで何かとオトクな感じの役だけれど、声もよく響いていたし、何よりとても可愛かった。ちょっと私ほれてしまいました。歌うの前半だけだから、ちょっと悲しかったです。この歌手、もう二度と聴く事ないんだなあと思ったらなんだか寂しくなった。

アリアドネ役の畑田さんも、ややハスキーな感じもしたけど声はよく響いていたし良かったと思います・・・ちょっと声がリザネクっぽかったかな?と私は思いました(違いますかね)。テノール歌手の竹田さんも、プロローグの時は「こんなのつかえねーよ」とか言ってかつらぶん投げていましたが(←いや、そういう役だってば)、いざオペラになるとかっこよくやってました。大きなお船に乗って出てきたのでびっくりしました。愛し合う2人は最後はセリに乗って上に上がってきました。最後、なかなかきらびやかな舞台。

あんな人数少ないオケなのに、最後はちょっとだけ「影の無い女」みたいだな、と思いました。だって同じ作曲家だもんねえ。

チョイ役のはずの3人の女の人たち(エコー、ナヤーデ、ドリャーデ)も、なんだか活躍してはりました。「赤い毛糸だま」のようなものがオペラでは活躍するのですが(おそらく運命の赤い糸みたいなのを象徴)、ツェルビネッタがアリアのときにあちこち散らばしたものを、3人で歌いながらくるくる後片付けしていて、大変そうでした。これって「神々のたそがれ」の3人のノルンにを思い出したりした。

終わったあとの拍手はなかなか熱狂的で、ブラヴォーもたくさんでしたけど、観客に一人だけ飯守さんにブーを言ってた男がおり(本当に声だけ聞いたかぎり一人だけだった)、その勇気にブラヴォーを贈りたい。なわけない。



Pa0_0217 開演前に行った「めん屋桔梗」。

いつもラーメンはオペラシティ内のラーメン屋に行ってたのだけれど、安い早いだけであまりにもチープな味に閉口してた(まあ、便利っちゃー便利だが)。

煮玉子ラーメンを食した。しょうゆ味。麺は細いのと太いのと選ぶ。

スープはこってりお魚系。こういうのが好きな人は好きかも。ちゃんとだしを取っている感じ。ざるラーメンが名物らしく、みんな頼んでいた。ちょっと駅から離れているけれど、なかなか人はいっぱいになってた。

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2008年1月26日 (土曜日)

ベルティーニ/マーラー:交響曲第3番

P1000892 マーラー:交響曲第3番
グウェンドリン・キルレブルー(コントラルト)
ボン・コレギウム・ヨゼフィーヌム児童合唱団・西部ドイツ放送及びバイエルン放送女声合唱団
ガリー・ベルティーニ指揮/ケルン放送交響楽団





ビム!バム!
ベム!ベラ!ベロ!
・・・妖怪人間。

こんにちは。
今日はマーラーだよ。

昨日は、正月休みに(ウィーン好きの私の口車にまんまとのせられて)ウィーンへ行ってきた友人(クラヲタじゃないのに、有難くもこのブログの読者でもある)と会いまして、お土産を頂きました。モーツァルト・クーゲルや絵葉書など。ありがとうございます。

過去記事:ウィーンの思い出<J・シュトラウス編>

コルンゴルト・ポリュクラテスの指輪

でも、一番嬉しかったのはこれ。

P1000891 月刊ウィーン。ウィーン旅行マニアのヤパーナー(ヤパーネリン)だったら知らぬ者はないと思う。日本人観光客にとっての大のお役立ち雑誌なのである。(Free)

ウィーンの地下鉄路線図&地図はもちろん、ウィーンで開かれるオペラやコンサートの情報が日本語で載っているからなんともありがたい。・・・とはいうものの、私はウィーンでは国立歌劇場しか行ったことないので、他のコンサート情報は今までの旅では無用だったんだけど。(ウィーンではオペラ以外はシュテファン大聖堂のオンチな司祭の歌しか聴いたことナイ。ウィーンなのになんでオンチなんだよ~)

そんな「月刊ウィーン」で見た1月中のオペラのスケジュールっつーと。気になったのは国立歌劇場でのティーレマン指揮のマイスタージンガーくらいであとは普通ナリ。アタシ的にはどっちかっつーとアンデアウィーン劇場でのプーランクの「カルメル派修道女の対話」が大いに興味をそそる。ギロチン処刑シーンがちとコワイけど。



さて、ウィーンといえばマーラー(←強引)。私にとって二番目くらいに好きな交響曲である。一番は8番。カステラ一番電話は二番。

で、3番で一番思い出の深いCDはこのベルティーニ。何を隠そう遠い昔にベルティーニの指揮・NHK交響楽団の定期でこの曲を聴きに行きまして、あまりの感動にすぐにこのCDを買いに行ったのです。

過去記事:バルビローリ・マーラー3番

おそらく、世の中のマーラー・ファンの好きな交響曲はやはり9番がトップ、2番目は6番とか5番で、ちょっとマニアックに7番とかが最近は人気かな、とも思うのですが、誰にでも受け入れやすく聴いていて幸せな気分になり最後は感動的そして演奏時間も長い3番は私は大好きです。そしてこのベルティーニ盤は最高だと思う(まあ、そんなに色々聴いてるわけではないが)。

ところで話は変るけど、ふとこのCDのうらっかわの楽章説明を見て、なんだか自分が悲しくなった。

第4楽章 きわめてゆるやかに
(神秘的に 一貫してppp)

このPPPが一瞬なんだっけか?と思うくらい、私はここ何年も楽譜を使ってないということに気が付いた。

一貫してppp ・・・ピーピーピーって下痢?
とか
それじゃあ楽章が終わったらトイレに555
とか
あんまり退屈な演奏だから一貫してzzz
とか
下らないことを考えてしまい、いかんなあこんなblogやってるのに、スコアでも買ってお勉強したほうがいいかなあとか思いました。

・・・ホントくだらねぇや。





Book Mahler: Symphony No. 3 (Cambridge Music Handbooks)

著者:Peter Franklin
販売元:Cambridge Univ Pr (Txp)
Amazon.co.jpで詳細を確認する



Book Symphony No. 3 in d Minor for Alto Solo, Choirs and Orchestra

著者:Gustav Mahler
販売元:Dover Pubns
Amazon.co.jpで詳細を確認する




Book スコア マーラー/交響曲 第3番 (Zen‐on score)

著者:マーラー
販売元:全音楽譜出版社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


Book OGTー1468 マーラー 交響曲第3番

販売元:音楽之友社
Amazon.co.jpで詳細を確認する



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2008年1月24日 (木曜日)

ブリス/チェロ協奏曲

P1000888 ブリス:チェロとオーケストラのための協奏曲
ロバート・コーエン(チェロ)、バリー・ワーズワース指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団




こんにちは。

例によってテレビの話で恐縮です。「いきなり!黄金伝説。ご当地(秘)珍グルメ50食べ尽くせ」を夕飯を食べながら見てたのだが、一気に食欲を失う品揃え。トンカツパフェ(写真)、イチゴパスタ、イチゴそうめん、トマト大福、ひつまぶしアイス、うなぎケーキ・・・うえ~、ただただ珍しいというだけで美味しそうという感覚とはほど遠い。いや、私ムリだから。

Pafeb








(チュートリアルさんたちによると、意外と美味しいとのコメント。)



で。

このblogもこのところ珍しいものオンパレード(でしょ?)。そしてそれにつれてどんどんとランキングの順位も下がってくる(うああああ)。でも、ウチにあるCDは大半こんなだぜえ。自分でも軽くヒクがな。しかも今日はイギリスもの。いや~、あからさまにアクセス数減るし。ここ2~3日はアクセス数は世界一小さい人、リアル・ウンパルンパの何平平くんに助けられとるけども。

いや、好きなものを聴けばいいのだ。

ブリスは、このblogでは映画音楽のカテゴリーで登場した作曲家。作風としてはいかにもエルガーの影響もありイギリスらしい典雅な感じと、ストラヴィンスキーやドビュッシーなどを思わせるモダンな感じがミックスしてなんともイイ感じである。

過去記事:H.G.ウェルズ「来るべき世界」

私はブリスの作品では勇壮でダイナミックな曲よりも、控えめでチャーミングな曲に何故か心惹かれる。例えば、「来るべき世界」の「バレエ」と呼ばれる部分(映画で言えば子供たちがクリスマスツリーに群がるシーン)とか、「ジョン・ブロウの主題による変奏曲(瞑想)」だと4曲目とかなー。カワユス。

今日は「日本で演奏されたことあんのかよこれ」という感じのブリスのチェロ協奏曲。デッカから出てる(出てた)ブリス作品集2枚組からの一曲である。

イギリス製のチェロ・コンといえば、名実ともにエルガーがトップだということは誰もがご存知だ。聴くも涙語るも涙の(?)エルガー・チェロ・コンとはまるで作風が違うこのブリスの曲はもっと近代的、軽快でチャーミングである。耳に心地よい不協和音。いろんな音楽のコラージュみたいな。・・・チェロコンにド演歌みたいなのを求める方には「なんじゃ映画音楽みてえだなあ」と思われるかもしれん。

第1楽章 Allegro deciso 
いかにもブリスらしいかなという展開から、途中エルガーのチェロコンを思わせるピッツイカート、そのあとのチェレスタ?の夢見がちな感じが素敵。
第2楽章 Larghett さわやかな木管の合奏で始まる。耳に親しみやすい旋律。
第3楽章 Allegro ティンパニーに続きいかにもチェロ協奏曲っぽい独奏で始まる。チェロ奏者の聞かせどころかもしれん。

この曲はロストロポーヴィチのために作曲され、ブリテン指揮によりオールドバラ音楽祭で初演された。ブリスの言葉によると「聴くほうはなんでもない。ただし弾くほうは大変だ」と。結構難しい曲のようだ。しかし、当時あんまりぱっとしなかったようで、現在もさっぱりこんな感じ(どんな感じ?)。CDは出てる。たやすく手に入るかどうかは知らないけども。

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2008年1月22日 (火曜日)

ラーション/偽装の神

P1000887ラーシュ=エリック・ラーション:カンタータ「偽装の神」(姿を変えた神)
  エリーサベト・セーデルストレム (ソプラノ) エーリク・セデーン (バリトン) ラーシュ・エークボリ (語り)
  スティーグ・ヴェステルベリ指揮/マッティン・リスタム・ヴォーカルアンサンブル ストックホルム放送交響楽団

(スウェーデン協会 1956年録音)

過去記事:ラーシュ=エリック・ラーション作品集 


今日は、ほのぼの癒し系と無調不安系の二つの顔を持つ男、スウェーデンのナゾの作曲家ラーションの声楽曲をいってみよう。

ところで、何、偽装て。それは。最近耳慣れた言葉ナリ。
もしかしてこれって「赤福の神」だったり「白い恋人の神」だったり、「ミートホープの神」だったりするわけですか?それとも「船場吉兆の神」と称して、横からコソコソ声で「頭が真っ白になったと言え」とかささやいたりするわけでしょうか。

いや、そんなことはないです。そんな偽装に満ちた陰鬱な曲ではありませぬ。
この曲についてはいつも参考にさせて頂いている、大束省三先生のご本「北欧音楽入門」(音楽の友社)に詳しいので、ちょっと引用させて頂きますと。

スウェーデン・ラジオ(放送局)から、当時すでにそのドラマ部門の長だったヤルマル・グッルベリの一連の物語詩、「偽装の神」の音楽の作曲について話があったのは1930年のことだった。ラーションはそれまでグッルベリとのいくつかの共同作業で成功していたが、今度の作品は規模が大きいので、書き始めたときには1940年になっていた。当時、デンマークとノルウェーはナチス・ドイツ軍に占領され、国民は塗炭の苦しみを嘗めていた。スウェーデンは中立政策を保持していたが、綱渡りの中立と言われる深刻な環境の中にあった。ストックホルムからのこのラジオ電波はこの両国は容易に聴き取れ、十分理解されるに違いない。海を挟んだフィンランドにもスウェーデン語を理解できる人はたくさんいる。この状況下でグッベルリは原稿の冒頭に五行詩を加えた。


この世の強き者のためではなく、弱き者のために
戦士のためではなく、農夫たちのために
不平も言わず その土地を耕した・・・
ひとりの神は笛を吹く
それはギリシャの物語


・・・というように、当時ナチの弾圧に苦しめられた北欧の人々を力づけることになったであろうこの曲は、ラーションの癒し系作曲家としての顔を見せている。

全部で31分ほどの曲。
冒頭から心動かされる暖かい旋律のホルンと弦楽によって始まり、ラジオ用の音楽っぽくさきほどの五行詩のナレーションが入るが、これがまたスウェーデン語なもんで(当たり前だが)、どこか知らない遠い国に行った感じがしてとても心地よい・・・もちろんスウェーデン語は私はわからないが(解説書に英語訳あり)。ラジオ放送音楽ということで万人にわかりやすいよう、メロディは全体に牧歌的でとても親しみやすい。たまにちょっぴり水戸黄門っぽい音楽になるときがある(←私だけ?)。

ここではスウェーデンの国際的名歌手、セーデルストレム (ゼーダーシュトレム)がいかにも北欧らしい清らかな声を聴かせている。彼女は同じスウェーデン協会レーベルでスウェーデンの作曲家による歌曲集のCDを出していて、それもとっても素敵であります。ああ、これもいつかご紹介しましょうね。大好きスウェーデン協会。

えーと、「偽装の神」はこんな感じで親しみやすいのに、CD後半から聴かれる合唱曲「ミサ・ブレヴィス」はまたしても「え」と声を出してしまう。作風また変ったぞ、オイ。今度はシェーンベルクの合唱曲みたいだ(冒頭は何故か「地には平和」にすごーく似てる)。これはこれで私は好きだ。



↓「偽装の神」は、これとは別の演奏だけど、手に入る。

Music Lars-Erik Larsson: God in Disguise

販売元:Intim Musik
発売日:2003/06/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2008年1月20日 (日曜日)

ミトロプーロス/ヴォツェック

P1000886 ベルク:歌劇「ヴォツェック」
マック・ハーレル(ヴォツェック)、アイリーン・ファーレル(マリー)、他
ディミトリ・ミトロプーロス指揮/ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団、その他


今日は、家で韓国料理の「サムゲタン」(鶏のスープ)を作ってみました。といっても、本式に作ると朝鮮人参だのの漢方薬を入れたり、圧力鍋で煮たりとか色々あるのですが、こないだ おネエMANSで炊飯器で作る作り方をやってたので、それを参考にル・クルーゼで作成(ウチには炊飯器がない)。材料は、骨付き鶏肉、ニンニク、赤飯、むき甘栗、塩コショウ、ごま油、水。

しかし、何年か前に麻布十番の「グレイス」で食べた本式のとは似ても似つかぬ感じ。やっぱり朝鮮人参ないとダメかなあ。

でもまあ、これはこれで・・・美味しかったです。手羽先&手羽元だけで安価にできたし。鶏ガラのエキスたっぷりだし、コラーゲンたっぷりでお肌にもよさそうだし。(なんだか出来上がりが貧相だったので、写真なし)

さて。

本日はまたしてもヴォツェック。今回はこの曲にぴったりな感じのするミトロプーロスである。これは現在廃盤のようだ。アマゾンでは最高19800円という高値が付けられ・・・買う人いんのかな?

この曲のアメリカの初演は、ここらへんの曲のアメリカ初演の常連のストコフスキー(1931年)。千人の交響曲、グレの歌、アルプス交響曲・・・などもストコフスキーらしい。

で、このミトプーのヴォツェックで、マリーを歌っているアイリーン・ファーレルだが、このblogでは佐渡裕さんの守護霊でお馴染みのトスカニーニの第九でソロ歌手として参加していたり、ワーグナーやヴェルディのオペラのアリア集を出してたりする一方、アマゾンで検索するとどっちかと言うとジャズとかブルースの歌手としてのCDが多い。

とっても不思議。ジャズでもクラシックでもジャケット写真見ると同じ人のようである。もしかして声質的になんですけど、この方は黒人系なのかしらん。ナゾなのだわ、ずっと。


そんな彼女、このヴォツェックでの歌唱はとても素晴らしい。多少ジャジーな雰囲気もある(ベルクの音楽はそういった傾向も多少あるから親しみやすいのかもと私は思う)ヴォツェックだから、たまにジャズっぽい歌い方になっても違和感はない。

逆に、ジャズ系のときの彼女の歌唱はなんだか昔のペギー葉山さんみたいな歌声である。♪な~んごく~土佐を~あとに~し~て~♪みたいな。

外国アマゾンで試聴できる。
http://www.amazon.com/My-Very-Best-Harold-Arlen/dp/B00000159Q/ref=m_art_li_9

他の歌手についてはあまりよくわからない。つか、知らない。みんなそれなりにうまい。

演奏は、ミトロプーロス指揮のNYPだけあって、ライヴなのにこの難曲を破綻をきたすことなく演奏している・・・当たり前か。古典的な演奏と思うベームやアバドに比べれば鋭角的な演奏だけども、それほど狂気に満ちた演奏というわけでもない・・・ケーゲルなんかと比べても。

録音は1951年?と思うが、モノラルでライブということで普通のレベルではないだろうか。「ヴォツェック」では他に気になるものとして、ティート・ゴッビがイタリア語で歌ったもの、また英語で歌われたシャンドス盤があり、イタリア語はまだしも英語ってキモチワルそう。誰か聞いた人いませんか?



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お陰様で、最近やっとエド・はるみさんに慣れてきました。
そんな私にクリック、グーググー。

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ガリベン!クラシック編など

寒いため、出不精になっていてテレビばっかり見ているような気がするので、最近みたテレビ番組で印象に残ったものなど。

勉強してきましたクイズ ガリベン!

この番組、前は深夜にやっていたようで、たまに土日に再放送してたのを見ていた。毎回一定のテーマを与えられ、回答者が死に物狂いで?勉強してクイズに挑むから、出題はなかなか高度である・・・一般的には。
(昨日やってたのは「体について」であったけれどこれも面白かったし、勉強になった。)

それが、先週日曜だか深夜枠の再放送で「クラシック音楽」ってテーマでやってたので、楽しく見ていた。私はほぼ全問正解であった。つか、ここに来ているお客さんは全問わかるよ、こんなの。曲名当てなんて、赤子の手をひねるようなもんで(←慣用句あってない?)、「アルルの女」とか「G線上のアリア」とかのレベルだぜえ。

私は、「初めて指揮棒を使った指揮者は誰?」ってのだけ知らなかったわ。ま、そんなこと知らなくてもいいし。

で、まー考えさせられたのは、「クラシック好きの男が、クラシックのコンサートはじめての彼女を連れて行く(そしてウンチクたれまくる)」という寸劇である。こういったシチュエーションは私にはほぼないので(女だから)、色々想像するものがある。この彼氏(俳優さん)がイケメンだからきっと「ええっ?そんなことも知っているのぅお~?? ○○さんて物知り~~!」と感動するふりをすることもできようが、普通だったら「け、何 知識ひけらかしてんの。知ったかぶりするんじゃないわよ!」と(口には出さないけど)思うかもしれない。いや、私が詳しいからって意味じゃなくて、一般女性の立場から言ってだわよ、あくまで。

ま、あの寸劇を見て思ったんだけど、私だったら、演奏会後に「演奏中に話しかけるな!このボケ!」と怒って帰ると思う。だって、指揮者の指揮を見ながら「これは、カラヤンの指揮と似てるね~」とか話してるんだもん。これを見てクラシックのコンサートに行ったことない視聴者が「え、演奏会中に喋ってもいいんだ」って勘違いしないだろうか・・・。ま、ホントに喋ってる人たまにいるけどね。

それにしても、あの番組は毎回とっても面白い。テレ朝っていろんなこと考えるよね。

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他に、最近印象に残ったドラマ。

「鹿男あをによし」

すでに各地で語られていると思うんですが、今頃すいません。
第1回しかまだやってないが、奇想天外ですごく面白かった。私は、「のだめ」より面白いかと。玉木宏さんも千秋様よりこっちのほうがイイかもと思う。綾瀬はるかちゃんのボケっぷりもよいし。
原作読もうかなあ。

Book 鹿男あをによし

著者:万城目 学
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「だいすき!!」

つか、まだまともに見ていない。予告だけ見てウルウルし、本放送は見逃して昨日再放送を後半だけ見た。本来私は涙腺が強いのだが、コレはイカン~と思う。知的障害の女の子が子供を産み育てる話だが・・・。ときおり流れるドヴォルザークの「母が教えたまいし歌」がもーダメだ。(多分、そんなトコで「泣ける~」と思ってる人全然いないと思う。)

Book だいすき!! 1―ゆずの子育て日記 (1) (Be・Loveコミックス)

著者:愛本 みずほ
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2008年1月18日 (金曜日)

アルマ・マーラー/歌曲:キルヒシュラーガー

P1000885 アルマ・マーラーの歌曲:「静かな町」、「父の庭」、「生暖かい夏の夜」、「お前のもとでは打ち解けられる」、「ぼくは花のもとをさまよう」
アンゲリカ・キルヒシュラーガー(メゾ・ソプラノ)、ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)



日曜日には雪が降るという噂もある東京地方。皆様いかがお過ごしでしょうか。寒い。

さあて、今日はですね、このblog始まって以来やや停滞気味の女流作曲家シリーズ。リリブーちゃんばっかりで申し訳なく。いや、他にもまだいるんだけどね、女性作曲家。
そんな中、本日ご紹介のCDは、知名度から言えば間違いなくナンバー1の、グスタフ・マーラーの奥さん、アルマ・マーラー(=ウェルフェル)の歌曲。

アルマの旧姓はシントラー。マーラーと結婚時はウィーン一の美女と名高かった。そうそう、今若かりし頃の写真を見てもなかなかの丸顔美人。

Alma 画家シントラーの娘として生まれ、クリムトなど画家に囲まれて育ち、ツェムリンスキーに作曲も習い、その美貌からいろんな芸術家と浮名を流した。色んなジャンルの夫と3度結婚し(音楽家、建築家、詩人)、その他にも画家やら色々な恋愛関係があったようだ ・・・ような気がする。

このように稀有な人生経験から、マーラーとの生活を書いた本とか自分の伝記とか遺しているが、これらの著作はとても面白い反面、もしかして話半分に聞かないといけないかもしれないなあとも思う、石原真理子の暴露本ばりに。美人な女というのは、自分をよく見せたいばっかりに、表現に誇張が多いような気がする。しかも美人な女というのは悪く言ってヒロイン気取りなとこが多い。オマケに美人な女というのは、「自分は綺麗だから、何をしても許されるのよ」とカンチガイすることが多い・・・いやホントに許してしまう男性が多いのは事実だ・・・ワタシの経験から言って。アルマの著作を読むと、そんなことを考える。子供の頃に読んだときはそんなでもなかったけれども。何か美人に恨みでもあんのか?ワタシ。

まあ、それはそれとして。同性から見てアルマという人間はとても興味の沸く対象である。しかし長いこと、彼女の作った曲は私は聴いたことがなかった。このCDが発売されて聴いたのが初めてだったと思う。

とはいうものの。

本CDのアルマの歌曲は、たった5曲しか入ってなくて、メインはアルマゆかりの作曲家コルンゴルトとマーラーの歌曲たちである。以前ご紹介したツェムリンスキーの「フィレンツェの悲劇」の余白にもアルマの歌曲は収められているが、今日はウィーンの銘菓・・・じゃなくて名花キルヒシュラーガー盤で。なんたってこのCDジャケットは綺麗だから、殿方の目の保養にもなるってもんである。歌は清潔感に溢れていてなかなかよい。このCDは彼女のソロ・デビュー盤のようだ。

(実のところ私はウィーンで彼女の舞台を見たが、そんなに期待するほどお綺麗でもなく、ウィーンのそこらへんのおねいちゃんだった・・・ってのはどっかに書いたかもしれない。「こうもり」のオルロフルキー役だったからかもしれないが。)

で、アルマの曲だが。調性はあるものの、昨年末に若杉さんの指揮で聴いたベルクの初期の歌曲に雰囲気はかなり似ている。一曲目の「静かな町」から漆黒の夜、世紀末ウィーンの官能的な闇を思わせる。ボヘミアの田舎からやってきたマーラーとは全く作風が違う。師匠ツェムリンスキー直伝の、ウィーン世紀末音楽そのもののようである。そして私にはとても親しみ易い。

マーラーがアルマとの結婚時に「作曲はやめるように」と彼女に言ったのは有名な話である。なのでのこされた作品は大変少ない。このCDの歌曲は彼女の結婚前に書かれたものである。

たまに考える。もし彼女がマーラーと結婚してなくて、ツェムリンスキーと結婚でもしてたら、もっと色々な作品・・・もしかして交響曲とか、オペラとかを残してたかもなあと思ったりもする。でも、これほど有名にはなってなかっただろうな。まあ、仮に誰と結婚しようがヴァラエティに富んだ人生を送ってただろうなあとは思うんだけど・・・美人な女というのは



Book グスタフ・マーラー―愛と苦悩の回想 (中公文庫)

著者:アルマ マーラー
販売元:中央公論社
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アルマ・マーラーに恋した生物学者―生命の響き

Book アルマ・マーラー―ウィーン式恋愛術 (女たちの世紀末、女たちの20世紀)

著者:フランソワーズ ジルー,Francoise Giroud,山口 昌子
販売元:河出書房新社
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Yes ! Takasu clinic !

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2008年1月17日 (木曜日)

マックス・トラップ/ピアノ協奏曲:メンゲルベルク&ギーゼキング

P1000882マックス・トラップ:ピアノ協奏曲
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)
ウィレム・メンゲルベルク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

(1935年・ライブ録音)



えーとね。今日も寒いね。
昨日は、近所の商店街でついに、「ゆたんぽ」を購入。 ↓これと同じもの。

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ゆたんぽ、遠い昔に実家で使用していた・・・ような。毎晩やかんのお湯をごぼごぼ入れて、布団に入れていたような記憶が。

ゆたんぽ、久しぶりに使って驚いた。グッジョブ!ゆたんぽ。さすがこのところ流行しているだけあって、素晴らしい。朝までもう、虜である。まるでお風呂に入って寝ているような気分を味わえる。ああ、極楽極楽。

しかし、エコロジーという点ではどうかな。

私の買ったのは小型なのに2.2リットルもお湯がいる・・・これってけっこうな量である。それをわかすのにガスを使う。全然エコじゃないと思う。もしかして電気あんかのほうがエコロジーじゃないか?と思うんだけど。・・・まあいいや、深く考えないようにしよう。快適ならばいいんじゃ。



・・・。

で・・・。今日は一時期、塔でたくさん(すげー安く)売っていたコンセルトヘボウ・シリーズの一枚。

本日鑑賞いたしたのはナゾの作曲家、マックス・トラップ(1887~1971)。ネットで調べようと思ったのだけど、ほとんどお手上げ(「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐ばっかり出てくる)。ウィキペディアにも詳しいことはなんも載ってない。ウィキの中では関係ありそうなのがソフィー=カルメン・エックハルト=グラマッテって女性作曲家で、「マックス・トラップに作曲を師事」とある。あと、諸井三郎氏の作曲の先生でもあったらしい。というようにどこの記述でもあくまで作曲の先生であったらしいが・・・こんなではどんどん核心から遠のいていくようである。

誰か、教えてください。助けてくださ~い!! (って書くと、ここの読者さんたちは突拍子もないほど知識が豊富だからすぐ教えてくれるよ、きっと。)

えーと。肝心のこのピアノ協奏曲。意外と素晴らしい。名前から言ってドイツの作曲家なのだろうか。

このCD、実は同じ顔ぶれのラフマニノフP協2番が最初に収録されていて(いや、本来はこっちがメインだろー)、もちろんあまりにもゆーめいな曲だしこの演奏も早めなテンポで素晴らしいのだが、その次のトラップの協奏曲もなかなかいい曲なのである。だれか共感してくれ。

ピアニスティックな魅力もありいの。印象派っぽい魅力もありいの。しかし現代音楽っぽい不協和音もたまに聞こえるし、われわれヲタにはたまらないマニアックな魅力が満載だ。まあ、弾いている人が世界的大ピアニストってのもちょっと得をしているのかもしれない。

第1楽章 モデラート-アレグロ 
ラヴェルとかそんな感じの魅惑的な響きで始まる。ドイツものというよりはややおフランス寄りな響きがする。第1楽章終わって何故か拍手が。
第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ
とらえどころのない、不安な感じなのがよい。
第3楽章 ヴィヴァーチェ
激しいピアノ独奏で始まる。うまいなあギーゼキングは。ピアノの不協和音がストラヴィンスキーっぽくもあり、なんかかっこいい。ジャガジャン!とかっこよく終わる。

一応、今もアマゾンで入手できます(・・・と思う)。882円だと。非常に録音が古いので、命知らずの方は買って聴いてみてください(←いやそんなでもないです。ノイズは多いが)。埋もれさせるのはもったいない。

Music Rachmaninov: Concerto for piano in Cm; Beethoven: Egmont Op84

販売元:Audiophile
発売日:2001/05/29
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それと、アマゾンで見たらクナの指揮で「管弦楽のための協奏曲 (世界初演)」ってのもある。在庫あと一点!クナ・ファンは聴くべし(よく知らんが)



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2008年1月15日 (火曜日)

マルケヴィチ指揮/リリ・ブーランジェ集

P1000881リリ・ブーランジェ:「深き淵より」、「詩篇24&129」、「古い仏陀の踊り」、「ピエ・イエス」、ヴァイオリンとピアノのための3つの曲
オラリア・ドミンゲス(コントラルト)、ミシェル・セネシャル(テノール)
イーゴル・マルケヴィチ指揮/ラムルー管弦楽団
ユーディ・メニューヒン(ヴァイオリン)、クリフォード・カーゾン(ピアノ)


このところ寒いねえ。寒さには比較的強いつもりだったんだけど、このところの東京の寒さにはちょっとキレています(うぎゃあああ!!)、まー、何人たりとも寒いんですけどね。

そんな日は、間違いなくおでん。おでんはまあ今時はコンビニでも売ってるし、スーパーでも一人ぶんパックで売ってる。

でも今日はちゃんと、スーパーでおでんだね買って作ってみた。大根と手羽先も入れてねグツグツと。卵は入れなかった。
なんだかいつもよりハイグレートな感じのお高いセットだったので(なんか宮城県からやってきた水野水産ってとこのだった。有名なのかな?ちくわにバッチリ焼印とか入ってたし)びっくりするくらいうまかったす。実家の母の味を軽く凌駕。

P1000880 半分食べたあとですいませんが一応写真。






で。今日はおでんなんか暢気に食べている気分にはとてもなれない、リリ・ブーランジェの曲集。彼女の曲の録音では古典中の古典、マルケヴィチ盤だ。

過去記事:薄命女流作曲家Ⅱリリ・ブーランジェ

マルケヴィチは指揮者界でも一二を争うコワそうな容姿だが(で、1位って誰だ?)、ここではまさにそんなイメージどおりの演奏をする。

以前取り上げた、姉ナディア女史の指揮したものよりも、求心的というかことさら激しい演奏である。女性の作品であるという優美さはどこへ。最初の「深き淵より」など、ゾゾーと震えるほどコワイ。あたし、もしかしてなんか悪いことした?なんかした?というような。

なんやよくわからんけど、映画の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」やらフランキー堺主演(←古い)の「私は貝になりたい」とかの最後の処刑シーンとか思い出しちゃうよう。とにかく死と隣り合わせ感満載でなのである。オラリア・ドミンゲスの深い歌唱も素晴らしい。確かこの人、(指環の)エルダとか歌ってなかったっけ?どっかで。

それと(だいぶすっ飛ばして)、このCDの声楽曲の中でも静かながらフツフツとクルのはボーイ・ソプラノを起用した「ピエ・イエス」である。子供を使うなんて、これはもはや反則である。聴いていると色々なイメージが沸いてくる。もう余命いくばくもない(きっとこの子は小児ガンだと思う)、ベッドに横たわる少年の姿だったり、昨年上野の「ムンク展」で見た「病める子供」の絵とか。胸が締め付けられる。最後にアーメンとか言われちゃうし。

そんな息もつかせないほどの緊張感溢れる声楽曲のあとに、ヴァイオリンの気の利いた小曲がちょろっと聴けるのはちょっとほっとする。しかも名手メニューインが弾いている。
1、夜想曲
2、行列(?)
3、春の朝に

一曲目は優雅で優しい夜のイメージ。二曲目は陽気にステップ踏んでる感じ。彼女にもこんな曲があったのか~。三曲目は「ああ、この人フランス人だったのね」と思い出す、印象派っぽい曲。しかし後半はどんどん激しくなり、アンコールとかで弾いたらばっちり決まりそう。ま、メニューインだからうまいに決まっているけど、ホントに聞き惚れてしまう。短い曲だが。



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↓これは?誰か持ってます?

Lili Boulanger: Clairi解es dans le ciel; Les sir餓es; Renouveau Lili Boulanger: Clairieres dans le ciel; Les sirenes; Renouveau

販売元:Helios
発売日:2004/03/29
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2008年1月13日 (日曜日)

浅草歌舞伎と昭和散策の旅2008

Pa0_0205新春浅草歌舞伎・第2部
祇園祭礼信仰記金閣寺・与話情浮名横櫛
片岡愛之助、中村獅童、中村勘太郎、中村七之助、市川亀治郎、市川男女蔵、坂東巳之助、中村亀鶴、その他

(2008年1月13日 浅草公会堂)



今日は本年初ライブ。恒例の新春浅草歌舞伎。前年は友人と一緒だったのだけど、彼女が今年はパスとのことで、自分勝手にちい散歩。

まず、前からすごく欲しかった犬印鞄製作所の鞄を買いに行き、ゲットして大喜び。しかし、すごく荷物になって一日困った。店が閉まるのが早すぎるもんだから歌舞伎の帰りに行くわけにいかなかったのね。


↓楽天での購入はここから!






そのあと、浅草寺へ遅い初詣。いやあ、さすが連休、混んでますな。

Pa0_0199 人ごみをかきわけ死に物狂いでお賽銭を投げ入れ、願い事を10回くらい必死に唱え(願いは一つ)、荷物が引っかかりながらも脱出。「日本一 凶・大凶の配合が多い」と言われる浅草寺のおみくじに挑戦。

土曜日に会った友人がダンナさんと浅草寺初詣で「凶」を引いてヘコんでた。確かに凶は多いらしく、私の前のカッポーの女の子も「凶」を引いてびびってた。私は有難いことに「吉」だった。たった一人で初詣なんか行って「凶」なんて引かれた日にゃー、浅草寺のカミサマも「もうこの人今晩自殺しちゃうかも」と思ったのかもしれん。

Pa0_0200
良かった良かった。今年も宜しくね。来年も来るね。

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Washing off all bad things in the past,now everything is clear and clean.

The brilliant light and glorious flower came out clean again being washed so well.

What you desire will finally gets profit, which means everything around you comes out quite well.

Time passing by, everything turns out to be better, just like the sun shines all day long.

(おみくじより。ホントにそうだといいねえ)

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そのあと、浅草を散歩。昭和レトロの世界を探検。正月だけあって屋台がいっぱい出ていて、屋台の奥で飲めるようになっておりまるで東南アジアみたいな風情。普通に串焼き屋さんなのにカニとかホタテとか店先に積んであったりとかして豪華。

「浅草の父母」って占い館もあった。まあ、「新宿の母」よりは父にも母にも意見が聞けて有難い気はする。

Pa0_0204 Pa0_0201











写真は浅草観音温泉。うーん、昭和だね。「男は黙ってサッポロビール」だと。by三船敏郎(?)。今は「踊り」とかはないだろうなあ、さすがに。


Pa0_0202 映画館。いやあ、いつもここのチョイスはグッドですね。まあ、普段は高倉健さんとかのヤ○ザ映画をよくやってますね。映画館から出てくる人が肩で風切ってみんな「健さん」になってます。

それにしても、「白い巨塔」の田宮二郎さんカッコイイですね。このポスター欲しいなあ。映画も見たいなあ。





で、さて、歌舞伎。
実は「浅草歌舞伎のお弁当ってどうなの?」という検索がこのところ結構ありましたので、一応書いておきます。まず入り口付近で普通に「歌舞伎茶屋」のお弁当屋さんが出てます。私はいつもここで買います(今日は1500円のにしました。大奮発。もっと安いのもある)。他にカツサンドとかあります。お茶はコンビニで買って行ったほうが安いかも。

券を切ってもらって中に入ると、お土産用に柿の葉寿司やさば寿司なんかも売ってました。
Pa0_0208 奈良からやってきた柿の葉寿司900円。大好物なので夕飯用に買いました。翌々日の昼間まで賞味期限アリでうれしいね。
他にお団子とかの浅草のお土産の和菓子を売っています。美味しそうだった。

他に食べ物以外のお土産としては、絵葉書セット(主要出演者集合)、一筆せん、エコバッグ、セロハンテープ(?)カレンダー、歌舞伎手帳など。絵葉書セットを友人に購入。ブロマイドなんかも売ってます(一枚500円。買わなかったけど)

で、開演。(写真は文とは関係ないけど殺風景だったので入れた)

Pa0_0206 「お年玉」と称した日替わりの出演者の舞台挨拶。去年は男女蔵さんだったが、今年は私がファンの愛之助さんだったです。偶然ですがホント有難かった。

まあ、歌舞伎役者さんだから最初は「おねぐゎい(チョン)、もうしあげたてまつりまするぅ~」みたいに江戸時代?の人になって出てくるが、途中から現代の関西のおにいさんに戻ります。イメージどおり実直な青年のようで安心します。

今日は観客の皆さんに質問を受け付けていて、挙手してあてられた人には手ぬぐいを配っていました。一階の人だけだったので私は質問できなかった(まあ、引っ込み思案なので一階席でも多分しなかったと思う)。好きなタイプの女性を聞かれて、少しビビリながらも「疲れているので癒される女性」と答えていた。よおおし、明日からアロマテラピーと足ツボマッサージ習いに行くぞおおお!!!(←ウソ)

Pa0_0207 最初の演目、 「祇園祭礼信仰記金閣寺」は舞台装置が華やかなわりになんだかなタイクツな演目で(ごめんなさい)、私の隣の女性も周りの人も結構舟こいでました。私もよくわからなかったのですがね。今年の干支にちなんで、ネズミが出てくる演目だったのかもしれませんが、子役がきぐるみで出てくることを期待してたのに、黒子が動かす原寸大のちっちゃいぬいぐるみでした。

お姫様役の亀治郎さんは、意外と(←失礼!)お綺麗で驚きました。普段はそんな感じじゃないのになあ。勘太郎くんは外見もですが声がものすごくお父さんに似てて、あれ?勘三郎さん出てるの?くらいのオドロキでした。獅童さんは、意外性のないキャストで(ケレン味いっぱいの悪役)ちょっとガッカリ。去年の女形役は面白かったのになあ。

で、目的であった「与話情浮名横櫛」は、こんなふうに題名だけ書くと「なんじゃらほい」と思うかもしれんが、昔に春日八郎さんが歌ってた「お富さん」の話である(・・・って書いてもワカラン人が多いと思うが)。♪いきなくろべえみこしのま~つにあだなすがたのあらいがみ~死んだはずだよお富さん~生きていたとはお釈迦さまでも知らぬ仏のお富さん~♪ という歌である。(幼少の頃、父がよく歌っていたのでうろ覚え。歌詞あってないかも)

愛之助さんが主人公の与三郎役、相手役のお富さんが七之助さんである。二人ともまだまだ若いなあと思った。愛之助さんは遠目に片岡仁左衛門さんにそっくりだと思った・・・血のつながりはないが。しかし、仁左衛門さんが与三郎だったらもっとヴェテランの味でうまいんだろうと思う(先日観にいった牡丹燈籠でやっぱりいいなあと思った)。でも愛之助さんはすごく頑張ってらっしゃった。これからも愛之助さんの成長を見続けるんだ、私は。余談だが、着物のすそをはだけて見える足がせくしいだった。

有名なセリフ、「え、御新造(ごしんぞ)さんぇ、おかみさんぇ、お富さんぇ、いやさ、これ、お富、久しぶりだなぁ。」の前の「待ってました!」の掛け声がイイねえ。

あと、小山三さんがお元気そうでよかった。長生きしてね。

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Pa0_0209 家に帰って食べた柿の葉寿司。美味しかった。さば寿司が柿の葉に包んであるだけでなんでこんなに美味しいのかは不明。



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クラヲタの方々ごめんなさい、音楽の話はまたね。
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2008年1月12日 (土曜日)

ポポフ/室内交響曲

P1000878ポポフ:室内交響曲ハ長調
モソロフ:4つの新聞記事、3つの子供の歌/他
アレクサンデル・ラザレフ指揮/ボリショイ劇場ソロイスツ・アンサンブル ネリー・リー(ソプラノ)他





昨日は、友人と前から気になっていた水道橋の鉄板料理屋「オキドキ」に行きました。

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昭和レトロっぽい内装で、ネットで見て惹かれたのですが、想像していた感じと違い、店員さんたちが物凄く明るくて元気よくてすごく親切で正直ちょっとヒクものがありました。ま、しっとりと語り合いたい人はちょっと違うかもと思う。元気なのはいいこと・・・か。

まあ、私はお酒が飲めておいしい料理が食べられれば何でもいいのですが。何でもおいしかったけどとくにイベリコ豚のカルビが美味しかったです。金曜だったので8時ごろにはかなり混みあっていました。また行きたいです。友人もとても楽しかったと言ってた。


さて。


今日は(も)、オリンピア(メロディア)で以前出ていてとても安く入手したCDのシリーズ。

ポポフって作曲家、他の曲はたぶん聴いたことないんだけど。交響曲第1番が輸入で出ているようだよ。タワレコの記事はかなり気合入っている。

←ボッツスタイン盤

ガヴリイル・ニコラエヴィチ・ポポフ(1904–1972)ソ連のロシア人作曲家。

1922年から1930年までレニングラード音楽院でニコラーエフ、シテインベルク、シチェルバコフらに師事。ピアノ曲《表現》作品1がアルノルト・シェーンベルクに献呈されているように、ブゾーニや新ウィーン楽派の影響のもとに作曲家として活動に入る。大胆な才気においてショスタコーヴィチにも匹敵すると認められ、《室内交響曲(またはフルート、トランペット、クラリネット、ファゴット、ヴァイオリン、チェロとコントラバスのための七重奏曲)ハ長調》や無調の《交響曲 第1番》は、進歩的な作品としてセンセーショナルな成功を収めた。

やがてショスタコーヴィチのように当局と衝突して、より伝統的な音楽語法で作曲するに至った。(ウィキペディアより)

で、この室内交響曲。いやこれはとてもいいぜえ。まあ、時代的に普通にショスタコーヴィチっぽくもあるが、シェーンベルクなんかのドイツ・オーストリア系の感じにも近いかも。前衛的だけどちゃんとメロディもある。もしかしてシェーンベルクの同名の「室内交響曲」に影響を受けているかもな。腕のよいソリスト級の楽団員がバリバリ演奏したらすごくカッコイイと思う。(よくわからんが日本のSFアニメとかに使われてもいいかんじだ)

第1楽章 モデラート・カンタービレ
フルートなどでやや不安な朝の目覚めみたいな感じで始まるが、だんだんと希望が感じられる。で、また少し不安になる。

第2楽章 スケルツォ-アレグロ
トランペットとクラリネットの鋭い旋律で始まる。ちょっとマーラーのスケルツォを思い出す軽快さ。途中ゆっくりとなり、温かみのあるメロディが登場する。心に深く食い込むような感じでここは印象に残る。またスケルツォに戻る。

第3楽章 ラルゴ 
ゆっくりと弦ではじまり最初ちょっとバッハの曲っぽい。・・・正直、ここは長くて退屈。

第4楽章 フィナーレ-アレグロ・エネルジコ
また、曲に快活さが戻ってくる。第2楽章のきれいなメロディの再現。曲はどんどん急速さを増して、最後はワクワク感を残して終わる。演奏する人もなんだか楽しそうだ。

全体で35分くらい。このポポフって人は、このまま自己の作風を貫き通してたらかなり傑作を残せたのではないかと思う。ああ、なんと惜しい。きっとこういう作曲家がいっぱいいたんだな、ロシアは。

ついでに。このCDに収録されている、「鉄工場」でおなじみのモソロフの大変可愛らしい歌曲集が収録されている。

新聞記事の広告を歌詞にした歌曲・・・といっても短い3行広告を歌詞にしたらしく(医薬材料を売る店、戸籍役場、行方不明の犬を探す人、ネズミ退治の業者の広告・・・らしい。)、そのマジメなヒョウキンさに笑う。対訳なくて残念。

子供の歌・・・ネコに向かってニャーニャー言ってる女の子、ズーズーズーズー言いつつおもちゃを壊して困ってる男の子、「アッアー、バブシュカ~」と、おばあちゃんをせかす男の子・・・という詩(らしい?)。ともかくどれもすぐ終わってしまう。

このCD、他にZhivotovという人のちょっと魅力的な小曲やチャイコフスキーっぽく心に染みるミヤスコフスキーの弦楽オケの曲もアリというかなり魅惑のCDなのだが、ちょっと長くなっちゃうので、残念今日はこのへんで。

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順位~あがってきた~!有難うございます。
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2008年1月10日 (木曜日)

ニールセン/コンモティオ

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カール・ニールセン (ボー・ホルテン 編曲)
 コンモティオ (Commoitio) (管弦楽のための編曲による)
 歌曲集〈6つの歌曲〉 (ルーズヴィ・ホルステン詩) リンゴの花 (Æbleblomst)
 歌曲集〈歌と詩〉 (J・P・ヤコブセン詩)
 - 絹靴は金の型から (Silkesko over gyldne læst) 報いはある (Det bødes der for)
  風俗画 (Genrebillede) 「モーエンス」の歌 (Vise af "Mogens")
 歌曲集〈5つの詩〉 (J・P・ヤコブセン詩)
 - スルタンの宮殿の庭で (I Seraillets Have) イルメリンのバラ (Irmelin Rose)
 ヴァイオリンソナタ第2番 (ヴァイオリンと管弦楽のための編曲による)
  ヘンリエッテ・ボンデ=ハンセン (ソプラノ) ビャーネ・ハンセン (ヴァイオリン)
  オーゼンセ交響楽団 ボー・ホルテン (指揮)





おとといだか、フジテレビの新ドラマ「ハチミツとクローバー」を見ました(原作は読んでない)。「のだめ」の美大版なのかと思ったら、こっちはあんまりドタバタではないのですね。私は音大には縁がないのですが、美大に通ってたのでこのドラマは大変懐かしいです。そうそう、こんな感じだったんだなあ・・・なんて。久しぶりに絵が描きたくなる・・・多分描かないけど。

ヒロインの成海璃子ちゃんはオドロキの中学生。飛び級か。

で、この登場人物の一人の部屋が、北欧風ファブリックに囲まれてて可愛かったな。私の学生時代はみんな貧乏だったから(とはいうものの、地方からやってきて美大に通う子は貧乏ではないです。自宅から通ったってかなりお金かかりますし。)こんなオシャレな部屋の子は誰もいなかったです・・・ま、時代もあるかなえー、ところでアクセス数が昨日は多かったす。みなさんありがとう。さすがはマーラー。このブログが2ちゃんねるに載る日も近い・・・(←これは不安・・・いやだなあ)。

で、人気の記事のあとは、ややマニアックな内容のCDを。しかし、ワタシあんまり詳しくないカール・ニールセン。実際のところ、CDは持ってるけど交響曲は聴きこんでないし(「不滅」、正月に実家でCD引っ張り出して聴いたが、あまり以前聴いた記憶がない)。ま、オペラ「仮面舞踏会」は持ってるけどね。

(ワタシの北欧音楽鑑賞・・・基本がなってない。)

実はこのCDは以前紹介しました、私のお気に入りの一枚「デンマーク版ディーリアス」と同じシリーズのようです。同じダナコード・レーベルで指揮者ボー・ホルテンとソプラノのボンデ=ハンセンは同じ。管弦楽編曲も同じボー・ホルテン。

まず、コンモティオって曲。作曲者最後の大作とのこと。もとはオルガンのための曲で、それにしちゃ24分もかかる。実は原曲を聴いたことがないんだけど、この管弦楽編曲を聴く限り、一曲の交響曲を聴いているようだ。ブラームスに北欧の香りを足したような、堂々たる曲である。冒頭からかなり引き込まれる。きっとホルテンの編曲もうまいんだろう。

そのあとの歌曲集は初期の作品ということで、やはりホルテンの管弦楽編曲によるもの。同じ歌手で編曲者のせいなのか?前記のディーリアス・デンマーク語版と雰囲気は似ている・・・もしかしてマーラーの世界にも近いかも。あいかわらずデンマーク語の微妙な発音が本当にここちよい。うー、素敵だ。詩がまた、ヤコブセンのがあって、ディーリアスの歌曲と同じのが使われてたりする・・・イルメリンとか絹の靴とか。ディーリアスとの聴き比べも楽しい。

もっと聴きたいなあと思うんだけど、歌曲は残念ながら7曲しか入ってない。ここでもボンデ=ハンセンはとってもさわやかなうたいぶりでとっても好感が持てる。このCDを買ったのだって(そして「仮面舞踏会」も)彼女のデンマーク語の歌が聴きたいからだったのだ。

最後の曲はヴァイオリン・ソナタ第2番を編曲したヴァイオリン協奏曲。これまた原曲を知らないんでなんとも言えないけれど・・・原曲が聴いてみたいです。私よくわかりませんが、「協奏曲」というにはちと編曲がこじんまりしすぎています。どっちかっつーと「管弦楽伴奏つきのヴァイオリン・ソナタ」といった風情。しかもなんとなく終わってしまう。

あいかわらず、守備範囲外のCDの感想はこんな感じなので申し訳ない。値段もお高いので万人むきではないですが・・・。録音は北欧らしくたいへん良好です。


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2008年1月 7日 (月曜日)

歌え!千人の交響曲

P1000877 マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」
エリザベス・コネル、イーディス・ウィーンズ、フェリシティ・ロット(ソプラノ)、トゥルゼリーゼ・シュミット、ナディーヌ・ドニーズ(アルト)、リチャード・ヴァーサル(テノール)、ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)、ハンス・ゾーティン(バス)
クラウス・テンシュテット指揮/ロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー合唱団、ティフィン少年合唱団


また!千人の交響曲登場。なんたって好きなのだからしょうがない。

今日は定評のあるテンシュテット盤。

第1部よりも第2部の感銘深さが素晴らしい。イギリスの合唱団のため、ドイツ語圏の合唱団に比べてどうもコクとかが足りなくてサラサラ流れていってしまうのが(まー、これは仕方ない。ロンドンでハイティンクのリング聴いたときも思った)気になるときもあるが、どうもお祭り騒ぎとなりがちになるこの曲がもっと深い音楽に聴こえる。ことに「神秘の合唱」は泣ける。テンシュテット、惜しい人を亡くした。

・・・と、普通に演奏についてはこれくらいにして(←短)。

どっかで書いたのかもしれないけど(書いたぞ)、私は一回だけ合唱団に入ってたんだ。もうそれでやめちゃったんだけどね。

レパートリーは一曲。千人の交響曲。ふふ、「復活」しか振らないギルバート・キャプランみてえだぜ。

それはまだ私が学生の頃。女友達とコンサートに行って・・・確か曲は友人の知り合いの出る「マタイ受難曲」全曲だったと思うのだけど、「合唱団員募集」のチラシが入っていたのね。オケは東京都交響楽団。

その場で友人とわーわー盛り上がって、参加することに決めた。練習期間は半年だったかなあ一年だったかなあ。週一回どっかの文化センターの一室とか、リハーサル室とかでやってた。本番は東京文化会館でした。

ソリストは今考えるとそーそーたるものだったと思う・・・伊原直子さんとか、木村俊光さんとか。あんまり前の話なので忘れたがそんな感じ。

(文化会館! 本番前にソリストの使う楽屋とかトイレとか見て大興奮。トイレ、でっかいドレスで入っていいように広いんだな。楽屋で頭をくるくるカールしてた独唱者の一人がちらっと見えたりして。舞台わきの来日演奏家のサインとかも見たよ。)

指揮者は・・・今考えると貴重ナリ。ズデニェク・コシュラーさん。(意外と早くにお亡くなりになり、びっくり。残念でありました)

ズデニェク・コシュラー (Zdeněk Košler, 1928-1995)は、チェコの指揮者。カリスマ的なスター指揮者ではないものの堅実でバランスの良い演奏に定評があった。東京都交響楽団の客演指揮者としてたびたび来日しており、日本でも親しまれた指揮者である。

まあ、オーディションなんかぜんぜんなくて参加費さえ払えば誰でも参加できた。関東地方のマーラーヲタロウニャクナンニョ大集合。今考えるとなんて無謀な。合唱指揮者の郡司先生も随分ご苦労なさったことだろう。

私(と友人)は声が低いので、第2アルトにした。

私はブラスバンド部とかだったので楽譜は一応読めたけど、合唱用のスコア(全パート&ピアノ伴奏)にはかなり苦労。っつーか、合唱団だってかなりのパートに分かれていたから楽譜の細かいこと細かいこと。音もなんだか中途半端だしとりにくい。あっというまに楽譜がエンピツの印だらけに。

まあ、大好きな曲であるから練習の楽しいこと、楽しいこと。合唱とはいえ、憧れのマーラーの演奏に参加できるなんて、本当に信じられなかった。ヘッタクソだったけど、本当に一生懸命練習しました。まだ歌えるよ、きっと。

・・・中略・・・。

で、やっと練習期間が終わり本番が近づいたので、舞台に乗ってリハーサルをした。まあ、ご存知の通り文化会館の舞台に千人乗るのは大変な騒ぎ。本当に千人もいたのか、記憶がないけれども。出演する合唱団がひな壇のキャパシティを越えていたのは確かで。

ひな壇のウラには転げ落ちてもいいように、布団とかマットレスが敷いてあった。演奏中に「うわあ!」なんて落ちるのもありか?トスカか?

そんなこんなで。当時まだ若く冷静だった私はそんなでもなかったのだが、合唱団のオバちゃんたちの不満は頂点に達し、

こんなんじゃうたえませーーーん!!!

と、シュプレヒコール。でももう仕方ない。後へは引けないのだ。歌え!歌うんだ!!ジョー!!

コシュラー先生は、最後のオケ・リハーサルのときにやっと現れた。著名な外人の指揮者の指揮でこのド素人が歌うなんて、今考えると随分贅沢な。

リハのとき覚えているのは、都響の打楽器奏者の人が怒ってた(なんだか忘れたけど)のと、第1部の一番盛り上がるとこ「アッツェンデー」を「アクツェンデー」と歌い、普通の演奏だと「アッ」で一回とめる所をとめずに続けて歌ったことで・・・「へえ、そういう解釈もあるんだな」と思ったくらい。

本番で覚えているのはわれわれド素人合唱団の中の一人(男)が第2部最初の「聖なる隠者」の部分で間違えて「ズぅぅぅ~~~」という声を出してしまったこと、別の部分で少年合唱団の子が一人何を思ったか一箇所フライングしてでっかい声で歌ってしまったこと。

(本番後、暫くして全員にダビングして配られた本番のカセットでは、2回公演のいいところを使って収録されてあった・・・あとで聞いたら本当にヘタクソでいやになる。ごめんねコシュラーさん。)

まあ・・・本番の公演2回とも超満員で、曲が終わってブラボーの嵐。かなり盛り上がったコンサートでした。なんかすごく嬉しかったです。ちょっと涙出ました。


それと、今考えると。
・・・貧乏学生なのに(しかもマーラーなんか全然知らないのに)券買ってくれて見に来てくれたクラスの友人4人に(今更ながら)感謝したい。

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2008年1月 6日 (日曜日)

ケンペ/ナクソス島のアリアドネ

P1000876 R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(プリマドンナ/アリアドネ)、シルヴィア・ゲスティ(ツェルビネッタ)、テレサ・ツィリス=ガラ(作曲家)、ジェームズ・キング(テノール/バッカス)、テオ・アダム(音楽教師)、エバーハルト・ビュヒナー(将校)、ペーター・シュライアー(舞踏教師/スカラムーチョ)、ヘルマン・プライ(ハルレキン)、ジークフリート・フォーゲル(トルファルディン)、アンネリース・ブルマイスター(ナヤーデ)他
ルドルフ・ケンペ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン




こんにちは。
のだめカンタービレスペシャル、面白かったですね(←話題に遅れるとマズイので一応見た)。
しかし在日外タレ&ハーフタレ総動員って感じだったですね。ベッキーは私のファッションリーダー?なので彼女の活躍は嬉しかった。しかしダニエル・カールやジローラモが出てるのに、デーブ・スペクターが出ないのが残念でした。ダジャレ連発のフランス人指揮者ローニン・マズール役で出て欲しかった。指揮しながらイヤミの「シェー」とかやってほしい。 ※注・・・そんな役はありません

シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」が沢山出てきたのが嬉しかった。しかし曲名が長すぎて俳優さんにはあまり愉快でないかも。ま、あたしらは「ティル」って言えば通じるがね。 あたしらってどこらへんよ

さて。
新春一発目(かなり遅い)はやっぱりシュトラウス。今年は大ブームを巻き起こすに違いない(?)、ナクソス島のアリアドネ。シュトラウスの他のオペラに比べてオケが小規模で地味だけれどチャーミング、そして芸達者が揃わないと上演は不可能と思われるこの曲を、今年はオール日本人プロダクションで二種類も見られるのだ、ああ、何と言う幸せ。まだ東京二期会の券頼んでないけど。まだあるかな。

一応、あらすじを。



プロローグ。ウィーンのある富豪の屋敷。その日の晩に催される余興に出演する人たちが最後の稽古をしているところに執事が現れ、シリアスな歌劇「ナクソス島のアリアドネ」とツェルビネッタが出演する喜劇を一緒にやるようにプログラム変更されたことを告げる。

歌劇を作曲した作曲家は不満タラタラ、しかしツェルビネッタはこーゆーときは切り替えが早い人なのか、すぐに覚悟を決める(うらやましい性格だ)。そして作曲家はツェルビネッタのチャーミングさにちょっぴり萌え~てしまうが、そんなこんなでバタバタと芝居の幕は上がる。

歌劇。舞台は寂しい洞窟の場で、3人のニンフがアリアドネがまどろんでいるのを見守りつつ、夫に捨てられてこの島に残されたアリアドネの悲しい運命を歌う。やがて目覚めたアリアドネは途中で出てきたイタリアのお笑い芸人の人たちに慰められながらも、いっさいを忘れて黄泉の国に行くことを願う。

それを見たお笑い芸人の一味であるツェルビネッタは、人生と愛についての楽天的なコロラトゥーラのアリアを歌うが、これでもアリアドネの心は慰められない。

4人のお笑い芸人がツェルビネッタの手を取ろうと争って、ハルレキンが勝利を収め騒ぎが収まったところで、トランペットの響きがバッカスの到来を知らせる。アリアドネはバッカスを死の神と思ってしまう。自分を黄泉の国に連れ去ってくれることを願ってバッカスの腕に身を投じる。しかし、彼の接吻を受けるとアリアドネはいっさいの苦痛を忘れてしまう。

っつーわけで。たいしたすじではない。曲も短い。すぐ終わってしまう。聴いてるぶんにはそんなに恐れることはないオペラである、歌うんなら別だが。結構名盤も多い。古くはカラヤンやベームそしてこのケンペ盤、ちょっと新しいのだとレヴァインやマズア、シノーポリなんかがある(手に入るのと入らないのとあるけど)。そのうち聴いたのはケンペの他はマズアとレヴァインと映像のほうのベームだけ。本当はせめてカラヤン盤は欲しいとこである。シュワルツコプフも出てることだし。

ベームの映像は素晴らしい。世界遺産と言ってもいい。まづ作曲者直伝の指揮者ベームがVPOを振ってるだけでも有難い。ヤノヴィッツとコロもスゴイが、なんといってもツェルビネッタをグルベローヴァが歌っているのが何ともよい。しかし贅沢な悩みだが、私はあの長大なアリアを歌うときのグルベローヴァのカメラ目線が気になって曲に集中できない。

さて、ケンペ盤。この名盤をいったいどこからやっつけてよいものか。なんといってもあのキング皇太子がバッカスを若い声で歌いまくっているのだけでもこのCDはヨイ。1982年のザルツブルグでのサヴァリッシュ盤(オルフェオ)でも歌ってるみたいだがなんたってアンタ、ケンペ盤は1968年録音。このときまだ43歳。まだまだ、ぴっちぴちやで(←ザ・ブングル風に)

まあ、それはそうと。普通何より先に書かなければならんのは名シュトラウス指揮者ケンペによる指揮とドレスデンのオケのコトであろう。

残念ながら私はドレスデンの昨年の来日公演に行かなかったので(チクショー、イタ公イタリア人指揮者&モリマキで油断してたぜ。しかも高価だったし)、ナマ演奏がどんなもんなのか未体験なのだけれど、このCDで聴けるオケの音というのはやっぱり他のCDの音とは一味もふた味も違う。典雅な、というのか、なんだか古いコントラバスの中に入って聴いているような(?)響き。これが伝統のシュトラウス・サウンドであるのかーと思う。小編成のオケでもそれはよくわかる、いや小編成だからわかるのかな? ドレスデンのオケを支える奏者一人一人の音が聴こえてこの録音は素晴らしい。一人一人でもちゃんとドレスデンなの。そして古い録音ながらちっとも古さは感じない。そしてケンペの指揮に何の文句があろう。もーちょっと長く生きてほしかったが。

他のキャスト。アリアドネ役といえばヤノヴィッツ。シュトラウスを得意としている彼女だが、これも最高の当たり役である。ツェルビネッタ役はどうしてもクルベローヴァの亡霊(まだ死んでないから~、引退もしてないから~)がつきまとうが、ゲスティもなかなかチャーミングだし何より人間らしくてよい。

本当はけっこうどうでもいい役かもしれないのにハルレキンのヘルマン・プライはいつもながらとっても素敵。プライが歌うとどんな役でも好きになってしまうのは困る。作曲家のツィリス=ガラも魅力的。ズボン役っていいよね。
シュライヤーやアダムは歌うとこ少ないのが申し訳ない。なにしろキング様が最後のオイシイとこを全部持っていってしまうのである。ふっ、またしてもやられたぜ。


ナクソス島


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すげー、こんなに下がった。すいませんお恵みを。

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2008年1月 4日 (金曜日)

年頭のごあいさつ。

やー、あけました。とっくの昔にあけました。
パソコン触るの4日ぶりです。みなさんお元気ですか?
私は例によって実家に帰っておりました。で、まー、ゴロゴロしていたわけですが。あ、紅白なんかもちょっと見ました。ガクトがよかったなあ。

さて、私の両親は、(以前も書きましたが)何故私がこの両親の間に生まれたのか理解に苦しむほど西洋音楽には疎いのです。気が付けば「演歌の花道」とかが普通に食卓のBGMですので(だから家を出たみたいなもんで)、正月もちょっと気が重かったのでしたが、さすがに滅多に家に帰らない娘のワガママもちょっとは聞いてくれるらしく。

「どうしても『NHKニューイヤーオペラコンサート』が大画面テレビで見たい。見せてくれたら9時からタッキーの時代劇見てもいいから。」と言ったところ、母親は快く受け入れてくれました。まー、タッキーは私も見たかったんだけども

で、食事をしながらのニューイヤーオペラコンサート。母親は「まあこんなものでしょう」と思いながら見ているのですが、父はなんとか会話をしようと私に質問したり、涙ぐましい努力をするのだな。私も最初は「この人はね、こないだ聴きに行ったらあまりに声がでっかくて頭痛くなっちゃったのよ」とか快く説明してはいたが、だんだんめんどうくさくなってきて。

サン=サーンスの「サムソンとデリラ」の司会者の説明で「このオペラの舞台は紀元前・・・」といったところ父は「え、紀元前!? すげえ昔だなあ!」と発言し、私は『えー、そこから食いつく? 食いつくのそこじゃないでしょ?』と思ったけどほっといたら、「そんな昔のこと、どうしてわかるんだ? 誰もわかんないだろう? え?」と酔っ払ってしつこいので「いや、おとうさん、これ・・・オペラだから。単なるお話だから・・・」とし、母親も「おとうさん、もうしつこいから、いちいち・・・」と言うので、食事が終わって早々に父は自分の部屋に引っ込んでしまった。(別に、コレ普通のことなんです、ウチは。ケンカしたわけじゃないです、あしからず。)

それでせいせいと、一人でテレビを見ていると、隣の父の部屋よりなんだか演歌のBGMが大音響で。しかもブラックディスクでな(←そういうとこだけ趣向が一緒だ)。オペラ・アリアと演歌のコラボレーション。ああ、実家に帰った気がいたしましただ。



そんな実家を今日は脱出してきて、ゆーゆーとバッハなど聴いています。一人は落ち着くなあ。

しかし、チチハハにはいつまでも元気でいて欲しいと思う私であります。



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・・というわけで、本年もこのblogをどうか宜しくお願いします。今年の抱負は・・・去年と一緒! 以上。

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