秀雄のこと。
今日は私と動物について語りたい。←唐突な
子供の頃。あまり長くは動物を飼ってたことはなかった。基本的に動物好きで、とくに犬や猫など毛の生えた動物は大好きだったが一度しか飼ったことはない。
それは猫の太郎。
中学生のとき、近所のノラ猫が家の庭(っていうか父の大工仕事の場)にたくさん産んでしまったので、一匹どうしても飼いたくて親に頼み込んで飼ってもらった。
可愛かろう。
しかし、どうもウチは動物があまり長生きしない家のようで、結構早く亡くなってしまった。(ちーん)
いや、そんな湿っぽい話ではないのよ、今日は。
そんなふうにウチの庭には、色々な動物が迷い込んでくるので、そのたびに私は可愛がったり飼ったりしていた。クワガタムシ、ヤドカリ・・・など。おそらく、どこかの家から脱走してきたのだろう。(まあ、どれも短命だったが)
そんな中で、とくに印象深かったのが、ニワトリ。
やっぱり中学のときだったかと思う。
彼も、突然庭に迷い込んできた。立派な白色レグホン。毛色は白くてトサカもとても綺麗だったし、誰かに飼われていたのだろう、とても人懐こかった。 ←参考資料
すぐに飼おうと決めた。鳥小屋もないのに。
名前は。
その立派な立ち振る舞いに知性と気品を感じ、「秀雄」と名づけた。評論家の小林秀雄さんから取ったのである。
彼にはとくに住処も決めてはあげなかったが、ウチのガレージの屋根の上を勝手に寝床と決めて、就寝していた。そして、毎朝4時くらいには「コケコッコー」といい声で鳴いた。
なんて早起きなんだろう、ニワトリって。
学校から帰ると、すぐさま秀雄のところに行って、「秀雄~!ただいま~」と言った。秀雄は「コッコッコ」とすぐに迎えに出てくれた。
なんて可愛いんだろう、ニワトリって。
そんなこんなで、1週間くらい経った頃、家に帰ったら、秀雄はいなかった。
母に聞いた
「おかーさん、秀雄は?秀雄は?」
母は
「さー、知らない。どっかに逃げていってしまったんだよ、きっと」
私は、少し悲しかったけど、本格的に情が移る前だったからそんなでもなかった。まーいいやと思った。鳥でよかった。ネコや犬だったらこんなでは済まないだろう。
誰かに食べられちゃってなけりゃいいけどな~。
そんなこんなで、何年も経って・・・それこそ私がもう大人になってからだが。
母親に、ある日ふと思い出して
「そういえば、昔ニワトリが迷い込んできたことがあったけど、どうしたんだろう、やっぱり逃げちゃったのかなあ」
と聞いたことがあった。
母親が少しすまなそうに、
「ああ、あれねえ・・・アンタが悲しがると思ったから黙ってたけど、おとうさんと遠くの公園に捨てに行ったの。だって、あまりにも朝早くコケコッコーって鳴くんだもの。お母さん寝不足になってしまって。」
あ、そ。
騙してたんだ。ウソついてたんだ。なあんだ。
まー今更、別にいいんだけど。
私はそこでふと考えた。親ってものは、サンタクロースのこと以来、人生においていったいどのくらい子供を騙すものなんだろう・・・と。
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コメント
>その立派な立ち振る舞いに知性と気品を感じ、「秀雄」と名づけた。
鶏は気品ある顔立ちしてますからね、僕の郷里では”肥後五鶏”といって古くから大切に育てられてきた鶏がいます(http://www.pref.kumamoto.jp/construction/section/nouken/higogokei/index.html)。
我が家にはボケキャラ丸出しのビーグルがいるし、先代は20年近く生きた柴がいました。
投稿: Shamshyraq | 2007年12月 6日 (木曜日) 23時19分
>>Shamshyraqさん
ニワトリは調べてみると色々と奥深いですね。食べるのももちろん卵も大好きですが、小学校のときに、授業で生きたニワトリをデッサンして先生に激賞されたことがあります。
犬、いいなあ。ペットがいる家が羨ましいです。まあ、そのかわり悲しいこともあるのですが。一人暮らしなのでたまに動物がいたらなあとも思います。
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ところでこの記事、頭の中で「ちびまるこちゃん」のアニメにするといっそう味わい深くなります。
投稿: naoping | 2007年12月 7日 (金曜日) 22時11分